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ニュース & オピニオン
 

何も言うことのできない夫の話を
することがどれだけ悔しいか、
皆さんには分かりますか。

 

首都圏建設アスベスト訴訟・神奈川原告団
 原告の妻 本田照子さん

、                                     私の夫、本田隆三は3週間前の5月28日に、肺がんでなくなりました。67歳でした。52年間ずっと大工の仕事を続けてきた、それはそれは真面目な人でした。
 夫と私、同じ大工の息子は38年前ころから定期健診を受けてきましたが、3年前の12月末の定期健診の時に、夫だけが「肺に影ができている」と告げられました。迎えた新年は、正月どころではありませんでした。
 紹介されて受診した横浜労災病院で、1月9日に肺がんですとの告知を受け、2月9日に左肺上葉の全部の摘出手術をしました。繰り返し病理検査をお願いする私に、根負けした医師が摘出した肺を検査に出してくれました。
 その結果は、医師が驚くほどの石綿小体(アスベストの繊維)が発見されることになりました。労働災害の認定基準は5,000本ですが、検査に出した夫の肺からは、なんと14,444本という異常な数だと聞かされました。
 07年2月13日、夫は退院しました。3月ころから抗がん剤の副作用で、身体中に湿疹ができ、ひどいかゆみに悩まされました。約半分を切り開いた身体は傷跡も痛むようで、シャツがこすれるだけでもひどく痛がっていました。
 11月ころからは、ひどい咳に悩まされ、血が混じった肉のかたまりのような痰を吐き出したのを見たこともあります。
 08年1月には、左肺の下部に転移が見つかり、抗がん剤と放射線治療で、胸の周りがただれてきて、刺すような痛みが続いたようです。食欲も落ちていきました。08年9月には頭に転移していることが分かり、頭を開いて脳を圧迫していた腫瘍を取り出し、放射線治療を受け続けました。
 09年3月足の痛みとともに尿が出なくなりました。手術をしたところ、脊髄の中に悪性の腫瘍がぎっしり詰まっていて、下半身の機能が失われたことが分かりました。医師からは、「がん細胞を取れるだけ取りました。もうできる治療はありません」と告げられました。「本田さんのがんはたちが悪い。治療の成果が出ない。アスベストのせいなのか」という医師のことばが耳に残っています。

「後に続く被害者のために道筋を作っておかなければ」

 がんの告知を受けていらい2年半、09年5月28日に亡くなるまで、痛みと向き合いながらも声を荒立てることもなく、最後までやさしい夫のままで接し続けてくれました。
 その息子が、今、アスベスト健康診断の結果「要観察」と診断されています。夫の仕事を引き継いでくれた時の喜びが、逆に胸を痛める結果にはなってほしくありません。
 夫が、「この裁判に参加することにした」と話した時のことを思い出します。「自分の生きている間は間に合わないけど、後に続くアスベスト被害者のためにも道筋を作っておかなければいけない。それが俺にできることかな」、と。
 私は今日、悔しくても何も言うことができない夫に代わって、妻である私が話をしなければと思い、ここに来ました。
 私がここに立って、国や企業のみなさんに、もう何も言えない夫の話をすることが、どれだけ悔しいか皆さんには分かりますか。病気と闘いながらも、自分のようなアスベスト被害者をなくそうと頑張っていた夫に、自分で話をさせてあげたかったです。国や企業のみなさん、どうしてこんな危険で恐ろしいアスベスト建材を作り続け、売り続けたのか教えてください。
 あなた方ではないのなら、夫は誰に殺されたのですか。本当であれば、私たち家族には、まだまだ楽しい未来があったはずです。そう思うととても悔しいのです。
 1日も早い解決をして、アスベストで苦しむ被害者の方を救い、もう二度とこのような苦しみを受ける人がいない世の中にしてください。これが夫と私の願いです。

*この記事は、6月19日に行なわれた同裁判の第3回口頭弁論で、本田照子さんが陳述した内容を要約したものです。次回会の横浜地裁での口頭弁論は、7月17日(金)の予定です。

連絡先:〒221−0045 神奈川県建設労働組合連合会
 TEL 045(453)9701 FAX 045(453)9705
日本機関紙協会神奈川県本部第29回配信 2009年6月22日 No.77

税金は応能負担が原則。
消費税の増税は許さない。

 

全日本年金者組合神奈川県本部
 書記長 土志田公佳さん

   基礎年金財源の国庫負担を2分の1に引き上げ、その財源に消費税増税を充てることをねらった国民年金法改悪案が参院で否決後、衆院の再議決で成立しようとしています。
 消費税導入の時も、3%から5%に引き上げた時も、「福祉と社会保障の財源に充てる」と説明されました。
04年に年金制度の大改悪が強行されました。例の「百年安心の年金」改悪です。その時、国庫負担を2分の1に引き上げることも決まりました。しかし、その財源と称して公明党が先頭に立って、年金課税の強化(老年者控除の廃止・公的年金等控除の削減)、定率減税の廃止が実施されました。
 私たち年金者はもう騙されない、許さない。@消費税導入と5%への引き上げは、福祉・社会保障拡充のためでなく、大企業と大金持ちの減税のためだった。A年金課税強化と、毎年2,200億円の社会保障財源が削減された。B年金・医療・障害者・生活保護・福祉などの社会保障・福祉制度の改悪がされてきた。
 いま求められているのは、憲法25条にもとづく社会保障、福祉制度の拡充です。それを保障するのが、税の「応能負担の原則」です。具体的には、@直接税中心、A生計費非課税、勤労所得軽課税・不労所得重課税、C総合累進課税です。 この原則に反する最悪の税金が、「消費税」です。
 たいへんな世界不況の中で、ヨーロッパでは消費税(付加価値税)を減税して、所得税の最高税率を引き上げようとしています。アメリカでは、今後10年間で中低所得者への72兆円の減税を行う一方、富裕層への増税を行う計画が提案されています。
 世界の流れに逆行する消費税の増税を許さず、税の応能負担の原則を高く掲げて運動を進めていきましょう。
連絡先:〒231−0045 横浜市中区松影町2−7−12
 飯田ビル2階TEL 045(663)4061 FAX 045(663)4062

日本機関紙協会神奈川県本部 第28回配信 2009年6月15日 No.75

                  

建設企業の倒産で不払い広がる
請負労働者の権利の確立が急務です

 

神奈川県建設労働組合連合会
 書記次長 紺野広巳さん

建設産業の不況が深刻になっています

 それを背景に建設企業の倒産が急増しています。神奈川県内でも、昨年の10月から今年の3月までの半年間で、対前年比22%増の105件の中小建設業者が倒産しました。
 この影響で、私たちの組合員にも被害が広がっています。1企業の倒産で、10人から数十人規模に被害が広がる事案が増加しています。
 とくに、地場の中堅ハウスメーカーの倒産と、ゼネコンの一次下請け業者の倒産事例が、多くの被害者を生み出しています。
 中堅ハウスメーカーの倒産では、今年2月の「富士ハウス」の倒産で、神奈川県内で18人、建設労連・関東地区協議会で40人の被害が出ました。3月の「アーバンエステート」の倒産では、神奈川県内で25人、関東地区協議会で150人の被害が出ています。
 県内のハウスメーカーでも、4月に相模原の「マックホーム」が「民事再生」になり、5月には川崎市の「さくらホーム」が事業を停止。それぞれ被害者が広がっています。
 ゼネコンの一次下請けの倒産は、元請からの単価切り下げなどによる影響が大きく響いています。県内の業者でも、内装工事大手の「赤井クロス」や、型枠業者の「協和」が相次いで倒産に追い込まれた結果、多数の被害者が生まれています。

  「労働者」でありながら企業の利益を増やすために
 「請負」にさせられているのが実態

 とくに、ハウスメーカーなどの元請が倒産した場合は、「賃金確保法」による「国からの立替え払い」の適用で救済を図るしか、有効な手だてがない場合もあります。
 救済を図るには、「賃金労働者」であることを認定される必要があります。全国建設労働組合総連合(全建総連)では長年の運動で、雇用関係のない手間請け職人についても労働者性があることを、一つひとつの事案ごとに証明し、認めさせてきました。このことによって、国からの賃金立替え払いに道を開き、組合員の救済を実現してきました。
 今、私たちが取り組んでいるハウスメーカーの倒産事件でも、賃金確保法の適用に向けて交渉を進めています。しかし、早くても半年、長ければ1年から2年近くかかる事例もあります。
 現在の法の枠組みでは、被害者と組合が頑張っても救済しきれない事案もたくさんあります。こうした被害を救済するためにも、法の枠組みの改正が必要です。
 こうした現実を受けて、首都圏の建設労働組合と「建設政策研究所」が共同して、個人請け労働者の保護を目的にした研究を進めています。重層下請け構造の建設業界です。実態は労働者でありながら、企業の都合で「請負」にさせられている労働者の権利の保護を確立することが、建設労働組合の緊急な課題になってきています。
連絡先:〒221−0045 横浜市神奈川区神奈川2−19−3
    神奈川県建設労働組合連合会
    TEL.045(453)9701 FAX 045(453)9705
 
日本機関紙協会神奈川県本部 第27回配信 2009年6月8日 No.72

新型インフル 米軍関係には
「軍事機密」の壁
米軍ルートの対策強化で座間市に申し入れ

 

神奈川県平和委員会 事務局長 菅沼幹夫さん

 新型インフルエンザをめぐって、国際的に感染対策や入国の際の検疫が強化され、国内でも対応に追われました。
 感染者の多発している米本国との移動が多い米軍・軍属の感染防止対策に、市民の不安が広がっていました。この声を受けて、5月13日、座間市平和委員会と神奈川県平和委員会は、米軍基地を抱える座間市に対して、米軍に「感染防止対策の強化」を要請するよう申し入れました。
 「日本の検疫法も感染症法も在日米軍は適用外。米軍基地での検疫体制は十分なのか。政府が検疫官の人数さえ把握できていない状況では、不安は募るばかり」と訴え、米軍に対して、しっかりとした感染防止対策をとることや、直接自治体が米軍に情報を求められるようにすること、座間市に「保健所を復活すること」をもとめました。
 応対した今福秘書室長と保健医療課の加藤係長は、「座間市はすでに4月30日、キャンプ座間の渉外部に対策強化と情報提供を要請し、米軍は『感染防止対策を十分にとる』と答えたと報告。「医療スタッフや施設はどのように十分なのか」などの質問には「具体的な話は不十分なのでこれから詰めたい。ただ細かいことは『軍事機密』の壁があるので」と、「もどかしさ」も率直に話し、「基地を抱える他の自治体とも連携して今後も対処したい」と答えました。
 参加した座間市平和委員会の中澤信子さんは、「米軍が『きちんとやっている』と言っているから安心だということでなく、『この問題は、どうなっているのか。これは、こうして欲しい』と、座間市としても米軍に具体的な要求を出すべきだ」、「米軍基地のあるところは人口基準などに満たなくても、その地域に保健所を作る。最低でも保健所の支所を特別につくって欲しい」と話していました。
連絡先:〒231-0064 横浜市中区野毛2―61大沢屋ビル
   4−A 神奈川県平和委員会 TEL・FAX045(231)0103
 
日本機関紙協会神奈川県本部 第26回配信 2009年6月1日 No.66

    

新自由主義が、「福祉労働」を
「変質」させました

 

全国福祉保育労働組合神奈川県本部
書記次長  佐々木節子さん

 「新自由主義」が言われて久しくなります。経済を活性化させるためには「規制」を緩和させて、民間活力による自由な競争を促すことで効率のアップになり、サービスの向上にもつながると言う。この新自由主義の波は社会福祉の分野にも大きな影響を与え、「福祉労働」を「変質」させてきました。
 最近は、保育所や通所施設などでも開所日数や開所時間の延長が行われています。その結果、勤務形態が複雑になったり、非常勤やパート、嘱託や派遣職員など、さまざまな労働形態の人たちが増えて、職員全体が集まる会議の場が持ちにくくなっています。その上、人事考課などの導入で、「自己責任」や「自助努力」が強く求められ、「チーム労働」・「コミュニケーション労働」と言われる職員集団としての一体感が薄れてきています。
 こうした福祉労働の「変質」は、多くの福祉労働者から誇りややりがいを奪いました。その上、過密・過重労働による疲労やストレスの蓄積で、人間関係にひずみを生じさせています。最近の労働相談に、「いじめ」や「パワーハラスメント」問題が多く、メンタルシックで悩んでいる人が増えているのは、当然の結果だと言えます。
 人との関わりに魅力ややりがいを感じて福祉の仕事を選んだ人たちが、人間関係で挫折し、離職せざるをえなくなっています。こうした実態が、もともと低賃金で過重労働の福祉職場の人材不足に拍車をかけていることを残念に思います。
 生き生きと働き続けられる職場づくりをすすめるためには、利用者だけでなく、同じ仲間として労働者にも心を寄せる必要があります。職員が人としてまともに働けてこそ、まともな福祉労働がなりたちます。

連絡先:〒221−0841 横浜市神奈川区松本町6−45−2浜田ビル401 TEL・FAX 045(320)0502     
日本機関紙協会神奈川県本部 第25回配信 2009年5月25日 No.66

神奈川で繰り返される米兵犯罪と、
それとの闘い(2)

       

「山崎さんの裁判を支援する会」
 事務局長 宇佐美一平さん

 米海軍当局は、繰り返される米兵犯罪に対する防止措置として、米兵に飲酒規制を指示しています。しかし、その最中に在日米海軍ノーラン人事部長(軍属)は、要職にありながら自らバーを経営し酒を提供していました。
 ノーランは、06年11月、客として来店していた中川さんを路上に突き倒して頭蓋骨骨折・脳挫傷の負傷を負わせ、そのまま放置して死亡させました。
 米軍の「綱紀粛正」は口先だけだということです。
 中川さんの遺族で妹の近藤さんが、08年8月に民事訴訟を起こしています。
 オーストラリア国籍の女性であるジェーン(仮名)さんは、02年4月6日に横須賀で米兵ブローク・T・ディーンズに暴行されました。直 後に米軍横須賀基地と横須賀警察署に被害を届け、捜査を要求しました。しかし、刑事事件では不当にも不起訴となりました。ジェーンさんは、この時の横須賀警察署の捜査のやりかたがきわめて非人間的であったので、県警を相手に損害賠償請求の裁判を起こしました。ところが、東京地裁に続いて08年12月10日の高裁でも敗訴。現在最高裁に上告しています。
 米兵・ディーンズを相手にした民事裁判では、東京高裁は暴行の事実を認め、損害賠償金300万円の支払いを命令する判決を下し、確定しました。しかし、加害者のディーンズは米軍を除隊して本国に帰り行方が分からないため、賠償金は支払われていません。これとは別に、日本政府は昨年この判決が確定した後、「見舞金」として300万円をジェーンさんに支払いました。
 「ひどい怪我もしているし、この事件を不起訴にするのは信じられない。犯人が日本人であれば起訴は間違いない。裁判権放棄の密約が関係しているのではないか」と弁護団。検察審査会への不服申し立ても行うことになります。

 *連絡先:〒231-0062 横浜市中区桜木町3−9 横浜地   区労内
 TEL 045(201)3684 FAX 045(201)9644  
日本機関紙協会神奈川県本部第24回配信 2009年5月18日 No.63


徒然憲法草子 〜生かす法の精神〜

     

請願書「修復的正義は
機能しないのか」

 高知白バイ冤罪事件は、警察による偽証と物証のデッチ上げの可能性の高い合理的な疑いが濃厚な事件です。これは、国家の存立にかかわる憲法問題です。
▼事件の詳細はこちらのサイトで
http://www.ksb.co.jp/newsweb/indextable.asp?tid=4&sid=7


 警察が権力を乱用し、無辜の市民を犯罪者に仕立て上げる。これは、決してあってはならない権力による犯罪行為であろう。ところが、日本では、そんな冤罪が発生し続けている。

 昨年、雑誌『冤罪File』が初刊行された。そこに高知と愛媛での白バイとの交通事故の詳細が掲載され、この事件に関して、全国で、検察側主張に対して「合理的な疑い」が沸き起こっている。

 高知の事故は、スクールバスがレストランから道路に出て、右折確認のため停止していたところ、バスの右前に、白バイが衝突し死亡したもの。ここでは、検察側証人として、対向車線の遠方にいた別の白バイ隊員が事故の一部始終を目撃したことになっている。

 まず、どれだけの確率で、白バイ事故を別の白バイ隊員が直接目撃する可能性があるのだろうか。高知県の白バイ事故は年間1件あるかないかであり、ましてや死亡事故という特殊なケースである。あまりにも出来すぎた偶然ではないか。

 さらに、この白バイ隊員の証言は、複数の周辺目撃者の証言と矛盾しており、左右確認したバスの運転手は、その存在を見ていない。存在していなかったハズの目撃白バイ隊員の出現。これは著しく不自然ではないか。

 他にもバスの運転手は、急ブレーキで白バイを1mも引き摺った物証として提出されたスリップ痕の存在、その形状にタイヤの溝痕が無いなどは、科学的にあり得ない、人為的な捏造の疑いがあるとして、鑑定証拠をつけて、「証拠隠滅罪」で県警を告訴。が、不起訴処分。

 その後、検察審査会へ異議の申し立てをし、1月29日「不起訴不当」の決定が出た。

 裁判員制度に先立つ市民が司法に参画する検察審査会制度。この審議の結果を、知事と県公安委員会、検察庁、高知県民はしっかりと見据える必要があるのではないだろうか。

 また、この事件の背景には、県警の白バイには任意保険が掛かっていなかった実態が大きく影響しているようである。しかし、それがために物証と証人までデッチ上げる県警であるとしたならば、この現状で、県警車両との交通事故に遭遇した市民の当然の権利と平和は保障されるのだろうか。

 愛媛県での白バイ事故は、現在、国家賠償訴訟として係争中である。全国の同様の事件において、「虚偽公文書作成罪及び同行使罪」が頻繁にあるという「合理的な疑いの証拠」の数々が浮上している。

 この法益侵害は甚大である。なぜなら、詐欺目的の公文書を作成の上、行使し、警察が裁判官を欺き通し続けた結果、この冤罪の構造的暴力を実現させたことを意味するからである。

 本罪の犯罪の主体は県警、犯罪の客体(被害者)は、裁判所と相手方であり、この保護法益は「公文書に対する公共的信用」である。

 これまでの日本の冤罪事件の構図を振り返ってみると、どれだけの不実な証拠が作成された上、行使されたのか。本当に恐ろしくなる。  これをこのまま放置してはいけないことは、自明の理である。

 従って、もう一度改めて、白バイ事件の証拠捏造の疑義については、独立した機関である公安委員会の監察の指示、並びに、独立した検察庁による捜査への着手が必要であろう。

 主権民は、この修復的正義を要求していかなければならない。                      
2009年2月28日

高知・コスタリカ友好交流を創って行く会 山下安音(由佳)
高知市御畳瀬38番地 090-1324-5241



イスラエルによるガザへの攻撃の
中止を求める緊急アピール

2009年1月4日

世界平和アピール七人委員会
委員 武者小路公秀 土山秀夫 大石芳野
井上ひさし 池田香代子 小沼通二 池内了

世界平和アピール七人委員会は、イスラエルが1967年から2005年まで占領を続け、今日まで18ヵ月にわたり封鎖してきたガザ地区に対して、昨年12月27日から続けている空爆、さらに1月3日に開始した地上戦展開の事態を深く憂慮し、以下のとおり緊急に呼びかけます。

< 私たちは、イスラエルに対し、ガザ攻撃をただちに停止することを求めます。きわめて人口密度の高いガザ地区への攻撃が、150万人の民間人を巻き添えにしていることは明らかです。行政・文化教育・宗教施設や民家の破壊もさることながら、民間病院にも被害を与えていることは、ジュネーヴ条約に違反しています(注1)。
 さらにイスラエルの政府と軍に、国連の「占領地における人権に関する特別報告者」リチャード・フォーク氏のガザ地区への立ち入りを認めること、ジャーナリストが同地区に入ることへの制限を撤廃すること、彼らの安全を保証することを求めます(注2)。  また、イスラエルの政府と軍に、負傷者の搬出・治療と避難を希望する市民の地区外への安全な脱出をただちに保証することを求めます。

 私たちは、ハマス地方政府にも報復の悪循環を断つよう求めます。また、ガザ地区の市民に共感を寄せるすべての近隣諸国の政府と市民にも、一刻も早い停戦を可能にするために自制を求めます。

 私たちは、国連と各国政府が、ガザ地区における市民の窮状を深刻に受け止め、現在の惨状に対し、無条件での停戦を求め、事態の解決に向けてただちに人道的立場に立った紛争解決の仲介の労をとることを求めます。国連をはじめとする国際社会は、これまでもガザ地区における市民生活の支援に努めてきました。このたびの人道危機については、国連人道問題調整事務所や市民団体などが重大な関心を寄せています(注3)。私たちは、国連と各国政府に、目下の壊滅的な市民生活への支援をいっそう強化することを求めます。

 私たちは、日本がこれまで繰り返しパレスチナに行なってきた緊急人道援助を評価します。日本政府は、これにとどまらず、本年より安全保障理事会非常任理事国に就任したことを重く受け止め、フランス政府が具体的提案を行ったように、日本国憲法にのっとり、和平に向けて積極的かつ具体的な尽力を行なうよう求めます(注4)。さらに、日本の税金によるODAによって建設されたガザ地区の施設が破壊されている可能性が大きいため、日本政府が状況を調査する権利を行使し、結果を公表することを要望します。被害が把握できた場合には、イスラエル政府に対して抗議すべきです。

 私たちは、世界のすべての市民に、平和への意志をさまざまなかたちで表明するよう呼びかけます。

注1 「文民病院は、いかなる場合にも、攻撃してはならず、常に紛争当事国の尊重及び保護を受けるものとする。」(第4ジュネーヴ条約第18条 1949年)

注2 2008年12月15日、ガザ地区を訪問しようとしていた国連特別報告者リチャード・フォーク氏は、空港に20時間留め置かれたうえでジュネーヴに強制送還された。同氏は、ハマスがガザ地区を実効支配して以来、イスラエルが住民の最低の生活条件を無視してガザを封鎖していることは「人類に対する罪」の疑いがあるとして、調査のために立ち入ることを求めていた。

注3 国連人道問題調整事務所被占領パレスチナ地区オフィスは、連日のようにガザの深刻な状況を具体的かつ詳細に発信している。参照:Gaza Humanitarian Situation Report http://www.ochaopt.org

注4 「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。」(日本国憲法前文より)

・連絡先:小沼通二(委員・事務局長)     
〒047-0014 横浜市栄区公田町200-9
     ファクス:045-891-8386
メール:mkonuma254@m4.dion.ne.jp
URL: http://worldpeace7.jp(平和7人委員会)



「派遣切り」などの大量首切りに
反対し、 労働者の雇用と生活を
守ることを要求する声明

1大企業の「派遣切り」などの大量首切り

アメリカ発の金融危機と景気悪化を理由に、自動車メーカーをはじめとする大企業 は、いっせいに派遣労働者や期間労働者の大量解雇を開始している。
トヨタは7800人、日産自動車は1500人、いすゞ自動車は1400人、マツ ダは1300人、三菱自動車は1000人、スズキは600人の派遣労働者などを削 減する計画を明らかにしている。さらに、キャノン等の電機メーカーも非正規労働者 の削減を進めようとしている。厚生労働省も、今回の景気悪化による解雇者が1万人 以上(全産業)にのぼることを認めている。
 

2 減益といってもなお巨額の利益を見込んでいる

この間、大企業は正規社員を派遣労働者などの非正規労働者に置きかえることで人 件費を低減し、史上空前の利益を上げてきた。上場企業は08年3月期まで6期連続 増益、5期連続最高益更新を果たしている。09年3月期は減益予想としているが、 トヨタは6000億円、日産は2700億円、いすゞは600億円、マツダは500 億円、三菱自動車は500億円、スズキは1000億円、キャノンは5800億円(0 8年12月期予想)とそれぞれ巨額の利益を見込んでいる。

3 「派遣切り」などの首切りは労働者を直ちに 
路頭に迷わせる

派遣労働者などの非正規労働者の賃金は、月10数万円、年200万円前後の低賃 金である。十分な蓄えもなく、派遣会社の寮で生活している労働者も多い。首を切ら れれば、ただちに「路頭に迷う」こととなる。企業が赤字に陥ったわけでもなく、単 に減益が予測されるというだけで、大量の非正規労働者を「調整弁」として「使い捨 て」にすることは、極めて理不尽でありとうてい許されない。

4 一方的な労働者派遣契約の打ち切りは
 許されない

(1)整理解雇4要件は労働関係における公序

多くの裁判例で、経営上の必要性を理由とする整理解雇については、@人員削減の 必要性、A解雇回避の努力、B人選の合理性、C労働者との説明協議義務の4要件を 満たさない解雇は無効と判断されている。裁判例の積み重ねにより、整理解雇にあた っては、整理解雇4要件を満たすことが、労働関係における公序になっている。 労働者派遣契約は、もっぱら労働者の労務供給を目的とする契約である。その契約 の帰趨は、生身の労働者の生活に直結している。したがって、派遣契約の解除の可否 を考える上では、整理解雇4要件を考慮に入れることが必要である。

(2)整理解雇4要件に違反する労働者派遣契約の中途解除は無効
労働者派遣法第27条は、使用者に課せられている解雇制限事項を実質的に担保す るため、派遣先が行う「派遣労働者の国籍、信条、性別、社会的身分、派遣労働者が 労働組合の正当な行為をしたこと等を理由」とする公序良俗違反の派遣契約の解除は 無効であると定めている。したがって、労働関係における公序である整理解雇4要件 を満たさない労働者派遣契約の解除は、派遣法27条に違反し無効である。
今回の派遣契約の解除については、派遣先の大企業が巨額の利益を見込んでいるこ とからして、人員削減の必要性がないことは明白である。また、派遣先の大企業は、 2解雇回避の努力も、労働者との説明協議もまったく行っていない。これらの点からし て、派遣先大企業の派遣契約の中途解除が無効であることは明白である。

(3)整理解雇4要件に違反する労働者派遣契約の更新拒否は無効
反復更新されてきた労働者派遣契約は、客観的に合理的な理由があって社会通念上 相当と認められる場合、即ち、労働関係における公序である整理解雇4要件を満たす 場合でなければ、その更新拒否は許されない。整理解雇4要件を満たさない、反復更 新されてきた派遣契約の更新拒否は無効である。
したがって、人員削減の必要性もなく、解雇回避の努力も、労働者との説明協議も まったく行われていない、今回の派遣契約の更新拒否は無効である。

5 派遣元による派遣労働者の解雇は許されない

−派遣元は毅然として派遣先に対して労働者派遣契約打ち切りの無効を主張すべき 以上に述べたとおり、今回の大企業による労働者派遣契約の打ち切りは無効である ので、派遣元は、この派遣契約の打ち切りを理由に派遣労働者を解雇することはでき ない。
派遣元は、派遣先の大企業に対して、毅然として派遣契約の打ち切りの無効を主張 し、派遣労働者を就労させるように主張すべきである。派遣先の大企業がどうしても 派遣労働者を就労させることに応じない場合は、派遣先の大企業に対して損害賠償を 請求すべきである。
いずれにしても、派遣先の大企業の派遣契約の打ち切りは無効であり、派遣元は、 その犠牲を派遣労働者に負わせることはできない。

6 期間労働者の一方的な雇い止めは許されない

今回、首切り(雇い止め)されようとしている期間労働者は、偽装請負や労働者派 遣を経て、長期間にわたって同じ使用者のもとで働いてきた労働者が多く含まれてい る。これらの労働者は、長年にわたって正規社員と同じ基幹業務に従事してきている。 このような期間労働者の雇い止めについては、雇い止め禁止法理や整理解雇法理の厳 格な適用がなされるべきである。
今回の期間労働者の雇い止めは、巨額の利益を見込む中での雇い止めであり、無効 であることは明白である。

7 大量首切りに反対し、労働者の雇用と生活を守るたたかいに立ち上がろう

大企業は、これまで大量の非正規労働者を低賃金で使用して莫大な利益を上げてき た。今回、景気悪化を理由にして、単に利益が減少する見とおしにあることをもって、 これらの非正規雇用労働者の首を切ることは絶対に許されない。大企業は、今こそそ の社会的責任を果たすべきである。
今、この不況下で必要なことは、労働者の雇用と生活を守ることである。自由法曹 団は、多くの労働者と手をたずさえて、労働者の首切りを許さず、その雇用と生活を 守るたたかいに断固として取り組む決意である。
2008年11月25日
自由法曹団

団長松井繁明



表現の自由に巨大な一石
「サイバー侮辱罪 」

 

人気女優の自殺を機に規制の立法化

 10月2日、韓国の人気女優チェ・ジンシルさんが自殺した。悪質でしつこいネットの書き込みに悩んだためと伝えられた。彼女の死を多くの国民が哀悼し、この盛り上がりを背景に、韓国政府は悪質な誹謗中傷とわかる書き込みについては、被害者からの告発がなくても警察または検察が捜査できるようにする非親告罪の「サイバー侮辱罪」を導入する準備を始めている。
 韓国では人口の77.1%、10〜30代では98〜99.9%がインターネットを利用し、そのうち72.8%が書き込み自由なインターネットで書き込み自由な新聞を読んでいる。無責任な噂やウソが真実になって流布される危険性は高いのが現状である。  

不十分な規制の現行法

 現在でも「情報通信網利用促進及び情報保護に関する法律」によるサイバー名誉毀損罪と、「刑法」の侮辱罪を適用して、悪質な書き込みを処罰することはできるが、どの程度の精神的苦痛や実害を与えたを認定する基準は曖昧にならざるを得ない。そのため、量刑は7年以下となっているが実際には5〜10万円の罰金刑で終わることが多く、抑止効果は上がっていないのが現状である。この法律とともに韓国では実名を確認しないと何も書き込めない仕組みになっているが、その制度ができてからのかサイバー名誉毀損の届け出2005年に3662件、2006年に4005件、2007年に4856件と件数は減るどころか増えるばかりであるという。強権による抑止効果が求められる理由にもなっている。

サイト運営者にもペナルティ

 さらに サイト運営者の責任を拡大しようとする動きもある。書き込める場所を営利目的で提供しているからには、掲示板やコメントをしっかり管理する義務もあるとの立場で、プロバイダー免責を最小限に抑えようとしたり、ポータルサイトに言論機関としての責任を負わせたりする方向へ議論が進められている。プロバイダーが違反で罰金を3回課されたときはサイトを強制閉鎖できるという規制の強化も用意している。米国牛肉の輸入制限解除の反対運動がネットを通じて拡大したこともあり、イ・ミョンパク政権はポータルサイトをコントロールしようという意図もあるとの観測もある。

日本でも言論抑圧の動きに注視

 しかし、司法の判断によって一方的に捜査、逮捕されるとなると、基準は曖昧であつても拘束力は大きくなる。さらに、表現の自由と誹謗中傷の言論とをどう線引きするかも難しいところである。と同時に基準が曖昧である方が自主規制が期待できると言えるし、時の政権が気に入らない言論抑圧に利用される恐れも高い。そうしたことから野党の民主党はサイバー侮辱罪に反対しているが、与党ハンナラ党は成立を強く支持しているという。
 インターネット先進国とも言える韓国で、なぜ表現の自由を危うくするはどの規制が必要になるのか。民主主義に根ざした市民社会が確立していないことだろうか。他人への思いやり、寛容さ、価値観の多様さを認め合う風土が成立しないままに、テクノロジーの利用(乱用)が先行していると見るしかないだろう。その点、日本もインターネットの悪用は決してほめられた状況ではないが、韓国社会の方が悪用がより広く、より激しいといえる。日本でのウルトラ保守政治家の言動も、その偏狭さ、デマゴギー性、悪辣さでは韓国のインターネットの負の部分が日本でも成立する可能性を十分に持っているというのは蛇足だろうか。



「僕は大学に行くために戦争にいった」

 

−イラク帰還米兵アッシュ・ウールソンさんと
語るつどい−

  今夏8月4日から全国縦断「講演キャラバン」をはじめたアッシュさん。
28日午後には河内長野市・千代田高校での講演を終え、 夕刻にはわたしたちが共催した「アッシュさんと語るつどい」で 25回目の講演を行ないました。
みずからの体験を話し平和を語ることは、 もっとも忘れたいはずの辛い記憶を思い出すことでもあるという。
この日彼は、重なる疲労とPTSDの症状に悩まされながらも、 平和への願いをこめたメッセージを届けてくれました。
共催グループ(5団体・グループ)のメンバーである、 西谷文和さんがまとめてくださったリポートを載録しました。

(08.8.28 於:大阪保険医協会M&Dホール)
   

イラク戦争に従軍

近年アメリカは経済的打撃を受けています。大学に行ける家庭でさえ ダメージを受けているので、軍に志願すれば学資が受けられるというのは 大きな魅力になります。わたしは平和を愛する家族のなかで育ちましたが、 それまで平和の意味や価値についてよく考えたことがありませんでした。 2003年2月、イラク戦争が始まる1ヶ月前に電話連絡で「部隊がイラクに 派遣されるようだ」と知らされ、5月に派遣されました。

米軍は私たち兵士に、「イラク人を人間と思わないように」するための教育を 施しました。私たちはイラク人を「ハッジ」と呼びました。これは戦前、 日本人を「ジャップ」と蔑称で呼んだのと同じです。9・11テロは イスラム教徒がやったもので、イラク人は敵だと教えられました。 米軍は戦争を正当化します。イラク戦争は道徳的な軍事介入であり、広島・ 長崎への原爆投下も、真珠湾攻撃の報復も正しい戦争だったと教育されました。

イラクでの体験から

イラク南部のナシリーアという町に1年間ほど駐留したときのことです。 上層部から、「軍用車に向かってくる子どもたちは、手榴弾を投げてくるかも しれないから、近づけないように」という命令がありました。
それでパチンコを米国から送ってもらって、近づいてくる子どもに 石を当てる兵員が出てきました。立派な大人が、6歳にも満たないような 子どもたちに、石を当てて笑いあっているのです。たいていの場合、 そんな時でさえ、別の兵士は子どもたちに銃口を向けていました。

私はこのシーンが脳裏に焼きついてしまったので、帰国後ベトナム戦争 帰還兵にこの話をしました。すると彼も、ベトナムで同じようなことをした というのです。けれど、イラクでは実際に、子どもたちが米軍に対して 手榴弾を投げるという事件は、ただの一件も起きませんでした。
ベトナムでもなかったのでしょう。

米軍の占領は5年も続いています。イラクではこの戦争で約100万人もの 民間人が殺されてしまいました。家を失った難民は約500万人です。 米兵は4300人亡くなりました。
衛生状況が悪く、子どもたちはコレラで死んでいきます。薬があれば簡単に 治癒するのに……。失業率は60%です。食べることも、仕事に就くことも 絶望的な状況です。この状況を作り出したのは、米軍の侵略戦争で あることは明らかです。

またスンニ派、シーア派の内戦状態に陥っています。米軍が内戦を作っている のです。戦争当初、米軍はおもにスンニ派を攻撃し、シーア派に武器と 資金を援助しました。しかしアルカイダがイラクに入国し、テロをくり返し たので、しだいにスンニ派と米軍が協調を始め、スンニ派地域からアルカ イダを一掃するため、米軍から武器と資金を受け取りました。スンニ派、 シーア派ともに、米軍から武器を供給され、たがいに争うようになったのです。

帰還米兵の苦しみ

私自身、PTSDに悩まされています。
イラクで経験したことと、アメリカでの日常生活のギャップが埋まらない。
アメリカのホームレスの3人に1人は帰還兵です。うつ病になり自殺する人も 多い。1日に平均17人もの帰還兵が自殺しているんですよ。異常な数字です。

イラク戦争で学んだことは、「利益を得た人は誰もいない」ということ。 イラク人も米兵もみんな何かを失っている。それが大きすぎました。
得をしたのは軍産複合体、つまり武器商人だけ。軍需産業と石油産業ですね。
アメリカ経済は落ち込んでいますが、戦争・石油関連の企業は業績をのばし ています。ハリバートンという石油関連企業は、チェイニー副大統領が CEOを務めていましたが、売り上げを急増させています。ライス国務長官 もシェブロンという石油企業の役員でした。シェブロンの石油タンクには 「コンドリーザ」という名前がついているものもあります。(コンドリーザ はライス国務長官のファーストネーム) 何よりブッシュ大統領自身がテキサスの石油会社を所有していました。

イラクに従軍して失ったものはあまりに大きかったけれど、そのおかげで 反戦・平和活動家となり、日本に来て「ピースウォーク」に参加し、 いまこうして「講演キャラバン」を続けています。
武力では平和を守れないということを確信し、日本の憲法9条の素晴らしさを 実感しました。貪欲な支配者は、戦争をすることで利権の拡大を狙っています。 けれど、9条の考えを世界に広げていけば、いつか私たちの側が勝利する だろうと思います。平和な世界が実現することを夢見て、精一杯がんばります。

<プロフィール>アッシュ・ウールソン(26歳・シアトル在住)
ウィスコンシン州ラインランダー市生まれ。父は煙突掃除夫(ベトナム戦争 時に徴兵を拒否し、アジアで禅寺の僧侶になった)。ウィスコン大学在学中、 学資返済のために「州兵」となり、2年間イラクで従軍。市民を犠牲にする 戦争の現実を目の当たりにし、帰国後「反戦帰還兵の会」に参加。
今年5月に開催された「9条世界会議・ピースウォーク」で 広島から千葉までを歩き通した。

『しなやかな平和のつばさ−武力は無力!平和に生きよう笑顔のネット♪』       メールマガジン 2008年9月14日号より転載
*ホ−ムページ:http://www.sakai.zaq.ne.jp/dubhw208/



 

「宇宙軍拡」
「軍需産業拡大強化」を許すな
「宇宙基本法の監視を」とアピール

    宇宙開発戦略本部」発足に当たって
   国民に訴え


 世界平和アピール七人委員会は、26日午後、池田香代子、小沼通二両委員が記者会見し、27日に内閣府の「宇宙開発戦略本部」が発足するのを前に、「『宇宙基本法の監視を』−国民に訴える」とのアピール(全文参照)を発表した。
 七人委員会は昨年11月、「宇宙基本法案の再検討を」と題するアピール(参照)を発表、各方面に訴えかけてきた。ところが、同法案は、当初、与党案として提出されたものが突然撤回され、与党、民主党のプロジェクトチームによる協議による民主党を含めた形の議員立法として提出され、わずか2週間、短時間の審議でほとんど国会での論議がないまま、両院を通過し成立した。これに基づき、戦略本部発足へと進んできたため、「宇宙空間を平和利用に限る原則を改めて国民に訴えたい」とアピールを発表することになった。

 記者会見で、池田委員は衆院の審議記録を手に、「たとえば衆院ではわずか2時間の審議で、可決されている。与党案と変わったのは『日本国憲法の平和主義の理念を踏まえ』という言葉が入っただけといっていい。審議はプロジェクトチーム同士が話し、まるで『おしゃべりの場』のようで、印刷しても25枚にしかならない程度のひどいものだ。産業が軍事に傾けば必ず衰退する。産業界にとってもプラスではない。本質的な問題を捉えて踏みとどまってほしい、と本当に思う」などと述べた

アピール

「宇宙基本法の監視を」―
国民に訴える

2008年8月26日

世界平和アピール七人委員会
委員 武者小路公秀 土山秀夫 大石芳野
井上ひさし 池田香代子 小沼通二 池内了

 宇宙基本法案が今年5月21日に国会で可決され、成立しました。私たち世界平和アピール七人委員会は、昨年11月に、自民・公明両党の議員が提出した法案に対して「宇宙基本法案の再検討を求めるアピール」を発表しましたが、このたびの法律の成立過程および今後の運用について危惧の念を消すことができないので、宇宙開発戦略本部発足の機会に改めて国民の皆様に訴えたいと思います。

 まず、この法案審議の異様さに注目したいと思います。昨年提出された自民・公明案は一度も審議されることなく、5月9日の衆議院内閣委員会において理由の説明がないまま撤回され、ただちに自民・公明・民主の三党案が提出されました。そのまま2時間ほどで委員会審議が終了して可決され、4日後には衆議院本会議で一切の審議がないまま採決されました。続く参議院の内閣委員会でも実質2時間ほどの審議だけで可決され、提出からわずか2週間で、参議院本会議で採決・成立という速さでした。このように急ぐ理由は何も説明されず、私たちの意見を含めた国民の声にこたえ、現在と将来の国民に責任をもって決定する姿勢がまったく見られませんでした。

 この法律は、これまで専ら平和利用に徹して「非軍事」を掲げてきた日本の宇宙開発を、軍事利用を目的としたものに衣替えしようという狙いが明白です。具体的な例を挙げれば、日本の宇宙開発を進めている宇宙航空研究開発機構(JAXA)を規定する法律(宇宙航空研究開発機構法)の第4条には「平和目的に限る」と明記されていて、成立時の国会審議において、これは「非軍事」だと確認されてきました。ところが、今回の参議院での審議の中で、「非侵略」と変更された機会に当然見直しが行なわれると提案者が明言したのです。「非軍事」の研究開発機関の存在自体を許さないという重大発言が、なんら深められることなく国会で認められている怖さを感じます。
 基礎研究を無視した目的研究だけでは健全な開発を実現させることはできません。ましてや、他国並みの防衛力を求めることは、際限ない宇宙の軍事予算拡大を認めることにつながります。防衛目的と攻撃目的は分けられるものでなく、防衛力強化は、攻撃力強化を誘発することは歴史が示しています。宇宙軍拡への道なのです。私たちは、日本の産業の健全な発展を願うものですが、安全保障を軸とした研究開発への動員と軍需産業の拡大強化には同意できません。

 今後、この基本法を基礎にして、具体的な運用のための法律が提案されることになっています。私たちは、私たちを含めた国民が、「日本国憲法の平和主義の理念を踏まえ」と書かれているこの基本法の運用方針をよく検証し、あくまで宇宙利用が平和憲法の原則から名実ともに外れることがないよう厳しく監視していくよう訴えます。

    連絡先:
    小沼通二(委員・事務局長)
    247-0014 横浜市栄区公田町200−9
    ファクス:045−891−8386
    メール: mkonuma254@m4.dion.ne.jp
    URL: http://worldpeace7.jp



アピール

日本政府は
米印原子力協定に反対を

2008年8月6日

世界平和アピール七人委員会
委員 武者小路公秀 土山秀夫 大石芳野
井上ひさし 池田香代子 小沼通二 池内了

 私たち世界平和アピール七人委員会は2006年6月21日、当時の小泉総理あて、ブッシュ大統領との会談において「米印間の原子力協定について日本も賛同するように」との要請があっても、受け入れることのないよう要望書を提出しました。
 その後、インド国内の政治的事情によって協定は実現を見ないまま、経過していました。ところが最近になって、インドの国会で協定調印への環境が整えられたことにより、実現の可能性がにわかに高まってきたことが伝えられています。

 私たちが前回の要望書でも指摘した、インドが核兵器不拡散条約(NPT)の発足当初から不平等を理由に加盟せず、国際世論を無視して核実験を行い、公然と核兵器保有国になった事実はその後何一つ変わっていません。このような状況の中で、NPT加盟国である米国がインドを有力な原子力市場であるとみなし、また対中・対イスラムの同盟国ともみなして、インドに対してNPTの加盟を促さず、例外扱いとして認めようとすることは、NPTの基本理念に反する行為であることは明白です。それと同時に、イランや北朝鮮の核開発を阻止しようとすることとも矛盾します。しかも日本など45カ国からなる原子力供給グループ(NSG)の全会一致の承認が得られにくいとみなすや、米国はその規定の変更を試みようとさえしています。

 私たちは、広島への原爆投下の日に当たり、被爆国である日本の政府がこうしたNPT体制の崩壊につながりかねない米印原子力協定に対して、インドがNPTと包括的核実験禁止条約(CTBT)に加盟することを前提条件としない限り、賛同できないむね、米国政府とインド政府に強く訴えることを要望します。

    連絡先:
    小沼通二(委員・事務局長)
    247-0014 横浜市栄区公田町200−9
    ファクス:045−891−8386 メール: mkonuma254@m4.dion.ne.jp
    URL: http://worldpeace7.jp



【マスメディアをどう読むか

犯行の引き金は「誤解」ではなかった!?
「秋葉原通り魔事件」に見る
青年の孤独

丸山 重威

   「秋葉原通り魔事件」 について、論議は続いている。しかし、問題は少しずつずらされ、両刃のダガーナイフの所持を禁止する方向が提案されたり、相次ぐネットへの脅迫まがいの書き込みを 「業務妨害罪」 で立件するなど、「安全・安心の街作り」 のための政策は次々と打ち出されているが、一方で、より本質的な問題である「製造業への派遣労働」には手を付けず、「日雇派遣禁止」 の方向をちらつかせるだけでお茶を濁している。
   しかし、この事件をめぐる具体的な事実、とくに彼の働き場であり、挫折を繰り返してきた青年労働者・加藤智大に、希望を与えることができなかったトヨタの主力工場、関東自動車の実態については、その後全くと言っていいほど報じられていない。
  加藤容疑者への 「共感」 と見えるものさえ、散見されると言われるネットの書き込みは、それが行き過ぎれば 「犯罪」 であることは事実だとしても、「労働実態の告発」 もあるとすれば、軽視するわけには行かない。その意味で、メディアに求められるのは、詳細な 「事実」 の発掘であることは、昔も今も変わりはない。

  彼は 「解雇通告」 されていた
  現場を訪ねたことが明らかになっている数少ないルポの中で、「週刊金曜日」 6月27日号の横田一レポート、「派遣先自動車工場での容疑者の日常」 は、これまでの報道の中でわれわれの頭にインプットされた事件の概要が、実は大きな間違いをはらんでいたのではないか、ということを指摘してくれている。

  つまり、われわれが報道によって認識してきている 「事実」 は次のようなものだった。
   子ども時代は優秀だったが、進学校で挫折した。自動車整備工を目指して短大に進んだが、結局目的を果たさないまま故郷に戻る。だが定職に就けず、転職を繰り返し自動車工場の派遣工へ。期間工から正社員への道どころか、また解雇、転職か、と夢が壊れたと思い、絶望した。 200人の派遣工のうち150人を解雇する方針が出され、何人かずつ上司に呼ばれて計画が伝えられた。彼については解雇者には入っておらず、たまたま門の所で遭った派遣会社の社員に 「君は大丈夫だよ」 と立ち話で伝えられた。しかし、事件直前の6月5日、出勤したところ、なぜか彼の 「つなぎ」 の作業服がなく、それで荒れて、会社を出ていってしまった。継続が決まっていたのに、作業衣がなかったことで、解雇されたと思い込んだ…。

 だからわれわれは 「切れやすい子だったんだなあ」 と思い、そんな彼に育て、結局、守れなかった社会を考えた。しかし、横田レポートが伝えている 「事実」 は衝撃的だ。
  つまり、@ 彼は解雇通告されていた A 「つなぎ」 は彼が 「ない」 と早合点して騒いだのではなく本当になかった  B そのとき、同僚が上司に 「説明してやって下さい」 と伝えても、上司は誰も説明せず、止めることもしなかった−というのである。

  横田レポートを引用する。
  「秋葉原殺人事件三日前の六月五日早朝、トヨタの子会社 『関東自動車工業』 (静岡県裾野市) で加藤容疑者が暴れ出した。『つなぎがない。いらなくなったら (首を) 切るのか』 と叫びながら、職場仲間のつなぎをぶちまけ始めたのだ。同僚のT氏は、すぐに上司に訴えた。『止めてもらえませんか。解雇通知を受け取り、精神的の動揺して暴れているのです』」
  「しかし上司は止めなかった。『君は解雇されない。延長の予定だから誤解するな』 となだめることもしなかった。T氏はこう振り返る」
  「『加藤容疑者の夢は正社員でした。 《いまは派遣社員だけども、そのうち期間工になって、正社員になるんだ》 と話していました。でもその夢が解雇通知とつなぎの件でうち砕かれた。加藤容疑者にも解雇通知は来ており、ショックを受けていました。会社は 《加藤容疑者は延長する予定だった》 と事件後の記者会見で説明しましたが、それなら、なぜ暴れたときに伝えなかったのですか』」−。
  取材に応じたT氏は、横田記者に 「つなぎ (作業服) 本当になかった。現場にいた者としてはっきりいえます」 とも語っている。

  「全員解雇」 の中での 「選別」
 偽装倒産事件などでよくあるのは、いったん全員を解雇して、その中から会社に忠実な、問題を起こさないものだけを採用するやり方である。労働者の働く権利など完全に踏みにじったやり方だ。しかし、その方法が会社にとって、労働者の 「選別」 をしやすい方法であることは言うまでもない。
 かつて、国鉄の分割民営化では、反対する国労組合員に対してこの方法がとられたし、いままた社会保険庁の廃止・民営化で同様のことが語られている。「組織替え」 という名の労働者の 「選別」 であり、「物言わぬ職場」 作りの方策だ。
 しかも、一般正社員で、労働組合に組織されている労働者であれば、闘う方法もあるだろうが、借り上げのアパートに住まわされている派遣工は、いまの派遣先を 「クビ」 になれば、住んでいる場さえ明け渡さなければならず、生活の場も奪われてしまうのだ。 その 「選別」 に異議を唱えることなどできず、派遣会社がどこかほかの派遣先を見つけてくれれば幸せ。そこに行く以外、方法がない。

  今回の事件で、伝えられている派遣工200人中150人の大量整理についても、なぜそうしたことが行われるのか、「解雇通告」 がどういう形で行われたか、の報道はない。「何人かずつ集められ、『解雇されるものがある。6月末まで頑張ってくれ』 と言われ、本人も落ち込んだ」 という趣旨の報道しかない。
 枚数の関係かもしれないが、横田レポートにも、賃金などの労働実態は取材されているが、150人解雇のやり方や、会社が何をしようとしたか、いまどうなっているか、の記述はない。関東自動車には、6月5日に、上司はどういう行動を取ったのかを含めて、なぜ150人合理化が必要だったのか、生産体制をどう変えたのか、明らかにする責任があるのではないだろうか。
 6月5日早朝、「つなぎ事件」 で職場を飛び出した加藤容疑者は、暗澹たる気持ちで一日を過ごしたに違いない。 毎日新聞6月10日付によると、「あ、住所不定、無職になったのか ますます絶望的だ」 とネットに書き込んだのは、この日の夜、6日午前1時44分のことである。ネットに書き込んでも、止める人はいなかった。朝日新聞6月21日付によれば、彼は、取り調べ官に 「初めてきちんと話を聞いてくれる人ができた」 と語ったのだそうである。

    改めて労働現場の取材−事実報道を
   彼が働いていた関東自動車は、トヨタが50%を超える株を持ち、トヨタから社長がやってくる基幹工場だ。
  ベルトコンベアの中の 「労働疎外」 については、鎌田慧氏が 「自動車絶望工場―ある季節工の日記」 (1973年) で書いている。「これは労働かもしれないが、何も作らない。作るのは機械であり、コンベアであるだけだ」―。
  その時代から、「派遣法」 が動き出して、1985年、16の専門業種に限って派遣労働が解禁され、相次ぐ労働法制の 「規制緩和」 の中で、「例外」 だった 「労働者派遣」 は当然のことになった。99年に原則自由化、2004年には、製造業にも解禁された。当時の日本経団連会長はトヨタの奥田碩氏である。

   横田レポートは、事件の背景にある 「派遣社員の不安定さや正社員との絶望的な格差に加え、派遣社員を部品扱いするトヨタ生産方式 (利益至上主義) も関係しているのではないか」 と指摘し、全トヨタ労働組合の若月忠夫委員長の話を紹介している。
  「一番屈辱的なのはボーナスの日。正社員だけがボーナスをもらえて、非正規社員はもらえない。欧州では、正社員でも非正規社員でも同じ仕事をすれば、給料が同じ 『同一労働同一賃金』 が当たり前ですが、日本では実現されていないのです」。
  若月氏は 「『(加藤容疑者のいた) 塗装工程の検査は大変』 という報道もありますが、正確ではありません。全行程が大変なのです。私は、組み立て工程など他の工程も担当したからよくわかりますが、『大変』 ではない工程なんか、この工場にはありません」―。 

   彼が置かれていた状況と犯罪に至る心理は、これまでの報道が示すように、解雇はされないのに勝手に解雇されると思いこんだ 「誤解」 だったのか、横田レポートが示すように、実際に 「解雇通告」 を受けたあとのショックだったのか、あるいは、自分が 「選別過程=まな板の鯉」 状況に置かれていることを知ったためだったのか―。
  このことは、犯行に至る彼の心理と、事件の持つ意味を考えれば、格段に違いがあるのではないだろうか。

  また、「つなぎ」 はなぜ、規定の場所になかったのか? まさか、労働者のふるい分けのための 「テスト」 が行われたわけではないだろうが、暴れる彼を止めなかった 「上司」 は、もしかして、つなぎがそこに置かれていないことを知っていたのではないか? 「彼は荒れるかもしれない」 と読み込み、解雇の材料にしようとしていたことはなかったか?
  これは 「勘ぐり」 である。しかし、若干の労働組合の取材を経験したことがある私から見れば、そんなことがあっても、「クビ」 の数を合わせる数あわせに窮々としている派遣工管理の下級労働者 (そう、彼も労働者なのだ!)=横田レポートの中で言われている 「上司」=がそんなことを考えても、全く不思議ではない。「労務管理上必要」 なのだ。

  若い記者とジャーナリストに期待する
  そして、新聞。いままで多くの読者は、加藤容疑者について、「誤解した結果の暴発」 と思っているはずだ。
  しかし、横田レポートによって明らかにされたのは、読者のこの 「誤解」 を解くために、極めて重要な事実ではないか。私は、もう一度、「改めて現場を」 とまた言いたい。もし、読者が得ている印象が間違っているなら、それをただす責任が記者にはある。裾野市は、中央紙で言えば、静岡支局の管内、三島、沼津、あるいは御殿場通信部か、そんなエリアの担当だろうか。記者は決して多くないし、忙しい。しかし、この問題を明らかにしてほしい。
  精神鑑定で心神耗弱などが認められれば別だが、7人も殺したら、いまの状況では死刑は間違いないし、「誤解」 が元でも 「クビ」 が元でも大した違いはない。情状で変えられる部分はまずないからね…、と法律家は言うかもしれない。
  しかし、ジャーナリズムの論理は違うはずだ。この事実の究明こそ、新聞の責任だ。

  ひとつ、心に残った記事のことを付け加えておこう。
  毎日新聞が7月17日付で、神澤龍二記者の 「記者の目」 を載せている。29歳で同世代だと感じる神澤記者は、東京から裾野の関東自動車を訪ねて、加藤容疑者の元同僚に話を聞き、自分の体験を通じてこの事件を考えている。神澤記者は、加藤の 「内面」 に生育歴から迫りながら、書いている。
  「私たちの世代には実はいまだに、加藤容疑者のように固定化した価値観に縛られて生きている人たちは多い。呪縛から解き放たれるため、『いろいろな価値観や職業、分野で生きる人々と本音で付き合ってみる』 ことが必要ではないか」−。
  神澤記者は、自らのボランティア体験の中で自分が励まされたことを書いている。率直で、若々しく、いかにも 「記者の目」 らしい記事だ。記者は現場で学び、成長する。
  ぜひとも毎日新聞にお願いしたい。現場を踏んだ神澤記者の積極的な活動を活かし、彼と共に、複数の記者を現地に入れ、徹底的な取材を積み重ね、労働現場での労働と労務管理の実態と、資本の 「非人間性」 を明らかにしてほしい。
  そこが明らかになり、何かが変わらなければ、余りにも空しい事件だ。第2第3の加藤容疑者を生まないためにも、それが求められているのではないかと思う。( 2008.7.19)
本記事の前編『◎連帯を取り戻し、ひとりぼっちの青年をなくそう!「秋葉原通り魔事件」に見る青年の孤独』「マスコミをどう読むか」(6.14)もお読みください。) 』


【声明】デモに対する過剰規制及び
参加者の逮捕・勾留に抗議します

2008年7月9日
サミット人権監視弁護士ネットワーク(WATCH)

 7月5日、札幌市内において「7・5チャレンジ・ザ・G8サミット――1万人のピースウォーク」が開催されましたが、これに対する警察の規制は極めて過剰で、デモが平穏に行われていたことに対比して、著しく人権を侵害する態様のものでした。沿道は、デモ参加者をカメラで撮影・記録する私服の公安刑事で埋め尽され、また、デモの両サイドは、一般の市民がデモを見ることを阻止するような形で、完全装備の機動隊によって包囲されました。
 しかも、警察官は、サウンドカーの窓ガラスを警棒で叩き割った上で、運転席にいた男性をひきずり出して逮捕するなど、合計4名(うち、1名は記者)を、公務執行妨害や道路交通法違反などを理由として逮捕勾留しました。
<  このうち、記者であった1名は7月8日に釈放されましたが、検察官はそれ以外の3名につき、不当にも札幌地方裁判所に勾留請求し、8日に裁判所により3名に対する勾留決定がなされています。

 憲法は、市民が自らの表現を他人に伝達し、他人がその表現を受け取る自由をも保障しています。この意味において、デモ行進は、集会の自由の一環として立憲民主主義を支える権利としても手厚く保障され、その規制は必要最小限度にとどまらなければなりません。  しかしながら、今回の警察による過剰規制と不当な逮捕は、表現の自由を踏みにじるものであると言わなければなりません。

 よって、私たちは4名の逮捕が憲法で保障された表現の自由に対する著しい侵害であることとともに、逮捕の態様自体に極めて問題があるとして強く抗議するとともに、3名についての勾留請求決定に対し異議を述べ、その即時釈放を求めます。

〔声明に対する賛同団体〕
2008年G8サミットNGOフォーラム
G8サミット市民フォーラム北海道
G8サミットを問う連絡会
G8女性の人権フォーラム

「G8」報道の課題

 「世界平和アピール七人委員会」が「北海道洞爺湖サミット参加国首脳への要望」をまとめ、各国に送り、6月27日記者会見で発表した。(http://worldpeace7.jp/modules/pico/index.php?content_id=24
 委員の井上ひさしさんらは、「先進国首脳が集まることに反対するのではない。むしろ自分たちの責任を自覚して、いまの世界の問題に真面目に取り組んでほしいのだ」と強調した。しかし28日朝刊の在京一般紙ではほとんど扱われなかった。  札幌では、同じ時期に札幌では、NGOが集まる「市民サミット」が開かれ、壮瞥町などで「オルタナティブ・ヴィレッジ」というキャンプも計画されている。北海道では書かれているようだが、東京紙には載らない。また、入管当局によるジャーナリストへの入国制限など、ほとんど載らない(http://g8medianetwork.org/ja/node/186)。 代わりに載るのは、渋谷のデモで「中核派」が逮捕されたニュース。
 いま、世界はどちらに向いているのか? 「大国」の議論の陰で、高騰した食糧も買えない世界の貧困をどうするのか、「北の核」は議論しても、大国の大量所有の「核」を問題にしないでいいのか。
メディアはいつまで民間の運動を敵視し続けるのだろうか。政府はいつまで世界の民衆に背を向ける行動を続けるのだろうか。
*『憲法メディアフォーラム』(2008.7.4Vol.143 http://www.kenpou-media.jp/より転載

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