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提言2016

共謀罪法案 政府・自民党の説明 10の疑問とウソ

2017年5月9日 共謀罪法案に反対する法律家団体連絡会

はじめに
 安倍政権が国会に提出した「共謀罪(テロ等準備罪)」について、国会の審議が行われています。
 政府のいう「テロ等準備罪」という名称そのものが、法案の内容とはかけ離れたものです。また、政府は、「東京オリンピックを控え、テロ対策のために必要」、「一般人は対象とされない」などと言って、法案を無理やり通そうとしています。また、自民党政務調査会は、3月31日、「ご地元でご説明される際のご参考」などのためとして、「『テロ等準備罪』について」と題する説明資料(以下「自民党文書」といいます)を作成しました。
 政府の説明や自民党文書には、法案の正確な解釈とは全く異なる見解が当たり前のように記載されています。その中には、国会での政府答弁をも無視したものが多々見られます。  法案の内容について、明らかに誤った情報を伝えることは、法案に対する国民の判断を誤らせ、議会制民主主義の根幹を破壊するものです。

 このような立場から、私たち法律家は、この間政府、自民党がまき散らしている「ウソ」を10にまとめ、これに対する反論を作成しました。
 法案に対する正しい判断のために、ぜひご活用ください。

①東京オリンピック・パラリンピックのために必要?
☞安倍首相をはじめ、誰もそんなことは言っていませんでした

【ミニ解説】
 安倍首相は、2013年9月7日のオリンピック招致演説で、「委員長、ならびにIOC委員の皆様、東京で、この今も、そして2020年を迎えても世界有数の安全な都市、東京で大会を開けますならば、それは私どもにとってこのうえない名誉となるでありましょう。」と述べています。
 その後、オリンピック招致に関する会議などで、「テロ対策」のために「共謀罪(テロ等準備罪)」が必要であるとの意見が出されたこともありません。
 また、安倍内閣は、2013年12月10日、「『世界一安全な日本』創造戦略」を閣議決定しましたが、そこには「共謀罪(テロ等準備罪)」」についての言及は一切ありません。
 「東京オリンピック・パラリンピックのために必要」というのは、法案を通すために、後で無理やり付けた理由にほかなりません。

②「テロ対策」のために必要?
☞法案は「テロ対策」を目的とするものとはなっていません

【ミニ解説】
 「テロ対策」を看板にして作られた法案ですが、当初の法案には「テロ」という言葉自体がなく、批判を受けてあわてて「テロリズム集団その他の」という文字を付け加えました。ところが、政府は、「テロリズム集団その他の」という言葉を加えた前後で「法案の内容には変化はない」とはっきり答弁しています。

③現行法ではテロが防げない?
☞テロ関連条約の締結をはじめ、すでに実効的な措置がとられています。

【ミニ解説】
 日本はこれまで13の「テロ」対策関係条約に加入し、関連する国内法の整備を行っています。
 自民党文書では、「わが国の現行法では、テロ組織が水道水に毒物を混入することを計画し、実際に毒物を準備した場合であっても、この時点で処罰することができません」と述べていますが、とんでもありません。殺人予備などで摘発することは十分可能です。

④国連越境組織犯罪防止条約条約締結のために必要?
☞共謀罪をつくらなくても条約は締結できます

【ミニ解説】
 そもそも、国連越境組織犯罪防止条約は、経済的利益を目的としたマフィアなどの越境的な犯罪防止のための国際協力を目的とするものであって、「テロ」防止を目的とするものではありません。また、同条約は、条約に基づく立法作業は「国内法の原則に基づ」くことが原則であると規定しています。日本国憲法やわが国の刑事法の原則に反する立法をしてまで条約を締結しようというのは、本末転倒の議論にほかなりません。
 政府はこれまで、条約第5条に基づいて、長期4年の懲役または禁錮にあたる犯罪をすべて共謀罪の対象にする義務があると説明してきました。ところが、今回の法案作成に際しては、対象犯罪を「組織的犯罪集団が関与することが予想される犯罪」に限定することは許されるとして、従来の解釈を変更しました。「条約を締結するためには共謀罪の制定が必要」という論拠を政府自らが否定したのです。
⑤「一般人は対象とならない」?
☞一般人も対象となることは、政府も認めています

【ミニ解説】
 法案は、「組織的犯罪集団」の行為として犯罪の「計画」をした場合に共謀罪が成立するとしています。ここでいう「組織的犯罪集団」とは、「その結合関係の基礎としての共同の目的が…罪を実行することにある団体」というだけで、「一般人」との区分はきわめてあいまいです。だから、政府は、通常の団体でも組織的犯罪集団に「一変する」場合があるなどとして、「一般人」が対象となることを認めています。
 自民党文書や首相らの答弁では、犯罪主体を「テロ集団・暴力団・麻薬密売・人身売買組織」などとして、「組織的犯罪集団に入っていない一般の方々が、処罰の対象となることはありません」(自民党文書)といいますが、そのような規定は法案のどこを探してもありません。
 自民党文書では、「一般のメールやSNSのやり取りで処罰することもあり得ません」と説明しています。しかし、政府は、メールやラインなどのSNSによっても、犯罪の計画(合意)が成立すると答弁しています。
 政府は、「組織的犯罪集団」の行為に当たるかどうかは、その都度判断すると答弁し、さらには「疑われた時点で一般人でなくなる」と答弁しています。結局、捜査機関が複数の人が犯罪の実行を「計画」していると疑った時点で、「組織犯罪集団」とみなされることになるのです。

⑥「準備行為」の要件があるから限定されている?
☞「準備行為」は、誰もが日常的に行う行為です

【ミニ解説】
 政府は、犯罪実行の「準備行為」という要件を加えたから、処罰の範囲が限定されているかのように説明しています。
 しかし、「準備行為」とは、「資金又は物品の手配、関係場所の下見その他」の行為で、それ自体は、日常的に行われる行為です。花見なのか、犯罪の下見なのかは、外形では判断できなません。
 自民党文書では、準備行為について、「犯罪資金の調達」、「凶器・弾薬等の手配」、「犯行現場の下見をするなどの行為」としていますが、法案には、「犯罪資金」「凶器・弾薬」「犯行現場」という文言はありません。もしも「凶器・弾薬の手配」がなされれば、それは現行法でも殺人予備などによって摘発は可能です。
 また、政府は、「準備行為」を行う以前から捜査を行うことは可能であると答弁しています。この意味でも、「準備行為」は歯止めにはなりません。

⑦内心を処罰するものではない?
☞内心を問題にして処罰することは政府も認めました

【ミニ解説】
 法案のいう「計画」とは、話したことや考えたこと(同意したこと)を意味します。ですから、「計画」を処罰することは、表現の自由(憲法21条)、思想良心の自由(憲法19条)を侵害するおそれが高いのです。
 さらに、政府は、「準備行為」の外形だけでは、共謀罪の成否は判断できないので、、その目的を調べることになると答弁しています。結局、内心で考えていることを理由に処罰することになってしまうのです。
⑧対象犯罪を限定したから大丈夫?
☞「組織的犯罪集団」とはまったくなじまない犯罪が多く含まれていま

【ミニ解説】
 政府は、対象犯罪を600余から、「組織的犯罪集団が関与されることが想定される」277の犯罪に「限定した」といいます。
 自民党文書では、「テロの実行に直接係るものでだけでも100以上ある」とされていますが、その「100以上」とは具体的にどの犯罪であるのか、政府はいまだに回答できずにいます。
 また、キノコ狩り(森林法違反)のような組織的犯罪集団とはおよそ「なじまない」犯罪も含まれています。他方で、政府・与党、警察、大企業が行いそうな犯罪はなぜか共謀罪の対象から除外されているのです。

⑨「今までの共謀罪とは違う」?
☞看板を変えても、これまで三度廃案になった共謀罪と同じです

【ミニ解説】
 政府は、今回の法案は、「組織的犯罪集団」「準備行為」という要件の限定を行い、対処犯罪も277に絞ったから、従来の「共謀罪」とは違うものだ、として「テロ等準備罪」という看板を掲げています。しかし、「組織的犯罪集団」「準備行為」という要件は、共謀罪の成立範囲を限定するものではなく、対象犯罪もまだまだ広汎に過ぎます。何よりも、「合意」段階で処罰するという共謀罪の本質は何も変わっていません。
 ですから、今回の法案は、まさに共謀罪であり、これまで3度廃案になった法案と実質的に変わるものではありません。政府自身も、適用される主体の範囲について、過去の共謀罪法案とは変わらず、今回、「明確にしただけ」だと答弁しています。
 なお、廃案になった過去の共謀罪の審議の過程で、自民党が128まで対象犯罪を絞った経緯があります。このとき、対象犯罪から除外されていた組織的威力業務妨害罪などの特に濫用が危惧される犯罪が、今回の法案では再び対象となっています。

⑩日本が監視社会になることはない?
☞いまでも行われている市民の監視がもっと日常的に行われます

【ミニ解説】
 共謀罪は、結果が発生せず、犯罪の実行行為もなされていない段階で、犯罪の「計画」(合意)を犯罪とするものです。「計画(合意)」段階で摘発するためには、その前から特定の市民、団体を監視対象にしなければならなくなります。
 すでに、現行法のもとでも、「犯罪予防」「公共の秩序維持」を口実とした市民の監視、プライバシー侵害が横行しています。
 計画(合意)段階で犯罪が成立することになれば、捜査の名の下に、さらに日常的かつ広汎な監視がなされることは明らかです。

 共謀罪法案 政府・自民党の説明 10の疑問とウソ
  2017年5月9日
  編集発行 共謀罪法案に反対する法律家団体連絡会

 (構成団体)
  社会文化法律センター/自由法曹団
  青年法律家協会弁護士学者合同部会
  日本国際法律家協会/日本反核法律家協会
  日本民主法律家協会/日本労働弁護団
 (連絡先)日本民主法律家協会
 〒160-0022 東京都新宿区新宿1丁目14番4号
               AMビル2・3階
      TEL03-5367-5430


     

大規模災害対策に名を借りる緊急事態
条項追加の憲法「改正」の危険性

2016年4月25日

世界平和アピール七人委員会

武者小路公秀 土山秀夫 大石芳野 小沼通二
 池内了 池辺晋一郎 髙村薫


安倍晋三首相は、今年7月に行われる参議院選挙を前にして、自民党および改憲に同調する政党に3分の2以上の議席を確保させ、憲法「改正」を実現させる狙いを公言している。その中で、国外からの武力攻撃や国内社会秩序の混乱、大規模自然災害等に対応するための「緊急事態」条項を新設する「改正」からやるべきだという議論が有力だと述べている。日本国憲法第99条によって憲法を尊重し擁護する義務を負っている首相は、この義務と国民主権を完全に無視し、三権分立の立法機関である国会を軽視する言動を重ね、戦後70年を超えて積み重ねてきた国の形を強引に変更し続けている。

自民党憲法改正草案第九章「緊急事態」を見れば、第98条(緊急事態の宣言)第1項で、「内閣総理大臣は、我が国に対する外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩序の混乱、地震等による大規模な自然災害その他の法律で定める緊急事態において、特に必要があると認めるときは、法律の定めるところにより、閣議にかけて、緊急事態の宣言を発することができる」と規定し、緊急事態の宣言が発せられたときには、第99条(緊急事態の宣言の効果)第1項で、「内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができるほか、内閣総理大臣は財政上必要な支出その他の処分を行い、地方自治体の長に対して必要な指示をすることができる」とあり、同条第3項で、「何人も、・・・国その他公の機関の指示に従わなければならない。この場合においても・・・基本的人権に関する規定は、最大限に尊重されなければならない。」とし、同条第4項で、「宣言が効力を有する期間、衆議院は解散されないものとし、両議院の議員の任期・・・の特例を設けることができる」としている。
「法律の定めるところにより」と7回書き、「閣議にかけ」、基本的人権を「最大限に尊重」するように見せているが、実際には緊急事態宣言の範囲は、「等」、「その他」と書くことによって、何らの制限なく決めることが可能になっている。そして宣言を発したあとでは、政府は立法機関を無視して「法律と同一の効果を有する政令を制定でき」、自由な財政支出が可能になる。基本的人権は、どこまでも制限でき、緊急事態の期限の延長も意のままになり、国の指示に対する批判や異論は許されなくなる。これでは、日本国憲法が国民に保証している基本的人権と、主権者である国民が政府に負わせている制約のいかなる項目も、例外なく否定できることになる。これこそナチスのヒトラー政権が、ワイマール憲法のもとで合法的に権力を獲得し、第2次世界大戦の敗戦まで独裁を続けた方式であって、自民党憲法改正草案はその踏襲を可能にするものである。

大規模自然災害はこれまで繰り返し起きてきたし、これからも必ず起こる。これらに対しては、経験に基づいて災害対策基本法(1961年、2013年改正)はじめ、個々の法律を整備して対応してきた。これを憲法改正によって首相のもとに権限を一元化し、地方自治体の長に指示する方式に変えるのは、有害である。5年前の東日本大震災を見ても、事態がつかめていない中央からの指示には、不適切・有害なものがあったことが明らかになっている。必要な権限は現場が分かる現地に任せてそれぞれの状況に合わせた速やかな対応を可能にし、政府は支援に徹する地方自治の強化こそが向かうべき方向である。

これに比べて、「外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩序の混乱」は、人為的・社会的行為なのだから、起こさせない政治が求められる。外部からの攻撃など緊急事態が起こり得ることを言い立てるのは、国の軍事化を促進するために使われてきた常套手段である。相手の挑発的行動に対する自衛のための防衛力強化というのは、双方が使う言葉であって、結果において軍拡競争が続き、緊張を高め、偶発的衝突の可能性を増大させてきたことは歴史が示している。報復の連鎖が解決につながる道でないことは明らかなのだから、世界に敵を作らないことを国是としてきた日本が取るべきでなく、支持すべきでもない政策である。
外務省は2015年10月4日に、「9月には、ISIL機関誌において、インドネシア、マレーシア、ボスニア・ヘルツェゴビナの日本の外交使節(大使館等)を攻撃の対象候補として、言及したことがあります」と渡航者に「注意喚起」した。これは歴史的にイスラム諸国と敵対関係になかった日本の首相が、イスラム諸国を敵に回しかねない演説を行ない、「テロと戦う」有志連合に加わり、イスラエルとの軍事協力を進めていることと無関係ではない。5月に予定されている伊勢志摩サミットや7月の参議院選挙を前にして、不測の事態が起こる可能性があるという懸念を誰も否定できない。しかしそのために憲法改正が必要であるという議論にも根拠がない。万一の場合に必要ならば、法律改正を提案すればよいのである。

少子高齢化、財政赤字が慢性化している日本が軍事大国を目指すことは不可能であり、世界に敵を作らない戦争放棄を憲法の基礎としていることから見ても誤りなのである。特定国との絶対的つながりを続けることをやめて、意見と立場の違いはすべて話し合いで解決することに徹すれば、国際紛争の調停を行うことが可能になり、防衛力を強化せず、平和と安定と繁栄への道が開けることになる。これこそが、憲法を受動的に守るのでなく、その理念を積極的に広げ、発展させる道である。
世界平和アピール七人委員会は、緊急事態条項の追加は最悪の憲法「改正」であるとみなし、日本国憲法が依拠する平和主義・国民主権・基本的人権の尊重のために全力を尽くすことを改めて誓う。
URL:http://worldpeace.jp

連絡先:世界平和アピール七人委員会事務局長 小沼通二
メール:mkonuma254@m4.dion.ne.jp
    電話:080-5463-3454
         ファクス: 045-891-8386


 

朝鮮民主主義人民共和国の核兵器実験と衛星打ち上げに際し、
緊張緩和へのすべての
関係者の努力を求める

2016年2月10日

世界平和アピール七人委員会
武者小路公秀 土山秀夫 大石芳野 小沼通二
 池内了 池辺晋一郎 髙村薫


 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)は、1月6日に第4回核爆発実験を行い、2月7日に地球観測衛星「光明星(クァンミョンソン)4号」を地球周回軌道に打ち上げたと発表した。
 私たち世界平和アピール七人委員会は、10年前に北朝鮮が行った最初の核兵器実験に際し、2006年10月11日にアピールを発表し、いかなる核兵器実験も行うべきでないと北朝鮮に求めた。それとともに、と、依存国の根本的政策転換と、速やかな核廃絶を実現させるためのあらゆる努力を要望した。今日この考えにいささかの変更もない。
 北朝鮮の核兵器開発をやめさせようとするこれまでの国際的努力は、ことごとく成功しておらず、その間に核兵器能力が強化されてきた。単に非難決議を繰り返すだけでは、今後も同様の失敗が続くだろう。現在、国際社会においては核兵器の非人道性の認識がますます広がっており、2015年の国連総会で設置が決まった「核軍縮に関する国連作業部会」は今月中にジュネーブで開幕される。設置決議に棄権した日本政府も、最近参加を決めた。
 日本が自ら核の傘への依存から抜け出す具体的な方策を示すことができれば、国際社会における発言力が格段に増大し、北朝鮮に核兵器を放棄させ、核兵器廃絶に努力する国の一員として核兵器禁止条約に向けてともに歩むよう呼びかける説得力が増すことになる。 一方人工衛星は、国際宇宙ステーションへの物資運搬と宇宙飛行士の派遣や核弾道ミサイルと同じ技術のロケットによって大気圏外に打ち上げられるものである。逆に国際宇宙ステーションからの帰還と核弾道ミサイルは、同じ大気圏への再突入技術によって実現される。多段式ロケットは、燃料タンクを使用し終われば分離して計画的に落下させるものであり、落下に際して船舶や航空機に被害を与えないよう、「国際海事機関」(IMO)、「国際民間航空機関」(ICAO)などに打ち上げの事前通告することも常時行われている。
 平和目的の衛星打ち上げはいかなる国も保有する権利である。しかし、たとえ平和目的であっても宇宙の研究・開発・利用は、技術的にみれば軍事利用能力のレベルを示すものであることも事実なのだから、いかなる国も国際理解と協調の下で進めるべきなのである。
 日本では北朝鮮の「衛星」を弾道ミサイルと呼び、防衛大臣が「破壊措置命令」を出し、安倍首相は「容認できない」、「独自の制裁措置をとる」と発表し、官房長官も非難・抗議した。ほとんどのメディアも、一方で恐怖をあおり、その一方で能力を過小評価している。しかし、対立のなかでの過剰反応では、北朝鮮の軍事能力の強化を止めることはできない。また、日本が防衛能力の強化で対抗することも、技術的困難さがあるだけでなく、相手の攻撃能力の増大を引き起こし、ひいては武力衝突の危険性を高めるだけである。
 国連加盟国、特に日本を含む周辺国は、北朝鮮を孤立させる方向でなく、紛争はすべて話し合いによって解決するという国連の本来の精神に基づいて北朝鮮との対話によって緊張緩和への努力を重ねるべきである。日本は、日本国憲法の戦争放棄の基本理念を堅持するだけでなく、世界に広げ、戦争をしない国を増加させることに貢献すべきなのである。

連絡先:世界平和アピール七人委員会事務局長 小沼通二 mkonuma254@m4.dion.ne.jp
    電話:080-5463-3454
URL:
http://worldpeace.jp


高市総務大臣の「電波停止」発言に
厳重に抗議し、大臣の辞任を求する

2016年2月12日
放送を語る会
日本ジャーナリスト会議

 2月8日と9日、高市早苗総務大臣は、放送局が政治的公平性を欠く放送を繰り返したと判断した場合、放送法第4条違反を理由に、電波法第76条に基づいて電波停止を命じる可能性を表明した。
「国論を二分する問題について一方の政治的見解を取り上げず、ことさらに他の見解のみを繰り返す放送」など、さまざまな条件・留保をつけての答弁であるが、この主張の核心は、権力が放送における言論、報道の内容を審査し、その内容によって行政処分ができるというものである。憲法が保障する言論・表現の自由にたいする許しがたい攻撃だと言わなければならない。
 このような主張を持つ人物が、放送を所管する総務大臣の職にあることを到底認めることができない。高市大臣は速やかに職を辞すべきである。

   高市大臣は、電波停止処分は放送法第4条の「政治的に公平であること」に違反する場合だとする。しかし、多くのメディア法学者が一致して主張するように、この規定は放送事業者が自律的に実現すべき性格の倫理規定である。
 放送法は、放送事業者に不偏不党を保障し、表現の自由を確保することを目的に掲げている。特定の政治的勢力の不当な介入を排除する趣旨であり、それを保障するため放送法は第3条で「放送番組は、法律に定める権限に基づく場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない」としているのである。
 このような精神をもつ放送法が、「政治的に公正であるかどうか」を行政の判断に委ね、処分を認めるはずがない。

 もし高市大臣が主張するような停波処分が可能であるとすれば、その判断に時の総務大臣の主義、思想が反映することは避けられない。
仮に高市大臣が判断するとした場合、同氏はかつて「原発事故で死んだ人はひとりもいない」と発言して批判をあび、ネオナチ団体代表とツーショットの写真が話題となり、また日中戦争を自衛のための戦争だとして、その侵略性を否定したと伝えられたこともある政治家である。このような政治家が放送内容を「公平であるかどうか」判定することになる。
 時の大臣が、放送法第4条を根拠に電波停止の行政処分ができる、などという主張がいかに危険なことかは明らかである。

 政府の行為や政策が批判すべきものである場合、放送による報道が批判的な色彩を強めることは自然である。今回の高市大臣の発言は、安保法への批判の高まりを意識して、そうした報道を牽制する意図があると評されても否定できないであろう。 高市大臣の発言を安倍首相も菅官房長官も擁護した。このことは現政権がテレビ報道に対し高圧的、抑圧的であることを改めて示した。
我々は、このような総務大臣と政権の、憲法を無視し、放送法の精神に反する発言に厳重に抗議し、高市大臣の辞任を強く求めるものである。


JCJ声明

安倍政権と自民党の
メディア介入・抑圧体質を糾弾する

   意に沿わないメディアを威圧し、言論・表現の自由を抑圧する安倍政権の暴走に歯止めが掛からない。報道への圧力発言で処分された自民党議員の一人は、その後もマスコミを『懲らしめなければいけない』と暴言を繰り返した。一連の傲慢な発言は、安倍政権と自民党のメディアへの介入・抑圧体質を露骨に表したものである。日本ジャーナリスト会議は、安倍政権が国民に謝罪した上、「戦争法案」を撤回し、即刻退陣を求める。加えて、暴言を吐いた三人の自民党議員は直ちに議員辞職するよう要求する。

 問題の発端である自民党「文化芸術懇話会」でのマスコミ批判大合唱は、「戦争法案」審議が意のままに進まない苛立ちの矛先が、マスコミ批判に向けられたものである。曰く「マスコミを懲らしめるには、広告収入が無くなることが一番」(大西英男衆院議員)、「青年会議所時代にマスコミを叩いた。スポンサーにならないことが一番マスコミに堪えることが分かった」(井上貴博衆院議員)など、憲法と民主主義に反する暴言が相次いだ。

 講師として出席した作家の百田尚樹氏は「沖縄の2紙(琉球新報と沖縄タイムス)はつぶさなあかん」、長尾敬衆院議員が「沖縄の2紙は左翼勢力に乗っ取られている」と暴言の極みが続いた。百田氏はこの他にも、「普天間基地は田んぼの中にあった」などとウソ、でたらめの言いたい放題。出席議員たちは同調するだけで、自民党の劣化をさらけ出した。

 私たちはこの会合が、安倍政権に近い若手議員によるものであることを重視する。時あたかも、違憲の「戦争法案」が国会で審議され、政権は、国会で出された問題の説明がつかず、衆議院の強行採決と「60日ルール」で強行成立を企てている。

 国会で野党議員から謝罪を求められた安倍首相は、「言論・表現の自由を守るのは当然」と一般論にすり替えてはぐらかし、謝罪要求を拒否した。自民党も青年局長の更迭と発言者への厳重注意処分で幕引きを図ろうとしたが、世論はそれを許さない。新聞協会、民放連をはじめとする言論界、新聞各社社説が一斉に、この暴言を批判する論陣を張り、怒りは全国に広がっている。

 私たちは、自民党と安倍政権が問題を深刻に受け止めて国民に謝罪し、法案の撤回に踏み切るとともに、メディアの役割を否定し、民意に反した政治を進めてきた責任を取って安倍政権が退陣することを改めて強く要求する。

2015年7月3日

日本ジャーナリスト会議(JCJ)
Tel.03-3291-6475
Fax.03-3291-6476



JCJ声明

違憲の「戦争法案」は廃案、
安倍内閣は退陣を

 米国が世界で引き起こす戦争に自衛隊が参戦する安全保障関連法案、いわゆる「戦争法案」の審議が始まった国会で4日、自民・公明両党推薦の参考人を含む3人の憲法学者が揃ってこの戦争法案を「憲法違反」と断じた。安倍政権は「違憲ではない」(菅官房長官)と強弁するが、同法案の違憲性は鮮明となった。日本ジャーナリスト会議は、国会が立法府としての名誉と責任に於いて、同法案を廃案とするよう強く要求する。

 これまでの審議で、戦争法案の多くの問題点が明らかになった。安倍政権は、集団的自衛権の行使について「政府が総合的に判断する」として拡大解釈の余地を残す答弁を繰り返し、他国に日本攻撃の意図が無くても集団的自衛権の行使は可能としている。安倍政権は、自衛隊は戦闘が発生しない地域に派遣するとしているが、法案には明記されていない。集団的自衛権行使に歯止めがかからないことを、政権自体が認めているのだ。

 戦争法案で自衛隊の派兵について、安倍政権は地理的な限定をせず、支援地域は地球の裏側まで拡大する危険性がある。日本の安全に直接関係のない有志国連合による対「イスラム国」軍事作戦への支援も「法律的にはあり得る」としている。アフガン戦争で各国が参加した国際治安支援部隊(ISAF)のような国際組織にも派兵される可能性が強い。自衛隊の海外での武力行使は際限なく拡大する。

 自衛隊の後方支援はこれまで「非戦闘地域」に限られていたが、戦争法案では「現に戦闘が行われている現場以外」に広げている。米軍などへの弾薬補給や自衛隊の現地補給基地などは攻撃の対象となる。自衛隊員が「殺し、殺される」危険が現実のものとなり、犠牲者は格段に増える。しかし、政府は「自衛隊のリスクはこれまでと変わらない」などとし、戦争法案がもたらす危険な現実を国民に説明せず、不誠実な態度に終始している。こうした状況を反映して、直近の世論調査では「安保法案 今国会成立『反対』59%」(「読売」8日)-推進派メディアでさえ「理解広がらず」と認めざるをえない事態である。

 国会で与野党が合意して招致した憲法学者が声を揃えて「憲法違反」と指摘した事実は重い。安倍政権がこれに耳を傾けず、強行採決を企むことは、国民主権を踏みにじり、国権の最高機関である国会をないがしろにする暴挙であり、断じて許されない。私たち日本ジャーナリスト会議は、この戦争法案を廃案とし、安倍内閣の即刻退陣を要求する。併せて、全てのメディアに、廃案へ向けて取材・報道を強化するよう呼びかける。

            2015年6月12日

日本ジャーナリスト会議(JCJ)
Tel.03-3291-6475
Fax.03-3291-6476



公益社団法人日本外国特派員協会(FCCJ)が
報道の自由推進賞の受賞者を発表

「ジャーナリズムとは報じられたくないことを報じることだ。それ以外のものは広報に過ぎない」――ジョージ・オーウェル

 日本では今、報道の自由が脅かされています。世界報道の自由デー の5月3日、日本外国特派員協会(FCCJ)は報道の自由の推進に貢献 した記者、媒体そして個人を表彰します。
 2015 年、国境な記者団による報道の自由度ランキングで日本の報道 の自由度は世界第61 位へと後退しました。これは韓国やチリ、セル ビアよりも低い評価です。
2012 年、日本は同ランキングで世界22 位の評価を受けました。日本 の報道の自由度が下がった理由として、国境なき記者団は特定秘密 保護法が制定されたことで、特に原子力や対米外交に関連した情報 の公開度が後退し、もはやそうした情報は日本ではタブー視される ようになったと酷評しています。
 このように、政府にとって都合の悪い情報を出させないようにする ために、公共性の高い情報を伝える調査報道や、記者の取材源の秘 匿などが脅かされています。
 そこで日本外国特派員協会(FCCJ)は2015年、報道の自由推進賞を 創設し、世界報道の自由の日となる2015年5月3日に、発表しました。 今年の受賞者は以下の通りです。

調査報道賞(Japan Investigative Journalism Awards)
優れた調査報道を通じて報道の自由の推進に貢献したジャーナリス トもしくは媒体に贈られます。年一度の表彰です。
・ファクタ
 日大のスキャンダルやその他の金融スキャンダルに代表され る、日本でタブーとされるテーマに関する継続的かつ質の高い 調査報道に対する功績 ・ 朝日新聞 プロメテウスの罠
 原発の安全面や業界の隠蔽体質や腐敗に関する継続的かつ長 期的な調査報道に対する功績
・ジェイソン・クレンフィールド(ブルームバーグニュース)br>  KDDI の非正規の壁に挑む丸井美穂氏を取り上げた報道に対す る功績。

報道功労賞(Lifetime Achievement Award)
 報道の自由および言論の自由の促進に生涯を通じて貢献したジャーナリ ストまたは個人に贈られます。候補者は日本で活動していることを条件と し、該当者がある場合のみ表彰されます。
・ジョン・ミッチェル氏 (ジャパン・タイムズほか)
 沖縄における枯れ葉剤問題やその他の米軍基地に関連した諸問 題に関する一連の報道並びに著作に対して。

報道の自由の友(Friend of the Free Press)
 日本を拠点として報道の自由を促進する運動に取り組む法律家、活動家 、内部告発者などが対象です。年一度の表彰です。
・古賀茂明氏(元経産官僚)
 表現の自由を抑圧しようとする政府に対する批判と、東京電力 の問題を含む日本の政治や産業界に関する鋭い評論活動に対 して。
・中野晃一氏(上智大学教授)
 特定の勢力に阿ることなく、また恐れることなくタブーに踏み 込み、日本の政治に関する鋭く有益な分析を継続的に行った功 績に対して。
・マイケル・ウッドフォード氏(オリンパス前CEO)  社の会計偽装を内部告発し、日本の企業統治により高度な透明 性を促した功績に対して

年間最優秀出版賞(Publication of the Year)
 出版あるいはウェブ上で公開された、優れた調査報道に対して贈られます。 年一度の表彰です。
・東京新聞
 原発問題、政治スキャンダル、汚職、報道の自由に関わる継続 的、かつ優れた調査報道に対して。

殉職した英雄賞(Fallen Hero)
 取材中に殉職したジャーナリストに贈られます。活動拠点は日本の 国内外を問いません。該当者がいる場合のみ表彰されます。
・後藤健二氏はシリアで取材中にISIL(イスラム国)に拘束 され、安倍首相が「ISIL と戦う国のために」数億ドルの支 援を約束した数週間後の斬首されたフリーランスジャーナ リストです。彼は戦争そのものを報じるのではなく、戦争の 悲惨な側面を報じる人道ジャーナリストでした。彼は他のジ ャーナリストたちが行きたがらない危険な地域をあえて取 材することで、中東や他の紛争地帯で何が起きているのかを 世界に伝えました。

・お問い合わせは外国特派員協会(FCCJ)まで
 電話:03-3211-3161(月〜金、10:00-18:00)
    E メール:freepress@fccj.or.jp


2015年4月22日

辺野古問題を直視し、
沖縄の人たちとの連帯を強めよう

世界平和アピール七人委員会

武者小路公秀 土山秀夫 大石芳野 小沼通二
 池内了 池辺晋一郎 髙村薫

沖縄県名護市の辺野古の海を埋め立てて米軍基地を新設しようという日米政府の計画に、大多数の沖縄県民が一致して反対の意志を繰り返し明白にしている。それにもかかわらず現在、事態は大きな困難を迎えている。
2014年1月の名護市長選挙、11月の沖縄県知事選挙、12月の衆議院議員選挙の沖縄の結果を見れば、どれも辺野古の基地問題が最大の争点だったが、圧倒的多数で当選したのは、すべて「オール沖縄」で一致した辺野古基地反対派の候補だった。
先週の4月17日には、昨年(2014年)12月10日の翁長雄志沖縄県知事の就任以来 かたくなに面会を断ってきた安倍晋三首相が初めて知事と面会した。首相は「率直に意見を交換したい」といいながら、辺野古移転をなぜ普天間基地の唯一の代替案と考えているかの根拠は一切説明せず、知事が賛成できない具体的理由を丁寧に述べてもそれに対して何ら反論もせず、「辺野古が唯一の解決策だ」と繰り返すばかりだった。
日本政府は、沖縄が置かれている現状に目を向けることなく、民意に耳を傾けることもなく、日米官僚が1997年につくった辺野古移設案にしがみついているとしか思えない。
安倍政権は、憲法違反の集団的自衛権行使の法制化を目指して与党間であいまいな抜け道のある合意をまとめ、国会の野党の意見を無視し、主権者である国民の存在を無視し、国際的既成事実づくりを狙って非民主的な行動を重ねている。沖縄の米軍基地についても、このような非民主的行動を重ねる事態が続けば、残念ながら日本の周辺国とも、米国自身とも、安定した友好関係を築き上げることはできない。

現在の事態を憂慮しているのは沖縄県民だけではない。地方公共団体は、中央政府の意向を無批判に実施するための組織ではない。実際、政府の意に沿わないとして沖縄県の意見を無視し続けている政府の行動を危惧し、地方自治の尊重を求める意見書を、長野県白馬村議会(満場一致)、愛知県岩倉市議会(賛成多数)などが地方自治法に基づいて日本政府に提出している。私たちも民意に基づく知事の意見を政府が一切無視するのは民主主義の根本の否定だと考える。
私たち世界平和アピール七人委員会も2011年10月25日と2014年1月17日のアピールで、歴史を踏まえ、将来を目指して、辺野古に米軍基地を建設してはならないと意見を述べてきた。

沖縄防衛局が海上工事に關係して海底に投下した20~45トンのコンクリートブロックは、沖縄県が権限に基づいて2014年8月に許可した岩礁破壊の範囲を大きく超えており、サンゴを破壊しているとして、翁長知事は2015年3月23日に、海底面変更作業を7日以内に停止するように指示した。これに対し林芳正農林水産相は30日、翁長知事の指示を無効とする「執行停止」の決定書を沖縄県と沖縄防衛局に送った。これも、自然環境破
壊の有無と無関係に、問答無用とする強権的な決定であり、現内閣の体質を表している。 現在、辺野古の新基地建設に向けた海上工事の強行に対して、沖縄県民は、名護市と国頭郡宜野座村にまたがる在日米軍海兵隊のキャンプ・シュワブのゲート前で座り込みを続け、海上ではカヤックでボーリング反対を訴え続けている。私たちは、沖縄県民の抗議行動の徹底した非暴力主義に強い敬意を払うものである。一方、米軍、警察、海上保安庁が暴力的嫌がらせと排除を続け、けが人や逮捕者がでていることは、日本国憲法第21条に規定された基本的権利である表現の自由の侵害であることが明らかであり、強く抗議する。

普天間基地について、19年前の1996年に、当時の橋本竜太郎首相とモンデール駐日米大使が5年から7年以内に全面返還をめざすことに合意したのは、現在の日本政府自身も認めている大きな危険性を抱えているためであった。今後事故は起きないだろうという根拠のない楽観論に頼ることなく、辺野古に代替え基地が作れるか否かを条件にすることなく、直ちに普天間基地の閉鎖を実施しなければならない。軍事基地の縮小・廃止は、国際緊張の緩和に必ず役に立つことを歴史が示している。

琉球は、15世紀から19世紀まで独立国として存在し、琉米修好条約(1854年7月11日)、琉仏修好条約(1855年11月24日)、琉蘭修好条約(1859年7月6日)を締結していた。それを1609年には薩摩藩が琉球侵攻をおこない、1879年に明治政府が武力を背景にしたいわゆる琉球処分によって日本に編入したのだった。
国土の僅か0.6%の沖縄に在日米軍基地の74%が存在する異常な差別を直視し、沖縄の基地増設は止めなければならない。そしてジュゴンと珊瑚とウミガメの住む美しい辺野古の海の自然の破壊を止めさせなければならない。

世界平和アピール七人委員会は、日本政府が沖縄県民の「平和に生存する権利」を無視し強権的な手段をもちいていることに強く抗議し、あらためて沖縄県民への連帯を強めるよう本土の人々に訴える。

連絡先:世界平和アピール七人委員会事務局長 小沼通二
        メール: mkonuma254@m4.dion.ne.jp
                  ファクス: 045-891-8386
                  URL: http://worldpeace7.jp


[民放労連声明]

日本を戦争に巻き込む
「戦争立法」に断固反対する

 安倍政権は憲法の平和主義を否定し、日本が積極的に戦争へと参加する「戦争立法」作業に突き進もうとしている。
 自民・公明両党は、3月20日、新たな安保法制の大枠を示した「共同文書」案に合意し、昨年7月に閣議決定した他国を武力で守る集団的自衛権の行使を可能にする立法作業に入ることを明らかにした。2月中旬に与党協議が開始されてからわずか一か月、日本という国の行方を左右する重大な方針を国民的な議論がまったくないまま密室で決定しようとする民主主義のプロセスを無視した進め方には驚くほかない。戦後、私たち国民が守り抜き、歴代政権も脈々と受け継いできた日本の平和主義を根底から覆す憲法解釈の変更を一内閣の独断によっておこない、憲法とは国家権力を縛るものという立憲主義を否定して事実上の改憲立法を進めようとする政権与党の暴走に強い怒りを禁じえない。
 今回の与党合意で明らかになった最大の問題は、自衛隊を現に戦闘行為がおこなわれている「戦地」に派兵し、「殺し、殺される」戦闘活動に参加する可能性が一気に拡大されることだ。
 集団的自衛権の行使に関しては、先に行使容認を決めた閣議決定の「新三要件」を武力攻撃事態法に「過不足なく」盛り込むとしているが、どのような場合に集団的自衛権による武力行使が許されるのか、今回の合意では時の政権の判断次第で事実上、無制限となる。  また、国際平和協力法の改定によって「国連が統括しない人道復興支援活動や安全確保活動等」にも参加し、武器使用も可能にするとされている。これでは国連決議によらないイラク戦争などのケースでも多国籍軍に自衛隊を派遣し、「安全確保活動」に参加することが可能となる。
 日本の安全確保を目的とした他国軍への戦闘支援では周辺事態法の目的規定を見直し、「周辺事態」の考え方を撤廃し、自衛隊を世界中のどこへでも派遣できるようにする抜本改正を検討するとしている。安倍総理は日本が輸入する原油輸入が停まることは日本の「存立危機」にあたるとして、たとえ戦闘中であってもホルムズ海峡での機雷掃海作業への自衛隊派遣は可能だと繰り返している。  今回の与党合意は自衛隊の海外での武力行使の拡大や解禁の方向で貫かれており、こうした「戦争法案」がそのまま具体化すれば、自衛隊の本質が根本から変容し、安倍総理が意図する「国防軍」、すなわち普通の軍隊となることに道を開くものとなろう。政府はこれらの法案を条文化して5月の連休明けには国会に提出し、開催中の国会で成立をはかる考えだという。
 今回示された「戦争法案」がそのまま成立すれば、日本の進路を大きく変えるものとなる。安倍総理の「戦争をする国づくり」への暴走をこのまま許してはならない。放送など、メディアはこの安保法制の重大な問題点を国民にわかりやすく提示し、国民の議論を大きく巻き起こしていく責任がある。
 私たち民放労連は、日本を戦争に巻き込む「戦争立法」に断固として反対し、日本の平和主義を守り抜くために全力をあげる。
2015年3月21日
日本民間放送労働組合連合会
中央執行委員長 赤塚 オホロ


後藤健二さんら人質殺害を
受けての緊急声明

 私たち日本ビジュアル・ジャーナリスト協会(JVJA)は、日本人人質事件の発覚後、2通の声明文とビデオメッセージを通じて、後藤健二さんと湯川遙菜さんの解放を関係者に求めてきました。しかし湯川さんに続き、後藤さんを殺害したとする映像が公開され、私たちは深い悲しみでいっぱいです。
 後藤さんはこれまでに世界各地で苦しむ人びとの側に立ち、事実を伝えることでジャーナリズムの役割を果たしてきました。公開された映像が事実であるならば、後藤さんが否定してきた理不尽な暴力により、命を奪われてしまったことになります。
 今も世界各地では戦闘や空爆が続き、犠牲者は増え続けています。暴力から尊い命を守ること、それが後藤さんがジャーナリストとして命をかけて伝えたかったことではないでしょうか。後藤さんと湯川さんのご冥福を祈ると同時に、彼らの犠牲が最後となることを祈ります。
 なぜこのような事件が起き、そして繰り返されるのか、「報復」は憎しみと対立を煽るばかりです。暴力による負の連鎖を断ち切るために、原因を追求し、私たちは賢明な平和的手段で解決することを訴えます。

2015年2月1日
日本ビジュアル・ジャーナリスト協会(JVJA) http://www.jvja.net/JVJA_IS_Statement.htm(クリック)


福井地裁差し止め判決と原発再稼働

坂本 陸郎

           
「人格権」
 5月21日、福井地方裁判所は大飯原発再稼動差し止めを命じる判決を下した。その判決が、基準として示したのは「人格権」であった。
 その人格権は「個人の生命、身体、精神及び生活に関する利益」全体を意味し、それを「憲法上の権利であって、日本の法律のもとではこれを超える価値を他に見出すことはできない」としたうえで、次のような判決を導いている。
主文「被告は、大飯発電所3号機及び4号機の原子炉を運転してはならない」、理由「原発は事故によって根源的な権利が極めて広範に奪われる事態を招くものであり、具体的危険性が万が一にもあれば、その差し止めが認められるのは当然である」
 裁判所が判決の基準とした「人格権」は、13万人の人々が故郷を追われ、未だに避難生活を強いられている現状に照らせば現実的意味を持つ。したがって判決文も「原子力発電技術の危険性の本質及びそのもたらす被害の大きさは、福島原発事故を通じて充分に明らかになったと言える」と述べている。
   被告に対しては手厳しい。基準値振動を超える地震の到来はまず考えられないとする関西電力側の主張に対して「根拠のない楽観的見通しに過ぎない」と一蹴し、「全国で20か所にも満たない原発のうち4つの原発に5回にわたり、想定した地震動を超える地震が平成12年以後10年足らずの間に到来しているという事実を尊重すべきだ」と事実に基づいて説諭している。
 判決文はさらに、「基準値振動に満たない地震によっても冷却機能喪失による重大な事故が生じうるというのであれば、そこでの危険は万が一の危険という領域をはるかに超える現実的で切迫した危険と評価できる。このような施設の在り方は原子力発電所が有する前記の本質的な危険についてあまりにも楽観的と言わざるを得ない」と、たたみかけ、被告を厳しく戒めている。
 さらに判決は、人間の生存条件と経済的コストを天秤にかける被告関西電力の姿勢を退けている。判決の核心部分をなしていると言える。
 「被告(関電)は、原発の稼働が電力企業の安定性、コストの低減につながると主張するが、当裁判所は、極めて多数の人の生存そのものに関わる権利と電気代の高い低い、の問題などと並べて論じるような議論に加わったり、その議論の当否を判断すること自体、法的には許されないことであると考えている」

「国富」
 判決文のなかの国富を考察した部分は深い意味を持つ。
 「このコストの問題に関連して国富の流失や喪失の議論があるが、たとえ、原発の運転停止によって多額の貿易赤字が出るとしても、これを国富の流失や喪失と言うべきではなく、豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していることが国富であり、これを取り戻すことができなくなることが国富の喪失であると当裁判所は考えている」。
 判決はまた、被告の関電側が原発を二酸化炭素排出削減に役立つとしていることに対しても、完膚なきまでの批判を加えている。
 「被告(関電)は原子力発電所の稼働がCO2排出削減に資するもので、環境面で優れている旨主張するが、原子力発電所でひとたび深刻事故が起こった場合の環境汚染はすさまじいものであって、福島原発事故は我が国始まって以来最大の公害、環境汚染であることに照らすと、環境問題を原子力発電所継続の根拠とすることは甚だしい筋違いである」 この「法と正義」に基づく判決は、被告側が原発稼働の根拠とするすべてを退け、脱原発を願う国民世論を擁護するものとなっている。原発を推進する勢力にとって痛打となったことは疑いない。

「新規制基準」
 しかし、政府と電力企業が、原発稼働ゼロでも電力の供給に支障ない現在も、原発再稼動に執着するのは、その輸出によって巨大な利益を得ようとしているからである。
 安倍首相は外国への原発売り込みに熱心なあまり、日本の安全基準は「世界最高水準」、「福島で事故を起こした経験がある日本だからこそ安全管理は信頼できる」、「使用済み核燃料の処理は日本の六ヶ所村処理場で」などと無責任に言っている。国内では、当面、川内原発再稼動を押し通そうとしている。そのような、司法の判断を無視する姿勢は糾弾されなければならない。
 福島原発事故後に作り替えたとする「新規制基準」は再稼動を促進するためのもので、福島事故以前の「安全基準」との違いはほとんど見出せない。
 原子力規制委員会は、核燃料のメルトダウン時にそなえるEU並みの格納容器の二重設備の設置も求めず、強度基準もそのままであり、電源系統の独立性も無視している。それらはすべて福島の事故を深刻化させた原因となったものである。政府と九州電力は、それでお墨付きを得たとして川内原発を再稼動させ、原発ゼロの現状を打破しようというのである。
 「新規制基準」について、原子力市民委員会座長・法政大学船橋晴俊教授は次のように語っている。(以下、しんぶん赤旗7月21日「視点・論点」から引用)
――原発の再稼動というのは、たんなる技術的判断の問題ではなくて、総合的政策判断の問題として考えるべきであり、政府の責任で判断すべきことです。しかし、安倍政権がその判断を回避したことで、きわめて無責任な事態となっています。総合的な政策判断のためには少なくとも三つのことを考える必要があります。第一は、原発の技術的工学的安全性の問題、第二は、万が一事故が起きたときの原子力防災計画・住民避難の問題、第三が、使用済み核燃料、高レベル放射性廃棄物の処理の問題です。これらすべてを対象にして、再稼動の是非を判断すべきです。規制委員会は第一の技術問題の一部を検討したにすぎません。
 「世界最高水準」などというのは無知か、わかっていて嘘をついているかのどちらかです。そもそも新規制基準のどこが問題なのか。私たち原子力市民委員会の技術系の研究者が明らかにしていますが、要は、既存の原子力技術体系を前提にして、その手直し修正でできる範囲でしか安全強化策をやっていないことです。つまり根本的な構造的欠陥に踏み込まないという基準になっています。私たちは「脱原子力政策大綱」のなかで、福島事故以前から安全性の向上を図ってきた欧州加圧水型原子炉(EPR)の安全設備と、日本の新規制基準が求めるそれを比較してみました。その結果を見ると、欧州ではすでに採用されている重要な安全対策が、新基準では要求されていません。おもな四つの問題(註)中で明らかに劣っており、「世界最高水準」にはほど遠いのです。何故そうなっているのか。福島原発事故では電気と冷却水を失い、原子炉が炉心溶融を起こしたわけですが、新規制基準はその原子炉本体には立ち入っていません。木の枝には触れるが幹には触れない新基準なのです。どこまでなら電力会社が負担できる範囲なのかを配慮した基準になっているからです。―

(註)「おもな四つの問題、ここが違う欧州加圧水型原子炉(EPR)と日本の「新規制基準」図表から、
①安全上重要な設備の多様性―欧州EPRでは独立4系統に対して「新規制基準」では2系統
 ②コアキャッチャー(原子炉圧力容器外に流出した溶融炉心を格納容器内に貯留する設備― 欧州では設置、「新規制基準」では「要求なし」 
③格納容器熱除去設備(コアキャッチャーを水で循環冷却する機能と原子炉を水棺にできる機能を併せ持ち、溶融炉心を長期冷却する設備)―欧州は設置、「新規制基準」では「要求なし」
④頑健な原子炉格納容器―欧州が大型商用航空機の衝突に備え、設計圧力を高めた二重構造の格納容器を設置しているのに対し、「新規制基準」では「要求なし」
(7月25日)


2014年6月12日

民主主義を破壊する閣議決定を
行わせないために、国民は発言を

世界平和アピール七人委員会
武者小路公秀 土山秀夫 大石芳野
 小沼通二 池内了

安倍晋三首相は、「国の交戦権は認めない」と明記している日本国憲法の根幹に反する集団的自衛権の武力行使容認をめざし、憲法を改正しないまま、あいまいな形で速やかに 最終的閣議決定を行い、実施を強行しようとしています。私たちはこの動きに強く反対します。

首相は、米国との絆を絶対視し、日本国内の米軍基地と無関係に日本周辺の米国海軍が攻撃されるとか、米国本土が攻撃されるなどの現実的でない事例を示して限定するかのように 見せかけています。ところが、武力行使は対立する一方の考える通りに進むものではないので、空想的な限定は意味を持ちません。最前線だけで戦闘行為が行われる時代ではなく、 攻撃と防御は一体化しています。したがって武力行使の範囲が限りなく拡大することを可能にする議論になっています。

一連の動きに対して、自衛隊員も含めて人を殺すことはいけないという規範の下で生きてきた国民の支持は得られていません。専門家集団である憲法学者は一致して反対しています。 それなのに、国会での審議も最短時間に留め、異なる意見には一切耳を傾けようとしていません。与党間協議でさえ十分な検討の時間を割くことなく駆け抜けようとしています。

国連憲章には確かに集団的自衛権が認められています。しかしこれは安全保障理事会が必要な措置を取るまでの間の臨時的な権利です。権利は義務ではありません。行使しなくても、 行使できなくても問題ありません。日本は、1956年の国連加盟以来この点での支障は一度も起きていないのです。国連憲章の本来の原則は、紛争の平和的解決であり、平和に対する 脅威、平和の破壊に対する非軍事的措置が優先されています。紛争解決へは、非難の応酬でなく、外交手段と民間交流の推進による信頼醸成の強化、軍備増強でなく軍縮への努力こそ 進めなければならないのです。これは日本国憲法の基本的精神に沿う途です。

首相の言動は、国民主権の下での三権分立に基づく法治国家としての日本を破壊し、日本が攻めてくることはないと信じてきた周辺諸国をはじめとする世界における日本の評価を おとしめ、近隣諸国の軍備増強に口実を与え、日本の危険を増大させるという取り返しのつかない汚点を歴史に残すことになります。

黙っているわけにはいきません。今こそ主権者である日本の国民は、自らの考えを発言し、政府に誤りない日本の針路を選ばせるべきときです。

連絡先:世界平和アピール七人委員会事務局長 小沼通二
        メール: mkonuma254@m4.dion.ne.jp
                  ファクス: 045-891-8386
                    URL: http://worldpeace7.jp


抗議文

2014年3月25日
横浜地方裁判所第7民事部御中
(FAX 045-201-8556)
阿部正幸 裁判長 殿
新谷祐子 裁判官 殿
岡田 毅 裁判官 殿

 平成26年3月25日,日産自動車期間工・派遣切り撤回裁判に関し,貴殿らが下した不当判決に抗議する。

1 本裁判は,2009年3月末に日産自動車と日産車体が,リーマンショックによる経営不振を理由に,原告5名を解雇・雇い止めした事件に関し,その撤回を求めたものである。
本裁判であらわれた日産自動車らの違法脱法行為については,日産自動車による事前面接・賃金決定などの特定行為,派遣法40条の5違反,偽装請負,日産自動車・日産車体の指示の元に派遣従業員と期間工の地位を変遷させる地位のキャッチボール等々,数限りない。原告らは約5年もの法廷闘争の間,日産グループにおける脱法目的の雇用実態を告発し,法的効力を正面から問い続けてきたものである。

2 しかるに,本判決では,派遣先の日産自動車が派遣労働者の特定行為を行ったことや,賃金決定に相当程度影響を及ぼす立場にあったこと,地位のキャッチボールの背景には派遣期間制限を生じることを回避する目的が存したことを認定する一方で,それらの各行為について,「問題なし」と安易に判断した。そして,派遣先に対する黙示の契約の成立の要件について,松下PDP最高裁判決の考えをも上回る基準を設定し,否定した。
また,期間工の雇い止めに関しては,雇用継続の期待権を極限まで限定的に解し,地位を否定した。

3 現在,期間従業員や派遣労働者などの非正規労働者は,全労働者の約4割を占めているが,彼らのほとんどが,大企業によって景気の調整弁にされ,不安定雇用と劣悪な労働条件を強いられている。さらには,本通常国会で審議中の派遣法「改正」案は,派遣先会社が,派遣労働者を派遣として永続的に使用し続けることを可能にするに等しい内容である。
本判決は,このような非正規労働による常用代替を野放図に拡大する状態を一層加速し,大企業のみ一層内部留保を拡大し,他方で,日本の若者を最低限度の人間らしい生活もできない絶望的な将来へと追い込み,日本の未来を破壊するものといわざるを得ない。 私達は,貴殿らの下したこの判決に断固として抗議する。

一 言


氏名


  
同神奈川地方本部・日産自動車関連支部
執行委員長 阿部 恭
                                         

3.25日産争議判決における緊急・
抗議FAXのご協力のお願い

日々のご奮闘に経緯を表します。
3月25日(火)14時 横浜地方裁判所 101号法廷で、日産の違法とたたかう本社技術派遣、横浜工場派遣労働者、日産車体期間労働者5名の判決が、第7民事部 B合議体 阿部正幸裁判長により、判決が言い渡されました。
 本判決では、26業務派遣労働者において、派遣先の日産自動車が派遣労働者の特定行為を行ったことや、賃金決定に相当程度影響を及ぼす立場にあったこと、工場における地位のチャッチボールの背景には、派遣期間制限を違反する事を回避する目的が有ったと認定する一方で、雇用当時、労働者が派遣であった事を認識していたと言う理由だけで、違法に至った経緯、証人調べでの違法を一切顧みず、各行為について「問題なし」と安易に判断した。
そして松下PDP最高裁判決の考えをも上回る基準を設け、黙示の契約の要件をすべて否定した。
さらには、工場で働く期間労働者においては、企業が黒字であろうがなかろうが、「受注量」の変化で、雇止めをしても良い。雇用継続の期待権を極限まで限定的にし、地位を否定した。
もはや、派遣や期間労働者は、人間らしい生活を送る事さえできないものとして、自己責任論を押し付けた判断というものに他ならない。私たちは、このような異常とも言える判決に断固抗議します。
そして、この抗議に対し、多くの賛同をいただき緊急・抗議FAXへの協力をお願いしたく思います。
               以上
▲抗議先ファックス=045-201-8556
 横浜地方裁判所第7民事部
一言の例文
1. 横浜地裁第7民事部 阿部正幸裁判長らが下した不当な判決を認めない。
2. 阿部正幸裁判長が下した本判決を指弾し、理不尽な解雇、雇い止めを断罪する。
3. 日産自動車が事前面接による、特定行為を行ったと認めながら、採用行為に
 あたらないと判断しているが、理解できない判断で認められない。
4. 異常な判決だ。こんな脱法行為を容認するなら裁判所はいらない。裁判官失格だ。
………


安倍政権と防衛省は
報道に対する弾圧行為を
撤回し謝罪せよ

2014年3月4日
日本新聞労働組合連合(新聞労連)
中央執行委員長 日比野敏陽

 防衛省は琉球新報の記事について事実と異なるとして2 月24日、琉球新報社と日本新聞協会に文書で抗議した。
 これは防衛省と安倍政権による報道への弾圧であるととも に、新聞業界を政府の管理下に置こうとする意図が明らか な行為である。極めて不当であり許しがたい。新聞労連は 防衛省と安倍政権の不当な行為に対し断固抗議する。安倍 政権と防衛省は琉球新報社および新聞協会への抗議を撤回 し、愚かな行いについて深く反省し謝罪せよ。

 琉球新報は2月23日付紙面で陸上自衛隊の警備部隊配属 先として石垣市の2カ所が候補地に挙がっていると報じた。 防衛省は「事実と異なる」として琉球新報社と日本新聞協 会に文書で抗議した。琉球新報社には訂正も求めた。管義 偉官房長官は28日の記者会見で、23日が石垣市長選の告 示日と重なっていたことから「選挙の公正性に影響を及ぼ しかねない」と批判した。防衛省の報道官は会見で新聞協 会に抗議したことについて「(他紙で)同種の報道が続き、 地元でも大きな懸念が広がりかねないということもあった」 と話した。
 政府が昨年、南西諸島の防衛体制強化として警備部隊新 設の方針を明らかにして以来、配属先として石垣や宮古、 奄美が有力視されている。これはすでにメディア各社が報 じ、賛否両論の議論が起きている。部隊がどこに配備され るのか、政府は明らかにしないままだが各地元では切実な 関心事となっている。こうした中、琉球新報は独自の取材 で現状を報じたのであり、それが「事実と異なる」ならば 政府として配備計画の現状や詳細を明らかにすればいいだ けだ。
 管官房長官や防衛省報道官の発言は、都合が悪い報道が なされたときに政府関係者が必ず口にしてきた言葉だ。「公 正性」とは政府にとって都合の良いことであり、「地元でも 大きな懸念が広がりかねない」というのは、情報コントロ ールができなくなることを恐れているだけである。政府は 弱者ではない。情報と決定権を握り、自らの意に沿わない 報道に対して被害者面することは犯罪的ですらある。
 政府が新聞協会へ抗議したことも許しがたい。新聞協会 と各新聞社の関係に上下関係はない。政府が業界団体に申 し入れれば、そこに参加している会社は言うことを聞くと いう発想の裏には、戦前のように政府が新聞業界を監理し ようとする意図が読み取れる。私たち新聞労働者は今回の 琉球新報に対する政府の対応を厳しく糾弾する。同時に、 新聞協会と全国の新聞経営者にもこの事態を看過してはな らないと訴える。新聞協会は政府の抗議を突き返すべきだ。
  「ナチスが最初共産主義者を攻撃したとき、私は声を上 げなかった。私は共産主義者ではなかったから。社会民主 主義者が牢獄に入れられた時、私は声を上げなかった。私 は社会民主主義者ではなかったから。彼らが労働組合を攻 撃したとき、私は声を上げなかった。私は労働組合員では なかったから。そして、彼らが私を攻撃したとき、私のた めに声を上げる者は、誰一人残っていなかった」。  反ナチズム運動を率いたニーメラー牧師はこのように訴 えた。今回、私たちが抗議するのは、この事件が琉球新報 だけの問題ではないと考えるからだ。新聞協会や新聞経営 者が今回の事態を前にして「うちは琉球新報ではないから」 「沖縄ではないから」と放置すれば、いずれ新聞業界全体 が弾圧の対象になるだろう。  年内にも特定秘密保護法が施行されようとしている。施 行後ならば記者が逮捕され、新聞社が捜索を受けたのでは ないか。そのような事態を招いてはならない。だからこそ、 私たちはいま、声を上げなければならない。
以上


世界の識者と文化人による、沖縄の海兵隊基地建設にむけ
ての合意への非難声明

私たちは沖縄県内の新基地建設に反対し、平和と尊厳、人権と環境保護のためにたたかう沖縄の人々を支持します。

 私たち署名者一同は、2013年末に安倍晋三首相と仲井真弘多沖縄県知事の間でかわされた、人間と環境を犠牲にして沖縄の軍事植民地状態を深化し拡大させるための取り決めに反対します。安倍首相は経済振興をエサに、軍港をともなう大型の海兵隊航空基地を作るために沖縄北東部の辺野古沿岸を埋め立てる承認を仲井真知事から引き出しました。

 辺野古に基地を作る計画は1960年代からありました。それが1996年に掘り起こされ、前年に起こった少女暴行事件もあり当時沖縄で最高潮に達していた反米軍基地感情を鎮めるために、日米政府は、宜野湾市の真ん中にある普天間基地を閉鎖して、辺野古の新基地にその機能を移転させようと計画しました。辺野古は稀に見る生物多様性を抱え、絶滅の危機にある海洋哺乳動物、ジュゴンが棲息する地域です。

 仲井真知事の埋め立て承認は沖縄県民の民意を反映したものではありません。知事は2010年の知事選直前に、それまでの新基地容認姿勢を変更し、「普天間基地移設は県外に求める」と言って、新基地反対で一貫していた候補を破って当選しました。近年の世論調査では県民の辺野古新基地への反対は7割から9割に上っていました。今回の仲井真知事埋め立て承認直後の世論調査では、沖縄県民の72.4%が知事の決定を「公約違反」と言っています。埋め立て承認は沖縄県民に対する裏切りだったのです。

 在日米軍専用基地面積の73.8%は日本国全体の面積の0.6%しかない沖縄県に置かれ、沖縄本島の18.3%は米軍に占拠されています。普天間基地はそもそも1945年の沖縄戦のさ中、米軍が本土決戦に備え、住民の土地を奪って作りました。終戦後返還されるべきであったのに、戦後70年近く経っても米軍は保持したままです。したがって、返還に条件がつくことは本来的に許されないことなのです。

 今回の合意は長年の沖縄の人々の苦しみを恒久化させることにもつながります。沖縄は、日本による17世紀初の侵略に始まり、19世紀末の日本国への強制併合を経て、1944年には、米軍の襲撃を控え、天皇制を守るための時間稼ぎの要塞とされました。沖縄戦では10万人以上、住民の4分の1にあたる人々が殺されました。戦後、米軍政下において基地はさらに増えました。沖縄は1972年に日本に「返還」されたものの、基地がなくなるとの沖縄住民の希望は打ち砕かれました。そして今日も、沖縄県民は基地の存在によってひき起こされる犯罪、事件、デシベル数の高い航空機の騒音や、環境汚染による被害を受け続けています。戦後ずっと、沖縄の人々は米国独立宣言が糾弾する「権力の濫用や強奪」に苦しめられ続けています。その例として同宣言が指摘する「われわれの議会による同意なしの常備軍の駐留」もあてはまります。

 沖縄の人々は、米国の20世紀における公民権運動に見られたように、軍事植民地状態を終わらせるために非暴力のたたかいを続けてきました。生活を脅かす実弾砲撃訓練に対し演習場に突入して阻止したり、米軍基地のまわりに人間の鎖を作って抵抗を表現したりしました。大規模なデモが時折持たれ、約10万人-人口の10分の1にもあたる人々が参加してきています。80代の人たちが辺野古基地建設を阻止するために立ち上がり、座り込みは何年も続いています。県議会は辺野古基地反対の決議を通し、2013年1月には全41市町村首長が、オスプレイ配備撤回と県内移設基地の建設を断念するよう政府に求める建白書に署名しました。

 私たちは、沖縄の人々による平和と尊厳、人権と環境保護のための非暴力のたたかいを支持します。辺野古の海兵隊基地建設は中止すべきであり、普天間は沖縄の人々に直ちに返すべきです。

2014年1月

ノーマン・バーンボーム
 ジョージタウン大学名誉教授
ハーバート・ビクス
  ニューヨーク州立大ビンガムトン校歴史学・
 社会学名誉教授
ライナー・ブラウン
 国際平和ビューロー(IPB)共同代表、国際反核
 兵器法律家協会(IALANA)事務局長
ノーム・チョムスキー
 マサチューセッツ工科大学言語学名誉教授
ジョン・W・ダワー
 マサチューセッツ工科大学歴史学名誉教授
アレクシス・ダデン
 コネチカット大学歴史学教授
ダニエル・エルズバーグ
 核時代平和財団(Nuclear Age  Peace
  Foundation)上級研究員、元国防総省・
 国務省職員
ジョン・フェファー
 政策研究所(IPS)「フォーリン・ポリシー・イン・
 フォーカス」(fpif.org) 共同代表
ブルース・ギャグノン
 「宇宙への兵器と核エネルギーの配備に反対
 する地球ネット コーディネーター
ジョセフ・ガーソン
 「アメリカン・フレンズ・サービス委員会」平和と
 経済の安全保障プログラム部長、政治学・国際安全保障学博士
リチャード・フォーク
 プリンストン大学国際法名誉教授
ノーマ・フィールド
 シカゴ大学東アジア言語文明学部名誉教授
ケイト・ハドソン
 核軍縮キャンペーン事務局長
キャサリン・ルッツ
  ブラウン大学人類学・国際問題学教授
ナオミ・クライン
 著述家、ジャーナリスト
ジョイ・コガワ
 作家、『オバサン』(和訳『失われた祖国』)著者
ピーター・カズニック
  アメリカン大学歴史学教授
マイレッド・マグワイア
 ノーベル平和賞受賞者
ケビン・マーティン
 「ピース・アクション」事務局長
ガバン・マコーマック
 オーストラリア国立大学名誉教授
キョー・マクレア
 作家、児童文学者
スティーブ・ラブソン
 ブラウン大学名誉教授・米陸軍退役軍人(沖縄・
 辺野古にて1967-68年駐留)
マーク・セルダン
 コーネル大学東アジアプログラム上級研究員
オリバー・ストーン
 映画監督
デイビッド・バイン
 アメリカン大学人類学部准教授
ロイス・ウィルソン
 世界教会協議会前総会議長
ローレンス・ウィットナー
  ニューヨーク州立大学アルバニー校歴史学
 名誉教授
アン・ライト
 元米陸軍大佐、元米国外交官
(苗字のアルファベット順、2014年1月7日現在)


日本:特定秘密保護法案は
透明性を脅かすものである―
国際連合特別報告者

ジュネーブ(2013年11月21日)国際連合人権理事会の特別報告者の二人が、日本国政府が国会に提出した特定秘密保護法案に関し、強い懸念を表明した。

表現の自由に関する特別報告者および健康への権利に関する特別報告者は、法案に関して日本政府にいくつもの質問事項を伝え、国際法における人権基準に照らし合わせた法案の適法性について、憂慮を表明した。
「透明性は民主主義ガバナンスの基本である。情報を秘密と特定する根拠として、法案は極めて広範囲で曖昧のようである。その上、内部告発者、そして秘密を報道するジャーナリストにさえ重大な脅威をはらんでいる」と、表現の自由に関する特別報告者のフランク・ラ・ルーは述べた。
公共問題に関する情報を秘密にすることが正当であるのは、その情報が公開すされることで重大かつ実証可能な危険性があり、なおかつ、その危険性が情報を公開することによる公益性を上回る場合だけである、とラ・ルー氏が強調した。
「例外的に、情報が機密にされる必要があると当局が認めた場合でも、独立機関の審査が不可欠である」とラ・ルー氏が述べた。
特別報告者は法案にある、情報を公開した人に対する罰則について特に注目し、「違法行為や、公的機関による不正行為に関する情報を、公務員が誠意を持って機密情報を公開した場合、法的制裁から守られなければならない」と強調した。

「同じように、ジャーナリストや市民社会の代表などを含むそのほかの個人が、公益のためと信じて機密情報を受け取り、または流布しても、他の個人を重大な危険の差し迫った状況に追いやることがない限り、いかなる処罰も受けてはならない」、と言った。
健康への権利に関する特別報告者のアナンド・グローバーは去年日本を訪問し、福島原発問題への対応を調査した。彼は、緊急事態において常に完全なる透明性を確保することの重大性を強調し、「特に災害においては、市民が継続的かつ迅速に情報を提供されることは必要不可欠だ。それによって、市民が健康に関して正確な判断が下せるからだ」と述べた。

[註]:国連の特別報告者は、加盟国から選出される人権理事会が特定の人権問題に関して調査及び報告を任命する、独立した専門家です。

原文;

和訳文責・問い合わせ:
藤田早苗(sfujit@essex.ac.uk)
高橋宗瑠(humanrights.praeger@gmail.com、+972 54 817 4003)


秘密保護法の制定に反対する
言論・表現関係者の声明

安倍政権は、かねて準備してきた「特定秘密の保護に関する法律案」を10月15日開会の臨時国会に上程し、制定しようとしている。今回の法案は、秘密保護の名のもとに、民主社会に欠かせない市民の知る権利を踏みにじるだけでなく、ジャーナリズムやメディアも含む言論・表現活動を支える取材・報道・表現の自由を著しく侵害する立法であり、言論・表現活動に携わり、関わる者としてその制定に強く反対する。

今回の法案は、民主党政権下の秘密保全の法制化の試みも踏まえつつ、安倍自公政権のもとで、国家安全保障会議(日本版NSC)設置法とセットで成立を図ろうとする提案だ。その基本的な枠組みは、①「防衛」「外交」「特定有害活動の防止」「テロリズムの防止」という4分野の情報について、担当の大臣等の「行政機関の長」が「特定秘密」を指定し、②公務員等がそうした秘密を漏えいしたり、何人であれ、秘密保有者の管理を害するやり方で秘密を取得したりした場合には最高10年の懲役刑を科すとともに、それらに対する共謀・教唆・扇動にも重罰を科す一方で、③秘密を取り扱うことができる者を「適性評価」により選別された公務員等に限ることとする、というものである。

広範な国の情報を「お上」(官僚)の一存で秘密に指定し、その漏えいや取得をはじめさまざまな行為を犯罪として厳罰に処し、適性評価制度で秘密の管理も厳格にするというまさに「まず秘密ありき」の露骨な法案なので、市民の知る権利や情報公開の理念に真っ向から反し、情報公開を広げる世界の潮流にも逆行する企てに他ならない。

言論、表現活動に携わり、関わる私たちにとって、取材・報道の自由や創作の自由も含む表現の自由は譲り渡すことのできない貴重な権利であり、市民の知る権利を充足する重要な手段でもある。法案は重要な国家秘密を取り扱う情報源たる公務員等の漏えいに重罰を科し、適性評価制度による選別で内部告発の回路を狭めることによって情報源の萎縮を促進し、取材者が入手できるはずの有用な情報を細らせ、枯渇させることになる。情報源の萎縮効果だけでなく、情報源に働きかける活動も共謀・教唆・扇動の罪として、あるいは秘密保有者の管理を害する方法での取得罪として、取材者たるジャーナリストや表現者、市民が直接捜査や処罰の対象となる。取材源との回路が閉ざされ、取材が制限されるところで、真実の追求や調査報道、権力監視をはじめ、自由闊達な報道・表現活動や豊かな創作活動を生み出すことはできず、その結果、情報を伝えるべき市民の知る権利を満たす役割も果せない。

法案には、「国民の知る権利の保障に資する報道又は取材の自由に十分配慮しなければなら」ず、「出版又は報道の業務に従事する者の取材行為については、専ら公益を図る目的を有し、かつ、法令違反又は著しく不当な方法によると認められない限りは、これを正当な業務による行為とする」旨の規定(21条1項、2項)も入れられた。しかしながら、知る権利や取材・報道の自由は「配慮」を明記することで実現するわけではもとよりなく、また取材を正当業務行為と記した後者の規定も、取材を処罰対象としないと定めているわけでもない。加えて、「保護」されるのは、「不当な方法」ではない取材行為に限られ、正当、不当の線引きも当局の恣意的な判断に委ねられる。さらに、「保護」を受ける取材行為者の範囲は狭い出版、報道の職業人のみが対象とされ、調査、取材活動等に携わる市民などは想定されていない。何よりも本質的には、こうした措置によっても、「お上」の一存で広範な秘密が決められ、情報源を厳しく規制することで知る権利が損なわれ、取材の自由が形骸化される法案の危険性を根本的に取り去ることは不可能である。

秘密保護法案と情報公開法改正とセットでという考え方も示されているが、「まず秘密ありき」の本法案と、情報公開を広げる改正案とは相対立するものであって、両立しがたいのは明らかである。いま必要なことはまず、現行の情報公開法を改正して知る権利の拡充を図ることであり、秘密保護の強化ではない。

私たちは、言論・表現活動に携わり、関わる立場から、本法案の制定に重ねて強く反対する。

2013年10月22日
[呼びかけ人]
青木理(ジャーナリスト)、*岩崎貞明(メディア総合研究所事務局長)、岡本厚(岩波書店社長、前『世界』編集長)、小黒純(同志社大学大学院教授)、桂敬一(ジャーナリズム研究者)、北村肇(『週刊金曜日』発行人)、斎藤貴男(ジャーナリスト)、佐高信(評論家)、篠田博之(『創』編集長)、柴田鉄治(JCJ代表委員)、白石草(OurPlanet-TV)、*田島泰彦(上智大学教授)、堤未果(ジャーナリスト)、中村悟郎(フォトジャーナリスト)、野中章弘(ジャーナリスト/大学教員)、橋場義之(元上智大学教授)、*服部孝章(立教大学教授)、原寿雄(ジャーナリスト)、藤森研(専修大学教員)、丸山重威(ジャーナリスト・元共同通信社)、元木昌彦(元『週刊現代』編集長)、森達也(作家・映画監督・明治大学特任教授)、*吉原功(明治学院大学名誉教授)
(*印は世話人)



大阪府警による不当捜査に
抗議の集中を

 この間、大阪府警は大阪市淀川区での生活保護の「不正受給」を口実に、淀川生活と健康を守る会に3回、全大阪生活と健康を守る会連合会に2回、そレて10月10日に全国生活と健康を守る会連合会事務所の家宅慢査を強行しまレた。この家宅捜査は、生活と健康を守る会への組織弾圧であり、生存権の確立をめざす団体や国民に対する攻撃であり、断じて許されません。

 全国生活と健康を守る会連合会・全大阪生活と健康を守る会連合会は、別紙の抗議声明を発表し、抗議と反撃のたたかいをはじめます。全国から大阪府警に抗議電報を集中していただくようお願いします。

 抗議先
 〒540-0008
 大阪市中央区大手前三丁目1番11号
  大阪府警本部長 様

抗議文案
 全生連・大生連・淀川生健会への捜査に強く抗議し、違法捜査を直ちに中止することを求めます。

※注意
 個人の抗議は、今後のたたかいの中で各個人に迷惑が及ぶ場合を考慮し、今回は組織からの抗議とします。

抗議声明

 (1) 大阪府警察本部警備部公安第1課は、2013年10月10日、不当にも、全国生活と健康を守る会連合会(以下・全生連)事務所の家宅捜索を強行しました。
 我々は、不当捜索に怒りを込めて抗議し、生存権保障運動に対する攻撃と組織弾圧を直ちに中止することを要求するものです。

 (2) 捜索理由は、大阪市の淀川生活と健康を守る会元会員の女性に対する生活保護法違反被疑事件についてです。捜索に入った警察官は、それ以上は明らかにしませんでした。
 不正受給を許さず、地域住民に支持される社会的道理に基づく方針で運動をしてきた全生連への捜索は明らかに違法です。にもかかわらず警察の言うがままに「捜索差し押さえ許可状」を発行した大阪地方裁判所裁判官の判断も、極めて不当です。

 (3) 今年8月からの生活保護基準の引き下げにたいし、「命を削れというのか。引き下げは納得できない」と、全国で1万世帯を超える生活保護利用者が審査請求に立ち上がっています。申請権・受給権を否定し、国民の権利から救貧制度に変質させる生活保護法改悪に反対する国民的運動が広がっている中で、運動を押さえ込むことを狙ったものです。
 警察が押収した資料は、「全生連第39回全国大会決定」など、事件とはかかわりのないものであり、組織弾圧を意図したものであることは明らかです。

 (4) 生活保護法は不正受給に対して、返還命令や保護の停止・廃止など行政の対応を決めています。全生連の抗議にたいし捜査官は生活保護申請に同行することについて触れています。同行は、人権侵害の「水際作戦」のなかで、申請者の意思にもとづいて申請権を守るための行動であり、何ら違法ではありません。こうした生活保護行政の原則や国民の権利を踏みにじる行為は許されません。

 (5) 全生連は、「低所得者を中心とした地域住民の生活と健康、権利の保障を、国や地方自治体、大企業に要求し、実現することを目的」(全生連規約第2条)とし、創立以来59年間にわたって、「貧困からの解放」をめざし生存権保障制度の確立・改善の運動にとりくんできました。

 全生連は、生活保護制度と社会保障の総改悪、消費税増税に反対し、国民生活を守るために、国民各階層と連帯して闘う決意を表明するものです。
2013年10月12日

全国生活と健康を守る会連合会

〒160-0022
東京都新宿区新宿5-12-15KATOビル3階
TEL:03-3354-7431
FAX:03-3354-7435



緊急声明

安倍首相と日本政府は
責任回避の言動を
繰り返すのではなく
日本軍「慰安婦」問題への
責任を直視し履行せよ

 安倍首相は本日未明(ニューヨーク現地時間9月26日)、国連総会で演説し、「憤激すべきは、21世紀の今なお、武力紛争のもと、女性に対する性的暴力がやまない現実だ」と述べた上で、「犯罪を予防し、不幸にも被害を受けた人たちを、物心両面で支えるため、努力を惜しまない」決意を表明、女性の権利を守る国際的な取り組みを支援していく考えを示した。報道によると、演説の半分を「女性の人権重視」にあてた安倍首相の今回の演説は、欧米各国と共に女性の人権問題に積極的に取り組む姿勢を強く訴えることで、「慰安婦」問題に伴う日本のイメージ低下を防ぐねらいがあるという。

 日本政府が女性の権利を守る国際的な取り組みを支援することは歓迎すべきことである。しかし、そのことをもって日本軍「慰安婦」被害者に対する加害責任を免れたり、ほんの少しでも薄めたりすることはできない。また、21世紀の武力紛争下の性暴力を強調することで、20世紀の日本の戦争犯罪をごまかすことはできない。むしろ、過去の犯罪の放置が現在の犯罪の連鎖を生んでいることを肝に銘じなければならない。

 20年を越える歳月、日本政府に国家責任の履行を求めてきた被害者と私たち市民は、今も世界各地の武力紛争下で女性に対して加えられている性暴力を、日本軍「慰安婦」問題と同一線上にあるものと考えてきた。それゆえ、かつて日本軍の性暴力を受けた女性たちに謝罪と賠償を勝ち取ることが、現在も武力紛争下で続く性暴力への不処罰の連鎖を断ち切り、引いてはこのような暴力を根絶することにつながると信じている。
 言い換えるならば、軍隊による性暴力に国家責任を取って世界に範を示す機会が、20余年もの間、日本政府に与えられてきたということだ。第2次大戦中の被害女性が名乗り出て、謝罪と賠償と名誉回復を加害国政府に求めた例は他に類を見ない。この求めに応じることこそが、紛争下で今も続く女性への暴力を根絶し、被害者を支援する道である。にもかかわらず、自らの責任からは目を背け、「イメージアップ」のためにこれを利用しようとしているのだとしたら、断じて許すことはできない。

 「日本政府から賠償金が出たら、未だに私たちのような目に遭っている女性たちに全部あげたい」との韓国人被害者・金福童ハルモニ、吉元玉ハルモニの発言を受けて、韓国では昨年「ナビ(蝶々)基金」が立ち上げられ、コンゴの被害女性たちに毎月支援金が送られている。さらに、今年に入って、ベトナム戦争時に韓国軍人の性暴力を受けた女性たちの生活費支援、その子女らの学費支援へと支援対象を広げている。このような民間レベルの取り組みを通して、被害者たちが国境を越えて互いを知り、支え合う連帯の輪が広がっていることを、日本政府は認識すべきである。

 一方、第24回国連人権理事会会期中の9月11日(ジュネーヴ現地時間)、韓国挺身隊問題対策協議会とアムネスティ・インターナショナルが共催したサイドイベント「日本軍性奴隷生存者のための正義」に、日本政府は招待されたが欠席した。そして、書簡を通して「日本は反省とお詫びの気持ちを度々表明してきた」としたうえで、「安倍総理が8月15日に戦没者慰霊祭で『歴史に対して謙虚に向き合い、学ぶべき教訓を深く胸に刻みつつ』と発言した」と述べた。さらに「安倍総理と内閣は『慰安婦』に深い同情と配慮を感じている」と書いている。 安倍首相の今年の戦没者慰霊祭式辞は、歴代首相が表明してきたアジア諸国に対する加害責任と「深い反省」「哀悼の意」、「不戦の誓い」を意図的に省いて、内外から強い批判を浴びたものだ。にもかかわらず、これを「お詫びと反省の気持ち」の表明と言い放ち、「慰安婦」にされた女性たちに対して加害国が決して口にしてはならない「同情と配慮」などという言葉を投げつける態度には、呆れるばかりである。サイドイベントに、韓国から遠路出席していた金福童ハルモニの怒りはいかばかりであったろうか。それは、被害者を繰り返し傷つけ怒らせるだけの無礼な態度であることを、今一度強調せざるをえない。
 上記イベントに出席したパブロ・デ・グリーフ真実・正義・賠償・再発防止の促進に関する特別報告者は、「日本軍『慰安婦』問題に対する日本のお詫びは充分ではなかった」と指摘し、「公式謝罪は被害者が権利の所有者であることを明確に確認するものでなければならない」「日本軍性奴隷問題を解決しないことは不信を生む」としたうえで、「アジア女性基金は、日本軍『慰安婦』問題を解決できなかった」と強調した。また、日本の教科書から「慰安婦」記述が削除されたことに深い憂慮を示した。 20余年におよぶ被害者たちの闘い、そして、同じく20年以上続いて来た国際機関の勧告、国際世論の求めに誠実に応えることが日本政府に求められている。
 にもかかわらず、政府は6月18日、「(国連)勧告は法的拘束力を持つものではなく」、「締約国に対し、当該勧告に従うことを義務付けているものではない」という答弁書を閣議決定した。このような国連無視、国際世論軽視の姿勢を閣議決定しながら、一方で資金を出せば国際的な「イメージダウン」を防ぐことが可能だと考えているのだとしたら、それは国際社会を愚弄するものである。
 日本が戦時性暴力被害者のために世界に貢献しようとするならば、まず、日本軍「慰安婦」被害者に対する自らの責任を果たさねばならない。それこそが、日本にだけ出来る国際貢献でもある。 安倍首相と日本政府は、責任回避の言動をこれ以上繰り返すのではなく、日本軍「慰安婦」問題の事実と責任を直視し、被害者への謝罪と賠償を直ちにおこなうよう強く要求する。

2013年9月27日
日本軍「慰安婦」問題解決行動共同代表
 梁澄子 渡辺美奈



真特定秘密保護法案に
反対する声明

日本ジャーナリスト会議は、政府が概要を発表し、パブリックコメントの募集に入った「特定秘密の保護に関する法律案」(特定秘密保護法案)に反対の意思を表明し、国民のみなさんが、国民の「知る権利」を奪うこの法案の反対に立ち上がるよう訴える。

 今回の特定秘密保護法案は、これまで、私たちが反対運動を続けてきた「秘密保全法案」の名称等を変え、問題点をカモフラージュしたもので、その本質は、変わっていない。 しかも、まだ連立与党の間ですら調整が付いておらず、法案の作成過程や内容の説明もできていないにもかかわらず、わずか2週間のパブリックコメント公募を求めるなど、手続き的にも極めて乱暴なやり方を取っていることなど、到底受け入れるわけにはいかない。  特に、今回明らかにされた法案の概要に寄れば、「秘密保全法案」では、(1)国の安全(2)外交(3)公共の安全と秩序の維持ーの3分野の情報のうち「国の存立にとって重要な情報」としていた「特別秘密」を、(1)防衛(2)外交(3)安全脅威活動(4)テローの4分野に変更している。しかし、この「安全脅威活動」や「テロ活動防止」には歯止めがなく、「その被害の発生・拡大のための措置またはこれに関する計画もしくは研究」がすべて対象にされたり、「収集した国際機関または外国の行政機関からの情報その他重要な情報」について、この情報を漏らし、取得し、そのために共謀し、それをそそのかしたりすると「懲役10年以下の厳罰に処する」というという法案の性格は変わっていない。

 当然報道関係の取材が処罰対象にされかねず、報道の自由に大きな影響を与え、国民の知る権利が制約されることになる。

 私たちは、戦前の政府と軍部が「軍機保護法」などで国民の目と耳をふさぐことによって、侵略戦争の道に突き進んでいった苦い経験を忘れるわけにいかない。安倍内閣が明文改憲だけでなく、法律を変えたり作ったりする中で、実質的に改憲の道を進めようとしている状況の下で、この特定秘密保護法の策動を許すわけにはいかない。  国民の皆さんがこぞって、この法案への反対に立ち上がってくださることを改めて呼びかける。

2013年9月12日      

日本ジャーナリスト会議

真の自由は日米安保条約
破棄から始まる

中 正敏(詩人)

 市民の自由侵害に関してのスノーデン氏の告発は、大変なことでございます。「朝日」などNHKとともに,マスメディアの動向が懸念されています今日、さらに自由な活動のできぬ事態が発生するのを恐れます。
 憲法を改悪して集団的武力の行使をアメリカに代わり、わが国の自衛隊が行うことは,わたし達のいのちと生活の自由と尊厳を踏みにじられる危険がございます。
 公務員としての国会議員は99条により厳守すべき義務がございます。選挙の結果、憲法を改悪しようとする自、公の議員数が他を超えたとしても96条の議論の許される三分の二を二分の一へとハードルを下げること自体憲法違反であります。
 それにも拘わらず日銀総裁を代えて軍事資金を放出させ、今度も内閣法制局長官まで入れ替えて,憲法解釈を根底からねじ伏せる恐るべき手口等の陰謀が明白になってまいりました。
 これはもちろんアメリカのペンタゴン政策に総理以下、マスメディアまでが、支配されているのでございます。
 アメリカがわが領土を基地として荒れ地化させるなど,植民地化するのは国際法上違反であり、サンフランシスコ条約があるとしても国際法上許せません。
 イランの石油買い取り制限によるガソリン代の高騰により、小売り業も運送業その他もともに立ちゆかなくなってまいりました。日米安保条約のある限り、自主独立の自由な生活はできません。
 日米安保条約は国際条約上互恵の性格で貫かねば国際法違反に変わります。
 日米安全保障条約の末尾に、お荷物になれば放棄しようとして、アメリカは同条約の破棄ができることを追加しました。
 日米安全保障条約は一方が一方的に破棄宣言をすれば1年後に同条約は失効いたします。  この破棄条項を実現して自由な独立国のもとで市民のいのちと生活の尊厳を守りたいものです。
 二国間契約は互恵契約です。一方のみに有効ではあり得ません。それは国際公法上違反でございます。
 なぜマスメディアや評論家のこれが見えないか不思議です。


日本国憲法の基本的理念を
否定する改定の動きに反対する

2013年6月28日
世界平和アピール七人委員会
武者小路公秀 土山秀夫 大石芳野
池田香代子 小沼通二 池内了 辻井喬


私たち世界平和アピール七人委員会は、政府と政治家たちが計画している、現行憲法の基本理念を否定する改定への動きに、主権者であるすべての国民が注目し意見を表明されるよう要望します。また、政府と国会議員がこの改定への動きを直ちに中止するよう求めます。

現行憲法の前文には、「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」、「いずれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであって、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立とうとする各国の責務であると信ずる」とうたわれています。これは国連において日本政府が主導的貢献をしてきた「人間の安全保障」の理念と一致しています。それにもかかわらず、自由民主党が国会提出を目指している「日本国憲法改正草案」(平成24年4月27日、以下草案という)では、このような国際的視野が一切消え、自国のことのみに目が向いています。

現行憲法の第二章「戦争放棄」は、「草案」では「安全保障」と名をかえた上、第九条第一項の「戦争の放棄」を維持するかの如く見せています。しかし、それを保障してきた現行憲法第九条の②の、戦力を持たず、国の交戦権を認めない規定を削除して、集団的自衛権を含む自衛権の名の下で国防軍を設置して、第九章の「緊急事態」の下で、国民の批判を一切許さずに国の方針に従わせる義務を課そうとしています。

私たちは、現代の戦争が、自衛の名の下で進められてきたことを忘れてはなりません。現行憲法第九条の②のおかげで、第2次世界大戦後、日本は68年間戦争によって殺すことも殺されることもない平和と繁栄の国であり続けてきたのです。軍事力の増強は、たとえ防衛のためといっても、近隣諸国の軍事力増強への圧力となり、しばしば軍拡競争の連鎖となってきた歴史を想起する必要があります。近隣諸国との友好関係を一歩一歩進めることこそが、国家の安全保障の確保につながる最良の道です。日本のような、人口急減社会の下で、多額の財政赤字を抱えている国が軍備増強を図るならば、国民生活を圧迫し、国力を弱体化させ、「国防軍」維持のために徴兵制度への道を歩むことになることは明らかです。

「憲法改正」を規定する現行憲法第九十六条を草案第百条に変更する構想にも大きな問題があります。憲法改定を計画する場合には、内容を丁寧に提示して支持を増やす努力をすることが正道です。それにもかかわらず草案では、現行憲法の改定条件を緩和して、国会議員のわずか1人の差でも国会の議決ができ、国民投票では投票率に関係なく有効投票数の過半数で改定ができることにしています。これでは多数の国民に支持される安定した憲法にならないことが明らかです。

このほかにも、以下に取り上げる項目を含め見過ごすことのできない多くの改定がもくろまれています。

第三章の「国民の権利及び義務」の改定草案では、「公益及び公の秩序」が繰り返し強調され、国民の権利を著しく制限する一方、義務を拡大することが目論まれています。草案は、主権者である国民が政府の行動を規制するという近代国家の憲法の理念に反し、国民主権を事実上放棄させて、政府に国民を従属させる構造になっています。現行憲法の下でさえ、政府は、米軍基地の沖縄県への押し付けを、県民の一致した意見を無視して続け、福島第一原発の事故状況が未解明のままであり、福島県民が将来への生活設計を全く立てられない苦悩の中にいるにも関わらず、この事態を無視して、原発の輸出に熱中し、国内での原発推進を公然ともくろむなど、さまざまな場で国民の基本的人権の蹂躙を繰り返しています。草案はこの動きを一層加速させるものであり、支持することはできません。

また現在、選挙区ごとの人口格差について、政府と国会が是正をしないままでいるため、憲法違反の状態が続いています。草案第四十七条には「各選挙区は、人口を基本とし、行政区画、地勢等を総合的に勘案して定めなければならない」という条項が追加されているため、人口格差が大きい現在の違憲状態をそのまま合憲として定着させてしまうことになります。

現行憲法第五十六条では、両議院の各々が、議員の3分の1以上の出席がなければ議事を進めることができないとされていますが、この規定の削除が提案されています。この改定は、議論の内容の重視でなく、議事を進めるという形式の重視に導くものです。

かつての日本では、軍部が政治に介入し深刻な弊害をもたらしました。そのため現行憲法第六十六条で、すべての大臣は文民でなければならないと定められ、自衛隊員にも適用されています。国防軍を設置しようとする草案では、「大臣は現役の軍人であってはならない」と規定されています。これでは、現役を退くことによって翌日から大臣になれることとなり、いわゆる文民統制は完全に空洞化されることになります。

さかのぼれば、アジアなどの非西欧諸国は、欧米を中心につくられた近代国家が行った侵略主義・植民地主義・覇権主義の犠牲になってきました。そのアジアの中で、明治以来の日本は、米欧諸国と肩を並べる近代国家を構築しました。しかし、日本が自ら近隣諸国に兵を進めて植民地化してきたことは、残念ながら否定できない歴史の事実です。これを反省し、現行憲法前文で「全世界の国民が・・・平和に生きる権利を有することを確認」したことによって、近隣諸国は、日本との武力衝突を考慮する必要がなくなったのでした。そして、高度な技術を保有する日本が、武器の輸出を抑制してきたことも、多くの国と市民から高く評価されてきたところでした。
世界平和アピール七人委員会は、1955年の発足以来、日本と世界の平和を求めてアピールを発表してきました。それは、日本・アジア・世界の歴史的経験を踏まえて到達し、日本国憲法の前文にうたわれている基本理念を発展させようとの一貫した努力であり、現行憲法制定の前年に発足した国連憲章の基本的理念とも一致するものでした。

1945年の敗戦以後積み重ねてきた平和を愛好する国としての日本の努力と成果を、敗戦と被占領の不本意な結果だとして否定し去ろうとする動きによって消し去るという過ちをおかしてはなりません。

連絡先:世界平和アピール七人委員会事務局長 小沼通二
メール: mkonuma254@m4.dion.ne.jp
ファクス: 045-891-8386
URL: http://worldpeace7.jp

[付 記]

 世界平和アピール七人委員会は、28日、小沼通二委員・事務局長らが記者会見 し、添付の「日本国憲法の基本的理念を否定する改定の動きに反対する」と題するア ピールを発表しました。世界平和アピール七人委員会は、1955年、下中弥三郎、 湯川秀樹、平塚らいてう、前田多門らによって結成され、日本の知識人として、不偏 不党の立場から、世界平和、核廃絶、憲法擁護などについて発言してきました。この アピールは、109番目のアピールに当たります。
 現在の委員は、武者小路公秀(元国連大学副学長、国際政治)、土山秀夫(長崎大 学名誉教授、医学)、大石芳野(フォトグラファー)、池田香代子(翻訳家)、小沼 通二(慶応大学名誉教授、物理学)=事務局長、池内了(総合研究大学院大学教授、 宇宙物理学)、辻井喬(作家)の七人。記者会見には、武者小路、小沼、池内の三委 員が出席、アピールについて説明し、記者の質問に答えました。
 ぜひ、各方面に広めていただくようお願いします。
世界平和アピール七人委


【声明】 原子力・エネルギー政策
「国民的議論」無視はゆるされない

2013年4月9日
eシフト:脱原発・新しいエネルギー政策を実現する会
http://e-shift.org/?p=2616
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eシフトは、原子力・エネルギー政策見直しにおいて、市民の意見を聞く場を様々な手法 により設け、反映すべきであると考える。2012年夏の「国民的議論」については、不十分 な点はありながら、2ヶ月近い期間で、複数の手法がとられたことは、画期的であり、こ れを無視することは許されない。改めてプロセスを踏む場合には、市民参加の機会を再度 十分に設けなければならない。2013年3月に議論を開始した総合資源エネルギー調査会・ 総合部会の議論に対し、下記提言する。

1.総合部会の議論は、「革新的エネルギー・環境戦略」の議論を踏まえるべき
2013年3月15日に開催された総合部会第1回会合では、「革新的エネルギー・環境戦略」 の言及がなかった。しかし、2011年よりエネルギー基本計画の見直し作業を開始し、基 本問題委員会での議論と「国民的議論」を経て、革新的エネルギー・環境戦略が策定され た。震災・原発事故以降、日本のエネルギー政策について積み重ねてきた議論を無駄にす るべきではない。特に、eシフトの視点からは不充分ながらも、長い議論の結果として「 原発に依存しない社会」の実現へ向けての方針が出されたという事実は無視してはならな い。資料を提示して再度取り上げるべきであり、この戦略について、9月19日に「踏まえ て検討する」との閣議決定がなされたことについても、留意しなければならない。

2.2012年夏の「国民的議論」とその結果について取り上げること
政権の方針が変わったとしても、上記戦略の策定に至る過程の中で行われた議論や、2ヶ 月の時間をかけ、様々な手法で大々的に実施された「国民的議論」の結果は重要な意味を 持つことに変わりはない。8万9000件以上のパブリックコメントが寄せられるなど、広範 な市民が積極的に参加したことは画期的な事実である。総合部会の中で、国民的議論検証 会合の委員からのヒアリングなどを設けて改めて説明し、議論の前提とすべきであ る。

3.今後の市民参加・国民的議論について具体的に検討すること
総合部会ウェブサイトでは意見募集が開始されているが、今後それだけでなく、各地での 意見聴取会や原発事故被災者からのヒアリング、市民団体からのヒアリング、討論型世論 調査などを実施すべきである。その際には、福島第一原発事故の現状や被害状況について も提示すべきである。また収集された意見は、すべて公開し、意見への具体的対応につい て提示すべきである。  なお、2012年12月25日に原子力委員会から出された「国民の信頼醸成に向けた取組につ いて(見解)」の中でも、今後のエネルギー政策や原子力政策に関する行政決定に関して 、説明責任、正確な情報開示、透明性・公開性と決定過程への国民参加、わかりやすい説 明の四つの基本的要件を目指すべきとし、国民が意見を述べる機会を設けることに努める べき、としている(*)。
*原子力委員会、2012年12月25日。
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/about
/kettei/121225_1.pdf


4.総合部会委員構成は不適切、見直すべき
エネルギー基本計画の改定に向けて設置された基本問題委員会が廃止され、かつて原発推 進政策を決定づけてきた「総合部会」での議論となっている。メンバーからは、「基本問 題委員会」で「原発ゼロ」の立場であった8人のうち6人が外され、メンバー構成は原発維 持・推進に大きく偏っている。しかも、委員長は新日鉄住金相談役の三村明夫氏で、基本 問題委員会の委員長として不適任であった人物である。このような審議会構成は、幅広い 意見を聞くことを最初から放棄したものであり、公正な議論が保証されているとは考えら れない。批判的委員の追加、もしくは少なくともヒアリングを行うべきである。

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eシフト(脱原発・新しいエネルギー政策を実現する会)
http://e-shift.org
〒171-0014 東京都豊島区池袋3-30-22-203
      (国際環境NGO FoE Japan気付 )
Tel: 03-6907-7217  Fax: 03-6907-7219

☆「10万人の原発ゼロノミクス宣言」に賛同を!
http://zeronomics.wordpress.com


4・28式典
国民の分断を許すな

 サンフランシスコ講和条約が発効して日本が国際社会に 復帰した4月28日、 政府主催で「主権回復の日」の式典を 開くという閣議決定に、この日を「屈辱 の日」としている沖縄 から一斉に反対の声が上がっている。13日には沖縄県 庁 前で抗議集会が開かれ、参加者からは「超党派の抗議集会 を」という声が出 た。翁長政俊自民党県連会長も「県民への 冒涜」と撤回を求めた。当然だ。
 「タカ派」といわれる安倍晋三首相だが「参院選までは安全 運転をと、ツメを出さ ないようにしてきた。だが最近「国際的 集団安全保障に参加する道は残したい」 「憲法条改正に全 力を挙げる「東京裁判は勝者の判断による断罪」など発言 エスカレート。戦闘機部品輸出の「武器輸出三原則」の例 外化に続いて出てきたのが「主権回復の日」だった。
 しかし沖縄では、この日は、本土と切り離された屈辱の日 仲井真弘多知事は談話で「この日が現在の過重な基地負 担につながる苦難の第一歩」と強調した。  沖縄県公文書館にも展示され、沖縄ではよく知られた「天 皇メッセー ジ」と呼ばれる文書がある。1947年9月、昭和 天皇御用掛の外交官 ・寺崎英成が伝えた内容をGHQ(連 合国総司令部)のW・J ・シーボ ルト政治顧問が国務長官に報告した「琉球諸島の 将来に関する日本の天 皇の見解」だ。
 天皇はそこで「沖縄の軍事占領を継続することを希望して
いる」とし、
①この占領は米国にも役立ち、日本国民から広く賛同を得 るだろう
②占領は日本の主権を残したまま、25年ないし50年、あ るいはそれ以上の長期租借にするべきだ
③この「軍事基地権」取得は対日平和条約の一部でなく日 米二国間条約によるべきだ
――との見解を示したという。
 この文書の発見は歴史家にも驚きだったがその後、侍従 長だった入江 相政の日記で、天皇の意思」が確認された。 今もの「占領」が続いているのが現実だ。それを祝い、天皇 を引っ張り出しての式典はその固定化。天皇の政治利用で もある。
 1952年の「4・28」で沖縄と本土が切り離され、沖縄米 軍基地存続の根拠が生まれた。本土復帰も「基地抜き」に はできなかった。国民分断と対米従属の道をこのまま進め ていいのだろうか。首相の「美しい国」は沖縄の犠牲で成り 立つ国なのか。日本人全体、これを許していいのだろうか。
(まるやま・しげたけ:ジャーナリスト)



「集団的自衛権の行使」の企てに
反対する共同声明にご賛同を

諸団体・個人の賛同(公表可のみ)を緊急に募集します。
転送・転載にご協力を。
締め切りは3月末日。賛同の連絡先は、
kenpou@annie.ne.jp
またはFAX03-3221-4668、郵便は
東京都千代田区三崎町2-21-6-301市民ネットあて。

共同声明
 「集団的自衛権の行使」は「戦争」です
安倍内閣は憲法の不当な
解釈変更をやめ、9条を守れ!

 昨年末の衆院選の結果、再登場した安倍内閣は、リベンジと ばかりに「集団的自衛権の行使」と「憲法の改悪」をめざし、 ひたすら準備を強めています。しかし自民党が多数議席を 獲得したとはいえ、民意が9条をはじめとする改憲を 支持したのではないことは多くのデータも示すところです。
 まして、昨年4月に発表された自民党改憲草案の言う 「元首天皇を戴き、国防軍で『自衛戦争』をする国」には 大多数の人びとが不安を示しています。
 安倍内閣は、改憲の要件を定めた第96条をまず変更して 改憲を容易にしたうえで、9条などをはじめとする平和、 人権、国民主権の憲法3原則の破壊に向かおうとしています。 私たちはこのような憲法改悪を断じて容認できません。
 しかも安倍内閣は、そうした明文改憲さえも待たないで、 領土問題など東アジアの緊張からくる偏狭なナショナリズムを 煽りたて、歴代政府が繰り返し確認してきた憲法解釈を変えて、 集団的自衛権が行使できるよう企てています。それを お手盛りの諮問機関による「答申」で飾り立て、国家安全保障 基本法なるものを制定することで、その合法化を謀っています。
 しかし、安倍内閣がめざす集団的自衛権の行使とは、米国の 世界戦略の要求に従い、米国と共に海外で戦争をすることであり、 たとえ「基本法」などでごまかしても、憲法第9条の 許容するところではありえないのは明白です。「集団的 自衛権」を行使することは、9条に真っ向から反して 「戦争をする」ことに他なりません。私たちは、このような 横暴な憲法解釈による憲法破壊を許しません。
 以上の立場から、私たちは連名をもって、安倍内閣に日本国憲法 第99条が厳粛に規定する憲法尊重擁護義務に従い、不当な 憲法の解釈変更や拡大解釈、憲法改悪への動きを中止するよう 要求します。

2013年2月17日
(呼びかけ)第16回許すな!憲法改悪・市民運動
全国交流集会 実行委員会


以下、賛同団体、個人の連署。
I0女性会議大阪/憲法を生かす会/憲法を生かす会東京連絡会/ 第九条の会ヒロシマ/ピースリンク広島・呉・岩国/ ふぇみん大阪/平和を実現するキリスト者ネット/ 許すな!憲法改悪・市民連絡会/

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許すな!憲法改悪・市民連絡会
高田 健
東京都千代田区三崎町2-21-6-301
03-3221-4668 Fax03-3221-2558
http://www.annie.ne.jp/~kenpou/
憲法審査会傍聴備忘録 http://web-saiyuki.net/kenpou/">
ツイッター
https://twitter.com/ken_takada


<JCJ緊急アピール>

憲法の危機に、憲法を守り活かす勢力の前進を!
2012年12月総選挙に当たって、国民に訴える

 2012年12月16日に投開票される衆議院総選挙に関し、私たち日本ジャーナリスト会議は、この選挙の真の争点が日本国憲法にあることを改めて確認し、憲法に基づく政治の実現を目指す勢力が前進するよう、主権者である国民の皆さんに訴える。
 今回の選挙について、マスメディアの多くは、民主党と自民・公明、それに「第3極」と称するいくつかの保守政党をベースに選挙を描き出している。そこでは、消費税増税と社会保障、原発政策やTPP参加、近隣諸国との領土問題などが争点だとしている。また、全県挙げた沖縄のオスプレイ反対・基地撤去の声は無視に近い状態である。
 これらはいずれも日本の将来に関わる重要な問題である。しかし私たちは、その全ての根幹が日本国憲法にあること、そして今回の総選挙の結果によっては、戦後日本を形づくってきた憲法とその精神を捨て去り、再び戦争をする国に進む危険をはらんでいることを改めて指摘せざるを得ない。問われているのは、改憲勢力が議席を伸ばすのか、それとも改憲に反対し、憲法に基づく政治を目指す勢力が前進するか、である。
まず、「日本国憲法改正草案」を公表した自民党は、総選挙公約で憲法改正をめざすとし、自衛隊を国防軍にし、集団的自衛権の行使を明確化する「国家安全保障基本法」制定を掲げた。安倍晋三総裁は、戦争を前提として「交戦規定の整備」まで主張している。さらに、「憲法破棄」を唱える石原慎太郎前東京都知事や、「自主憲法大綱案」を掲げる「たちあがれ日本」、「維新八策」で改憲を含む統治機構改革を主張する橋下徹大阪市長らが合流した「日本維新の会」の選挙公約には、「自主憲法の制定」が盛り込まれた。
 民主党も「専守防衛」に代えて「動的防衛力」を唱え、日米同盟の深化と日米軍事一体化を進め、集団的自衛権解釈の変更を打ち出している。さらに、「安全保障基本法」を唱える日本未来の党、「憲法改正の考え方」を持つみんなの党、「加憲」を主張する公明党も含め、今回の総選挙では、改憲を明確に掲げる政党の動きが際立っている。これらの政党が衆議院の多数、特に3分の2の議席を獲得すれば、改憲策動がさらに進む危険は明白だ。表現の自由と知る権利を危うくする「秘密保全法案」の浮上も現実味を増してくる。
 かつて日本のメディアは、暴走する軍と「新体制」を唱える政治を押しとどめず、むしろそれを煽り、侵略戦争を推し進めた痛恨の歴史を持っている。日本国憲法は、戦争の惨禍と、2000万の人々の犠牲で生まれた、世界と歴史に対する約束でもある。
 ところが、マスメディアの今回の選挙報道は、こうした憲法の精神に立って政策を論じ、この憲法の危機を伝えるのではなく、「第3極」と称する政党の派手な動きや、すぐに政権に関わらない政党は意味がないかのような「政権の枠組み」報道に終始し、加えて自らによる世論調査で、「勝ち馬」意識を煽るバンドワゴン効果を広げようとしている。
 かつての侵略戦争への反省から生まれた、私たち日本ジャーナリスト会議は、日本国憲法の危機を示す総選挙にあたり、マスメディアが日本国憲法の精神に立ち返り、将来を見通した鋭い批評精神を発揮し、国民の道しるべとなることを改めて強く要請するとともに、主権者である国民がその投票行動で、憲法改悪をもくろむ勢力に厳しい審判を下し、憲法を守り生かす勢力の前進を促すよう、こころから訴えるものである。
 私たちはいま、歴史の岐路に立っている。
2012年12月8日 真珠湾攻撃から71年目の日に
日本ジャーナリスト会議(JCJ)