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「手を結ぶための、私たちの訴え」

日本機関紙協会神奈川県本部配信

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「手を結ぶための、私たちの訴え」第421回配信 2018年9月10日 日本機関紙協会神奈川県本部

「本土」で沖縄の選挙をたたかう

 沖縄では統一地方選挙が始まっています。県知事選挙は13 日告示30日投票、那覇市長選挙は14日告示21日投票です。 前回の「配信」で沖縄のジャーナリスト・米倉外昭さんのレ ポートを紹介しましたので、現地情勢はそれを参照ください。
 翁長前知事や沖縄の人たちの努力で、沖縄の基地問題をめ ぐって変化が生まれていることも確かです。翁長さんが提起 していた「日米地位協定の改定」が、7月の全国知事会の提 言で採択されました。国内外の多数の有識者たちや元米軍人 たちからも沖縄の「非軍事化」などの訴えが出されています。  7日付の「琉球新報」に翁長さんの妻・樹子(みきこ)さ んのコメントが掲載されていました。埋め立て承認撤回の方 針を表明した記者会見を終え帰宅した翁長さんは「30分くら い自分の言葉で話ができた。よく保てた」と話したと言いま す。
 樹子さんと長男の雄一郎さんは、告別式に寄せられた香典 などを、子どもの未来のために活動する2組織に300万円、 「辺野古基金」に207.1万円を寄付したと伝えています。
 沖縄の基地問題などを解決するためには、「本土」の人たち が沖縄の近代史を知る必要があります。沖縄の人たちが受け てきた理不尽な扱いと、県民の気持を無視し続けてきた日本 政府の姿勢の異常さを「本土」でも世論にすることです。

第421回配信 2018年9月10日 No.1592
神奈川地方最低賃金審議会が「答申」

きわめて不十分な時間額983円

「神奈川の仲間」から

 8月6日、神奈川地方最低賃金審議会は、今年度の最低賃 金の改定について、中央最賃審議会の「目安」通り27円引き 上げて『時間額983円』とする答申を出しました。

生計費を確保していない
 神奈川労連は「答申」に対し、「労働者の生計費を確保して いない『貧困最賃』であること」、「諸外国に比べ異常に低い 額であること」、「地方間の格差を広げること」などを理由に 異議申し出を行いましたが、却下され10月1日から答申通り の時間額983円が適用されることになります。

共同が広がった行動
 最低賃金の改定審議が本格化する8月2日には労働局前で 「あげろ!最低賃金 座り込み行動」を行いました。
 猛暑のなか、神奈川労連傘下の労働組合だけでなく、この 行動に初めて神奈川県労働組合共闘会議や全国一般労働組合 全国協議会神奈川からも7人が参加し、協同の輪が広がりま した。約60人が休暇を取ったり、仕事の合間の時間を使って 座り込みました。

3食分をもって出勤
 昼休み集会では、最低賃金裁判の元原告が発言。高速道路 の料金所で働く元原告の女性は、「最低賃金で働く労働者の生 活の厳しさは体験している。今は月給制の仕事になったが、 低水準の賃金で1日24.5時間の拘束時間という厳しい働き方。 10時間の休憩時間はあっても事業所内から1歩も外に出ては いけない規則があるため、コンビニにも行けない。そのため 3食分の食事をもって出勤しなければならず、10時間の休憩 時間のうち仮眠は交代制のうえ、その時間が一定していない ため身体のサイクルが対応できず、せいぜい3時間ほどしか 仮眠できない。最低賃金が1500円になったら、月給制で 働く労働者にも影響があるので、大幅な引き上げを求めたい」 と発言し、参加者から大きな共感の拍手が送られました。

職場でワッペン行動
 ユーコープ労働組合では、座り込み行動にあわせて、「最賃 ワッペンアピール行動」を提起し、かながわ・しずおか・や まなしの子会社を含む全業態の正規・パート労働組合員25 86人が参加しました。
 分会ではユニホームにワッペンを貼るだけでなく、さまざ まな工夫をしてアピールしました。
*この原稿は、神奈川県労働組合総連合(神奈川労連)の機関紙「神奈川の仲間」第336号(9月1日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒231-0062
     横浜市中区桜木町3-9 横浜平和と労働会館内
      TEL.045(212)5855
      FAX.045(212)5745

第421回配信 2018年9月10日 No.1593

自立した生活送るため
最賃1500円を望みます

ユーコープ労働組合 星さんの陳述(要旨)
「神奈川の仲間」から

 わが家には今、小学6年生から幼稚園児までの4人の子ど もがいます。2人目が生まれ、上の子が幼稚園に通い始めた ころ、生活が苦しくなってきたなと思いました。子どもが2 人になると、こんなにも生活を圧迫するのかと思いました。 節約の日々のなか、3人目の妊娠と出産。子宝に恵まれ、幸 せを感じながらも、金銭的には窮屈になっていく現実があり ました。
 赤字続きの家計に、私がパートを始めたのは3人目が1歳 になったころでした。朝8時から3時間、時には夕方5時か ら3時間、週5日の日配品の品出し、値引き作業の仕事でし た。職種給が40円ついて時給870円、月給6万円。給料は 養育費と生活費に消え、貯金どころではありませんでした。  入職後1年が過ぎ、仕事にも慣れてきたころ、4人目を授 かりました。毎日必死でした。夫も朝から終電に間に合うか 間に合わないかの環境で働いていました。通院、出産費用の ために産前休暇に入るギリギリまで勤務しました。産休は約 4か月、合計24万円ほどの収入減少はかなり痛いものでした。
 夫の転職により、社会保険から国民健康保険と国民年金に 変わり、月々の出費は増え、生活を圧迫していきました。私 だけでも社会保険に入れないかと、勤務時間を増やしてもら えるようにお願いしたところ、1日5時間で週5日だと惣菜 (担当)でなら可能だということで、はじめての職種で困惑 しながらも、保育園確保、社会保険加入のためにやむを得な い選択でした。
 今の私は子どもにかけるお金が第一優先です。自身の通院 を悩み、化粧品に手が出ず、洋服だって1000円のTシャ ツ一枚買うのをためらいます。最低賃金改正に合わせて、先 月21日より私の基本給は995円になりました。それでも1 500円どころか1000園にも届いていません。今のまま の最賃では金銭的にも、時間的にも生活の中にゆとりが足ら なくて、辛いです。
 最賃1500円になったら、子どもたちともっといっぱい 遊びたい、お出かけしたい。最賃1500円になったら新し い洋服を買いたい。最賃1500円が子どもを育てるために 必要です。気兼ねなく病院にいくために必要です。日々を楽 しむために必要です。子どもたちが社会に出る時、自立した 生活を送るためにも、最低賃金1500円を望みます。
*この原稿は、No.1592と同じ「神奈川の仲間」から編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先も同じです。
*下記の表も、No.1592と同じ「神奈川の仲間」から編集部の了解を得て配信しています。 第421回配信 2018年9月10日 No.1594
この秋が正念場

75歳以上窓口負担
〝2倍化〟を阻止しよう

「神奈川県保険医新聞」「主張」から

 政府の進める「経済・財政再生計画」は今年、集中改革期 間の最終年度を迎えている。「改革工程表」の全44項目の中 で、財政審、経済財政諮問会議、厚労省医療保険部会等の政 府機関のみならず、自民党の特命委員会や財界、保険者が強 く勧めるのが「75歳以上の窓口負担の原則2割化(2倍化)」 だ。6月に出された「骨太方針2018」では来年に控える 選挙を意識してか「2割化」は明記されなかったが、改革工 程表では今年度中に結論を得るとしている。来年1月の通常 国会への法案提出を食い止めるためにも、この秋にいかに反 対の声を大きく結集するかがカギとなる。
 (神奈川県保険医)協会では今春、年金者組合、高齢期運 動連絡会、県社会保障推進協議会に〝2倍化反対〟の一点で の共闘を呼びかけ実行委員会を設立した。6月の「2倍化反 対スタート集会」を皮切りに、街頭宣伝行動、各団体への出 前学習会と、草の根運動を展開中だ。この一点共闘の〝神奈 川方式〟は、保団連(全国保険医団体連合会)/各協会から 賛意の声が寄せられており、全国に広がりつつある。
 しかし〝2倍化〟の動きは、当事者である後期高齢者にさ えまだまだ知られていない。保団連が実施した「クイズで考 える私たちの医療」(ネット応募者アンケート)によると、後 期高齢者の回答者のうち34%が国の負担増計画について知ら ないと回答。街頭宣伝においても署名協力した高齢者のほと んどから「初めて知った」との声が寄せられている。
 このような状況も踏まえ、協会はこの秋、恒例となった「ク イズで考える私たちの医療」キャンペーンを実施することにし た。9月には負担増反対の署名とともに、「ハガキ付きクイズ チラシ」を(会員の)先生方にお届けする。ぜひ待合室等に 設置の上、患者さんにクイズを通して後期高齢者の2割負 担化をはじめとする国の負担増計画の問題性を周知いただ きたい。
 後期高齢者の86%が慢性疾患で外来受診しており、64%が 2つ以上の疾患を治療している(第95回医療保険部会資料よ り)。前出の保団連アンケートでは、窓口負担が増えた場合「こ れまで通り通院する」と回答した後期高齢者は半数にとどま った。年金の受給額が減少する中、受信時の負担が倍加すれ ば、高齢者の足は医療から遠のき、重症例、死亡例が増加す る。
 これらの実態について現場の医師・歯科医師が、当事者で ある患者・国民とともに声を上げ、負担増阻止へ大きなうね りを作りあげていくことが求められる。ぜひ多くの先生型の ご協力をお願いする。
*この原稿は、神奈川県保険医団体の機関紙「神奈川県保険医新聞」第2064号(8月25日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒221-0835
     横浜市神奈川区鶴屋町2-23-2
         TSプラザビルディング2F
                  TEL.045(313)2111
          FAX.045(313)2113


「手を結ぶための、私たちの訴え」第420回配信
2018年9月3日 日本機関紙協会神奈川県本部

広い視野を背に〝一手を打つ〟

 大阪高等裁判所は8月31日、関西建設アスベスト京都訴訟第 1陣の控訴審で、被害者全員救済という原告側全面勝訴の判決 が出ました。判決は、国と企業の責任に加え、「一人親方(個 人事業主)」についても国賠法上の保護範囲に含まれると認定 しました。同様の訴訟で国の責任を断罪したのは9回連続。一 人親方への救済を国に求めたのは東京高裁に続き2例目です。
 建設アスベスト訴訟は神奈川でも2008年6月に「あやま れ、つぐなえ、なくせアスベスト被害」をスローガンに提訴。 全国の訴訟と連帯してたたかわれています。このたたかいは、 「裁判に勝つ」だけではありません。アスベストに従事した 建設労働者のための「被害者補償基金制度」を創る、という 目的が当初からあります。原告勝訴の判決が続いています。国 は、国と企業が行った「共同不法行為」を認め、「基金制度」の 創設を検討すべきです。これに必要な世論づくりは私たちの役 目だ。
 一方で、今回配信しているNo.1591にも目を通してくださ い。県保険医協会の機関紙のコラムで、米トランプ政権下でア スベストをめぐる危険な動きがあることを書いています。
 圧倒的多数の人々のいのちと暮らしを守るためには、広い視 野から社会をとらえ、身近な「一手を打つ」努力です。身近な 人たちと「声」を出して、考えあうつながりを増やしましょう。

第420回配信 2018年9月3日  No.1586
死亡者5人のうち4人が首都圏建設組合員

元請の安全軽視が引き金に
安藤ハザマ現場での大災害

神奈川県建設労働組合連合会
 書記長 吉良比呂志さん
 8月3日、東京都多摩市内の安藤ハザマが施工する建築工 事現場(アマゾンの統合通信施設)で、地下2階でアセチレ ン切断機による鉄骨の切断作業中、火花が床面のウレタン断 熱材に引火し、一気に燃え上がり、黒煙とともに炎に包まれ ました。
 100人以上の作業員が逃げる場所もない中で、黒煙と炎 に巻き込まれ、5人が死亡、30数人が救急搬送されるという、 大災害が発生しました。
 報道では、小規模であったものの前年度にも同様の火災事 故を起こしていたという極めてずさんな安全管理が行われて いたことが明らかになっています。
 安全軽視=人命軽視という元請け業者としてあってはなら ないことです。亡くなられた5人の仲間に改めて心から哀悼 の意を表し、あわせて被災した30数人の仲間のみなさんに心 からお見舞い申し上げます。
 この事故による死亡者5人のうち4人が首都圏の組合関係 者であったという信じがたい事故になりました。死者5人の うち4人が東京土建、建設ユニオン、神奈川県建設労連(川 崎中部建設労組)の組合員です。

誠意ある補償を求める
 8月20日、安藤ハザマの担当者が川崎中部建設労組の事務 所に来所し、改めて謝罪と、今後の労災手続きについて打ち 合わせが行われました。
 亡くなった岩本靖雄さんについては、労働者としての労災 申請が困難(特別加入者)とみられていますが、仮に労災補 償が不十分であっても、民事上の損害賠償義務があるので、 引き続き、誠意ある対応を求めて交渉を重ねていくことを確 認しています。
 今回の事故は、被災者には何ら過失もありませんので、亡 くなった人たちについては速やかに労災申請手続を求めます。 裁判判例による損害賠償請求についても訴訟によらずに、社 会通念相当額を速やかに保障させる取り組みを行います。  一人親方労災の申請者についても元請の労働安全衛生法違 反、安全配慮義務違反行為が明らかなので、同様の補償を求 めていきます。
 二度とこのような大災害が発生しないように特段の努力を 元請に求め、安心して働ける施工環境を確立すること、組合 と安全現場の確立をめざす合意書に調印するような取り組み を進めます。首都圏組合との共同で今後の対応を進めて行きます。

神奈川県建設労連の組合員の被害状況
川崎中部建設労働組合
   岩本靖雄さん 51歳 塗装工 死亡
    Iさん   24歳 塗装工 重症
    Wさん   21歳 塗装工 軽傷
    Iさん   30歳 塗装工 軽傷
    Nさん   54歳 電工  軽傷
神奈川土建一般労働組合
    1人負傷(軽傷) 電工
横浜建設一般労働組合
    1人負傷(軽傷) 電工
川崎建設一般労働組合
    1人負傷(軽傷) 電工
*この原稿は、神奈川県建設労働組合連合会の機関紙「けんせつ通信」第690号(9月1日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先   3
   TEL045(453)9701
     FAX045(453)9705

第420回配信 2018年9月3日 No.1587
沖縄レポート

辺野古の埋め立てか撤回か
日本の命運左右する知事選

ジャーナリスト 米倉外昭さん

 台風接近で雨が降り続く中、「辺野古新基地建設断念を求め る8・11県民大会」が那覇市の奥武山公園陸上競技場で開か れた。集会は、政府が17日以降と予告した辺野古の海への土 砂投入を阻止しようと計画されたが、8日に翁長雄志県知事 が急逝したため、知事の遺志を受け継ぐことを確認する場と もなった。登壇者の一人、山城博治沖縄平和運動センター議 長は「なぜこれほどまでに沖縄に試練が続くのか理解でき ない」と述べ、さらなる試練に立ち向かう決意を示した。
 その試練の一つが、翁長知事の遺志を受け継ぐ後継候補の 人選、擁立だった。翁長出馬を前提としていた「オール沖縄」 勢力は、ゼロからのスタートになったからだ。

決着をつけられるか
 紆余(うよ)曲折を経てようやく衆議院議員の玉城デニー 氏(自由党)に一本化し、29日に正式に出馬表明の予定だ。
(*29日に出馬表明)相手は宜野湾市長を辞職して立候補 を表明している左喜真淳氏である。知事選と同日に行われる 宜野湾市長選も「オール沖縄」候補がようやく固まり、一騎 打ちの構図が決まった。知事選前の9月9日に投開票を迎え る名護市議選、宜野湾市議選、10月には豊見城市長選、那 覇市長選を控えている。沖縄は選挙の喧噪(けんそう)の 中で、再び自らの運命を決することになる。
 左喜真氏が普天間飛行場の早期返還を大義名分とするのに 対し、名護市を含む衆院沖縄3区で選挙を勝ち抜いてきた玉 城氏は、県内移設=新基地建設の阻止を最大の争点とするは ずだ。宜野湾市は衆院沖縄2区、2区と3区の立場の違いが 知事選の構図にもなる。
 左喜真氏が普天間飛行場返還の時期をどう示すのかも興味 深い。辺野古新基地が完成し、米軍の移転が前提だとすると 何年先になるか分からない。その間、事故の危険にさらされ 続けるのだから。
 今度の知事選が辺野古新基地問題の決着につながるかどう かは見通せないが、今度こそ、決着をつけたいと、いずれの 陣営も考えているだろう。

沖縄の試練は続く
 知事選が早まったことで、政府は選挙が終わるまで土砂投 入を先延ばしするのではないかという観測が流れている。知 事不在の現在、撤回権限は謝花喜一郎副知事が持つ。市民団 体などは即時撤回を求めており、いつ「撤回」カードを切る か、国はどう出るか、神経戦が続いている。(*31日、違法な 状態を放置できないと、県は承認撤回)
 沖縄は、知事選と「埋め立てVS撤回」が同時進行する状況にある。さ らに全国的に見れば、安倍首相が3選を目指す自民党総裁選もある。  9月は沖縄と日本の運命を左右する重大局面にある。選挙の結果がど  うあれ、沖縄の試練がここで終わることはないだろう。
*この原稿は、「連合通信」隔日版No.9349(8月28日付)から編集部の特別な了解を得て配信しています。
 「連合通信」は、労働組合や民主団体の編集部が設立した「常設の共同取材機関」です。利用するには転載料金を含んだ契約が必要ですが、この原稿に限り転載も可能です。  契約なども含めた連絡は下記にお願いします。
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第420回配信 2018年9月3日 No.1588
憲法9条は死守しなければと強く思っています

みんなで声を上げていくことが大切です

神奈川県原爆被災者の会
会長 丸山 進さんに聞く

 また、8月がやってきた。「爆心地から2キロの福島町に住 んでいました」。広島に原爆が投下された時、家のそばの空き 地で遊んでいた。5歳9か月。「突然目の眩むような光がして、 ドーンというものすごい音とともに熱風が吹いてきて気を失 いました」。目が覚めた時には、周りの景色は一変していて夢 の中にいるようだった。そして「太ももにガラスの破片が刺 さっていました」。
 祖母と次の姉が亡くなる。「兄は学童疎開でかなり離れた広島 市郊外に行っており、父は兄を迎えに行って直撃を免れました」。 家は崩壊し、焼失したので、しばらく「バラックを建てて住んで いました」。家、家財、家族2人を失い、その年の暮れ父は長崎 の炭鉱に就職、﨑戸に移住、小学校に上がってからは体が弱く 「よく下痢をしたり熱を出したり」体調を崩し、たびたび学校 を休んだ。原爆のせいかと思っていたし、学校で「からかわれ ました」。

原爆の証言者となる
 県原爆被災者の会の会長になったのは「今年4月24日の総 会です」。
 若い時は電気関係の製造業に勤め、脱サラをしてラジオ、 ステレオのアンプなどの基盤加工をする自営業を立ち上げた。
「自宅が工場の家内工業ですよ」。65歳の時、仕事が一段落し、 相模原の原爆被災者の会に顔を出した。「原爆展や平和のつ どいに参加しました」。当時の久保会長の被爆証言にいっしょに 回った。その後、丸山さんが証言者となる。「姉の遺体が見つか っていない。辛くて言葉が詰まってしまいます」と涙ぐんだ。 生活協同組合や創価学会青年部、9条の会、小中学校など多 くのところで、再び戦争を起こさせないために証言をしている。

被爆者をつくってはならない
 国連で核兵器禁止条約の採択や、ICANがノーベル平和賞を 受賞。「被爆者の運動がようやく世界の世論を変えています」 と言ってから、安倍首相はひどいですね。核兵器禁止条約に 否定的ですから」と厳しい口調。「安倍首相はアメリカべった りでしょ。トランプさんの言うことをご無理ごもっともでし ょ。イエスマンですよ」。さらに続けて「沖縄のことでも県民 の意見を聞かず、強引に辺野古新基地建設を進めているんで すから」ときっぱり。「私たちは戦争や原爆被災の記憶が薄れ ていくことをたいへん心配しています。再び戦争を起こさせな い。再び被爆者をつくってはならないことが私たちの願いです」。 丸山さんの思いが伝わってくる。「憲法9条は死守しなければ と強く思っています。みんなで声をあげていくことが大切です」。 趣味は庭いじり。「狭い庭ですけど、果樹をつくっています」。 柿、ぶどう、夏ミカン・「趣味と実利を兼ねています」と嬉 しそうに笑顔を見せた。
*この原稿は、神奈川県平和委員会の機関紙「平和新聞」神奈川県版第114号(8月15・25日合併号)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒231-0064
     横浜市中区野毛町2-6 大沢屋ビル4A
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> 第420回配信 2018年9月3日 No.1589
マレーシアから見える日本

未来への選択は国民の手の中

マレーシア在住 清水雅彦さん

 早いもので、マレーシアで暮らしはじめて5年になる。当 初は、異文化社会の中で戸惑うことも多かったが、この頃は すっかり波長が合ってきたようだ。
 この国には助け合いの精神が根付いている。それは、電車 内での譲り合いや、スーパーマーケットなどでの頻繁なプロ モーションをはじめ、日常生活のさまざまな場面で体験する ことだ。
 マレーシアは、経済発展や教育水準では、まだまだ日本に は及ばないものの、将来に夢と希望が持てる国だ。物価や賃 金は順調に上がり、銀行定期の利子も3%を超える。鉄道や モール、コンドミニアムの建設も急ピッチで進み、経済の好 循環を裏付けているように見える。人口動態も日本に比べれ ば、はるかに健全で、65歳以上の割合は6%程度だ。
 今年5月の総選挙で、92歳のマハティール氏が首相に返り 咲いたことは、記憶に新しい。ナジブ前首相の汚職疑惑に対 する国民の怒りが爆発した結果のように思えるが、これは世 論が政権に厳しい目を向けている証左とも言えるのではない だろうか。事実、マハティール首相は就任後、間髪を入れず にナジブ氏の逮捕、起訴に踏み切っている。
 このほか、日本の消費税に相当するGST(6%)も6月1 日から廃止。生活必需品は対象外だったとはいえ、この措置 は貧困層にとっては、計り知れない恩恵があるはずだ。ナジ ブ政権時代に発表された政策も次々に見直しをすすめている。 国民は、今後も、新政権の動向を注視し続けることだろう。  一方、日本に目を向ければ、状況は一変する。かつて「経 済大国」とも呼ばれたこの国は、いまや沈没の危機に瀕して いる。その原因はいくつか考えられると思うが、私は以下の 点を指摘しておきたい。
 真っ先に挙げなければならないのは、民主主義の崩壊だ。 憲法の枠組みを大きく逸脱した政権運営も異常だが、それを 多くの国民が容認していることにも驚くばかりだ。  また、公私混同の政治の中にあって「忖度」や「文書改ざ ん」を自らの責任のように振る舞う官僚たち。彼らはいった い何を守ろうとしているのか。
 さらに、ワーキングプアや老後破産は、この国を象徴する 大きな問題だ。心の豊かさが失われ、犯罪が増加することの 背景には、こうした生活苦があることを見逃してはならない。  問題は山積しているが、政治も司法もメディアも、そのゆ くえは国民の意識と直結している。つまり、未来への選択は、 国民の手の中にこそ、あるということだ。
*この原稿は、8月30日にメールで送られてきました。
 清水さんは、機関紙協会神奈川県本部の元・理事で、現在も個人会員です。連絡は「協会」県本部にお願いします。

第420回配信 2018年9月3日 No.1590

実現したい「いのちが何より大事の政治」

医療生協かながわ生活協同組合
 中田西支部 高宮美智子さん

 私が看護師として働き始めた40数年前は、老人医療費は無 料でした。数年後には有料化が提案され、神奈川県選出国会 議員への要請行動に参加しました。議員や秘書の他人事のよ うな対応には怒りをおぼえました。
 その後、国会で強行採決されたことは今でも悔しく許しが たい出来事でした。地位ある人たちの不誠実な答弁は、40年 前のことでも強く印象に残っています。これは「はじめの自 己負担は少なくても、以後はどんどん負担増が進められてい く。社会保障の大改悪=いのちの切り捨てへの道筋だから、 今許したら将来、憲法25条が守れない!」そんな大改悪の はじまりでした。
 あの時の懸念が現実となり、来年には75歳以上の後期高齢 者医療保険の自己負担率が1割から2割へと引き上げられよ うとしています。
 今年の4月からの医療・介護の負担増とサービスの切り捨 てで、差額ベッド代金の負担や切実な内容の相談事が地域で は増えています。
 憲法25条が「朝日裁判」で争われたように、今こそ現行憲 法を守り、憲法輝く政治、いのちが何より大事の政治の実現 を訴えます。
*この原稿は、医療生協かながわ生活協同組合の機関紙「医療生協かながわ」第222号(9月1日付)のコラム「やまゆり」から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒244-0003
     横浜市戸塚区戸塚町3880-2
      TEL.045(862)9834

第420回配信 2018年9月3日 No.1591
米国の規制緩和はアスベストも

日本の未来に一般国民はいるのか

「神奈川県保険医新聞」から

 本年の6月1日米国環境保護庁(EPA)は化学物質の製造・ 輸入・使用の制限や禁止を定めるSignificant New Use Rules (SNUR)で「ケースバイケースでアスベストを含む製品の製 造を認める」と緩和。また潜在的に有害とされる化学物質リスク 評価方法も「空中・地中・水中における化学物質の存在やそ の影響については考慮しない」と変更。
 日本ではウン十年前の医師国家試験でもアスベスト=悪性 中皮腫(肺がん)と出題される等良く知られ、採掘や加工、 輸送、建設、ひいてはごみ処分に至るまでに携わる作業員や 近隣住民に影響が及ぶ。そして米国の規制緩和は、いずれF TA、EPA、TPP等の貿易協定を介し非関税障壁として日本に も緩和要求されよう。
 トランプ政権下の米国は「アメリカファースト」を掲げる が、国防を理由にする鉄鋼等の資材や自動車等への保護関税 はEUや日本への影響のみならず、米国内の産業にも深刻な 負荷を課し、中国とは貿易戦争の様相を呈する。大統領の 耳には、影響力の大きな団体や一部企業の声しか届かぬ様だ。
 日本を顧みると、経団連1500余社や、経済同友会15 00人弱の団体構成員(企業等)は日本の全企業約420万 社(うち大企業11000社、中規模55万社)に比し僅少と 言わざるを得ない。社会福祉財源も含め、日本の向かう先に 大多数を占める一般国民は存在するのだろうか?  (倫)
*この原稿は、神奈川県保険医協会の機関紙「神奈川県保険医新聞」第2064号(8月25日付)のコラム「杏林往来」から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒221-0835
     横浜市神奈川区鶴屋町2-23-2
         TSプラザビルディング2階
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「手を結ぶための、私たちの訴え」第419回配信
2018年8月27日 

「〝戦争〟の反対語は〝対話〟」の視点考

 神奈川県平和委員会の機関紙「平和新聞」神奈川県版11 3号の4面の連載「ほっとCafé」に平塚平和委員会の府川き よしさんのコメントが「よく考えれば」の見出しで載ってい ました。ちょっと長い引用になりますが以下に紹介します。
 ―対話が続いている間は/ケンカも戦争も始まらない/と いう西洋のことわざ/〝戦争〟の反対語は〝平和〟/ではな く〝対話〟と/言われている/対立を煽って何になる/憲法 の心に対話がある/九条もそれがあって/成り立っている。
 南北会談に続いて、6月12日、歴史的な米朝会談がシンガポ ールで成功裏に行われた。東北アジアに安定した平和が訪れる ことを切に期待します。
 暉峻淑子さんが「対話する社会へ」(岩波新書)で言って入 りように「対話」こそ「戦争」の反対語です。
 この本を読んだ感動を詩の作品にしました。みなさんもこ の本を読んでください。―
 「〝戦争〟の反対語は〝対話〟」だという本質を表すこと ばは、多くの人たちにまだ理解されていません。現代の人間 の文化や生き方を考える上でも、こうした視点をヒントに本 質を表すことばを考え、磨き上げていきたいものです。こう して悩むことは編集者の企画力を高めるでしょう。

第419回配信 2018年8月27日 No.1582

大きな成果もあった全自治体要請

「神奈川の仲間」から

 神奈川労連は毎年、全自治体にアンケートと要請項目を送 付し、回答に基づき要請行動を実施しています。今年度の特 徴について紹介します。

職員の確保が困難
 公務の職場でも労働力不足になっていることが明らかにな りました。とくに、町村などでは「応募そのものが少ない」、 「内定しても辞退がある」など、確保したい人員に満たず、 非正規で補っている自治体もあります。なかでも土木など技 術職の確保の厳しさがいくつもの自治体から語られました。
 あわせて、正規職員の長時間労働が課題になっています。 職種や時期によって1か月に60時間、あるいは80、100時 間を超える残業が起きています。労働時間管理にも課題があ ります。タイムカードなど客観的な方法で管理する自治体も ありますが、「自己申告」という当局が管理責任を負わない方 法をとっている自治体も少なくなく、改善をさせていくことが 必要です。

最賃以下で働く公務員
 各自治体の高卒初任給とその時間単価は表(別のファイル に添付しています)にあります。時間単価が最低賃金を下回 る自治体があり、大きな課題です。後で詳述する「2015 時間問題」が要因の一つですが、今年度の最賃の改定により 実質的に最賃を下回る公務労働者が発生します。「公務員は最 低賃金の適用外」との弁明もありますが、そもそも公務員賃 金は最賃を上回ることが想定されているために「適用除外」 なのであって、下回って良いはずがありません。
 根本には国家公務員の賃金水準に問題があり(国家公務員 でも最賃を下回る賃金水準が存在)、公務労働者全体の賃金を 抜本的に改善させることが求められています。

改善した「2015時間問題」
 1時間あたりの賃金単価は、年間の賃金総額を年間の実際 の所定内労働時間で割って算出します。これと違ったやり方は 労働基準法違反にあたります。ところが、県内の10以上の自 治体が分母となる労働時間を、実際の労働時間(1900時 間弱)ではなく国基準である2015時間として賃金単価を 計算し、それに基づき残業代などの計算がされていました。 分母の時間が大きくなれば単価は低くなり、残業代も本来 払われるべき額から少なくなります。
 昨年からこの問題を取り上げたところ、今年度の要請では 「見直します」などと7自治体が回答し、2015時間を使 う自治体が半減するという重要な成果となりました。残った 自治体でも、見直しを「検討する」という自治体もあり、県 内全自治体から労基法違反のやり方を一掃する可能性をつく り出しました。

会計年度任用職員
 自治体で働く非正規職員の賃金・労働条件では、「10月から 1000円に引き上げる」など前向きな回答もありましたが、 財政難を理由に最賃に貼りつく自治体も少なくありません。
 今年度の要請で大きな焦点になったのが、2020年4月 から始まる「会計年度任用職員」という新たな制度です。こ れまで任用の根拠があいまいなまま増大していた、自治体の 非正規労働者について制度を統一するものです。
 「正職員の代替にさせないこと」、「雇い止めが発生しない ようにすること」を要請するとともに、新制度を機に賃金・ 労働条件を抜本的に改善するよう強く求めました。「現在の非 正規職員はすべて移行させる方向」、「期末手当や退職金など 労働条件の改善を考えている」などの回答が多くの自治体か ら出されました。

公契約の「適正化」を
 自治体が発注する工事や業務委託で働く労働者の賃金確保 などの「適正化」を求めました。とくに、公共工事は予定価 格の積算に用いる人件費部分の労務単価が40%以上も上昇し ているのに、現場の建設労働者の賃金が変わらないか微増に とどまっています。「税金を使って発注価格も上がっているのに、 現場労働者の賃金を上げ建設技能者の減少に歯止めをかけると いう、政策目的が果たされていないことは問題だ」と追及。
 「民間の労働契約に介入できない」など発注者責任を果た そうとしない回答もありましたが、「少なくとも調査すべきと の訴えに、「チラシを配布した」、「担当課から口頭で説明して いる」など何らかの努力をしている自治体が増えています。
公契約条例のある厚木市では、「現場に職員が行って労働者か らの聞き取りをしている」と先進的な取り組みが報告されました。  労働者の賃金を上げるために、公契約条例が必要であること がますます明らかになっています。

担当者からの感謝の言葉
 国は安価な労働力の確保策として、シルバー人材の活用を 進めています。「いきがい事業」の目目的を超え、明らかに労 働力として活用しているところや、「労働者でない」ことから 最低賃金以下の報酬で働かせているなど、問題が散見されて おり、本来の目的から外れるような活用の拡大をさせないと りくみを強めることが求められています。
 各自治体からのアンケート・要請項目への回答結果は、す べての自治体に送付しており、「この資料は本当に参考になり ます」と感謝されることもあります。すべての自治体が労働 者の賃金・処遇を改善し、労働者施策を充実させるために来 年以降もとりくみを継続することにしています。
*この原稿は、神奈川県労働組合総連合の機関紙「神奈川の仲間」第335号(8月1日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒231―0062
     横浜市中区桜木町3-9 横浜平和と労働会館内
      TEL.045(212)5855
      FAX.045(212)5745

第419回配信 2018年8月27日 No.1583
神奈川労連の労働相談

医師からの相談

神奈川労連労働相談センター 相談員 平間禄朗さん

 ある医療法人グループのクリニックの院長をしている医師 からの相談があった。
 1年間の有期雇用契約(自動更新あり)の契約更新に当た り、経営側から「次年度は9カ月の有期雇用にしたい」と言 われたが、こういう契約は認められないとしてあらたな契約 書に押印していない、と言う。
 本人は、このクリニックに未練はなく転職したいが、初め の契約書に「退職は10カ月前に申し出ること」という記載が あり、すぐに辞めるにはどうしたらよいか、という相談であった。
 医師という専門的な労働者の相談であることから、民主医 療機関(民医連)に問い合わせたところ、「後任不在」による 診療所閉鎖の損害賠償の請求を受ける可能性があるので、話 し合いで円満に解決した方が良い、ということであった。そ こで、相談者には弁護士を紹介した。
 今年の3月に厚生労働省は「働き方改革実行計画」に基づ き「医師の労働時間短縮に向けた緊急的なとりくみ」(通達) を各都道府県知事に出し、労働時間管理を適正に行い、改善 を図ることを求めている。
 神奈川労連の労働相談センターにも、医師からの労働相談 がこれまでも複数寄せられ、産休・育休が取れない、長時間 労働、解雇された問題などで労働組合に加入の案内などをし てきた。
 国会では「働き方改革関連法」が強行成立させられたが、 残業時間の上限規制の対象から医師は外されている。ヒトの 命を預かる医師が、命を脅かされながら働く実態は異常であ る。すべての労働者が安心して生涯働ける制度を早急につく る必要がある。
*この原稿は、No.1582と同じ「神奈川の仲間」から編集部の了解を得て配信しています。連絡先も同じです。

第419回配信 2018年8月27日 No.1584
〝人には国境はない〟

大切日本と中国の友好を働

「北央医療」から

 73年前の8月6日広島、9日長崎に原爆が落とされました。 15日は終戦記念日です。戦争体験者が少なくなっていくなか、 被害と加害の事実を学び、次代に平和の大切さを伝えていき たい。小学校の教員を退職後、中国で日本語の教師になった 鈴木亨さん(中部東支部)に、友好への思いを聞きました。
 なぜ行き先が中国だったのか。3つの動機がありました。
 1つ目は鈴木さんのお父さんが中国で砲兵隊だったことで す。「親父の話で覚えているのは食べ物のこと。なくなると上 官が『現地調達』って命令する。それは農家を襲って肉とか 野菜とかを略奪して来いということなんです。どんな状況だ ったかは目に浮かびますよね。まったくひどい話です」と顔 を曇らせます。その後、大学生の時にあの戦争は侵略戦争だ ったことを知り、自分にも責任があるのではないかと思い始 めます。退職したら、贖罪(しょくざい)のために中国の若 い人たちを応援したいと思うようになりました。
 2つ目は、仕事の同僚や友人に「中国がきらい」という人 が多かったことです。「中国人は汚い、大声でしゃべる、戦争 の事をまだぐちゃぐちゃ言っている」などでした。そういう 人ばかりではないはずなのに、でもそのときに有効な反論が できなくて、「それならば現在のありのままの中国と中国人を 見てみたい。どんなものを食べて、どんな生活をしているの か知りたい。旅行で行くのではなくて住んでみたい」と思う ようになったのです。
 3つ目は、「中学から『漢文』の授業が始まりました。日本 固有の文化だと思っていたのに、ルーツは中国に。ことわざ の多くも中国からきている。中国ってすごい国だと敬意のよ うなものが湧いてきました」と言います。

中国で日本語の教師に
 定年退職した翌日、これからどう生きていこうかと考えて 行きついたのが「日本語の教師」でした。「日本語教育検定試 験というのがあってね。年に一度しかないので、後のない私 は猛勉強して合格しました」。
 はじめに採用されたのは福建省の厦門(アモイ)というと ころ。大都会で30階建てのビルの25階に住み、民間の日本語 学校で教えました。一年契約だったので、今度は日本が満州 国を作った東北の方に行ってみたいと思い、大学で日本語の 教師として長春(チョウシュン)」に行きました。
 長春では外国人の教師としてとても大事にしてくれました。 「研究室も与えられ、職員会議にも出ることができ、自分の 意見を言える場があってうれしかったですね」。その間に、当 時の(日本)政府や都知事が尖閣諸島を買うことになり、中 国が反発して半日暴動が起こります。大学からは「日本の先 生がキャンパスから出ないように」と言われ、普段行ってい るレストランでも「日本人お断り」の看板が出されました。

草の根の交流が大切
 中国にトータルで3年暮らして感じたことは「『人には国境 はないんだ』ということです。すごくいい人もいるし、悪い 人もいる。日本と変わらないんだと思いました」。長春はマイ ナス20度にもなるとても寒いところです。ある時、荷物をた くさん持ってタクシーを待っていました。猛吹雪で凍死すの ではと思っていたところ、後ろの方に並んでいた鈴木さんを、 30歳くらいの女性が呼んで先に乗せてくれました。「とっても ありがたくて、親切な人っているんだなと思いました」。
 本当の中国を知るために中国に渡り、生活をした鈴木さん。 中国から日本への旅行者は増えているけれど、日本から中国 への旅行者は減っている現実。「もし、この記事を読んで考え てくれるとしたら、今の中国を知るためには、見る、触れ合 う、そしてできたら暮らすことだと思います。本当の意味で の友好関係が生まれてくると思うからです」と力がこもります。
 日本の侵略戦争の実相を学び、アジアの人たちと草の根の 交流を深めていく。現地の人の声に耳を傾けていく。このこ とが平和への糸口になることでしょう。
*この原稿は、神奈川北央医療生活協同組合の機関紙「北央医療」第377号(8月15日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒252-0303
     相模原市南区相模大野6-2-11
      TEL.042(748)2261

第419回配信 2018年8月27日 No.1585

大切医療生協の活動が
地域や行政と連携広まる

「医療生協かながわ」から

 地域に広がるつながりの〝わ〟まちかど健康チェックの開 催場所は地域購買生協に加え、大手スーパーへと広がってい ます。健康チャレンジは行政の後援を取得し、また県との見 守り協定の締結など、行政との連携強化に取り組んでいます。 こうした広まりをさらに広めて、医療生協の活動を多くの人 たちに知ってもらうことにつなげましょう。

スーパーで健康チェック
栄地域
COOP店舗に加え、大手スーパーマーケットでも始めました
 2015年4月のWHO世界保健デーの取り組みに依頼書を 持参し、FUJIスーパーの店長に会うため3回足を運びました。 「どうぞ、良いですよ!」と許可をもらい、それ以来毎年FUJI スーパーで行なっています。
 また、南支部にも新しい「まちかど健康チャック」の拠点 として、イトーヨーカドー桂台店を考えていました。201 8年2月、開催日を記載した依頼書を持参し、足を運びまし た。統括マネージャーが対応してくれ、「店長と相談します」 との事で後日再訪すると、「今回だけでなく、年に2~3回は 健康チェックをやっていただきたい」と頼まれ、引き受けるこ とになりました。店内にお知らせの掲示をしてくれ、当日は 要員と機器を持参すると、何と椅子と机がセッティング済み で、看板には風船が飾られていました。忙しくも楽しい取り 組みでした。6月には2回目のまちかど健康チェックを、2 支部合同で実施しました。これからも地域まるごと健康づく りに取り組んでいきます。
                 (栄地域 藤原典子)

行政との連携
いずみ地域
ケアプラザとのタイアップ

 いずみ診療所健診推進委員会では、これまでいずみ中央ケ アプラザとの学習会企画をしてきた経緯から、新たに201 7年3月からいずみ中央ケアプラザ、泉区役所高齢・障害支 援課、医療生協の3者共同で認知症予防講座の取り組みを開 始しました。これは泉地域の健診推進委員会の学習会のひと つとして、ケアプラザへ声をかけて実現したものです。  昨年は3月と5月にロコモ予防講座を、9月と10月には「認 知症予防は栄養面から」という連続講座を開催し、どちらの 企画も大好評でした。今年度は8月に開催する「音楽療法・ ボイストレーニング講座」からスタートし、栄養・口腔ケア・ ロコモ予防という3つのテーマで9回の講座と歯科医師によ る講演会を予定しています。どの企画も、参加者や講師陣と もに医療生協の枠を大きく超えたものになります。今から新 たな出会いが楽しみです。
                   (いずみ診療所)

中田地域
診療所を一歩出て
 中田診療所に面した道路、通称「長後街道」を地元の人は 「介護・お医者街道」と呼んでいるほど介護施設と開業医 が多い地域です。
 初めは診療所の駐車場で慎ましく行っていた健康まつりを 地域の公園で行い、地元のサークル活動を行っている団体に も出演をお願いしたこともあり、入場者も年々増加し、地元 の年間行事に組み入れられるようになりました。
 いずみブロックが、いずみ中央ケアプラザと共催事業を行 っていることを知り、中田地域でも是非と、踊場地域ケアプ ラザにお願いしました。話はとんとん拍子で進み、横浜市介 護予防普及啓発事業として、医療生協かながわ中田地域健診 推進委員会・踊場包括支援センター共催事業となりました。 申し込み受け付けはケアプラザで、人集め・会場づくりは医 療生協が担当しました。
 1回目は申し込み初日で定員オーバーとなり、急きょ定員 を増やしました。2回目の計画を早めたところ、それも募集 2日目でオーバーしてしまいました。
 今年度の年間予定をケアプラザと打ち合わせ、年4回、テ ーマはロコモ予防・口腔ケア・認知症予防・すこしおメニュ ーに決まり健診推進委員会一同張り切って活動しています。
                 (中田地域 小林 洋)
*この原稿は、医療生協かながわ生活協同組合の機関紙「医療生協かながわ」第221号(8月1日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒244-0003
     横浜市戸塚区戸塚町3880-2
      TEL.045(862)9834


「手を結ぶための、私たちの訴え」第418回配信
2018年8月20日  日本機関紙協会神奈川県本部

考える人を増やし 励ましたい

 今回の配信で紹介している丸山重威さんの評論で、自民党 の総裁選と安倍政治を客観的に見て書いています。その後半 の部分では、「安倍政治の『不正直、不公正、傲慢、乱暴』は ひどかった。森友、加計だけではない」と。そして安倍首相 の改憲案は自民党の案でもない。ウソをついて改憲をめざす ことばは、総裁選挙の対立候補である「石破氏ではなく、『国 民』への挑戦だ」と書いています。
  障がい者の雇用数を水増ししていた中央官庁のあることが 報道されました。報道されているだけでも、政治のひどさが さまざまな分野で明らかになっています。大多数の国民の利 益より、多国籍企業や大企業と米国政府の利益のための自民 党と安倍政権の政治。この本質をどう伝えるかが焦点です。
 政治に関心のない人たちや、ウソとごまかしのことばで判 断している人たちに、大事なことを分かってもらうためには、 まず機関紙編集者が努力したいものです。読者とその周りに いる人たちに、どういう情報をどういう姿で提供するかの努 力です。読者をよく知っているのが機関紙編集者だからです。
 今は、さまざまなところで目的を持った活動が行われてい ます。その人たちの努力も視野に入れながら、考える人を増 やし、励ますコンセプトでチャレンジをしたいものです。

第418回配信 2018年8月20日 No.1576

安倍改憲発言は「国民」への挑戦

ジャーナリズム研究者 丸山重威さん

 「正直、公正、謙虚、丁寧」―石破茂元自民党幹事長の自民 党総裁選への出馬表明だ。「透明、誠実」という言葉もある、 まず「何よりも先に政治の信頼を取り戻す」とし、「信頼回復 100日プラン、を策定する」と表明、「9条改憲を優先しな い」とも強調した。
 もともと、自民党内の話をあえて持ち出し公然と議論し、 国中の話題にするのは、要するに自民党のキャンペーン手法 だし、改憲について、一方が「9条」を言い、もう一方が「緊 急事態」と「合区」を主張するのでは、これも一種の「争点 隠し」。改憲キャンペーンの一環である。
 にもかかわらず、この問題を取り上げるのはこれがいま、 われわれの国会で多数を占める自民党の党首選びで、現実に は「首相選び」だからだ。それを考えると、日本中が「安倍 か、石破か。どちらでもなければどうするか」を考えなけれ ばならないし、メディアも積極的に「安倍政治の5年半」を 総括し、論じなければならないはずだ。
 実際「安倍政治」の「不正直、不公正、傲慢、乱暴」はひ どかった。森友、加計だけではない。安倍首相の手法は、改 憲問題でも安倍首相の案は自民党案でもなく、「何も変わらな い」と嘘をついての「9条改憲」。「何としても首相の間にや り抜きたい」「いつまでも議論を続けるわけにはいかない。次 の国会に提出できるように」という首相の言葉は、石破氏で はなく「国民」への挑戦だ。
 自民党員はこれを容認するのか? それでいいのか? 問 われるのは党と党員、そしてその周辺、私たちの姿勢だ。
*この原稿は、8月14日に送られて来ました。
 丸山重威さんは、機関紙協会神奈川県本部の顧問でもありますので、連絡先は、県本部にお願いします。

第418回配信 2018年8月20日 No.1577

鎌倉市職労の闘いで和解成立

「神奈川の仲間」から

労使交渉を無視した暴挙
 鎌倉市で、大幅な賃金引下げについ激変緩和措置を設ける ことで労使合意した「職員の給与に関する条例の一部改正案」 は、2014年9月の市議会で激変緩和措置を全面削除する 修正が行われ可決されました。
 さらに鎌倉市長は、特殊勤務手当についての交渉を一方的 に打ち切り、これまでの労使経過を無視した大幅削減となる 議案を15年2月議会に提案し可決されました。

次々と組合攻撃が
 鎌倉市職労は神奈川県労働委員会に不当労働行為救済申し 立てを行いましたが、17年7月には特殊勤務手当事件につい て不当命令が出され、中央労働委員会へ再審査請求を行って いました。
 この間、組合事務所の追い出し事件や、組合費のチェック オフ廃止の議案提案などが次々と行われ組合攻撃が激しさ を増してきました。

市民宣伝などを展開
 市議会や市長からの攻撃が強まるなか、15年12月に神奈川 労連や自治労連など労働組合や民主団体・個人が参加して「鎌 倉市政を市民と働く仲間に取り戻す会」を結成し、市や市議 会への要請、市民宣伝、労働委員会傍聴などにとりくみ、市 民や全国の仲間に対し、事件の本質を知ってもらい、闘いへ の支援をお願いしてきました。
 17年4月の鎌倉市議会議員選挙では議会構成が大きく変 化し、今回の和解への基盤をつくる結果となりました。

4点の和解内容
 中央労働委員会へ再審査請求を行って以降、中労委から和 解勧告が出されるなど和解協議が進み、7月19日の和解調印 となりました。和解の内容は、以下の4点です。
① 市と組合双方は本件紛争が円満に解決したことを確認し、 ともに鎌倉市民のために働く公務員として正常な労使関係を構 築する。
② 市と組合は今後の団体交渉において誠意をもって十分に 交渉をつくし、労使が合意した事項についてはその実現に 向けて最大限努力する。
③ 組合は本件再審査申し立て及び神奈川県労働委員会申し立てを 取り下げる。
④ 市と組合は本件和解条項に定めるほか、何らの債権債務 が存在しないことを相互に確認する。
 極めて当たり前の内容ではありますが、これをないがしろ にした議会や市長による様々な組合攻撃を押し返してきたこ とは大きな成果と考えます。

団結を維持
 残念ながら、最大17.9%の賃下げや特殊勤務手当の大幅削 減など、賃金水準についての復元をすることはできませんで したが、労働委員会や「取り戻す会」の運動を通じて組合員 の団結を維持することができました。
 本争議の発端は鎌倉市議会による労使自治への介入にあり ました。市議会が議決権を乱用し、労使合意を否定して団結 権、団体交渉権を侵害し、市長のさらなる不当労働行為を誘 発した憲法・労働法を顧みない暴挙であったと言わざるを得 ません。
 こうした暴挙が鎌倉市役所で再び起こらないように、また 全国で発生しないように、働く者の権利擁護と住民自治、財 政民主主義のための様々なとりくみを強化することが求めら れます。

スローガンを掲げて
 鎌倉市職労では、これまでの支援に感謝するとともに、労 働組合を強く大きくするなかで「住民の繁栄亡くして自治体 労働者のしあわせはない」というスローガンを掲げて、さら に運動をすすめていくことにしています。
*この原稿は、神奈川県労働組合総連合の機関紙「神奈川の仲間」第335号(8月1日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒231-0062
      横浜市中区桜木町3-9 横浜平和と労働会館内
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         第418回配信 2018年8月20日 No.1578
東芝争議解決10周年記念の集い

働く人の雇用と権利守って
東奔西走 未来へつなぐ

「新かながわ」から

「東芝の職場を明るくする会」(「明るくする会」)は7月14 日、川崎市内で「東芝争議解決10周年の集い」を開催しまし た。
 2008年4月、不当労働行為と賃金差別の是正を求めた 「東芝差別是正争議」は、労働者側の勝利で解決しました。 裁判は申立人12人を先頭に84人が13年間にわたってたた かい、注目を集めました。
 「明るくする会」は争議解決後10年、賃金差別のない民主 的で明るい職場づくりと、労働者の権利と健康を守る運動を 継続し、病気治療後に職場に戻れなかった労働者を会社と交 渉して職場復帰を実現しました。
 モバイルコミュニケーションプロダクツ社5人解雇撤回闘 争、100時間を超す長時間労働でうつ病になった労働者の 深谷工場労災認定闘争、決算報告不正処理事件・原子力発電 事業の失敗を労働者の大リストラで乗り切ろうとする東芝と のたたかいは、労働者を励まし「明るくする会」への信頼を 広げています。
 羽田和人副代表は「15年の東芝青梅工場閉鎖反対のたたか い、17年の『東芝リストラ対策会議』の結成など、私たちは 地域の労働組合や市民団体と協力してたたかってきました。 これからも労働者の権利を守るために活動を続けていきま す」と訴えました。
 集会では元弁護団長の岩村智文弁護士、元裁判支援共闘会 議・事務局長の岡本一氏があいさつしました。 (高巣博文)
*この原稿は、「新かながわ」第2460号(8月5日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒221-0822
     横浜市神奈川区西神奈川1-18-12
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第418回配信 2018年8月20日 No.1579
まちづくり健康づくり

満蒙開拓平和記念館を訪ねる旅

「暮らしとからだ」から

 7月16日から17日の2日間、「友の会平和ツアー」として 43人の参加で、満蒙開拓平和記念館と昼神温泉の旅に行って きました。まちづくりも健康づくりも平和であることが重要 です。そんな思いを込めて今回の旅行を計画しました。

満州国とは
 1931年(昭和6年)満州事変で関東軍(日本陸軍の満 州駐留部隊)が主要都市を征服し1932年(昭和7年)3 月に建国したもので、現在の中国東北地方に位置します。国 土は日本の約3倍の面積があり、日本敗戦とともに消滅しま した。清国最後の皇帝溥儀を元首としていましたが、政治の 実権を握っていたのは日本であり権力の中枢には関東軍がい ました。

満蒙開拓団とは
 満州国には(日本)全国から多くの農民移民がいました。 この地域をかつて日本は「満蒙(まんもう)」地域と呼んでい ました。「蒙」は内モンゴルの一部が含まれていたためです。 1936年(昭和11年)に「満州農民移民100万戸計画」 という移住計画が国策となり、終戦までに27万人が日本から わたっていきました。村を挙げて送り出す「分村」や、複数 の村から送り出す分郷開拓団の他、14、15歳の青少年義勇団 も8万人近く送り出されました。

満蒙開拓平和記念館とは
 満蒙開拓平和記念館は善意の人々の寄付や賛同募金ででき た施設で、説明してくれる方もボランティアです。施設は大 きくはありませんが、戦争の歴史を記す資料や、満蒙開拓団 の手記など、とても貴重な資料がたくさん展示してあります。    施設をめぐると、戦争のさなかに日本政府が満州国を作り 中国侵略を図ったことや、その最前線での防波堤として満蒙 開拓団を派遣したことが分かります。開拓団として満州へ行 った人は被害者であり、中国からすれば加害者になるという むごい実態を改めて学ぶことができます。

今回参加して 日高しづかさんの話
         ―この開拓団の一人であり、今回の「友の会平和ツアー」 にも参加した、日高しづかさんにお話を伺いました―

 私が生まれた長野県富士見村は、耕す土地は少なく、山林 からの木材や炭で収入を得ていました。ですが、多くの村民 の生活を支えるにはとても厳しかったですし、村はとても貧 しかったです。昭和11(1936)年ごろ、「農民魂を確立 し、村を蘇生させるには満州分移民の道しかない」と、富士見 村分村王家屯(わんじゃんとん)開拓団が青年たちを中心に 組織されました。
 私たち一家もそこに加わり、先に出兵した長男を除き、家 族11人で16歳の時に満州へ渡りました。満州は、凍えるよう に寒かった。昭和20(1945)年8月15日、日本の無条件 降伏が知らされました。それからは混乱のなかにありました。
 奪われた土地を取り返そうとする中国人暴徒やソ連軍の侵 攻もあり、開拓団の人たちに自決を促すように劇薬も配られま した。それでも命を大切にして祖国日本に帰らなければと、 必死で逃げ惑い、八路軍の救援で窮地を脱してきました。
 その時、八路軍は看護の仕事を手伝える女子を求めていた ので、助けてもらった恩返しにと家族と別れ、私一人残り八 路軍で看護の仕事をしてきました。
 家族は何とか無事に全員昭和21(1946)年に帰国しま した。私も7年ほど御奉公し昭和28(1953)年帰国しま した。私たちは何とか、日本の土を踏むことができましたが、 全国から集まった開拓団の多くの方は、満州の土となりまし た。残留孤児となった方も多くいます。振り返っても苦しく切 ない時代で、後々までも、二度とこうした足跡を踏んではな らないと願ってやみません。

歴史を学び未来を見通す
 歴史を学ぶことは未来を見通すことでもあります。満蒙開 拓記念館は多くの人に訪れてもらいたいと思います。
 戦後に残留孤児となった人たちは、帰国しても日本語が分か  過去の歴史を振り返っても、現在の政治のふるまいを見て も日本政府の責任は非常に重いものがあります。

☆満蒙開拓平和記念館
   所在地 395-0303
   長野県下伊那郡阿智(あち)村駒場711-10
    電話  0265(43)5580

*この原稿は、よこはま健康友の会・「暮らしとからだ」社の発行する「暮らしとからだ」No.654号(8月1日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒230-0001
     横浜市鶴見区矢向1-6-20 汐田病院新館1階
      TEL.045(947)3260
      FAX.045(574)2301

   参考 「八路軍」 ―「広辞苑」の記述。( )内は、配信編集部が挿入)
 「日中戦争期に華北で活動した中国共産党軍。(国民党との )国共合作成立に伴い、1937年8月華北にあった軍が国民 革命軍第八路軍と改称したもの。47年人民解放軍と改称」

第418回配信 2018年8月20日 No.1580
【基地情報】

空母艦載機移駐後の厚木基地

神奈川県平和委員会
地対策委員 菅沼幹夫さん

 空母艦載機部隊「第5空母航空団」の岩国基地(山口県) 移駐については、在日米海軍は2018年3月28日に移駐完 了を正式に発表しました。
 移駐について日本政府は、「地元負担の軽減」を前面に掲げ、 地元自治体でも移駐を期待する声も一部にはありましたが、 移駐後の2018年3月~5月の騒音測定回数(70㏈以上、 5秒以上の継続音、基地南約500mの測定地点で計測)は、 4,827回、2017年の同時期(3~5月)は7,58 6回でした(大和市ホームページ)。前年同期と比べると騒音 測定回数は約3分の1減りましたが、昨年は移駐が始まって いる中でも5年ぶりに離着陸訓練(FCLP)が実施され、 自治体からも非難と抗議の声が上がりました。

騒音と事故の拡散
 一方、移転先の岩国基地周辺の騒音は、まさに激増してい ます。県・市合同で固定点9か所、移動点4か所で航空機騒 音の監視測定を行っていますが、基地南側の小津町では移駐 後、今年3~5月の騒音測定回数は3,518回、前年同期 は1,184回で、およそ3倍です。厚木基地は3分の1減 りましたが、岩国は3倍増えました。「騒音被害の解消」「地 元負担の軽減」とはほど遠く、実態は「騒音と事故の拡散」 であることが明らかになっています。

いつでも厚木基地を
 また、艦載機部隊の陸上での着艦訓練は硫黄島で実施する ことになっていますが、米軍は「悪天候」を理由にいつでも 代替えとして厚木基地を使うこととしています。しかも、米 軍は移駐後も、「迂回(うかい)飛行場として、訓練・給油・ 整備などのため、折に触れ厚木航空施設を使用する」と説明 しています(在日米海軍司令部2017.8.18日発表)。 米海軍の戦略
 そもそも今回の岩国移駐の目的は日本政府のいう「地元負 担の軽減」などではなく、米軍がはっきりと述べているよう に「最新鋭の部隊を前方展開するという、インド太平洋地域 における米海軍の戦略的展望を支援するものです」(米海軍報 道発表2018.3.28在日米海軍司令部)。

出撃訓練の中継基地
 そして現在厚木基地は、新たな「出撃訓練」の中継基地と しても大稼働しています。
 以前から在韓米軍や海兵隊が訓練や中継基地として使って いましたが、最近は特に外来機の飛来が頻繁だと言われてい ます。直近でも岩国基地からFA-18Dホーネット(米海 兵隊の第533全天候戦闘攻撃中隊)が4機飛来(2018 .5.4)。大島沖で訓練し、厚木に戻る。三沢基地からもE A18Gグラウラーが飛来(5.7)し、大島沖で訓練した と言います。また基地監視団体「リムピース」のホームペー ジの資料によれば、「5月4日に横須賀常駐の巡洋艦2隻が数 日間出航し、空母出航前の訓練か」と報告し、「艦載機が岩国に 移転した後でも、厚木基地が外来機の訓練の拠点となってい ることは間違いない」と指摘しています。
 厚木基地と横須賀のこの間の動きを繋げてみると厚木基地 がオスプレイの中継だけでなく、「出撃訓練」の中継基地とし て使われている実態が浮かんできます。
*この原稿は、神奈川県平和委員会の機関紙「平和新聞」神奈川県版第113号(7月15、25日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒231-0064
     横浜市中区野毛町2-6 大沢屋ビル4A
     TEL.045(231)0103
     FAX.045(261)6577

第418回配信 2018年8月20日 No.1581
福島第一原発を視察し大手企業施工現場を訪問

高い線量と爆発の残骸

「けんせつ神奈川」から

多大なコスト 電気料金から
2018年6月28日から29日、官民の建設労働組合でつく る建設首都圏共闘会議が「福島原発視察・福島現場調査」を 行いました。神奈川土建からは同共闘会議副議長の荒井副委 員長と井上本部書記が参加しました。
 福島第一原発構内では、原発内の9割以上の部分で防護服 が無くても作業ができるまで環境が改善されており、東京電 力は外国人を含めて年間1万5千人の視察者を予定している とのことでした。
 構内全体の雨水がしみこむ土や植木部分は全てモルタルで 覆われ、津波のあとが建屋に残り、タンクが津波で破壊され、 防波堤が崩れ、地震と津波の痕跡が当時のままでした。
 1号機から4号機は廃炉に向かってそれぞれ外観が違い、 進捗や工程も違い、各号ごとに対策が取られていると説明を 受けました。2号機と3号機の線量は270マイクロシーベ ルトを超え、爆発の残骸が見え、当時のテレビ映像がよみが えりました。
 原発に頼らなくても電力が安定的に供給されることはこの 間に示されています。廃炉に向けた多大なコストを一般消費 者の電気料金に上乗せし、地元に帰れない住民がまだ多くい ます。脱原発に向け今後も署名や集会への参加、また政治的 な働きかけをしていく必要性を感じた視察となりました。

原発はいらない 今も苦しむ現地
 29日は、大熊町や浪江町に建設をしている中間貯蔵施設新 築工事の大手ゼネコン現場を訪問し、懇談を行いました。
 地元の従事者の比率はおおよそ3割から4割。7月は隔 週で週休2日に取り組む、危険手当の支払いは台帳を確認し 適切に行っている。今年度は環境省からの作業係数補正が 1.14から1.0になり、作業時間を圧縮していると回答が ありました。
 2日間にかけて、福島第一原発と現場訪問を行い、原発事 故によって今もなお現地は苦しい状況にあると感じました。  沿岸部には多くの原発があります。対策を施しても自然災 害が多発する日本では決して安全ではありません。今後の原 発被害を起こさないために脱原発へ向けて取り組んでいきま しょう。
*この原稿は、神奈川土建一般労働組合の機関紙「けんせつ神奈川」第581号(8月5日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
連絡先 〒221-0045
    横浜市神奈川区神奈川2-19-3
     TEL.045(453)9806


  「手を結ぶための、私たちの訴え」第417回配信
 2018年8月6日 日本機関紙協会神奈川県本部

「もしそこに自分がいたら」と想像する

 「想像しよう 73年前のあの日」の主見出しに添えて、「8 月6日 8月9日」の袖見出し。「毎日小学生新聞」の8月6 日付の紙面です。8月6日と9日は何の日でしょうというリ ードで原爆投下前後の出来事を記述。「8月6日の原爆のきの こ雲の下で、一体何が起きていたのか。原爆で奪われたもの の大きさや原爆がもたらした惨劇を『もし自分がそこにいた ら』と想像してほしい」と、広島平和祈念資料館の志賀賢治 館長のことばを紹介しています。
 「想像する」ことは人間のコミュニケーションにとって大 切なことです。集めた「素材」は偽りの情報か、事実に基づ いた情報であるのかを評価します。その上で想像して仮説を 立てます。新しい素材に出会う度に「想像を繰り返し」て、 私たちは感覚や理解を磨いていきます。
 「小学生新聞」の紙面に朽ちかけた三輪車の写真が載って います。3歳の鉄谷伸一ちゃんが被爆した時に遊んでいた三 輪車だ。彼はその夜に亡くなった。お父さんは「たった3歳 の子を一人でお墓に入れてもさびしいだろう」と、亡きがら と三輪車を庭に埋葬。40年後に遺骨を墓に収め、三輪車を資 料館に寄贈したと長めのキャプションに書かれています。
 朽ちた三輪車から当時と76歳の伸一ちゃんを想像した。

第417回配信 2018年8月6日  No.1572
地元企業と働く人をワンセットで応援

来年春の県知事選の争点に

「神奈川の仲間」から

 県内全34自治体訪問が終わった。私は6自治体の訪問をした。
 感じたのは、県西部の自治体の職員確保の難しさだ。正規 職員はもちろんのこと、非常勤職員の採用確保にも苦労する 実態が浮き彫りになった。二宮町は10月の最低賃金改定を見 込み、非常勤の時給1000円を見込んで補正予算を組むと いう。だが、二宮町職員の高卒初任給月額を時給換算すると 最低賃金を割る実態がある。「問題とは認識しているが実在 者がいないので」と言葉を濁した。
 総務省は、非正規雇用が過去最多の2133万人になった と発表した。前回調査は2012年。安倍政権5年間で、90 万人増加した。この非正規の最大の雇用主は、自治体とその 関連委託先ではないだろうか。
 「自治体が発注する工事や委託先の労働者の賃金実態の調 査把握」を自治体訪問での懇談項目として設定した。「公契約 条例」がある相模原市では条例を根拠に実態を把握し、条例 が定める賃金下限額を下回らないことを確認している。条例 のない自治体は「調査する人手がない。委託先の責任範囲で あり調査の法的権限がない」、「労働者も事業主も自治体を超 えて移動するので公契約は広域=県域でやるのが妥当」との 声が強く出される。
 京都府知事選挙で44.1%の得票率で惜しくも敗れた福山候 補の「府が発注する事業で時給1500円を実現。地元企業 と働く人をワンセットで応援」との公約には強烈なインパク トを感じた。
 来年春の県知事選挙の一大争点になるだろう。
*この原稿は、神奈川県労働組合総連合の機関紙「神奈川の仲間」第335号(8月1日付)のコラムから、編集部の了解を得て配信しています。
連絡先 〒231-0062
      横浜市中区桜木町3-9 横浜平和と労働会館内
       TEL.045(212)5855
       FAX.045(212)5745

第417回配信 2018年8月6日  No.1573

終戦の日に平和の誓いを

「神奈川県保険医新聞」の「主張」から

 戦後73年目の終戦の日を迎える。あの大戦の後、奇跡的と もいえる復興を遂げた。一時は米国をも凌駕する経済発展を 成し得たのも、戦争放棄を掲げた現行憲法、とくに9条に拠 るところが大きい、国民が平和を享受している今も、世界各 地では紛争により、多くの人が殺され、傷つき、迫害されて いるのが現実である。犠牲の多くは銃を持たない女性や子ど もたちである。
 戦後も長く緊張が続く北東アジアであったが、先般歴史的 な米朝首脳会談がもたれ「朝鮮半島の完全な非核化」を確認 したことは、核戦争の脅威がいくぶん遠のいたようにも思え る。この会談が単なる両国首脳の政治的パフォーマンスに終 わることなく、実のある成果につながることを願うだけであ る。
 一方、中東では各国の反対を押し切って、トランプ大統領 はエルサレムをイスラエルの首都と認定し大使館を移転した。 それも70万人以上のパレスチナ人が故郷を追われ離散難民と なった日を記憶する「ナクバ(大災危)」の時期に強行、中東 和平への歩みを逆行させた。  いま核兵器保有国はロシア、アメリカ、北朝鮮を含め9カ 国にも及び、世界の核弾頭数は合計約1万5千発近くにもの ぼる。また、日本政府はいまだに「核抑止論」に固執し、核 兵器廃絶を願う世界122カ国もが賛成した核兵器禁止条約 にも反対した。そればかりか、原子爆弾6千発に転用できる プルトニウムを約47トンもため込み、核武装の疑念を持たれ るありさまだ。
 共謀罪や特定秘密保護法の成立、そして憲法改定が囁かれ ている今こそ、また終戦の日に改めて平和について考える意 義は大きい。先の大戦では日本だけでも300万人が犠牲に なったといわれる。反戦を誓い平和を堅持することこそが真 の哀悼となるのではないだろうか。
 平和な生活を子々孫々に守り抜くため、いま立ち上がらな ければ取り返しのつかないことになってしまう。戦争の悲惨 さから目を背けることなく声を上げ続けなければならない。
終戦の日に改めて平和の誓いを立てようではないか。
*この原稿は、神奈川県保険医協会の機関紙「神奈川県保険医新聞」第2062号(7月25日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒221-0835      横浜市神奈川区鶴屋町2-23-2
        TSプラザビルディング2階
      TEL.045(313)2111
      FAX.045(313)2113


「手を結ぶための、私たちの訴え」第416回配信
 2018年7月30日 日本機関紙協会神奈川県本部

「みんなの活動」にするために

 日本機関紙協会の発行する月刊誌「機関紙と宣伝」の8月 号で、「非正規で働くなかまの全国交流集会」の分科会の報告 が掲載されています。SNSを活用している首都圏青年ユニオ ン、フェイスブックとLINEを活用している「さっぽろ青年ユ ニオン」の報告をまとめた内容です。
 首都圏青年ユニオンではYouTubeに実際の団体交渉の記録 を載せ、団体交渉を知らない人たちに分かるようにしている 例も。さっぽろ青年ユニオンではFacebookや2つのLINEを 使い分けたりSNSの「運用の注意点」なども報告している。
 機関紙をつくるみなさんに一読して考えていただきたい。  かつて、団体交渉をする前に、今回の団体交渉に臨むポイ ントや資料などをビラで知らせ、交渉の翌日には交渉のや り取りの要点と到達点や見解を載せた報告を門前配布した 経験もあります。全体として「みんなで方式」という呼び 名で、普段から組合活動の基本にしていた経験です。
 私たちの機関紙や宣伝活動は、資金と人が限られている条 件を背負って、知恵と力を集めて、不合理や矛盾を解決し、 願いや要求を実現する力を創ってきました。ITツールが普及 したこの時代です。使える手段を土台にして、知恵と力を集 めて機関紙活動の可能性を考えていきたいものです。

第416回配信 2018年7月30日 No.1567

改憲になおも執念


スケジュール再検討 一部野党も取り込み
ジャーナリズム研究者 丸山重威さん

 第196通常国会は約1か月の延長を経て、7月22日閉幕 した。加計学園、高級官僚の不祥事続出など「ウソとごまか しの政治」続きで、今国会中に憲法審査会で審査開始、でき れば発議という安倍改憲スケジュールは頓挫した。
 しかし、延長国会では、W杯サッカーやオウム事件死刑囚 の一斉処刑、集中豪雨被害まで利用し「どさくさ紛れ」の国 会運営を展開。総裁選、臨時国会前に、懸案をこなそうと、 労働法の根幹に関わる「残業代ゼロ法」、拘束名簿制を含む参 院対象の「公選法改定」を強行、「カジノ法」を成立させた。
 9月の自民党の総裁選を前に、安倍首相は「憲法が焦点」 との言い方もしている。総裁選で「安倍続投」が決まれば、 ①臨時国会で強引に発議、19年2月国民投票②臨時国会に原 案提出、通常国会で発議、19年7月参院選前か同時かの国民 投票―のいずれかのスケジュールを検討、天皇代替わりに合 わせた改憲を実現したい考えだという。ここで狙われている のは、一部野党の取り込み。「維新」に続き「希望」と「国民 民主党」も対象に。
 自民党は憲法審査会を何とか動かそうと6月、国民投票法改 正を持ち出したが、野党は乗らず、審査会での実績づくりは失 敗した。
 しかし、「首相の執念」は衰えていない。あきらめず、しぶ とく、声を上げ続けるしかない。

*この原稿は、日本ジャーナリスト会議の機関紙「ジャーナリスト」第724号(7月25日付)から執筆した丸山さんの了解を得て配信しています。
 連絡先 〒101-0051
     千代田区神田神保町1-18-1千石屋ビル402
      TEL.03(3291)6475

第416回配信 2018年7月30日 No.1568

水面下で医療保険が壊れている


必要がある窓口負担ゼロ
「神奈川県保険医新聞」のコラム「杏林往来」から

 社会保障制度改革推進法には、社会保障の主財源は、消費 税と地方消費税と書かれている。社会保障を充実させるため には、消費税率を上げるしかないということになる。
 しかし、消費税分のほぼ同額が所得税・法人税減税に充て られており、社会保障財源が消えてしまっているという。社 会保障に当てるお金がないから、この3年間、高齢化に伴う 社会保障費の自然増を毎年5千億円に抑えてきた。庶民から 金を吸い上げて、金持ちに貢献している。その結果、企業の 内部留保は史上最高の406憶円(2016年度まで)積み 上がった。溜め込むばかりで使わないから経済が好転しない これでは庶民の生活はいつまでたっても良くなるわけがない。  5月に財務省が公表した「建議」では、後期高齢者の窓口 負担を速やかに2割に引き上げることを提起。高齢者の貧困 が社会問題化されている中で、医療が更に遠のいていく。全 日本民医連の調査では、経済的理由で受診できず死亡した例 が58件(16年)あったと報告した。この水面下には、予備群 が多数いる。これでは皆保険制度前の状態ではないか。誰も が公平に医療を受けられるように創られたはずの医療保険が 壊れてしまっている。
 これを解決して、誰もが公平に医療を受けられるためには 窓口負担をゼロにする必要がある。神奈川県保険医協会の、 〝ゼロの会〟の役割を再認識した。      (YS)
*この原稿は、神奈川県保険医協会の機関紙「神奈川県保険医新聞」第2062号(7月25日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒221-0835
     横浜市神奈川区鶴屋町2-23-2
        TSプラザビルディング2階
      TEL.045(313)2111
      FAX.045(313)2113

    第416回配信 2018年7月30日 No.1569

FONT color="009966">届け この願い
10歳の娘の四コマ漫画

予算要求運動始まる建設国保
神奈川県建設連合国保組合「国保だより」から

 来年度に向けた予算要求運動が始まりました。
 7月5日には、日比谷野外音楽堂で全建総連予算要求総決 起大会が開かれ、集会と並行して厚生労働省・国保課への要 請が行われました。
 交渉の中で、山口県から参加した仲間から、「毎年私たちは ハガキを書いて、予算の確保を要請しているが、はがきを出 さなければ厚労省は、建設国保の予算を出してくれないのか」 と発言がありました。
 応対した国保課の森山課長補佐は、「ハガキを読ませていた だいています。感じているのは、ワープロの時代に一枚一枚 手書きで書きこまれていることによるみなさんの熱意です。 そして『命の綱』という言葉の重さです。建設国保が『命の綱』 になっている。ならばその綱は太いほうがよい。そういう願 いが、局長や課長だけでなく、審議官や課長補佐の私にまで 届けられる。それをしっかり受け止めていきたいと思います。 補助金は、法律で決まっているものもあれば、裁量的経費と なっているものもあり、みなさんからのハガキが財務当局に 要求していくうえでの力になっています」と述べました。
 それを受けて、京都の仲間が、4枚のハガキを持って課長 補佐に手渡しました。「これは10歳の女の子が、お父さんが ハガキを書くのが大変そうだと言って、要請文を四コマ漫画 にして、ハガキ一枚が一コマになっているものです。ポスト に投函するとバラバラになってしまうので、預かって持って きました。仕事のある日はお金が入ってきて、仕事がない日 はお金が入らない職人の生活を漫画にしています。ぜひ読ん でください」と訴えました。
 全国の組合員の仲間が、そして家族の人たちが、それぞれ の願いをハガキに託して書いています。夏、冬2回、その数 二百数十万枚にも上ります。届けられたハガキは、1枚1枚 読まれています。
 要請ハガキは確実に力になっています。その力が役所を動 かし、国会議員を動かし、建設国保を守っています。
*この原稿は、神奈川県建設連合国民健康保険組合の機関紙「国保だより」第148号(8月1日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 221-0045
     横浜市神奈川区神奈川2-19-3
      TEL.045(453)9661
      FAX.045(453)9664

第416回配信 2018年7月30日 No.1570

FONT color="009966">オンライン診療の拡張は疑問

産業界の緩和要求に警鐘
―県保険医協会 政策部長談話を発表―

「神奈川県保険医新聞」から

 神奈川県保険医協会は7月11日、「オンライン診療での医療 変貌の権謀術数を警戒する」との政策部長談話を発表し、マ スコミ、医療団体、国会議員など関係方面に送付。日本臨床 内科医会、朝日新聞などから反響があった。
 談話では、産業界や厚生労働官僚のオンライン診療への期 待に反し、医療界は慎重であり施設基準の届け出は全体の 1%弱でしかなく、ほとんどは都市部に集中していると指摘。 オンライン診療は産官合作の産物であり、産業界が議論をけ ん引し、厚労省が遠隔診療の解釈通知を再三発出し都市部利 用の下地を作り、今回の診療報酬改定とガイドライン設定で 制度化が図られたと詳述。
 「例外利用の」遠隔診療を「普段使い」のオンライン診療 へと名称変更をし都市部でのマーケット獲得が狙いであり、 届出状況がそれを如実に示していると指弾。
 制度化前のエビデンス(根拠)構築の話は自然消滅し、現 状追認となった点や、医療課長が慎重派と積極派の間をとっ て「土俵」を作ったとし検証、エビデンス収集は課題と述べ た点を問題視。
 さらには、初診から6カ月間は対面診療、オンライン診療 は連続2カ月限度などの算定要件設定が「ぎりぎりの譲歩」 とする日本医師会をよそに、「骨太方針2018」、「規制改 革実施計画」で、より一層の推進が謳われていることを問題 視。第4次産業革命を期した戦略分野の医療で「オンライン 診療」が位置付き、オンライン診療「システム」の販売、遠 隔医療相談の自由料金化などの企図、国家戦略特区での実験 事業が渦巻いていると注意喚起。オンライン診療の跋扈(ば っこ)、規制緩和による医療の変貌、医療ビジネス化への警戒 を呼びかけている。
*この原稿は、神奈川県保険医協会の機関紙「神奈川県保険医新聞」第2062号(7月25日付)から編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先は、No.1568と同じです。

第416回配信 2018年7月30日 No.1571

FONT color="009966">元気な組合員に注目

韓国の視察団を受け入れ
「医療生協かながわ」から

 6月21日、医療生協かながわでは、韓国医療福祉社会的協 同組合と国民健康保険公団の視察団を初めて迎えました。韓 国にも民医連=社医連が結成されたことに伴うものです。視 察団には公的機関の人もいて、とても驚きました。日本では 考えられないことです。
 最初に医療福祉生協や無料低額診療事業の紹介を行い、戸 塚病院などを案内しました。午後は「ふらっとステーション 虹」で組合員との交流を図りました。韓国の専務理事が自ら 笑いヨガに参加し、韓国でも広めたいと話していました。「組 合員の明るさ・元気さに圧倒された」、「健康推進委員会のレ ベルの高さに驚いた」、「戸塚病院の地域包括ケア病棟や在宅 復帰・退院支援の取り組みに興味を持った」などの感想が寄 せられました。
 視察団からは、韓国の法律で出資金の額が定められ、組合 員利用率が50%を越えないと運営が認められないという厳 しい状況が報告されました。
 文化や制度の違いはあっても目指すところは同じと確認す るとともに、日ごろの活動を振り返るよい機会となりました。
                                         (組織部 巴 善生さん)
*この原稿は、医療生協かながわ生活協同組合の機関紙「医療生協かながわ」第221号(8月1日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 244-0003
     横浜市戸塚区戸塚町3880-2
      TEL.045(862)9834

第416回配信 2018年7月30日 No.1572

FONT color="009966">また行きたい 素敵な夫婦のいる蕎麦屋

医療生協かながわ生活協同組合
 深沢中央診療所 上平佳奈子さん

 先日、友人と2人で浅草を散歩し、大通りの騒がしい道か ら少し外れた綴じ裏にある一軒の蕎麦屋を見つけ、入った。 そこにはニコニコと笑っている可愛らしい女将さんがいて、 席への案内や注文を受け、配膳などをおこなっていた。する と、厨房から大将が女将さんに「次はこれを持っていって」 「そっちじゃなくてこっちだよ」と声をかけているのが見えた。
 おいしいそばを食べ終わると、店内の客が私たちだけにな り、対象と女将さんと4人で話をした。30年間夫婦で蕎麦屋 を切り盛りしていることや、女将さんの物忘れが進んでいる ことが分かった。言葉に詰まってしまう時、大将が優しく助 け舟を出しているのがわかり、温かい気持ちになる。
 物忘れが進んでいくと、出来ないことに目がいき、周囲か ら行動の制限をされたり、自分自身も積極的に行動できなく なったりすることがある。しかし、大将は今の女将さんの状 況を理解した上で、サポートをしながら役割を奪うことなく 「夫婦で一緒に」お店を続けている。素敵なご夫婦のいる蕎 麦屋に、また行きたい。
*この原稿は、No.1571と同じ医療生協かながわ生活協同組合の機関紙「医療生協かながわ」のコラム「やまゆり」から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先も同じです。


「手を結ぶための、私たちの訴え」第415回配信
日本機関紙協会神奈川県本部

求めたい「まともな生活と労働」

 「最低賃金を1500円に上げろ! 希望のダンプカーデモ」 が7月15日、神奈川労連などでつくる実行委員会の主催で行わ れました。ダンプの車体には、「最賃1500円になったらやり たいこと」が書かれたプラカードが貼り付けられていました。 高裁で「上告棄却・上告不受理」という不当な結果でした。し かし、このたたかいは「今の最低賃金ではまともな生活も労働 もできない事実」を訴えて社会問題にし、最低賃金の引上げ 幅を増やす原動力になったことは事実です。
 「いますぐ1000円、めざせ1500円」の要求は、全国 的な行動に広がりました。地域最賃の格差に対する疑問や異論 は自治体の首長にも広がりました。全国一律最低賃金や産業別 最賃の実現も具体的な取り組みが始まっています。「診療報酬は 全国同じで、同じ仕事をしていて地域によって賃金が大きく異 なる」のはおかしい、という医労連の主張は説得力があります。
 「8時間働けば普通に暮らせる社会」にするためには、最低 賃金の大幅な引き上げは欠かせません。中小企業も賃金を引き 上げられるように、韓国やアメリカ、フランスのように国が思 い切った支援政策をとるべきです。同時に、蓄積された大企業 の内部留保は、広範囲の国民に還元される必要があります。

第415回配信 2018年7月23日 No.1562
災害時の宴会は

「行政の私物化」より「道義」の喪失だ

ジャーナリズム研究者 丸山重威さん

 「激しい雨が数日間振り広範囲で記録的な大雨となる恐れ。
 早めの避難を」と気象庁が呼びかけた当日、政府・自民党 部が大宴会を開いた。名付けて「赤坂自民亭」。出席者は安倍 首相、小野寺防衛相、上川法相、吉野復興相、岸田政調会長、 竹下総務会長ら約50人。だが、どうにも不思議なのはこの宴 会、西村康稔官房副長官がツイッターで積極的に宣伝したこ とだ。
 「わきあいあい」「きさくに写真撮り放題」と雰囲気を伝え、 そこには何のためらいも後ろめたさもない。11日には「誤解 を与えた」とお詫びしたが、一体この人たちにとって「政治」 とは何なのかと思う。その時間、京都、大阪、兵庫で11万人 に避難指示が出された。
 翌6日朝には法相の指示でオウム死刑囚7人が処刑され、 一方で被害は拡大する。だが宴会の余波か、政府の動きは鈍 く、関係閣僚会議が開かれたのは1日おいた7日朝。非常災 害対策本部ができたのは8日朝。確かに宴会を止めても被害 を食い止めるのは難しいだろうが、後手後手。首相がお得意 の「国民の命を守る」姿勢など、どこにも見えない。
 「私も妻も関係ない。もしあれば議員も首相も辞める」と いう答弁が、官僚のウソ答弁と文書廃棄、改ざんを引き起こ し、首相が親友と会った話で、大学事務長は「嘘つき」にさ れる。「行政の私物化」というより「道義」の喪失が「災害 時の宴会」を生み、トランプ依頼のカジノ法強行になった。  「奢れる人も久しからず…」。―大水害と酷暑は、やっぱり 「政治の乱れ」への「天帝の怒り」なのだろうか。
*この原稿は、20日にメールで送られてきました。
丸山さんは、機関紙協会県本部の顧問でもありますので、連絡先はこの配信の連絡先にしてください。

第415回配信 2018年7月23日 No.1563
不誠実な国の態度を批難

原告の主張に答えるべき

第8回マイナンバー違憲訴訟
「神奈川県保険医新聞」から
 マイナンバー制度の人権侵害等を訴える「マイナンバー(共 通番号)違憲訴訟@神奈川」の第8回期日(口頭弁論)が6月 21日、横浜地裁で開廷し、原告・傍聴者など84人が参集。保 険医協会から高橋副理事長、稲木・藤田両理事らが傍聴した。
 はじめに、原告代理人の小賀坂弁護士が陳述。今年3月に 発覚した日本年金機構(以下:機構)のデータ入力再委託問 題における「個人情報保護委員会」の機能不全の実態等を追 求した。
 「個人情報保護委員会」とは、独立性の高い第三者機関。 行政機関や事業者での個人情報に対する取扱い監視・監督権 限を持つ。再委託問題に関しては、機構は番号法が定める委 託会社の監督義務があるにも関わらず、それを果たさず、▽ 契約等で禁止している再委託、▽契約で確認した人員より大 幅に少ない人員での入力作業―等の違法行為を見逃した。し かし、個人情報保護委員会は機構に対して指導・助言、立 ち入り検査といった権限を何ら行使しなかった。
 この実態について小賀坂氏は「個人情報保護委員会の機能 不全の程度は極限に達している」とし、委員会の構造問題だ けでなく制度不備を指摘した。また、住基ネット最高裁判決 は▽刑罰による犯罪抑止、▽監視機関の設置による適切な制 度運用―等を合憲性の要件としている。この点からも、委員 会の機能不全がマイナンバー制度の違憲性を明白にしたと訴 えた。

マイナンバーで業務激増 困却する自治体
 次に、大磯町議会議員の鈴木京子氏が原告を代表して意見 陳述。昨年、大磯町で発覚した税通知書の誤送付・マイナン バー漏えい事故を受け、▽役場内で制度運用の認識が徹底さ れていない、▽マイナンバー対応により役場の業務が激増し、 構造的にミスが起きる状態になっている―など、制度運用の 実務を国に押し付けられたことに困却する自治体の実状を訴 えた。
 裁判長は、「互いの主張も概ね出され、裁判も終局に来てい る」との認識を示した。その上で、原告が主張する情報連携 システムのセキュリティー等への脆弱性について、被告・国 側に「システムの安全性を証明(書面提出)する予定はある か」と質問。国側の代理人は「予定はない」と回答した。機 構と個人情報保護委員会の問題についても「調査中」とし、 書面の提出を拒否した。
 小賀坂氏は「原告はマイナンバー制度に対する懸念を合理 的に表明している。しっかりと答えるべきだ」と、国側の不 誠実な態度を批難。書面提出を求めたが、裁判長が「強制は できない」と答えた。
 最後に次回期日の日程(10月25日)を確認した。
*この原稿は、神奈川県保険医協会の機関紙「神奈川県保険医新聞」第2060号(7月5日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒221-0835
     横浜市神奈川区鶴屋町2-23-2
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第415回配信 2018年7月23日 No.1564

日本の植民地だった

知ってほしい済州島の戦後史
「川崎医療生協」編集委員 佐々木勝男さん

 5月の下旬、韓国の済州島(ちぇじゅとう)を訪ねた。目 的は、戦前における日本軍の植民地支配を知ること、194 8年に起きた「4・3事件」の実相を調べることであった。
 この美しい島を日本軍は45年にわたり植民地支配。食料増 産、綿花栽培と紡績工場、海女たちを動員しての海産物の搾 取、若者は日本軍の兵役に。戦争末期は「本土決戦」の基地 建設のために、島民23万人のところに日本軍8万人が投入さ れた。50キロメートルに地下壕(島の朝鮮人強制労働)、特攻 用飛行場。格納庫は今も畑の中にいくつも生々しく残ってい た。胸が痛んだ。
 1048年4月3日、南朝鮮労働党350人が武装蜂起。 蜂起勢力は南北統一選挙を訴えたが、アメリカ占領軍の支援 で5月10日単独選挙を行い、李承晩反共政権が成立。
  4・3事件では、島民人口28万人のうち3万人が犠牲に。 遺骨は、島中の地下に眠ったままだ。1981年、小説『火 山島』(金石範=キムソクボム)の発表により事件の封印に 風穴をあけた。日本の歴史学の学会ではいまだにあまり知ら れていない。研究のマドを開いてほしいと願う。朝鮮半島の 平和のためにも。
*この原稿は、川崎医療生活協同組合の機関紙「川崎医療生協」第623号(7月1日付)のコラム「青い空」から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒210-0804
     川崎市川崎区藤崎4-21-2
      TEL.044(270)5881
参考 済州島「4・3事件」
 日本の敗戦後、朝鮮半島はアメリカとソ連によって分断占 領された。歴史的に朝鮮に属していた島は米軍に占領され、 軍政のもとにあった。1948年4月3日、南朝鮮労働党の党 員が、南北朝鮮の統一選挙を求めて蜂起した事件。廬武鉉 (ノムヒョン)大統領は03年に殺された遺族に謝罪した。

第415回配信 2018年7月23日 No.1565
神奈川労連労働相談<
―相談員の憂うつ―

仲間の連帯と労働組合の役割が
決定的に大事なのに

神奈川労連労働相談センター相談員 菊地克則さん

 4月134件、5月142件と相談件数が増えましたが、 組合紹介・組織化が減っています。季節的事情も関係あるか もしれませんが、どうも昨今の労働者の働き方や職場の横の 関係性に変化が現れているのではと思えるところもあります。   最新の厚生労働省調査でも、パワハラの相談件数が最多で 増加が目立ちます。25%程度がパワハラなのです。これは私 たちの相談の実感と一致します。
 40歳代の自動車部品を作る工場の女性事務職員。パートで 4年半働いてきたが、長年働いている女性職員が勤務時間を 仕切っていて、17時に帰してくれない。「この女性は私にだけ 辛く当たる。いじめではないか。社長は知って知らぬ振り。 どうしたらいいですか?」というもの。職場の人間関係から 働く意欲をなくしていくよくある例です。
 市役所の生活相談員。直属のパートの上司からの言葉のパ ワハラが酷く精神的に限界。「職場や正規の上司は知っている のに、このパートの上司には言えないでいる。辞めてもいい が悔しい。どうしたらいいか」。
 開園したばかりの霊園の管理事務所に働く女性。1か月も 経たないうちに「あなたは6月15日に辞めてくれ」と言われ、 求人票にあったパソコンの仕事をさせないで、草むしりをさ せられている。
 相談者はみな傷ついて、追いつめられて電話してきたので すが、精神的に落ち込んでしまう人たちに、組合に入って交 渉したり、職場を立て直すことを期待しても困難な話で、も っとも悩める相談です。
 職場における労働者の関係性が大きく変化していることが 伺えます。特効薬はありません。おかしいことはおかしいと 言うこと、それをサポートする仲間の連帯、困難でも労働組 合の存在と役割が決定的に大事です。
*この原稿は、神奈川県労働組合総連合の機関紙「神奈川の仲間」第334号(7月1日付)から、編集部の了解を得て配信しています
。 連絡先 〒231―0062
    横浜市中区桜木町3-9 横浜平和と労働会館内
     TE.L045(212)5855
     FAX.045(212)5745
第415回配信 2018年7月23日 No.1566

比例しない 地位や学歴と人格

日本ジャーナリスト会議神奈川支部
事務局次長 佐藤隆三さん
 オウム真理教のサリン事件に〝高学歴で優秀な科学者〟が 関わっていたと知らされたとき、合理的思考を生業とする科 学者による非合理極まりないふるまいに、世間は大いに戸惑 った。このとき加藤周一は「(彼らは)科学者ではなくて、科 学的な知識を踏まえた技術者である」と解き明かした(夕陽 妄語)。
 一般に、社会的地位の高い人や高学歴の人たちは人格者と 思われている。そこには、人格者だからその地位にあるのだ ろうという思い込みと、そうあるべきだという願望が込め られている。加藤はその思考を「過大評価」と切り捨てる。 社会的地位や高学歴と人格は比例しない、ということ。
 公文書が存在しても「ない」と言い張り、それが見つかる と「削除と書き換え」を行い、検察はその罪を問おうとしな い。首相を守るためには、ウソをつくことも躊躇しない。
 モリ・カケ・日報など一連の問題を俯瞰すると、加藤の指 摘が説得力をもつ。指導者がすべからく人格者ならば、この 国は誇らしい国になっていることだろう。
*この原稿は、日本ジャーナリスト会議神奈川支部の機関紙「JCJ神奈川」第57号(7月10日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒101-0051
     東京都千代田区神保町1-18-1
      TEL.03(3291)6475


「手を結ぶための、私たちの訴え」第414回配信
2018年7月16日 日本機関紙協会神奈川県本部

「悪い後法」は変える・つくらせず

 今回のNo.1560で、川崎合同法律事務所の篠原義仁弁護 士が6月30日に講演した要旨を紹介しています。
 その中で、安倍首相による改憲は、「9条1項と2項を死文 化する」としています。その理由として「後法は前法を廃す る」という法の格言があるといいます。同じ問題に対する法 律の規定は、後からできた規定が適用されます。人権を守り 社会を前に進めるために、法律を変えてきた教訓でしょう。  憲法9条をめぐる話は篠原さんの講演記事に譲ります。こ こで指摘したいのは、安倍政権が強行してきた、特定秘密法、 戦争法、働かせ方改革、社会保障改悪や原発・兵器輸出など をめぐる今の悪い法律です。現在はこうした悪法が「後法」 となり適用されることです。悪い現在の「後法」を廃するに は、それを否定する「よい後法」をつくることです。
 圧倒的多数の国民をいじめ、夢や希望を持ちにくい日本を 作ってきたのは、安倍政権につながる人たちです。その人た ちを選挙で選んできたのは、大事なことを理解しないまま過 ごしてきた国民でもあるのです。こうした人たちに大事なこ とを分かってもらうように伝え、自らのために考えてもらう ことが、今まで以上に大切になっています。
 法律を変える本当の主役は、私たち国民だからです。

第414回配信 2018年7月16日 No.1557
小児医療費助成制度の拡充の先

患者窓口負担解消へ

「神奈川県保険医新聞」の主張から

 この4月から、県内全市町村における小児医療費助成の対 象年齢は小学校卒までとなり、そのうち6割超は中学校卒ま でとなった。
 ほとんどの市町村で対象となる子どもの窓口負担はゼロで ある。しかし、横浜、川崎、茅ヶ崎の3市は異なる。小学4 年生以上は通院1回500円を超えた部分の助成である。さ らに10月からは相模原市でも対象年齢が小学生から中学生ま で拡大されるが、拡大年齢部分はこれまでの3割負担が1回 につき500円の上限となる。窓口負担は軽減となるが、従 前とは異なる不完全な拡充だ。
 この小児医療費の助成は未就学児を対象とする県制度をベ ースに、各市町村が独自の単独事業を「上乗せ」し対象拡大 を図っている。  市町村の独自財政の「上乗せ」は、財源ねん出の苦労の結 果である。だが、前述のような異質な制度拡充が行われる等、 その努力は限界に来ている。
 さらに、所得制限が県の制度では全年齢でかけられるため 、年齢幅はあるが3分の2の市町村が敷いている。だが、横須 賀市や葉山町では自己財源でこれを撤廃し、中学校卒まで完全 拡充実施とする動きも見られる。  県内市町村はすでに小学校卒を対象に、うち6割超は中学校 卒までと、水準は全国に比肩(ひけん)するまでになった。  県の制度水準との乖離の解消は当然望まれるところだ。
 しかし一方で、県の制度拡充はこの10年伸び悩んでいる。
2008年に就学未満無料から4歳以上は通院1回200円 超部分の助成と後退。また、財政負担が、政令市へは折半か ら4分の1と激減し、政令市の拡充速度の鈍化の要因となっ た。この間の市町村の独自努力を等閑視(*とうかんし=お ろそかにみて)してきた県の責任は重い。
 横浜市、川崎市、相模原市など当協会各支部・地域で制度 拡充・後退阻止の運動が続いている。県の未来を築く人づく りへ、いつでも、どこでも、誰でも受けられる医療は欠かせ ない。着実なこの間の制度拡充の実績は、社会的要請の証左 である。
  今こそ、小児医療費助成制度の拡充とともにこれを発展さ せ、全年齢での窓口負担解消の運動と連動させ、世論を巻き 込み大きなうねりを広げていこう。
 我われは、憲法25条がうたう生存権保障と国の責務に立ち 返り、国の制度として健康保険法の本旨に則った窓口負担解 消を望む。
*この原稿は、神奈川県保険医協会の機関紙「神奈川県保険医新聞」第2061号(7月15日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
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第414回配信 2018年7月16日 No.1558

年寄いじめするな

75歳以上の医療費2倍化反対県民集会
「神奈川の仲間」から

 6月21日、横浜で開催された「年寄いじめるな!75歳以上 の医療費2倍化反対6・21スタート県民集会」には、高齢者 を中心に医師、歯科医師を含め26団体・個人123人が参加 しました。主催は県社会保障推進協議会と県保険医協会など で構成する実行委員会。

要求による共同が展望を拓く
 年金者組合の杉澤隆宣さんが、負担2倍化に反対する一点 共闘のスタート。大きく運動を広げていこうと開会あいさつ。 全国保険医団体連合会会長の住江憲勇さんが、「後期高齢者 2割負担化を阻止する大運動の展開を」と題して講演。
 住江さんは、戦後に国民が勝ち取ってきた社会保障制度の 拡充が改悪されてきた流れを紹介。国民に対しても自己責任 論の徹底や社会保障概念の崩壊、財源危機を振りかざしてい る。本来、国民に還元されるべきものを資本家が収奪してい るとして、再配分をさせることが重要と訴えました。
 今こそターニングポイントにしなければならないと、国民、 労働者、各階層の人々の要求にもとづく共同こそが展望を開 くと締めくくりました。

秋に向けて 運動を広げる
 「後期高齢者医療保険料不服審査請求のとりくみ」と、5 月22日に実施した「東京・日の出町の視察」を報告。討論で は、4人の参加者が取り組みの報告と決意を表明しました。
 今後の行動提起では、秋に向けて地域での宣伝、署名行動 をすすめること。当面、7月19日の横浜・伊勢佐木町での宣 伝行動の参加を呼びかけました。神奈川発だが全国に広げた 運動にしていくことを訴え、集会アピールを満場の拍手で確 認しました。
 保険医協会の二村さんが、日の出町の取り組みに確信をも って負担2倍化反対運動を頑張っていくとの決意を訴え、閉 会しました。 *この原稿は、神奈川県労働組合総連合の機関紙「神奈川の仲間」第334号(7月1日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒231-0062
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第414回配信 2018年7月16日 No.1559
神奈川の負けない人たち

東芝メモリ四日市工場で宣伝
売却後の労働条件が不安

「東芝の職場を明るくする会
「新かながわ」から

 「東芝は働く人たちの生活と権利を守れ」「電子立国の再生 に向け社会的責任を果たせ」―。「東芝の職場を明るくする会」 (東芝の会)は6月11日、12日、三重県の東芝メモリ四日市 工場で、電機情報ユニオン愛知支部、富士電機三重OB、三重・ 北勢労連の応援を受け、チラシとアンケート用紙を1000 セット以上配布しました。
 東芝は経営再建の目的で東芝メモリを日米韓連合に売却。 労働者の中に労働条件の変更などの将来不安が広がってい ます。
 四日市工場は、従業員約6200人。スマートフォンなど の携帯電話やタブレット端末に使われるフラッシュメモリー の研究開発・生産の拠点で、今後の増産に備え四日市工場敷 地内の新工場建設、岩手県・北上工場建設が予定され、労働 者には異動・転勤などへの不安が出ています。
 宣伝は11日午後5時の退社時間と12日午前8時の出勤時間 に合わせて実施。チラシとアンケート用紙を手渡すと読みな がら駐車場に向かう女性や、カバンやポケットに入れる若い 人が目立ちました。正門前バス停は到着ごとに大勢が工場に 向かいますが、チラシを受け取るために立ち止まる青年もい ました。
 丘陵地を開いた61ヘクタールの広大な敷地には、フラッシ ュメモリーを量産する新工場が近く完成する予定です。売却 後も引き続き半導体の製造拠点になると言われ、20代、30代 のエンジニアの姿が多くみられます。
 「東芝の会」は東京、神奈川など京浜地区14事業所で、昨 年8月から今年3月にかけて7000枚以上のチラシを配布。 人権無視の退職強要や異動に反対し、労働者の暮らしと健康 を守るたたかいで成果を上げています。(高巣博文)
*この原稿は、「新かながわ」第2456号(7月1日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒221-0822
     横浜市神奈川区西神奈川1-18-12
      TEL.045(334)7867
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第414回配信 2018年7月16日 No.1560
JCJ神奈川支部例会

自衛隊明記で死文化する憲法9条

合憲化する海外派兵 強まる軍事の公共性
「JCJ神奈川」から

 日本ジャーナリスト会議神奈川支部は6月30日、神奈川県 民センターで定期総会後に例会を開いた。今回は、川崎合同 法律事務所の篠原義仁弁護士(自由法曹団元会長)が、「自衛 隊を明記する憲法改正案の危険性」と題して1時間20分にわ たり語った。参加者は21人。

篠原義仁弁護士が講演
 篠原氏は最初に国会を巡る情勢分析を示し、来年度の統一 地方選(4月)や天皇の代替わり(5月)・参議院選(7月) などを踏まえると、20018年が山場だとした。
 安倍改憲案は「9条改定」「緊急事態条項」「合区解消」「教 育の充実」の4項目だが、「9条改正」が主眼で、他の3項目 は公明党や維新の賛成を得るための抱き合わせだ、と篠原氏は 指摘する。
 その9条改憲は、現行の1項と2項を維持したまま、「第9 条の2」として以下を加えるというもの。
 (第1項)前条の規定は、我が国の平和と独立を守り、 国及び国民の安全を保つために必要な自衛の措置をとるこ とを妨げず、そのための実力組織として、法律の定めると ころにより、内閣の首長たる内閣総理大臣を最高の指揮監 督者とする自衛隊を保有する。
 (第2項)自衛隊の行動は、法律の定めるところにより国会 認その他の統制に服する。

「後法は前法を廃する」は法格言
 安保法制は合憲になる

 安倍首相は改憲によって現状は変わらないと言うが、篠原 氏はこの改憲により9条1項と2項は死文化する、と強調す る。その理由は「後法は前法を廃する」という法格言だ。法 格言とは数学でいう公理のように自明のものだという。
 改憲案は自衛隊を「必要な自衛の措置を執るための実力組 織」と規定する。「必要最小限」の〝歯止め〟すらない。安保 法制で課せられた「わが国の存立危機自体」という枠組みも ない。イラク派遣では時限立法が作られたが、安保法制は一 般法であり、いつでもどこへでも自衛隊の海外派兵が可能と され、そのことが違憲と指摘された。安倍改憲では、安保法 制は合憲となる。
 安倍改憲では、自衛隊と内閣の関係も変化する。現行法で は総理大臣は「内閣を代表して」指揮監督する立場にあるが、 改憲案では、総理大臣は「最高の指揮監督者」として振る舞 う。すでにそれを先取りする形で、安全保障については、総 理・官房長官・外相・防衛相による4大臣会合で話し合われ ている。
 自衛隊員が海外派兵を拒否した場合などにたいする重罰化 も予想される。
 合同軍事演習が常態化している日米の軍事一体化もさらに 深化するはず、と篠原氏は指摘した。
 現在は専守防衛を建前としているので、ICBMや攻撃型空母 などの攻撃的な武器の保有は許されないというのが政府見解 だ、しかし、改憲後は歯止めがなくなる。

基本的人権への影響
自衛隊の「公共的立場」が強調される

 さらに懸念されるのは、9条改憲が基本的人権に及ぼす影 響だ。今でも、防衛出動時に民間人へ業務命令を出せるが、 罰則規定はない。改憲後は罰則が法制化される可能性がある。  南スーダンPKO派遣の日報隠しでは、最終的に情報が出て きたが、改憲後は軍事機密保持の法律が予想される。
 篠原氏はまた、憲法への自衛隊明記によって自衛隊の公共 的立場が強化され、そのことで軍事の公共性が強調されると 指摘した。現在でも、政府は基地周辺の騒音裁判で、軍事の 〝高度な公共性〟を強調し、基地周辺は一般に比べて騒音の 受忍限度が高いと主張している。裁判所は国の主張を認めて いないが、改憲されれば、国がそれを根拠に一段と主張を強 めてくることは明らかだ。
 篠原氏はこれからの運動の進め方にも言及した。そして、 右派が展開している、災害時の活動を前面に押し出した「自 衛隊ありがとう」キャンペーンを超える、自衛隊の実態を明 らかにする活動が必要だとした。
 最後に質疑応答が行われ、徴兵制の可能性などの質問が出 された。篠原氏は、現在は違憲とされている徴兵制が改憲で 合憲化されることはありえるとしながらも、即法制化ではな く、アメリカのように、困窮した労働者の経済的受け皿化が 図られる、経済的徴兵制というワンクッションあるのではと、 個人的見通しを語った。 (保坂義久)
*この原稿は、日本ジャーナリスト会議神奈川支部の機関紙「JCJ神奈川」第57号(7月10日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒101-0051
       東京都千代田区神田神保町1-18-1
      TEL.03(3291)6475

第414回配信 2018年7月16日 No.1561

日本の技術は後継者の育成で

神奈川土建一般労働組合
   西相支部 木下凛太郎さん

 新幹線の保線車両を塗装した組合員がいる。珍しいものを 塗ったと楽しそうに話してくれた。
 小田原の鴨宮は、あまり知られていないが新幹線発祥の地 である。酒匂川の橋のすぐ横、実験線の跡地が、今は保線基 地だ。
 〝世界に誇る日本の技術〟と、盛んにTVなどで取り上げら れている新幹線だが、その安全性を維持するのは保線作業員 であり、さらにその保線車両を維持する人の努力だ。  しかし、果たして彼らの賃金は、日本の誇りと言える額だ ろうか。
 塗装屋に限らず、土建業は技術と経験の集積だ。それを次 世代に繋いでいかなければならないのに、バブル期以上の収 益をゼネコンが得ても、労働者の賃金は低いまま。これでは 後継者は育たない。
 新幹線の台車が破断した事件は耳に新しいが、人出不足、 低賃金のなかで、オリンピックやリニアなど、国家規模のプ ロジェクトが進行中だ。
 今こそ賃金の引き上げを求め、後継者を育てなければ〝日 本の技術〟は崩壊してしまうだろう。
*この原稿は、神奈川土建一般労働組合の機関紙「けんせつ神奈川」第580号(7月5日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒221-0045
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「手を結ぶための、私たちの訴え」第413回配信 2018年7月9日 日本機関紙協会神奈川県本部

国民を守る政治に大転換すべき

 九州から北海道におよぶ「豪雨」の被害。とくに西日本か ら東海にかけた被害のニュースに触れて心が痛み、考えてし まいます。いのちをなくした人たちをはじめ、さまざまな被 害に遭われた人たちに思いを寄せると、ことばに詰まります。 「記録的」「数十年に一度」などと形容される西日本の「豪雨」 ですが、数百万人が被害を受けていると報じられています。
 地球温暖化が指摘されて何年もたちました。北極などの極 地の氷は解けつづけ、海水温の上昇は地球規模で進んでいま す。気象情報はITを駆使して、精度を高めタイムリーな内容 に進歩しています。地球温暖化の影響は目立ってきました。 「異常気象」ということばが〝日常化〟してきています。
 地区面積の4分の1以上が水没した岡山県倉敷市真備(ま び)地区の上空からの映像を見ました。その中で川床に樹木 が生えている画面を見ました。川床の流路を確保する浚渫 (しゅんせつ)はされていなかったのか、と感じました。
 緊急性の低い公共事業や軍備増強に走る安倍政権への疑問 は高まります。軍事費をGDPの2%にすることを「参考」に 「予算を確保」など論外です。地球全体の変化を受け止め、 政策や国の予算は国民を守る方向に大転換すべきです。

第413回配信 2018年7月9日 No.1552
電話・メールから

労働者の悲鳴が聞こえる

毎月100件超が労働相談センターに
「神奈川の仲間」から

 神奈川労連の労働相談センターには、毎月100件を超え る相談が寄せられています。4月~5月は130件を超える 状況で、電話が鳴りっぱなしという日もあります。相談内容 は〝ブラック〟そのもので、違法行為がまん延していること がわかります。職場・現場でいま何が起こっているのかを明 らかにするとともに、労働組合がいかに大事かを考えます。

賃金・残業代未払い
 相談内容でもっとも多いのが「賃金・残業代の未払い」で す。とりわけ残業代の未払いについては相当数になります。 商品を買って代金を払わなければ犯罪として罰せられます。 賃金や残業代の未払いも同じことです。
 残念ながら、残業代の未払いがまん延し、労働者のなかに も「しょうがない」とのあきらめ感があることも原因のひと つです。確かに1人で言うのは勇気がいります。言った場合 に不当に不利益を被る恐れもあります。だからこそ労働組合 に団結してみんなで解決することが重要になります。
 未払いは論外ですが、低すぎる賃金も大問題です。残業時 間なども含めて計算すれば、最低賃金をはるかに下回る時間 単価で働いている相談も少なくありません。最賃について労 働者にも経営者にも啓発していくこと、何よりも最賃を大幅 に引き上げてまともな賃金の底支えにすることが求められて います。

増えるハラスメントの相談
 最近増えているのがパワハラ・セクハラ・いじめの相談で す。深刻なのは、メンタルまで壊されて仕事や社会生活が困 難にさせられる例も少なくないことです。さらに、現実に暴 力を振るわれる『犯罪行為』の相談まで寄せられます。
 背景には、犯罪行為を容認する職場の状況・雰囲気があり ます。立場を利用して行われる卑劣な行為に対抗できるのは、 やはり労働組合であり、この問題の解決にも必要不可欠です。
 パワハラの一種として「辞めさせない」、「損害賠償を請求 する」という相談もあります。労働者の責任感につけ込み脅 すやりかたです。日本国憲法では意に沿わない「苦役」の強 要を禁じていますが、知らない労働者も多く、労働組合とし て啓発していく必要があります。*「参考」参照 外国人労働者の相談も
 派遣労働者や外国人労働者の相談も特徴の一つです。派遣 法の部分的改正により、同一の組織に個々の派遣労働者が働 ける期間は、原則3年が上限になりました。それ以上も同じ 仕事を当該労働者にさせるには、派遣先で直接雇用すること などが必要になります。改正法が施行されてから3年経つの が、今年の10月であり、派遣労働者の処遇について企業など の対応が求められ、このことをめぐって相談が寄せられてい ます。

身勝手な思惑から
 派遣と外国人の両方にかかわる特徴的な相談が最近ありまし た。
 プラント設備の大企業では、数か国の外国人労働者20数人 を派遣労働者として、エンジニアなどの仕事をさせていまし た。派遣期間の上限が迫るなか、「直接雇用はしたくないが、 労働者をそのまま働かせたい」という身勝手な思惑から、当 該の労働者たちを派遣先大企業グループの海外企業に移籍さ せ、改めてそこから同じ職場に労働者を送り込むということ を画策しました。
 労働条件が大きく引き下げられる提案があり、不安を感じ た労働者が相談センターに電話してきたものです。
 何度か交渉を行うことで明らかになったのが、①移籍した 海外企業から労働者を送り込む際に、雇用契約や身分が曖昧 なこと(派遣か請負か、はたまた出向か出張かなど)、②海外 企業の本社がある国の労働条件を適用すること(交渉当事者 は「日本の労働法規は適用されない」と主張していた)、など です。
 説明や主張の矛盾点を問いただし、違法性を指摘するなか で、最終的には身勝手な画策をやめさせ、雇用の確保を派遣 先に約束させました。
 同時にこうした働かせ方の外国人労働者が広がっているこ とが明らかになり、労働組合の課題としてとりくみ、同じ働 く仲間として組合に迎え入れ、権利や労働条件を守ることが 求められます。
*この原稿は、神奈川県労働組合総連合の機関紙「神奈川の仲間」第334号(7月1日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒231-0062 横浜市中区桜木町3-9
      TEL.045(212)5855
      FAX.045(212)5745
「参考」
 日本国憲法18条(奴隷的拘束及び苦役からの自由)
 何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因 る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させら れない。

第413回配信 2018年7月9日 No.1553
受診機会奪う

「骨太方針2018」の
深謀遠慮に抗しよう

「神奈川県保険医新聞」「主張」から

 政府は6月15日、「骨太方針2018」を閣議決定した。 基礎的財政収支(プライマリーバランス)黒字化の目標年次 を2025年とし、高齢者数がピークとなる40年を見据え、 2年後の20年度に社会保障の総合的重点的な改革政策をと りまとめるとした。
 来年は春に統一地方選挙、夏に参議院議員選挙が控える。  また19年度~21年度の3年間の社会保障費抑制の数値目標 に関し、これまでの3年間で1.5兆円増(年間5千億円増) とは打って変わり、財務省と厚労省との間の攻防の末、数値 の明示をしなかった。それに代え、今後3年間は「実質的な 増加を高齢化による増加分に相当する伸びにおさめる」方針 を「21年度まで継続する」とした。
 明示的な数字を避け曖昧な感がするが、実際はこの期間は 高齢化の伸びが鈍化するだけに、従来以上に社会保障費の増 加額は抑制されることになる。小泉内閣時代、5年間で国庫 の社会保障関係費の1.1兆円の削減を明示し大反発を招い た。その轍を踏まえ、安倍内閣は許容する「増加額」の明示に 変更し、「削減額」が一般的に分からないようにした。それを さらに、数値の明示を避け不透明とし直截的な規模把握を難 しくさせた格好である。
 盛り込まれた内容は要注意である。団塊の世代が後期高齢 者に突入する22年度からの社会保障関係費急増へ備え、この 3年間を経済財政の基盤固めの「基盤強化期間」とした。焦 眉の医療保険の給付率調整、つまりは患者負担率を増加調整 する仕組みの導入は穏当な表現に修正され「検討」とされて いる。後期高齢者の2割負担導入、地域別診療報酬の設定、 受診時定額負担の導入のいずれも「検討する」と記され、 虎視眈々と狙われている。与党内では生涯3割負担で固定 の話も出初めている。「いつでも、どこでも、だれでも」の、 皆保険の医療制度の根幹がますます換骨堕胎の危険にさらさ れていく。
 患者の命と健康を第一線で守る、保険医協会の真骨頂が問 われている。
*この原稿は、神奈川県保険医協会の機関紙「神奈川県保険医新聞」第2060号(7月5日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
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第413回配信 2018年7月9日 No.1554

子どもたちに「徳目」すりこむ

―中学校道徳教科書
神奈川教育運動連絡サンタ―
 事務局長 加藤 誠さん

           いま各地で来年4月から中学校で使う道徳教科書の展示会 が開かれ、どなたでもそれを見て、意見を出せるようになっ ています。7月から8月にかけて各教育委員会、採択地区協 議会でどの教科書を採用するかを決めます。今年3月30日、 文部科学省は各都道府県教育委員会に保護者などの意見反映 に努めるように通知しています。

子どもたちの心まで国が管理?
 中学校道徳教科書は8社が発行しています。
 文科省は「考える道徳・議論する道徳」を掲げていますが、 多くの教科書は「国を愛する態度」「家族愛」「節度・節制」 などの学習指導要領に示す22項目(国が示す徳目)を子ども たちに刷り込むようにつくられています。
 「公徳心」と「遵法精神」を身につけさせる教材として8 社の2年生または3年生の教科書に共通して載っている「二 通の手紙」を例に見てみましょう。
 物語は、弟の誕生日にキリンやゾウを見せてやりたい 幼い姉弟が動物園にやってきます。入園時間が少し過ぎて、 しかも小学生以下は大人同伴という規則には反するが、何か 事情があるのだろうと係員の元さんが入場させました。
 ところが時間が過ぎても出口に現れず大騒ぎになります。 遊んでいるところを発見されて無事でした。後日、元さんは 母親から事情を説明し感謝する手紙と、園から懲戒処分の通 告を受け取ります。
 8社のうち「教育出版」の教科書は、元さんが懲戒処分に なったことは妥当だろうか、不当だろうか、みんなで話し合 ってみよう、と投げかけています。しかし、他社は学習指導 要領の項目(徳目)の「公徳心」「遵法精神」に結論を導いて います。
 本来、これは「遵法精神」という価値と「思いやり」とい う価値をめぐって考え、議論し、葛藤する生徒一人一人が自 らに引きつけて判断する心を育む教材ではないでしょうか。 しかし、他の教材も多くは国が示す徳目をすり込むように つくられています。

育鵬社と深くかかわる日本教科書
        出版社の一つ、「日本教科書」は、設立の経緯も人脈も、侵 略戦争を美化する歴史・公民教科書を発行した「育鵬社」と 強い関りがあります。
 同社の道徳の3年生では国家神道の伊勢神宮を載せ、2年 生には現職政治家の安倍首相のパールハーバーでの演説を載 せています。特定の宗教や特定の政治家を道徳教科書に載せ るなど許されません。

「国を愛する態度」を数値評価?
 8社中5社が数値または記号などで子どもたちが、自分の 心を自己評価するようにつくられています。
 しかし、道徳は内心の自由に関わる問題です。「国を愛する 態度」などを自己評価させることに批判が高まっています。
 こうした中で、文科省は、道徳は数値評価すべきでないと 発表しましたが、子どもたちの自己評価方式については検定 をパスさせています。
 子どもたちは自分の「国を愛する態度」を5段階評価する のでしょうか。そうなれば、道徳性の発達の土壌というべき 自尊感情を傷つけたり、教師による評価を意識して非教育的 な影響なども心配されます。
 教科書展示会や教育委員会審議の傍聴などに積極的に参加 して意見反映をはかりましょう。
*この原稿は、「新かながわ」第
2456号(7月1日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒231-0822
     横浜市神奈川区西神奈川1-18-12
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      FAX.045(334)7868

第413回配信 2018年7月9日 No.1555

派遣とは違う?
労働者供給事業

「けんせつ神奈川」から

建設労働組合だから出来る
 戦後(1947年)に制定された職業安定法(以下・職安 法)は、44条(労働者供給事業の禁止)で「何人も、次条に 制定する場合を除くほか、労働者供給事業を行い、又はその 労働者供給事業を行うものから供給される労働者を自らの指 揮命令の下に労働させてはならない」と規定し、強制労働や 中間搾取の温床となっていたボス支配による労務請負供給事 業や営利職業紹介事業を禁止しました。

派遣と供給は似ていて違う
 「労働者供給事業」と「労働者派遣業」は、似ているよう ですがかなり違います。いずれも送り出す組織が送り出す先 の組織と契約し、送り出された労働者が行った先の指揮監督 の下で仕事をします。
「労働者派遣業」の場合、派遣された労働者の賃金に当たる金 額は、派遣元(派遣会社)が受け取り、派遣会社の取り分を引 いた残りを賃金として労働者に支払います。あくまでも労働者 は派遣会社に雇われているからです。派遣会社の取り分には、 派遣会社の経費や利益などが含まれます。引かれる金額の 割合は「マージン率」と言って、おおむね30%程度となって います。また建設現場への技能労働者派遣は禁止されていま すが、管理・監督業務では労働者派遣が多数存在しています。

登録説明会は今後も開催へ
 6月24日に、労働者供給事業登録説明会を神奈川土建から 39人・神奈川県建設労働組合連合会全体で66人の参加で行な いました。
 午前中は、建設産業の低賃金と入職者数の減少などの現状 と、労働者供給事業についての概要説明に続き、雇用労働者 と請負の働き方の違いを解説。午後からは荒井賃金対策部長 が講師となり、送り出し教育を行い「あいさつ」「安全」をも う一度考え、労働災害防止のために学習をしました。
 1日を通して労働者としての働き方と現場の安全対策を学 労働契約締結に向け運動を進めていきます。これからの労働 者供給事業登録説明会は、各地で開催できるよう準備を開始 します。

大きな前進にますます期待
神奈川土建・南横浜支部 今泉健さん

 労働者供給事業は、組合が、組合員のために組合にしかで きない事業です。
 組合員は仕事を通して企業に行くため、しっかり労働条件 が明確になります。組合も労働条件を組合員の代わりに交渉 できます。
 労働者供給事業はこれからの組合の活動で、間違いなく、 要になると思います。組合が組合員のために労働者供給事業 をスタートさせたことは、大きな前進です。ここからがスタ ートだと思います。  組合員が参加して、建設職人の処遇改善に役立つと信じて います。これからますます期待できる組合になってきたと楽 しみです。

*編集部の了解を得て配信しています。
  連絡先 〒221-0045
      横浜市神奈川区神奈川2-19-3
       TEL.045(453)9806

第413回配信 2018年7月9日 No.1556
朝鮮戦争を終わらせ

転換させたい対米従属の構造

「神奈川の仲間」のコラムから

 東北アジアは世界で唯一冷戦構造が集結していない地域であ る。この構造を決定づけたのが1950年に勃発した朝鮮戦 争だった。そして戦後に形作られた日本の「ゆがみ」の原因 は全て朝鮮戦争にある、と作家の矢部宏治さんが6月7日付 神奈川新聞「時代の正体」で指摘している。
 日本の独立を挟んだ50~53年、米国は朝鮮半島に数十万の 兵士を送り込んで戦っていた。「米軍は当初、朝鮮半島で徹底 的に負ける。そんな状況下で日本を独立させることなど絶対 にできないと、軍部は猛反発した。ところが独立に向けた日 米交渉の中で日本は『米軍への軍事的支援を独立後も継続す る』という約束と引き換えに独立を果」たした、と矢部氏は 指摘する。
 「米軍への軍事的支援」は、「日本中どこにでも米軍を駐留 させ、軍事行動することを認める」という、他で例を見ない 従属的な確認であった。これは「全土基地方式」と言われ、 安保条約と日米地位協定で具体化されている。そして数々の 密約によって、朝鮮戦争時に生まれた「米国占領下の戦争協 力体制」が固定化されてきたのだ。
 在日米軍基地は朝鮮戦争を皮切りに、ベトナム・湾岸・ア フガン・イラク戦争と、アメリカが第2次世界大戦後に行っ たほとんどの軍事行動の出撃拠点や兵たん拠点として使われ てきた。
 米朝首脳会談で朝鮮戦争終戦は確認されなかった。だが、 終戦から議論が始まる対米従属の構造の転換こそが沖縄の問 題、核兵器禁止の問題を根本的に解決する鍵なのだ。(F)
*この原稿は、神奈川県労働組合総連合の機関紙「神奈川の仲間」第334号(7月1日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒231-0062 横浜市中区桜木町3-9
                横浜平和と労働会館内
      TEL.045(212)5855
      FAX.045(212)5745


「手を結ぶための、私たちの訴え」第412回配信
2018年7月2日 日本機関紙協会神奈川県本部

願いは「人として働ける」こと

 どこまで国民いじめの政策を重ねるのか。安倍政権は「働 き方改革」と「TPP」を与党議席の数を力に強行しました。声 高にさけばれる「女性の活躍」もテーマの言葉だけです。
 機関紙協会県本部の事務所に送られてくる機関紙の中に「全 医労しんぶん」があります。「全医労」は全日本国立医療労働 組合で、独立行政法人の傘下になった国立病院に働く人たち がつくる労働組合です。病院機構がすすめる病床の削減や病 院の統廃合に対して、地域医療や患者の利益と働く人たち のためにたたかい続けています。
 6月21日付の「全医労しんぶん」に、看護職員の労働実態 調査の集計結果(全医労分)が掲載されていました。見出し は「妊産婦、4割が夜勤免除なし」とあります。「2017年 に医労連が行った看護職員の労働実態調査の報告で、マタハ ラの経験がある人が12。8%、マタハラを受けた相手は看護 部門の上司が76。2%、4割が夜勤免除をされていないとい う結果が報告されています」(記事の一部)。紙面では「妊産 婦の権利」の要点を掲載して、読者を励ましています。
 職場で、「人として働き続ける」ために必要な条件を守り、 実現する努力を重ねたいものです。これは、労働組合をつく り、実際に機能させることで、今の社会に必要な努力です。


第412回配信 2018年7月2日  No.1547 年金裁判

現役と高齢者を対立させる
 まやかしの世代間公平論(上)

年金裁判弁護団 弁護士 藤塚雄大さん

 本稿では、この憲法29条違反の主張の中での、国の主張す る世代間公平論や、少子高齢化との関係について説明します。

1 判断基準について
 まず、憲法訴訟では、違憲審査基準が問題になります。
 私たちは、本件訴訟において採用すべき違憲審査基準とし て、昭和53(1978)年の最高裁判決や政府答弁から、①当 該財産権の性質、②財産権の内容を変更する程度、③財産権 の内容を変更することによって保護される公益の性質に加えて、 上記以外の判断要素等も総合的に勘案して、④その変更が当 該財産権に対する合理的な制約として容認されるべきかを判 断すべきであると主張しています。
 私たちは、この判断枠組みの中の④において、世代間公平 論や少子高齢化問題について言及しています。以下、その内 容について説明します。
2 世代間公平論について

 平成24(2012)年改正で、国が特例水準解消の最大の 理由としていたのが、いわゆる世代間公平論でした。
 国は、現在の受給者たちの受給額を下げなければ、現役世 代に不公平感を生じさせ、年金制度への不信が高まり納付が なされないこと等で、制度が崩壊するなどと主張しています。  この世代間格差論は、現役世代と年金受給者を対立的に捉 え、給付切り下げを推進するものです。
 しかし、国のように公的年金を世代間の所得移転の経路の ひとつと捉えたところで、住宅取得・子育て・遺産相続など、 高齢世代(親)から現役世代(子)へさまざまな逆の所得移 転も存在しています。経済環境が異なり、生活水準が変化す る数十年を隔てた世代を生活する、異なる世代の年金収支を 比較することに意味はありません。
 また、わが国の公的年金制度は、修正積立方式をとってい ます。したがって、年金支給の財源の大部分は、修正積立方 式の下で、自らが予め積み立てた返金保険料とその運用益で あることから、世代間格差論は本質的には問題となりえませ ん。
 さらにいえば、物価上昇局面まで、財源が必要であったの であれば、特例水準維持のために、積立金を活用すれば良い のです。もともと将来の年金支給のために積み立て、運用し てきた積立金なのですから、特例措置の水準を維持するため に、積立金を一部取り崩して活用すれば良いだけのことです。 そのための積立金なのに、今使わなければ何の存在意義もあ りません。
*この原稿は、全日本年金者組合・神奈川県本部の機関紙「年金者しんぶん」神奈川県版、第363号(6月15日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒2311-0032
     横浜市中区不老町2-8 不二ビル2階
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      FAX.045(663)4062

第412回配信 2018年7月2日  No.1548
沖縄レポート

犠牲者悼む日に首相らは…

   6月23日の「慰霊の日」式典
ジャーナリスト 米倉外昭さん

 6月23日は沖縄「慰霊の日」。糸満市摩文仁の「平和の礎 (いしじ)」をはじめ、県内各地の慰霊碑などで早朝から家族 連れなどが戦没者を悼み、平和を誓う。今年も平和祈念公園 で県と県議会主催の「沖縄全戦没者追悼式」が開かれ、沖縄 県知事の「平和宣言」があり、首相と衆参両院議長があいさ つした。
 沖縄にとって特別な日だが、今年は例年にも増して注目す べき「慰霊の日」だった。一つはすい臓がんで闘病中の翁長 雄志知事。11月18日に県知事選を控え、進退を明らかにして いない。6月定例県議会では帽子を被って答弁に立ったが、 この日は帽子を被らなかった。力強く平和宣言を読み上げ る姿に再選を目指す決意を感じた人もいれば、炎天下、治療 の副作用を隠さない姿を見せたことに痛々しさを感じた人も いた。

緊張緩和の流れに逆行
 そして、翁長知事と安倍首相との「対決」。知事が何を言い、 首相が何を言うのか。防衛省が名護市辺野古の海へ8月に土 砂投入を開始すると通告している。米軍嘉手納基地所属のF15 戦闘機の沖縄近海への墜落(6月11日)と、2日後の飛行再 開、そして式典直前の21日に発覚した、米軍によるものとし か考えられない流弾事故。
 翁長知事は平和宣言で「(沖縄戦の)悲惨な体験から戦争の 愚かさ、命の尊さという教訓を学び、平和を希求する『沖縄 のこころ』を大事に今日を生きている」と強調した。そして、 戦後73年間、広大な米軍基地が存在し続け、事件事故、環境 問題に苦しめられ続けていると述べた。朝鮮半島情勢にも触 れて「平和を求める大きな流れの中にあっても、20年以上も 前に合意した辺野古への移設が普天間飛行場問題の唯一の解 決策と言えるのだろうか」「アジアの緊張緩和の流れに逆行し ていると言わざるを得ず、全く容認できるものではない」と 日米両政府を批判した。

自衛隊施設を視察?
 一方、安倍首相は「今日、私たちが享受する平和と繁栄は、 沖縄の人々の筆舌に尽くしがたい困難と癒えることのない深 い悲しみの上にある」と述べつつ、「政府として基地負担を減 らすため、一つ一つ確実に結果を出していく決意だ」として 、ごく一部の基地返還に言及したのみだった。米朝会談にも 辺野古基地建設強行にもF15墜落にも流弾事故にも触れなか った。
 追悼式終了後には、記者らに普天間飛行場の辺野古移設を 推進する姿勢を強調した。
 もう一つ、重要な出来事があった。追悼式には小野寺五典 防衛相も出席し、その後、自衛隊の3施設を視察したのであ る。「県民感情を逆なでする」という声が県民や識者から上が った。
 そもそも沖縄戦の教訓とは、軍隊が住民を巻き込んで戦闘 を行ったこと、軍は住民を守らないということである。犠牲 者を悼み、その教訓を確認する日に自衛隊を視察し激励する ことが、いかに県民の意識からかけ離れているのか。かつて ならできなかったことを堂々と行うところに、現政権の体質 と時代の危機が現れているのではないだろうか。
 多くの沖縄県民にとって不安と憤りがない交ぜとなった「慰 霊の日」となった。
*この原稿は、「連合通信」隔日版No.9328(6月26日付)から、特別に編集部の了解を得て配信しています。
「連合通信」は、労働組合や民主団体の機関紙編集部が設立した「常設の *この原稿は、「連合通信」隔日版No.9328(6月26日付)から、特別に編集部の了解を得て配信しています。
材機関」で、本来は転載契約を結んで活用します。取材に行けない条件がある編集部にとっては、広い視野の情報を得るために活用したい通信社です。
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第412回配信 2018年7月2日  No.1549  カジノシンポジウム

不幸で成り立つ カジノはいらない

  法的問題点や 依存症の視点から
「横浜市従」から

 カジノ誘致反対横浜連絡会は6月10日、「横浜カジノ反対・ 山下ふ頭は市民の憩いの場に」シンポジウムを開催しました。  県弁護士会・消費者問題対策委員の松岡泰樹弁護士は、日 本で長く禁止されてきた賭博を合法化するカジノ実施法案の 法的問題点や、依存症対策などについて報告しました。
 古屋靖彦市会議員は、韓国の江原ランドカジノを視察した 経験から、カジノ税収があるからといって地元の繁栄につな がっていないこと、質屋ばかりが目立つ街になり荒廃してい ること、依存症の問題は、いくら対策を講じても克服できな いことなどを話しました。
 静岡大学の鳥畑与一教授は、世界的に見てもカジノ市場は 縮小傾向であること、カジノを作れば外国から客が来るなど ウソであることを、実例を挙げて話しました。  シンポジウムの最後に「カジノ実施法案の衆議院内閣委員 会における強行採決に抗議し、横浜カジノに反対する声明」 を参加者で確認しました。

「白紙」ではなかったのか
市庁舎前宣伝行動

 6月5日には、カジノ誘致反対横浜連絡会の主催で、市庁 舎前で署名・宣伝行動にとりくみました。
 市民団体からの参加者はそれぞれ、「横浜の経済や文化にカ ジノが必要か、もう一度考えてほしい」、「政府はまともに論 議もせず、強行突破しようとしている。ギャンブル依存症は 自己責任ではない。今ならまだ間に合う」、「観光としてカジ ノをアピールしているが、今の横浜で十分ではないか」など とリレートークを行い、署名をよびかけました。また、「依存 症をふやすカジノはいらない」「子どもの未来にカジノはいら ない」とコールしてアピールしました。
 林文子市長は、昨夏の市長選挙でIR(統合型リゾート)の 誘致を「白紙」にすると明言したにもかかわらず、先月発表 した「横浜市中期4か年計画(素案)」には、「国の動向を見 据え、検討します」と書かれています。
 国会では、「カジノ実施法案」が審議されています。政府は 経済効果などを謳っていますが、依存症患者が増えることや、 治安悪化を懸念する専門家の声もあります。横浜市従議員労 働組合は、市民の安心・安全なくらしを守るため、カジノ誘 致を許さないたたかいをすすめます。
*この原稿は、横浜市従業員労働組合の機関紙「横浜市従」第1509号(6月15日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒220-0031 横浜市西区宮崎町25
      TEL.045(241)0005
      FAX.045(241)4987

第142回配信 2018年7月2日 No.1550

在宅医療 24時間

 ~安心して最後まで自宅で過ごしたい~
「暮らしとからだ」から
 地域包括ケアということばが出てきて、在宅での医療介護 が進められています。今どこまで在宅で療養ができるのか? 介護保険の認定による介護度の度合いや、まわりの援助がど れだけあるかで、寝たきりになっても安心して在宅で過ごせ る度合いが違ってきます。また、貧困と格差が進む中、「うし おだ在宅クリニック」では、どのように在宅での医療を推し 進めているのか医療現場を直撃取材しました。

やっぱり自宅がいい
 静かな住宅街にある県営住宅。そこにお住いのAさん95歳 女性は認知症を患い、同じく認知症を患っている92歳の夫と の二人暮らし、ご夫婦には子どもはなく、昨年の夏にAさん は汐田総合病院に入院しました。
 スタッフは、自宅で安らかな最期を過ごしてもらおうと在 宅医療での看取りを考えました。
 しかし、自宅に戻ると食欲を取り戻し、見る見るうちに元 気になりました。やっぱり自宅が何よりも安心して療養でき る場なのかもしれません。
 在宅クリニックはもちろん訪問看護、ケアマネージャーと 当法人の3事業所の支えを受けながら、今日も自宅の窓から さしこむ木漏れ日の中、穏やかに生活しています。

家族の負担は大きい
 息子夫婦とお住いのBさん75歳男性。在宅酸素を使用し、 胃ろうを増設しています。妻は認知症で、ふだんは主に息子 の妻が介護をしています。
 しかし、息子夫婦は共働きで、妻もバリバリ仕事をしてい ます。やさしい妻は、Bさんが体調を崩すと寝ずに看病します。 いろいろと介護サービスを使っていますが、妻の負担は大き い。仕事と介護の疲れで妻自身が体調を崩して倒れることが ありました。
 やはり今の介護保険制度では家族の負担はぬぐい切れませ ん。それでも家族で助け合いながら、なんとか自宅での在宅 医療を続けています。

夫婦で寝たきり
 寿司職人だったCさん77歳男性。脳出血の後遺症で右半身 マヒ、失語で嚥下(えんげ)障害があります。この間も入退 院を繰り返してきました。夫婦二人で暮らしてきましたが、 妻が大腿骨(だいたいこつ)を骨折し夫婦二人で寝たきり状 態になりました。
 近所に息子たちが住んでいますが、いっしょに暮らせる条 件はありません。介護保険制度のサービスをフルに使いなが ら、ヘルパーも「とろみ食」で食事の介助をしています。痰 の吸引なども必要で、訪問看護も最大限入れ、夜の巡回も入 れながら、「うしおだ在宅クリニック」でできる限りの援助を しながら自宅での療養を続けています。

~社会の制度として 安心して受けられる在宅医療を~
 「最後まで自宅で過ごしたい」。そんな思いと呼応するかの ように、政府は在宅医療中心の医療システムにここ数年で切 り替えてきました。
 しかし、国民の思いと現実の社会システムには大きな溝が あります。確かに、栄養や衛生面の改善、医療の発展などが 相まって、日本人すべての年齢階層で死亡率は減少していま す。
 しかし、日本人の寿命や健康状態に社会・経済的な要因で 格差が生まれ、在宅での療養環境にも大きな格差が生まれて います。誰もが支えあえる家族がいて、ゆとりのある貯えが あり、住環境が整っているわけではありません。
 人生の締めくくりの時期に、尊厳ある生活をささえること が私たち医療機関の使命でもあります。同時に、それを支え る社会のシステムをどのように構築していくのか、国民全体 の大きな社会保障推進運動を進めなくてはならないときです。  複数の基礎疾患や障害、認知症を持ち、さまざまな治療リ スクを抱えた高齢者の在宅療養と介護。身体・心理・住環 境を、社会的・総合的に診て、処方、対処してゆく、そのた めの体制を整えていく必要があります。
 来年は75歳以上の2割負担も実施されようとしています。 医療技術の進歩にあわせて、医療制度と介護保険制度の拡充 を求める時代です。誰もが安心して暮らしていくためには、 高齢者医療を守ることが大切です。
*この原稿は、よこはま健康友の会の「暮らしとからだ」No.653(7月1日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒230-0001
     横浜市鶴見区矢向1-6-20
         汐田総合病院新館1階
      TEL.045(947)3260
      FAX.045(574)2301

第142回配信 2018年7月2日 No.1551
「ハマ懇」

市民の笑顔が 私たちの働きがい

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「横浜市従」から
 5月16日、横浜市従業員労働組合は「横浜市の公務に働く 青年懇談会(略して『ハマ懇』)」を開催しました。新組合員 講座のような学習会の位置づけを持つ新しい企画です。横浜 市のあっちこっちで働く若手組合員、入庁して年数の浅い組 合員が横浜ロイヤルパークホテルに集まり、住民の暮らしと 私たちの仕事を語り合いました。
 青年組合員と政村修中央執行委員長のトークセッションに よるイントロダクションで2人が発言しました。
 港北支部の保健師は、個別支援から見えてくる共通の悩み に着目し、当事者同士が話し合う機会を設定した経験を例に 報告。住民同士の力で健康を高める支援をする中で、当事者 が前向きに生活を組み立てようとする姿を見ることができ たときにやりがいを感じた。一方で、労働環境の悪さや貧 困など、社会政策によらなければ解決できない住民生活の 課題があると話しました。
 港湾支部の土木職は、港湾の維持補修を担当していた経験 をもとに発言。住民と接する仕事が少なくても、住民の安全 を守っている実感がある。港の公園施設が、住民や観光客の 憩いの場になっているところが励みになってきた。しかし、 現在担当している南本牧ふ頭のコンテナターミナルの整備で は、大型公共事業への市民の目は厳しく、葛藤を感じると語 りました。
 懇談会ではテーブルごとの交流に多くの時間を割きました。 市民に喜ばれる仕事をすることが公務労働者のやりがいにな っている。一方で、徴税に代表されるような必ずしも感謝さ れるばかりではない役割を担う私たちの職業の難しさも語ら れました。予算の制約から、住民が民主的権利を行使するた めの十分な情報提供を果たせていない図書館の司書の葛藤な ども話されました。
 (私たち公務員は、)憲法にもとづく基本的人権の保障を 進める住民自治の機構の側面と、国家の下部機構として住 民を管理し、資本に奉仕せざるを得ないという側面を負っ ています。基本的人権の保障という公務労働の本質が、自 らの仕事の中で全面的に実践できた時に、笑顔になった住 民から感謝され働きがいが感じられます。そのために日々 の仕事を通じてぶつかった社会的矛盾や課題を明らかにし、 市民とともにその解決をめざして運動することにつながりま す。こうしたことを保障するためには、自由にモノが言える 職場と、不当な権利侵害を許さないこと、組合員が力を合わ せることの大切さが感じられました。
 おいしいご飯を食べながらの懇談会でした。
                          *この原稿は、横浜市従業員労働組合の機関紙「横浜市従」第1507号(6月1日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒220-0031 横浜市西区宮崎町25
      TEL.045(241)0005
      FAX.045(241)4987


「手を結ぶための、私たちの訴え」第411回配信
 2018年6月25日 日本機関紙協会神奈川県本部

必要なのは「最賃を
ドーンと引上げる改革」

 国会では「働き方改革」法案の「高度プロフェッショナル 制度」をめぐる論議がされています。法案に反対する質問へ の安倍首相の答弁は、自分の説を繰り返すだけだと言えます。 この問題では、409回と410回の配信で紹介した「神奈 川の仲間」の記事が指摘するように「労働者と家族の生活破 壊」につながる、「『違法』が『合法』にされる」法案です。 過労死した人の家族たちも、けん命に反対を訴えています。 廃案にすべき法案であることを広く伝えたいものです。
 国会を延長してまで、この危ない法律をつくろうとするの はやめて、韓国のように、最低賃金を大幅に引き上げるため に国が政策を転換すべきです。
 26日、中央最低賃金審議会の金額改定審議が始まります。  神奈川では、7月15日(日)に「最低賃金を1500円に 上げろ」と、10時から神奈川労働局前で座り込み行動。15時 30分から桜木町駅前に集合して、みなとみらいを行進する「希 望のダンプカーデモ」が行われます。
FIGHT FOR1500神奈川実行委https://fightfor1500kanagawa.tumblr.com(クリック)
中小企業でも賃金を引き上げることができるように、必要な 企業へは社会保険料の負担を減免することなど、国が支援の ための予算を大幅に引き上げるべきです。

第411回配信 2018年6月25日 No.1542

マイナンバーは違憲

  医療者としてプライバシーを語ろう
「神奈川県保険医新聞」の「主張」から

 マイナンバー制度が始まり2年半が経過した。その間、制 度の恩恵を感じたことは皆無だろう。度重なるシステム障害 による行政事務の停止、租税回避の実態など、制度目的の「行 政の効率化」、「公平・公正な社会の実現」はもはや詭弁にし か聞こえない。鳴り物入りのマイナンバーカードも発行率1 割で頭打ちの状態が続いている。
 他方で、マイナンバーの漏えい事故が相次いでいる。昨年、 「住民税特別徴収額通知書」の誤送付により687人分のマ イナンバーが漏えいするなど、行政機関による漏えい・流出 が顕著だ。制度開始から短期間にも関わらず、信頼性や安全 性はすでに崩壊のレベルにある。
 それでも政府はマイナンバー制度の利活用、マイナンバー カードの普及に躍起だ。最近では、厚労省が雇用保険の手続 きでマイナンバーのない書類を〝返戻する〟とし、ハローワ ークで提出を強要する対応がなされ、問題となっている。カ ードについては、保険証との一元化を2020年度から実施 する方針を明らかにしている。
 憲法13条が保障する「プライバシー権」とは、私生活や私 事がみだりに公開されない、侵害されない国民の権利だ。そ して個人情報はプライバシー性を有することから、利活用よ りも保護が優位となる。欺瞞に満ち、信頼性も崩壊したよう な制度が国民のプライバシー権よりも優先されるべきではな い。
 保険医協会が協力する「マイナンバー違憲訴訟@神奈川」 は、制度の問題性からプライバシー権など、さまざまな立場 から豊かに語り、裁判勝利と世論喚起をめざしている。16年3 月24日に提訴し、2次提訴、3次提訴を経て、230人の一 大原告団となった。  すでに7回の期日(口頭弁論)が行われ、制度の違憲性や 欺瞞性、漏えい事故など、さまざまな角度から問題を追及し ている。一方の被告(国)は、こちらの主張に対し半分も回 答せず、不誠実な対応に終始している。ただ、マイナンバー の問題が裁判の中でしか議論されていないこと、マスコミや 世論の無関心さが国の対応を裏付けている。裁判勝利のため には、さらなる世論喚起が必要だ。
 われわれは患者の医療情報というプライバシー性の高い個 人情報を守り続けている。法的義務もあるが、古くはヒポク ラテスの時代から継承される職業倫理感である。医療者がプ ライバシー権を語り、その上でマイナンバー制度に異議を唱 えることは、他の誰よりも説得力が大きい。それこそが裁判 を柱とする市民共闘のなかで、われわれに期待されている姿 だ。違憲訴訟への理解とご支援・ご協力をお願いする。
*この原稿は、神奈川県保険医協会の機関紙「神奈川県保険医新聞」第2058号(6月15日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒221-0835
     横浜市神奈川区鶴屋町2-23-2
        TSプラザビルディング2階
      TEL.045(313)2111
      FAX.045(313)2113
ヒポクラテス
 古代ギリシャの医師。迷信や呪術を排して、経験を重んじ る科学的な医学の基礎を築いた。医師の倫理や規範などにつ いても見解を残し、医学の父と称される。

第411回配信 2018年6月25日 No.1543

つくろう「ふつうに暮らせる社会」

「年金者しんぶん」神奈川県版から

 全世界で10人に一人が一日2ドル以下でしのぐことを余儀 なくされているというのに、昨年世界で1年間に生み出され た富の82%を最も豊かな1%が手にし、貧しい37億人が手に した富の割合は1%未満であった。格差拡大は、何億もの人 びとを貧困の中に閉じ込め、社会に亀裂をつくり、民主主義 を脅かしている。
 昨年、国内の生活保護世帯は164万と過去最多となり、 高齢者が84万と増加の主な要因となっている。世界の主要1 56カ国を対象とした幸福度ランキングで、日本は54位と前 年より順位を下げた。
 日本の「貧困ライン」は99年の157万円から14年の13 3万円へと下がり続けている。OECDの中でアメリカ、イギリ スなど6カ国の「貧困ライン」は大幅に上がっているのに、 低下しているのは日本だけだ。貧困の要因は、低賃金と非正 規雇用の拡大、労働者派遣法の改悪、異常な長時間労働で生 活に深刻な影響を与えているからだ。
 富裕層の租税回避など税金逃れをやめさせ、株主の配当や 経営層の報酬を制限し、累進課税制度の完全導入、最低賃金 制度の時給を1500円に改め、男女の賃金格差をなくし、 残業時間を法的に規制し、「8時間働けばふつうに暮らせる 社会」をつくることを政府に求めたい。
*この原稿は、全日本年金者組合神奈川県本部の機関紙「年金者しんぶん」神奈川県版・第363号(6月15日付)のコラム「好奇心」から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒231-0032
     横浜市中区不老町2-8 不二ビル2階
      TEL.045(663)4061
      FAX.045(663)4062

第411回配信 2018年6月25日 No.1544
「神奈川労連の労働相談」から

パワハラをなくすために

神奈川労連労働相談センター
 相談員 奥村美知子さん

 パワハラで苦しんでいる労働者の相談が増えています。  勤続9年の女性からの相談です。
 全国に営業所を持つ情報処理センターで、生産職として機 械のオペレーター兼監督業務に従事して、仲間からも信頼さ れる存在でした。時間外労働も多い月は65時間、通常でも30 時間はこなしていました。2年前ころから、サブリーダーか らことあるごとに「オマエ、テメエ」とみんなの前で罵倒さ れ、人格を否定される状況が毎日続きました。眠れなくなり、 めまいもひどく、職場で倒れることもありました。
 適応障害、抑うつ状態の診断書が出され、医師の指示によ り4カ月の休職に入りました。その後、リハビリ出勤できる ようになりましたが、復職後もパワハラが続いたため、部長 に相談してパワハラをなくすよう要望。部長は「申し訳ない 、辞めないでくれ」と言い、注意するとのことでした。
 その後サブリーダーと面談すると「次に休職したら退職に 追い込まれる。9年間働いてもお前が昇格するのは無理だ。 上の人間もそう思っている。早く辞めろ」と言われました。 部長に相談したことがサブリーダーに伝わっていないことに 不信感が募り、翌日から出勤できなくなりました。医師から はうつ病と診断され、休職の指示が出され、障害2級の手帳 も発行されました。  死をも考えた彼女は、元の体と心を返してほしいと悲痛な 声を上げています。サブリーダーには何の処分もありません。  パワハラを知りながら放置した会社の安全配慮義務違反を 追求できますが、職場に復帰するのは厳しい現状です。現在、 労災申請中ですが、精神疾患の認定はハードルがとても高く 問題です。
 「女性が輝く社会の実現」と言うならセクハラやパワハラ をきびしく規制する法整備が必要です。
*この原稿は、神奈川県労働組合総連合の機関紙「神奈川の仲間」第333号(6月1日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒231-0062
     横浜市中区桜木町3-9 横浜平和と労働会館内
      TEL.045(212)5855
      FAX.045(212)5745

第411回配信 2018年6月25日 No.1545
身近な各自治体に

夜間中学ができることを願っている

「北央医療」のコラム「風」から
 校庭に桜の花が咲き誇るころ、明るい子どもたちの歌声が 聞こえ、楽しそうな学校生活が始まる。そんな楽しい学校へ 行きたくても行けない、引きこもりや不登校の子どもたちが いる。
 その学校を卒業する時は、子どもの将来を思い、学校は毎年 卒業証書を出している。一度卒業したことになるので、以前 は中学の勉強がしたくとも夜間中学に入学できず、「形だけ 卒業生」となっていた。
 現在100万人もの引きこもりの人たちがいる。しかも40 歳以上と高齢化している。さらに近年多くの外国人が日本で 生活している。  いよいよ国も動き出し2016年12月、各都道府県に夜間 中学を各県1校は作るよう要請した。長年粘り強く要求して きた夜間中学の先生方や「夜間中学をつくる会」の人たちの 成果が実った。また、入学を願っている外国人や「形だけ卒 業生」へも門戸が開けた。  今、相模原・厚木・大和で夜間中学の開校を願う運動が広 がっている。そして、学びにふさわしい学校が、県に1校だ けでなく、生徒の通いやすい各自治体に一日でも早く実現す る事を願っている。 (M・S)
*この原稿は、神奈川北央医療生活協同組合の機関紙「北央医療」第375号(6月15日付)のコラム「風」から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒252-0303
     相模原市南区相模大野6-2-11
      TEL.042(748)2261
      FAX.042(748)1473

第411回配信 2018年6月25日 No.1546
【基地情報】

ヘリ空母「いずも」改修計画
  横須賀は日米空母の出撃拠点

神奈川県平和委員会
基 地対策委員 菅沼幹夫さん

 いずも型護衛艦「いずも」は、2015年に就役した全長 248メートルの海上自衛隊最大の護衛艦で、空母のような 広い全通甲板を備え、同時に9機のヘリコプターを運用でき る「ヘリ空母」。第1護衛隊群第1護衛隊所属で、横須賀を母 港(定係港)としています。
 3月2日、参議院予算委員会で日本共産党の小池晃書記局 長の質問に対し、小野寺五典防衛相は、海上自衛隊の「いず も」などに搭載する「新種航空機」に関して、固定翼機およ び無人機について調査を行っていることをのべ、「艦艇に離発 着できる短距離離陸・垂直着陸機の代表例」として敵基地攻撃 能力をもつF35Bステルス戦闘機を対象としていること、あわ せて米軍の無人小型偵察機RQ21とヘリコプター型無人偵察機 MQ8も調査対象にしていることを明らかにしました。
 また、安倍首相は、「さまざまな検討を行うことは当然」と答 弁しました。
(*:ステルス戦闘機F35Bは、短距離離陸・垂直着陸ができる ため、短い滑走路での運用や艦載に適しています。米海兵隊は すでに岩国基地に配備し、佐世保基地の強襲揚陸艦「ワスプ」 の艦載機として運用しています。

F35Bの運用を前提に設計された「いずも」
 2017年12月26日付ロイター紙によれば、「複数の政府 関係者によると、『いずも』はもともとF35Bの運用を前提に 設計され、格納庫と甲板をつなぐエレベーターは同機を載せ ることが可能。改修では短距離滑走で離陸できるよう船首に ジャンプ台を増設したり、垂直離着陸時に出る熱に耐えられ るよう、甲板の耐熱性を高めること、管制機能を強化するこ となどを検討している」と報道しています。
 防衛省は4月27日、「いずも」にF35Bを搭載する「空母」 化に関して、「必要な改修によって(F35Bの)発着艦や格納が 可能」だとする委託調査の報告書を公表しました。
 調査は海上自衛隊が昨年度、製造業者のジャパンマリンユ ナイテッドに委託したものです。「いずも」の改修がすめば、 母港である横須賀は、まさに日米の空母の出撃拠点となりま す。

F35B「ホームベース」はどこ? 厚木!?
 自衛隊でのF35B戦闘機の運用が議論されたとき、ホーム ベースをどこに置くかは重要な問題です。引き続き「いずも」 が横須賀を定係港にするならば、艦載機と一体的運用を考え ればF35Bは、厚木基地に配備することは想像に難くないと 思います。
 F35Bは前述したとおり「短距離離陸・垂直着陸」ができる 航空機で、現在使われているAB-8ハリアーⅡの後継機とさ れています。その構造の複雑さのためもあって、米軍の航空 機の中ではずば抜けて事故率の高い航空機で、「未亡人製造機」 などの悪評は元もとこの機に付けられたと言われています。  人口密集地にある厚木基地へのF35Bの配備は、自衛隊機と は言え、猛反対は必至です。
*この原稿は、神奈川県平和委員会の機関紙「平和新聞」神奈川県版112号から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒231-0064
     横浜市中区野毛町2-6 大沢屋ビル4A
      TEL.045(231)0103
      FAX.045(261)6577


「手を結ぶための、私たちの訴え」第410回配信
2018年6月18日 日本機関紙協会神奈川県本部

必要です 思い切った最低賃金の引上げ

 6月半ばの「連合通信」の隔日版と特進版に、最低賃金に 関するニュースが2本紹介されました。
 14日付の隔日版は、日本医療労働組合連合会(医労連)が 全国一律の特定最低賃金新設を厚労省に申し出た記事です。 看護師は医療で診療報酬、介護職は介護報酬と事業収入の大 部分は公定価格で決まる。ともに報酬額には地域差がなく全 国一律ですが、賃金の地域間格差が大きいのが実態です。こ れが経営の利益率の差になり、さまざまな弊害が生まれます。
 20日付の特進版では、最賃の低い県の時給は「すでに韓国 に抜かれている」と伝えています。韓国では二つの労働組合 ナショナルセンターが市民団体とともに「最低賃金連帯」を 結成、世論を盛り上げています。文在寅(ムンジェイン)政 権も、最低賃金引き上げと中小企業支援のために、日本とは けた違いの予算を組んでいると報じています。
 2017年の日韓の最低賃金は、1円=10ウォンで換算す ると、日本で最も低い8県が時給737円、全国一律の韓国 は753円。日本では32県が800円に届いていません。
 日本では、2018年の地域別最低賃金を決める審議が始 まります。日本を元気にするためにも思い切った最低賃金の 引き上げと、全国一律最低賃金の新設をめざす声を広げたい。

第410回配信 2018年6月18日 No.1536
米朝会談を

世界の友好と親善の出発点にしたい

ジャーナリズム研究者 丸山重威さん

 「ここまでの道のりは容易ではなかった。我々の足を引っ 張るような過去があり、誤った偏見と慣行が時にはわれわれ の目と耳をふさいだ。だが、われわれは全てを乗り越えてき た」―金正恩委員長の言葉はそのまま史上初の米朝会談の意 義を語っていた。
 昨年のトランプ大統領の就任以来、「核とミサイル開発」の 北朝鮮と同じ「軍事圧力」で対抗する米国の罵り合いは、世 界中を心配させた。一方が「防衛を迫られれば北朝鮮を完全 に破壊する」と言えば、もう一方は「米国の連中を地球上か ら一人残らず掃討する」という。「狂った老いぼれ」対「ちび のデブ」「リトル・ロケットマン」―
 愚かなことに日本もただ米国の尻馬に乗り「最大限の圧力」 を叫び、(北朝鮮・)韓国までまとめて「嫌韓」を煽った。「拉 致」を最大の課題」とし、「完全・検証可能・不可逆的な核放 棄」まで「最大限の圧力」をと主張、「北朝鮮に騙されるな」 と繰り返した。
 残念なのは、安倍政権に引きずられたメディア。「平和構築 へのメディアの役割」は、どこへ行ってしまったか。「朝鮮半 島非核化」も「北東アジア非核構想」もなく、傍観的で、シ ニカルだった。
 国民相互の「無知」が、「疑惑」と「不信」を招き戦争を起 こす。シンガポールを、米朝、そして日本を含め、アジアか ら世界の友好と親善の出発点にしていかなければならない。
*この原稿は、6月14日に送られてきました。
 丸山さんは、機関紙協会神奈川県本部の顧問でもありますので連絡は県本部事務局か、事務局長までお願いします。

第410回配信 2018年6月18日 No.1537
「安倍・働き方改革」は

労働者と家族の生活破壊

「神奈川の仲間」のコラムから

 国会では、危険な「働き方改革」法案審議の激しい攻防の 頃かと思います。法案の前提となる労働時間データのねつ造 の解明、非正規・不安定雇用の実態把握など、多くの労働者 の声を聞き入れずに、安倍内閣は審議を強行しています。
 数々のウソとごまかしを続ける安倍内閣に法案提出の資格 はありません。「非正規ということばをなくす」「同一労働同 一賃金」と言いながら、法案のねらいは真逆です。非正規雇 用の労働者は4割を超え、「働き方の多様化」「雇用関係によ らない働き方」によって、フリーランスは増大しています。
誰もが人間らしく働き生きる権利は憲法で保障されていま す。誰が、自分の命や生活を犠牲にしてまでも働くことを 望んでいるのでしょうか。
 「過労死家族の会」の皆さんは、「過労死防止法」の成立に 涙しました。自民党も法案には賛成したのです。その政党が 「過労死促進・高度プロフェッショナル制度」「過労死認定 基準以上の労働時間」を法制化しようとしています。「女性の 活躍」と言いながら非正規雇用を拡大、高齢者はシルバー人 材センターの「生きがい事業」の規制緩和で「低賃金労働者」 に仕向けられています。全国5千万労働者とその家族などの 生活破壊が「安倍・働き方改革」です。
 モリカケ問題にみられるように、安倍首相は政治を私物化 しています。今国会では憲法改悪を断念させましたが、安倍 政権の「1丁目1番地」は改憲です。憲法を生かした政治の 実現に向け、国民的大運動をつくりあげましょう。
*この原稿は、神奈川県労働組合総連合の機関紙「神奈川の仲間」第333号(6月1日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒231-0062
     横浜市中区桜木町3-9 横浜平和と労働会館内
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      FAX.045(212)5745

第410回配信 2018年6月18日 No.1538
過疎地域の指定受けた真鶴町

対策・まちづくりは町民みんなで考える

日本共産党真鶴町会議員 黒岩範子さん

 神奈川県真鶴町は県下で初めて過疎地域に指定されました。 5月26日、真鶴革新懇が真鶴地域情報センターで開いた「真 鶴町の未来と過疎対策を考えるつどい」(西湘地域自治体問題 研究会共催)には、地元はもとより西湘地域を中心に54人が 参加しました。

お任せ、請負民主主義ではない
 つどいは、町の未来と過疎対策を町民といっしょに考える 場を持とうと計画しました。
 講師に島根大学名誉教授の保母武彦さんを招き、「『過疎』 指定を逆手に真鶴の発展を」と題して講演してもらいました。  保母さんは、つどいの前日に町の担当課長などから過疎地 域自立促進計画(案)や地域創生施策について説明を受け、 その後、5人の現・元町議と懇談しました。当日午前中に は、新規事業などの現場を精力的に視察しました。  講演では、町民の意見を活かした取り組み事例を紹介しま した。
 島根県海士町(あまちょう)では、町長が将来への展望と 実績を示し、町民のやる気を広げました。北海道下川町では、 温暖化対策と地域振興を結びつける取り組みを進めています。  保母さんは、お任せ、請負型民主主義でなく、町民自らが この町の将来を考えていくことが大事だと強調されました。  参加者からも質問意見が多く出されました。
 町議会からは、私と無所属の青木健、森敦彦、天野雅樹の 各町議が出席しました。

将来を見据えた財政展望
 町ではすでに過疎対策事業債(過疎債、当面20年度までの 限立法)の運用が始まっています。18年度の予算案では、 過疎債として、限度いっぱいの4憶4500万円が計上され ました。
 過疎債とは、過疎で財政基盤の弱い自治体の活性化事業に 利用できる地方債のことで、元利償還費に7割を国が負担し ます。3割は町の借金になるので慎重な検討が必要です。  過疎債が適正に使われることは真鶴の将来にとって大切な ことです。
 私は3月議会で、過疎債の内訳で、岩漁港周辺、真鶴港周 辺、真鶴半島、真鶴駅周辺のグランドデザイン策定委託料に ついて取り上げました。
 グランドデザインとは全体構想という意味ですが、どれも 大掛かりで、長期にわたる事業となることが予想されます。  しかし、今後は、グランドデザインに示される新しい事業 だけでなく、公共施設の維持管理対策や扶助費の増大なども 迫られます。
 私は「21年度以降、過疎債が使えても使えなくても将来を 見据えた全体的で長期的な財政展望、財政計画が必要ではな いでしょうか」と問いかけるとともに、過疎債の内容を町民 に知らせ、町民討議にかける必要性を訴えました。
 その後、町は「平成29年度真鶴駅周辺環境整備基本計画」 を発表。ずい道拡幅整備事業や駅前広場整備事業等の大規模 な事業計画が示されました。

つどいをきっかけに
 今回のつどいをきっかけに、これからも町民のみなさんと 一緒に「町民本位の過疎対策」や「真鶴町のまちづくり」を 考えていきたいと思います。
*この原稿は、「新かながわ」第2453号(6月10日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒   横浜市神奈川区西神奈川1-18-12
     TEL.045(334)7867
     FAX.045(334)7868

第410回配信 2018年6月18日 No.1539

全国一律最賃・産別最賃の新設めざして

神奈川県医労連が春のつどい
「神奈川県職労連」から

 5月20日(日)、平和と労働会館で「神奈川県医労連 春の つどい」が開催されました。5月12日はナイチンゲールの生 誕記念日、看護の日です。神奈川県医療労働組合連合会は、 毎年5月に「つどい」を開催、ことしは33人が参加しまし た。
 日本医労連・森田しのぶ中央執行委員長が、「笑顔で看護・ 介護をするために・元気で働き続けられる職場をめざして」 をテーマに講演を行いました。
 医療・福祉労働者は約800万人。組合組織率が低く無権 利状態のところが多いこと、また、女性が多いこともあり賃 金や労働条件が低く抑えられている実態があることが紹介さ れました。医労連が行った「2017年看護労働実態調査」 でも、仕事を辞めたい理由では「人手不足」の次に「賃金が 安い」という結果が示されました。
 ①家賃は1万円以下の家に住め、②友達と交際するな、③ 食事は2食にすべし、④病気になるな、⑤見栄を捨てひたす ら他人にたかれ、おごってもらうべし。これは宮城県の青年 が取り組んだ「最賃・標準生計費生活体験」の教訓の一部で す。憲法で保障された「健康で文化的な生活」ができないの が実態です。
 診療報酬は全国同じなのにもかかわらず、同じ仕事をして も賃金が大きく異なる現状を変える必要があること、全国一 律最低賃金制度、産業別最低賃金の新設をめざして運動を展 開することの必要性が話されました。
 ILO夜業条約・勧告「夜業に従事する労働者の労働時間は、 昼間同じに従事する労働者より少なくする」、ILO看護職員条 約・勧告「勤務間隔12時間以上」などが紹介され、日本は批 准していませんが、国際基準に基づく保護と規制をかけさせ るために職場から一歩一歩改善を迫って行くことが求められ ると強調されました。講演のあとは職場実態について意見交 流が行われました。
 つどい終了後は、桜木町駅前に移動して「夜勤改善・大幅 増員で安全・安心の医療・看護・介護の実現をめざす国会請 願署名」宣伝行動を行いました。1時間足らずの行動でした が、100筆を超える署名を集約しました。
*この原稿は、神奈川県職員労働組合総連合の機関紙「神奈川県職労連」vol. 1843(6月1日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒231-8588
     横浜市中区日本大通り1 本庁舎6階
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第410回配信 2018年6月18日 No.1540
やはり大切です

事件を伝え、意味を問う運動

神奈川土建一般労働組合 相模原支部 田畑康誉さん

 「パパ ママ バイバイ」で知られる横浜米軍機墜落事故 は、1977年9月のことです。アメリカ海兵隊のRF-4B ファントムⅡが横浜市緑区荏田町(現青葉区荏田北)に墜落 し9人が死傷しました。運動もあり、また本になったことで、 この事件は広く知られています。
 私が住む近所でも、1955年9月にF-80が墜落し、5 人が死亡、一家が絶えるという事件がありました。しかし、 それを広く伝えていく運動がなかったために、横浜の事件と は対照的に、悲惨な事件にもかかわらず、そのことは地元で も忘れ去られています。
 社会の不条理から生み出されるありえない事件でも、それ 伝えその意味を問う運動がなければ、なかったことにされ、 また平和を願う人達からさえも忘れ去られてしまいます。
 事件があったことを記憶し続け、それを伝え続けること、 それはそうした事件を二度と起こさない前提であり、土台 だと言えるでしょう。
 2つの事件の事件後の落差を感じる時、真実のためには、 運動がやはり大事なのだと強く訴えたいと思います。
*この原稿は、神奈川土建一般労働組合の機関紙「けんせつ神奈川」 第579号(6月5日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
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      TEL.045(453)9806

第410回配信 2018年6月18日 No.1541
医療生協にほしい

医療現場と支部の枠を超えた
進化と深化の交流

医療生協かながわ生活協同組合
 茅ヶ崎西支部 支部長 由井 豊さん

   運転免許証の更新で警察署へ寄った。「免許証の受け取りで すか、今、用意しますのでお掛けになってお待ちください」。 今日の受付の女性は一段と爽やかで、思わず警察であること を忘れた。
 昔はひどかった。某警察署でのこと、婦人警官が一人で受 付から視力検査までこなしているが追いつかない。気持ちは 分かるがイライラがこちらに伝わってくる。突然、主任らし き男性職員が「今日は婦警も機嫌が悪いので、ご理解願いま す」。誰も笑わず、その後も無表情・無機質な対応で処理して いった。
 医療生協の組合員に登録した10年ほど前、「医療生協の診 療所は先生も看護師さんも親切で感じが良い」と先輩たちか ら聞いた。時代の変化で今や治療を受ける人は「患者さま」 と呼ばれ、どこの病院でもお客様扱いとなった。
 ただ、私は思う。病気や怪我をきちんと直してくれるなら、 多少の不便も対応が悪くても我慢しよう。最悪は担当医師が 信用できず、掃除が行き届かず何となく汚くて、やたら待た せる医療機関ではないだろうか。
 先日、(医療生協の)地域総代会に出席した。「これからは 医療現場と各支部の、枠を超えた進化&深化の交流が必要で はないだろうか」とお伝えした。
*この原稿は、医療生協かながわ生活協同組合の機関紙「医療生協か ながわ」第219号(6月1日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒244-0003
     横浜市戸塚区戸塚町3880
      TEL.045(862)9834


「手を結ぶための、私たちの訴え」第409回配信
2018年6月11日  日本機関紙協会神奈川県本部

必要です「人として働く」条件

 労働災害をなくすことをめざして、今年も7月1日から7 日まで「全国安全週間」が取り組まれます。今年で91回目の 安全週間になります。6月1日から30日はその準備期間とし て、さまざまな活動がされていることでしょう。
 「労働災害」はその範囲が広がっています。かつては死亡・ 傷害事故などに重点が置かれていましたが、職業病や過労死、 通勤災害やハラスメントなどの労働環境も現実的な課題にな っているといえます。
 労働安全衛生の国際規格「ISO45001」の日本版をつく る作業が、日本規格協会で行われています。9~10月に公示 される見込みだと伝えられています。
 ところが、今回の「配信」No.1531でも危険性を指摘し ていますが、安倍政権が成立させようとしている「働き方改 革」の中身に「高度プロフェッショナル制度」があります。「人 として働く」ために大切な労働時間の規制、休憩や休日の確 保などの規制がなくなります。過労死しても合法となり、「労 働災害」に認定されない危険性があります。  労働組合のない職場、あっても機能していない職場もあり ます。システムがあっても現場で活かされる必要があります。 「安全なくして労働なし、抵抗なくして安全なし」です。

第409回配信 2018年6月11日 No.1531
ヤバすぎる 究極の働かせ放題を可能にする
「高度プロ制度」は廃案に

「違法」が「合法」にされる

「神奈川の仲間」から

 「働き方改革一括法案」の中身は、労働者によって百害あ って一利なしです。一括された8つの法律案すべてに問題が ありますが、とりわけ危険なのが、「高度プロフェッショナ ル制度(高プロ)」の創設です。


以下のような働かせ方も違法ではない!
 これで、「健康管理措置」をつけたといえる?

例① 1日24時間×256日労働=年6144時間も合法
 年104日の休日+有休2日付与、あとは事後に健康診断をすればOK
例② 1日24時間×24日労働=4週576時間労働も合法
4週(28日)4日の休日をまとめてとらせて連続勤務、暇な時期に2週間休日を付与すればOK
例③ 16時間×256日労働=年4096時間労働でも合法
 年104日の休日+有休5日付与、インターバル8時間(厚労省案)の休息確保でOk


規制が一切なくなる
 高プロ制度は、「労働時間による規制」という考え方そのも のを無くそうというものです。したがって、労働基準法で定 める労働時間(時間外規制)、休憩時間、休日および深夜の割 増賃金に関する規制はすべてなくなります。
 『残業』という考え方もなくなり、残業代はそもそも発生 しません。冒頭の枠内のように、「健康確保措置」と言われる 一定の要件さえクリアすれば、低額でいくらでも労働者を働 かせることができます。厚労大臣は国会で「現実的にはあり えない」と答弁しますが、決して「違法」と言いません。す なわち、無茶苦茶な働かせ方が「合法」とされるのです。

賃金が半分に減らされる
 さらに国会審議で問題が明らかになりました。就業規則を 「24時間勤務」とし、労働者が「そんなに働けない」と言っ た場合、働けない時間分の賃金を支払わない(欠勤控除)と いうことができるのです。
 政府は「要件が1千万円以上だから一般労働者には影響な い」としていますが、この手法を使えば年収500万円の労 働者にも高プロ制度を適用できます。さらに、財界は年収要 件を400万円程度まで引き下げることを狙っています。
 「働き方改革」どころか、働き方を根底から破壊する高プ ロ制度の創設を許してはなりません。廃案を求める声を政府 や与党に届けましょう。

過労死をなくすために
 高プロ制度以外にも、長時間労働に法的お墨付きを与える 「過労死容認の残業上限規制」や、格差固定化の「ニセモノ の同一労働同一賃金」などなど、害毒だらけの法案です。  神奈川労連では、過労死をなくし、誰もが働きやすい職場 をつくるために、次の要求を掲げています。

➀ 残業の上限を月45時間・年360時間以下とし、全て   の業種に適用すること。
② 勤務時間のインターバル規制を導入すること。
③ 労働時間の把握・保存の義務を使用者に課すこと。 ④ 労働行政の人員を増やし監督指導体制などを強化するこ と。

職場でのとりくみを
 「働き方」を本当に良いものにするためには、何よりも職 場での取り組みが重要です。
 働いている職場できちんと法令が遵守されているか、労働 者の健康・安全が守られる職場環境になっているかなどをチ ェックし、交渉などで改善を求める取り組みを重視しましょう。
*この原稿は、神奈川県労働組合総連合の機関紙「神奈川の仲間」第333号(6月1日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒231-0062 横浜市中区桜木町3-9
               横浜平和と労働会館内
      TEL.045(212)5855
      FAX.045(212)5745

第409回配信 2018年6月11日 No.1532
安心して働ける建設産業をめざして
建設キャリアアップシステム①

システム稼働で施行能力を
「見える化」

「けんせつ通信」から

   国土交通省は建設キャリアアップシステムの運用に合わせ、 就業履歴と保有資格を組み合わせ、技能労働者を基準により レベル別に評価する。能力を上げ経験を積めば、上のレベル に昇格できるようにし、技能者がモチベーションを高め、将 来のキャリアを描きやすくすると、同制度の趣旨を説明して います。優秀な技能者を適正に雇用する事業者の施行能力を 「見える化」する仕組みを取り入れることで、「選ばれる事業 者になれば受注機会の拡大につながることも明確にしています。
 発注者と受注者、元請と下請け間の受注競争において「通 常原価に満たない違法な価格競争(ダンピング受注)」による 受注競争から「適正雇用」による技能者育成に努力する事業 者を優先する姿勢を明らかにしたものです。「不良不適格業者 の排除」をシステムにより明確な対応を図ろうとするもので す。
 システムの稼働について、大きな期待が集まっている反面、 事業の規模が小さい地域建設業者の平均的な現場は「せいぜ い数十人。顔の見える範囲の下請け業者、作業員と日々仕事 をしている」と、全国建設業協会(全建)や全国中小建設業 協会(全中建)の幹部から聞こえてきます。
 生産労働人口が減少するなか、処遇を改善して技能者を確 保しなければならない現状は、企業規模を問わず同じですが、 システム導入を「自社の囲い込み」を最大の目的にしている 大手の姿勢は極めて不当なものと言えます。
 地域建設業協会の中小ゼネコンは、大手との住み分けシス テムによりフラット化されると、今でも厳しい協力業者の確 保がいっそう困難になること、大手から引き抜きが本格化す ることなどの不安を表明しています。
 システム運用により、社会的に合意された技能労働者の賃 金水準を確実に支払うための仕組みが生まれることになりま すので、元請に対する賃金要求がより具体的に実効性をもっ て交渉できるようになります。そのためには、当該の労働者 を直接雇用することが前提になります。
*この原稿は、神奈川県建設労働組合連合会の機関紙「けんせつ通信」第687号(6月1日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
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第409回配信 2018年6月11日 No.1533

過労死根絶をめざし活動を強化

神奈川家族の会が結成1周年でシンポ
「新かながわ」から

 「神奈川過労死等を考える家族の会」(神奈川家族の会)は 5月25日、結成1周年を記念し、記念シンポジウムを横浜市 内で開催しました。126人が参加し、過労死根絶をめざし 活動を強めていく決意を固め合いました。
 来賓で阿部嘉弘連合神奈川事務局長、福田裕行神奈川労連 議長があいさつし、福田剛之神奈川労働局労働基準部監督課 長のメッセージが紹介されました。
 日本共産党の畑野君枝衆院議員、君嶋ちか子、大山奈々子 両県議、立憲民主党の牧山弘恵参院議員、赤野たかし県議が 出席しました。
 川岸卓哉弁護士は、グリーンディスプレイ社での過重な勤 務の後、バイクで帰宅途中に交通事故死した青年の裁判で、 原告の母親が勝利したことを報告しました、
 川岸氏は、通勤中の事故にも企業に安全配慮義務が認めら れたことは画期的だと強調。「(過労死をなくすために)働く 人の立場・視点に立った働き方改革を推進して、長時間労働 の削減と労働環境の整備に努めることが求められている」と 訴えました。
 最後に「人が社会を変え、社会が司法を変えた。そして司 法が社会を変えていく」と締めくくりました。
 「学校の日常を『見える化』する~部活動改革から働き方 改革まで~」のテーマで、内田良名古屋大学大学院准教授が 記念講演を行いました。
 内田氏は、教職員の過労死、過労自殺につながる長時間労 働の原因が「給特法」にあると指摘。「給特法」は教職員の労 働時間を管理する必要がなく、教職員自身も働く時間の長さ に関心を持たなくなったとして、今後は教職員の働き方を改 善するための「制度設計」の必要性を訴えました。
 また、学校部活動は活動時間、指導体制などに規則がなく、 「自主性」に任されている実態があり、「部活動をやれば成 果が出て楽しい、楽しいからハマる」が過熱の要因になっ て教職員の長時間労働に歯止めがかからないと述べ、部 活動の目的などを考え「部活動制度設計」の検討が必要 な時期だと訴えました。
(取材 高巣博文さん)

*参考 「給特法」
 「公立の義務教育諸学校等の教職員の給与等に関する特別 措置法」の略称。教員の勤務態様の特殊性をふまえて、公立 学校の教員について、時間外勤務手当や休日勤務手当を支給 しない代わりに、給料月額の4パーセントに相当する教職員 調整額を支給する事を定めた法律。
 1971年に制定。教員給与特別措置法
*この原稿は、「新かながわ」第2452号(6月3日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒221-0822
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      TEL.045(334)7867
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「手を結ぶための、私たちの訴え」第408回配信  2018年6月4日 日本機関紙協会神奈川県本部

めざしたい「人権の世紀」実現

 「21世紀を人権の世紀に」という趣旨の呼びかけを、この 「配信」で書いたことがあります。20世紀は「戦争の世紀」 ともいわれました。戦争は人間が起こしますが、人権をいち ばん壊す行いが戦争です。働く人たちや社会的な弱者を苦し める、人権より利益を優先する大企業やブラック企業も同様 の役目をしているといえます。  「人権」ということばは、「人が生まれながらに持っている 権利」で現代国家の基本原理です。平和のなかで皆がそれぞ れの人生を生きられる権利を基本にして、平等権、自由権、 参政権などの社会権も含まれます。
 過労死を生み出すような「働き方改革」も、医療や福祉を 減らし軍事費を増やし続ける安倍政治も、人権を無視し、軽 視する政策です。人権を尊重する政治を実現するためには、 いのちも含めて人の人生を壊す戦争につながる政治を変える 必要があります。集めた税金は、人権を壊す軍事費などでは  なく、国民の福利のために使う政治が憲法の基本です。
 今回の「配信」でも、県政に向けた要求の実現の運動や、 憲法25条と生活保護、「原発と人権」などの視点からの訴え などを紹介しています。人権を尊重し保障する21世紀の社会 を実現する視点で、編集者の力を磨きましょう。

第408回配信 2018年6月4日 No.1526
神奈川県建設労連

労働者供給事業開始 協約に基づき労働

  働く仲間の処遇の改善へ切り札
「けんせつ通信」から

 5月1日付で神奈川県建設労働組合連合会が、厚生労働省 より、労働組合が行う建設業の「労働者供給事業」の認可を 受けました。1月の横浜建設一般労組、4月の神奈川土建一 般労組に続くもので、建設労働者の処遇改善に大きな力を発 揮するものと期待されます。労働者供給事業は、労働組合等 が厚生労働大臣の許可を受け、無料で行う事業です。認可を 受けた労働組合と建築事業者との間で「労働協約」を結び、 労働者として事業者に送り出す事業です。

労働協約で 公正な労働条件の実現へ
 職業安定法では、労働者供給と、供給をうけた労働を禁止し ていますが、厚生労働大臣に許可された労働組合には認められ ています。これは強制労働や支配関係を利用した賃金の中間 搾取を排除し、憲法に定められた労働者の基本的人権を尊重 しつつ、産業に必要な労働力を充足し、経済及び社会の発展 に寄与することを趣旨に職安法で定められています。
 全国建設労働組合総連合(全建総連)は、すでに東日本大 震災、熊本地震等における木造応急仮設住宅の設置工事等で 大きな実績を上げており、首都圏でも千葉土建や埼玉土建が 地元業者との供給事業を実施しています。

労働組合だから 認められる事業
 人材派遣は、かつて「人入れ稼業」と言われ、主に暴力団 の資金源となっていました。この制度を禁止し、中小零細事 業の人材確保等の配慮を含めて、労働者の処遇改善を目的と する労働組合について、その民主的な力を発揮することの役 割で、労働者供給事業を認めました。
 これまで「応援」「手間の貸し借り」という慣習的な建設業 のやり取りは当事者間での請負的就労が一般的でしたが、労 働者供給事業は労働者の賃金の中間搾取を廃し、あくまで公 正な労働基準を実現することができます。労働者の個別の賃 金引上げ、労働条件の改善に向けて労働組合が労働協約をも って直接関与する仕組みとなります。

建設業の担い手つくる新たな前進を  建設技能労働者が、他産業との比較においても「その社会 的役割に相応しい」処遇の実現のために、建設キャリアアッ プシステムと労働者供給事業の一体的運用により、新たな前 進を切り開いていくことが求められ、2020年問題を乗り 越えるための最大の課題となっています。
県内団体・企業も期待
 供給事業に歓迎の声

 事業認可を受け、建設業団体や企業等を訪問し、労働者供 給事業の認可取得と事業の説明を行い、意見交換の場を持ち ました。
 神奈川県建設業協会、横浜建設業協会などの業界団体、白 井組(中区)や松尾工務店(鶴見区)などの県内大手企業の ほか、神奈川県労政福祉課も訪問しました。
 懇談では、横浜建設業協会から「労働者供給事業について の説明会を6月の理事会で実施してほしい」と要望も出され ました。住宅情報館からは「ただちに基本契約を結びたい」 と事業への期待が寄せられました。
 神奈川県連としての初の事例となる「労働協約」は青木工 務店(大和市)と取り交わし、横浜市青葉区の現場に大工2 人を供給する予定です。
*この原稿は、神奈川県建設労働組合連合会の機関紙「けんせつ通信」第687号(6月1日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
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第408回配信 2018年6月4日 No.1527
市民運動から

県政要求実現を迫ろう

県民連絡会が第44回総会
  
「神奈川県職労連」から

 5月21日、「県民要求を実現し、県政の革新を推進する連 絡会」第44回定期総会が、開港記念会館で30団体を超える参 加で開催されました。
 神田事務局長による活動経過および会計報告、監査報告の 提案・確認のあと、運動方針、予算、役員などの議案が提案 されました。
 対県交渉について、要求は6月30日をめどに集約する、7 月29日、30日の夏季討論集会で要求を練り上げるなどの提案 がされ、地域における自治体要求運動との連携と他の県民要 求団体との共同の取り組み、そして新たな協同を広げる取り 組みを重視することが呼びかけられました。
 討論では、10団体から次のような質問や意見が出されまし た。「昨年の組織再編に関わって議会陳情を5団体が行った。 5人の口頭陳述が認められるなど議会としても関心の高いも のだったと思う。また運動した分野で不十分さはあるが予算 を獲得している。県民連絡会として情報提供と運動の呼びか けを迅速にお願いしたい」。「女性分野の要求は局をまたぐ、 全庁的なものが多い。政策の推進のために独自の調査・研究 をお願いしたいところだが、これは女性分野だけのものでは なく全体にそうした傾向にあると思う。県民の意見を聞く場・ 調査を進めるようにしていきたい」。「要求運動を進めていく うえで、運動している市民団体と手を携えてやっていくこと、 ウィングを広げることが大切」。また、協同を広げる方向で 「申し合わせ事項、会の名称」の改定を議論していくことも 確認されました。
 最後に県社会保障推進協議会の根本事務局長から、「小田原 市の生活保護ジャンパー事件から1年の間に、小田原では生 活保護のしおりに憲法25条が位置付けられ、これが県内自治 体に広がりつつある。市民の声が自治体を動かしてきた。市 民の運動で市町村から県に広げる運動が求められている。こ うした視点で県民運動を進めよう」と呼びかけが行われました。
*この原稿は、神奈川県職員労働組合総連合に機関紙「神奈川県職労連」vol. 1843(6月1日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒231-8588
     横浜市中区日本大通り1 本庁舎6階
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      FAX.045(212)3178

第408回配信 2018年6月4日 No.1528
横浜市「生活保護のしおり」を改善へ

「受給」を「利用」に改めます

―生健会の要請に回答―
神奈川県生活と健康を守る会 常任委員 宿沢 勇さん

横浜市は、生活保護制度を紹介する「生活保護のしおり」 について、誤解を生む表記を改善する考えを示しました。 「生活と健康を守る会横浜市協議会」と市の意見交換の 懇談会で、市側が答えたものです。

申請抑制の表記を見直し
 生活保護法は、第1条で、「日本国憲法、第25条に規定す る理念に基づき、国が生活に困窮するすべての国民に対し、 その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の 生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的と する」と定めています。
 しかし、市のしおりは、1条にふれず、「親、子、兄弟姉妹 などから、援助を受けられるときは、まずその援助を受けて」 「あなたの世帯にある資産、土地、家屋、自動車などで、保 有が認められないものは、売却などの処分をして、生活費に あてていただきます」などとなっています。
 昨年12月の市議会では、日本共産党の北谷まり市議が一般 質問で取り上げ、「扶養義務は要件ではないことを、しおりに 明記するよう改めるべき」「自宅等を処分しなければ、生活保 護の申請ができないかのような誤解を受ける表記は改めるべ き」と要望。林文子市長は「誤解されることのないように、 よりていねいな記載を検討」と答弁しました。
 生活と健康を守る会は今年3月12日、しおりが制度の申請 を抑制するような表記になっているとして、改善を求める要 望書などを林文子市長あてに提出しました。
 4月13日には、要望書への回答と意見交換の懇談会が行わ れ、生活と健康を守る会からは横浜関係の県役員や港南、西 など8つの区の役員など24人が参加。市側は、健康福祉局生 活支援課の鈴木茂久課長ら4人が対応しました。懇談会には、 共産党市議団の白井まさ子副団長、北谷市議が同席しました。

憲法25条の生存権を明記
 生活と健康を守る会は、「生活保護制度の利用を検討してい る人に制度の内容が間違って伝わる」として、表現を改善す るよう求めました。
 鈴木課長は、「現在、しおりの見直しを進めています。その 際、小田原市の『保護のしおり』を参考にしています」と答 えました。
 小田原市のしおりは、生活保護担当職員が「HOGO NAMEN NA」(保護なめんな)「悪」という不適切なジャンパーを長年、 着用していた問題を受け、市が昨年、第三者による検討委員 会を開き、抜本的に改善しています。

 課長は「憲法25条を明記する」と回答。これは、県下の多く の自治体のしおりには、憲法25条の生存権という記載がない だけに重要な変化です。
 また、横浜市のしおりは、生活保護制度を利用している人 を「受けている方」「受給中」などと表記しています。生活と 健康を守る会は、利用者が「国から施しを受けている」とい ったイメージを与えかねないと指摘。生活保護制度は、生存権 に基づく国民の権利であり、表記を「利用している方」「利用中」 に変更するよう求めました。
 鈴木課長が「受給」を「利用」に改めていくと答えると、 参加者から驚きの声があがり、拍手がわきました。「利用者」 との表記は、小田原市が全国にさきがけて取り入れたもので、 横浜市が続いて決断したことは重要です。
 生活保護利用世帯は、全県で約12万1000世帯。そのう ち横浜市は5万4000世帯と約45%を占めます。6月に予 定されている政令市横浜の「しおり」の改定は、全県にとど まらず、全国的にも大きな影響を及ぼすものと注目されます。
*この原稿は、「新かながわ」第2450号(5月20日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒221-0822
     横浜市神奈川区西神奈川1-18-12
      TEL.045(334)7867
      FAX.045(334)7868

        第408回配信 2018年6月4日 No.1529
「第4回『原発と人権』全国研究・
市民交流集会inふくしま」

参加と寄金のお願い

日本ジャーナリスト会議
  日本民主法律家協会 丸山重威さん

「『原発と人権』全国研究・市民交流集会in福島」へのお誘 いと、クラウド・ファンディングへのご協力のお願いです。  日本民主法律家協会とジャーナリスト会議は、福島大学で 行われてきた『原発と人権』の研究集会にともに参加してき ました。今回はこれまで同様に福島大学で、夏休みの7月2 8日(土)、29日(日)の両日、開催することになりました。 (*案内チラシは、別ファイルに添付しています)
 原発事故から丸7年を経ても、壊れた原子炉の内部は、人 間が近づけば、数分で死んでしまうという強い放射能で、ロ ボットやカメラも十分使えないほど。収束には見通しが立た ない状況が続いています。現場から離れた地域の住民には、 地域によって帰還が呼びかけられていますが、地域の空き地 には、放射性廃棄物を詰め込んだ、フレコンパックと言われ る黒い袋が並べられたまま。地域の住民帰還率は、平均して も15%程度。住民たちは、帰りたくても帰れない状況が続い ているのです。
 こうした中で研究集会は、これまで同様、全体集会と分科 で構成します。7年間を経て、原発についての政策転換がい よいよ迫られている、という問題意識もあり、記念講演には 高橋哲哉東大教授にお願いしました。分科会では、①福島第 一原発の後始末と脱原子力社会への転換、②原発災害と政策 転換、③核兵器と原発、④原発事故賠償の課題と展望、⑤原 発政策の転換とメディアを論じることにしています。集会後 のオプションツァーも計画されています。
 下記のおさそい、申込書などをご参照の上、ぜひご参加い ただきたいと思います。
 genpatsu-jinken.net/09event/index.html(クリック)

 併せて、もう一つ、この集会の費用を賄い、運動を広げて いくため、実行委員会では、クラウド・ファンディングを実 施しています。私もこういう資金集めに参加するのは初めて ですが、ぜひ、一口乗っていただきたいと思います。
 下記のアドレスを開きますと、コースが記載されています。 ここで参加の意思を表明いただくと、このファンド作りが「成 立」した場合、登録したカードから引き落としがされます。 (目標額に届かず、成立しないときは、引き落としはされません)
 https://readyfor.jp/projects/gi4(クリック)

 原発の問題は、事故を忘れる前に、こんなことが2度と起き ないよう、原発依存をやめ、原発のない国づくりへと一歩 進めていかなければいけないと思います。しかし、現実には、 福島の被災者を置き去りにしたまま、問題は「風化」してし まっています。こうした状況を少しでも変えるために、ぜひ 、集会の成功とそのための寄金をお願いします。
*この訴えは6月3日に受信し、丸山さんの了解を得て配信しています。
 丸山さんは、機関紙協会神奈川県本部の顧問でもありますので、連絡は機関紙協会神奈川県本部にお願いします。

第408回配信 2018年6月4日 No.1530
埼玉からみる「基地と平和」

横田基地にCV22オスプレイ配備
輸送拠点が特殊作戦の展開拠点に…?

埼玉県平和委員会事務局長 二橋元長さん

 埼玉に隣接する東京の横田基地は、これまでハワイやアラ スカ、グアムなどを結ぶ米軍の航空輸送の拠点基地でした。  ところが、昨年5月1日には無人偵察機RQ4グローバルホ ークが、5月26日には在韓米軍のA10攻撃機サンダーボルト やF16戦闘機など、輸送機以外の軍用機が飛来。6月1日には 韓国空軍のKF16戦闘機6機が、空中給油支援に支障をきたし たとして横田に緊急着陸しています。
 RQ4グローバルホークは、「三沢基地の滑走路工事のため」と いって約半年間、横田に駐留しました。A10攻撃機やF16 は、ほぼ連日のように横田で離着陸を繰り返しました。朝早 く離陸して、夜着陸。その間に、夜違う機体が離陸し、昼間 帰ってくるなど、激しく飛び回っていたことが、横田周辺か らの情報で明らかになっています。その後、A10やF16も横 田を離れましたが、輸送の拠点だった同基地が、すっかり戦 闘機の中継基地になっていました。

 それに加えて、CV22オスプレイの配備です。  在日米軍は今年4月3日、空軍特殊作戦用CV22オスプレイ の配備を1年前倒しして、今年夏ごろにおこなうこと、その後 数年かけて10機のCV22と450人の人員を配備することを 突然発表。早くも4月5日には5機が横田に飛来しました。
 その後の報道によると、米軍は3月16日に日本政府に通報 したものの、日米両政府は3週間にわたって情報を隠ぺいし ていたことも明らかになりました。
 CV22は、敵地侵入、夜間強襲、暗殺、拉致などの特殊作戦 任務を持っているため、離着陸、編隊飛行、物料投下、リベ リング訓練などに加え、激しい夜間超低空飛行訓練などを必 須としています。「より過酷な条件下で訓練活動を実施」する ので、海兵隊用オスプレイよりも、さらに事故率が高いこと を防衛省も認めています。
 オスプレイは、昨年3月の日米共同訓練「フォレストライ ト」や、今年1月の訓練では、埼玉県内の30市町の上空を勝 手気ままに飛び回り、「目的外訓練」をおこなっていたことが、 埼玉県平和委員会の調査で明らかになっています。
 CV22オスプレイが横田に配備されれば、横田が特殊作戦の 展開拠点となり、人口が密集する東京や埼玉上空の飛行が常 態化します。直下にくらす市民のいのち・安全を脅かすうえ、 知らないうちに埼玉上空が「敵地侵入」の訓練場にされてし まいます。見過ごすことはできません。
*この原稿は、日本機関紙協会埼玉県本部の機関誌「SAITAMAねっとわーく」No。397(6月1日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒330-0063
     さいたま市浦和区高砂2-3-10 黒澤ビル3階
      TEL.048(825)7535


「手を結ぶための、私たちの訴え」第407回配信
2018年5月28日日本機関紙協会神奈川県本部

確かめあいたい「9条のすそ野」

 日本機関紙協会が発行する月刊誌「機関紙と宣伝」の6月 号は、「5・3憲法集会」(東京有明臨界公園)での10人の訴 えの要旨を紹介しています。その中で「9条の枠を外したら 軍事費は野放図に拡大し、社会保障などにお金が回らなくな る」という見出しでジャーナリストの竹信三恵子さんの発言 も紹介しています。(10人の発言要旨も掲載しています)
 竹信さんは、憲法9条は「本当はものすごく幅広いすそ野 を持っている」として、日本の過去の戦争の軍事費が国家予 算の64~85.3%だった事実を指摘。「9条の歯止めがあり」、 生存権25条、男女平等24条、勤労権27条、労働三権の28 条が定められ、「国民生活を守るために戦争をしてはいけな いのです」とも。戦争をしない国は学費を安く、まともな 育が受けられ、若者の貧困対策や子育て支援に税金が使え ると。
 いのちと暮らしを守り、国民が希望と喜びをもって人生を 生きられるようにするために、憲法9条をはじめ今の憲法の 価値をいろいろな角度から語り確かめ合いましょう。竹信さ んのいう9条の「幅広いすそ野」を集団の知恵にするために。  読者にちかい編集者は、読者のことばやセンス、名前や顔 も借りながら、こうした角度から機関紙・宣伝の企画を考え たいものです。平和を考える夏も近づいています。

第407回配信 2018年5月28日 No.1521
基地情報

静かで、安心な空を!

神奈川県平和委員会 基地対策委員 菅沼幹夫さん

 4月3日、米軍は「CV-22オスプレイは今後数年間にわた り計10機を横田基地(東京)に配備する」と発表しました。 同日、オスプレイを積んだとみられる大型の貨物船グリーン・ レイクが横浜ノースドックに接岸し、翌日横田に最初の5機 が配備されました。神奈川県平和委員会は、他団体に呼びか け、共同して4月5日早朝、ノースドックに置かれているオ スプレイの横田への飛行、配備にただちに抗議しました。

日本の航空法では飛行できない軍用機
 オスプレイは、米連邦航空局の耐空証明(安全基準の適合 証明)がなく、エンジン停止時の自動回転(オートローテー ション)機能を事実上持たない、日本の航空法では飛行して はならない軍用機です。沖縄・普天間基地に配備された米海 兵隊のMV22オスプレイは、墜落、緊急着陸、部品落下事故 率は増加し、海兵隊航空機の平均事故率を上回っています。
 今回、横田基地に配備された米空軍CV-22は、特殊作戦任 務を持ち、無法な敵地侵入、夜間強襲、暗殺、拉致などの任務 遂行のために激しい夜間超低空飛行訓練などを必須とする危険 な軍用機です。事故率も高く、2017年海兵隊航空機全体の 事故率が2005年以来過去の4.4ですが、CV-22は7. 21(防衛省発表2014年)とずば抜けています。
 米国防省発表の米軍航空機の2011年~2017年まで の事故は、7年間で7,590件、年間1,084件、1日 3件の事故です。しかも13年以降増え続けています。
 頻繁に繰り返す事故に関し、米国防省のマッケンジー統合 参謀本部事務局長(中将)は4月の定例会見で、事故が続い た現状は「正常でない」とし、死者が出たことに哀悼の意を表 しつつ」「複雑な構造の航空機飛行では事故はいつでも起こり 得る」とし、墜落事故は「必然的に発生する」という認識を示し ましました。(2018年4月7日「琉球新報」)

「ここは軍隊だ」
 この記事を読んで筆者は8年前の厚木基地周辺での落下物 事故を思い出しました。
 事故は2010年1月28日午後2時過ぎごろ、綾瀬市大上 4丁目の住宅に、上空を飛んでいた米海軍戦闘攻撃機FA18E スーパーホーネットからパイプ状の金属製部品が落下しまし た。落下物は2階建ての住宅の屋根の雨どいを突き破り、工 事用のガラスを直撃し、破損しました。作業中の人にあと1 メートルずれていたら直撃するという事故でした。
 ただちに抗議に行きました。その時の厚木基地渉外部長の ことばが今でも頭から離れません。彼は「安全管理に何時間 もかけていたら戦争できない。ここは(厚木基地)軍隊だ」 と平然と開き直ったのです。「安全よりも任務優先」、この発 想が軍隊組織の根底にあり、事故の再発にもつながります。
 4月10日には、東京羽村市の公立中学校(横田基地に近接) のテニスコートに、幅3メートルのパラシュートが落下。午 後4時ころでは生徒が部活動などしている時間帯。たまたま けが人は出なかったが、大事故になる可能性がありました。
 オスプレイのような頻繁に事故を起こす欠陥機が、住宅密 集地やコンビナートの集中している市街地や臨海部を飛行す ることは危険極まりないものです。まして首都東京の人口密 集地のど真ん中にある横田基地に配備し日常的に運用するこ とは、首都圏に生活するすべての市民の平和的生存権を脅か すものです。
*この原稿は、神奈川県平和委員会の機関紙「平和新聞」神奈川県版111号(5月15日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
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第407回配信 2018年5月28日 No.1522

「賃上げが好循環築く」と日本医師会会長

「神奈川県保険医新聞」から

 今年4月から、生活に必要な光熱費の他、ビールやコーヒ ーなどが値上がりしている。原油高などの影響で電気・ガス 料金は累月値上がりし、人手不足などを理由にヤマト運輸や 郵便局などの配送料金も高くなっている。医療関連では、入 院中の食費が100円高の460円、居住費が170円高の 370円となった。それに比べ今回の診療報酬は実質マイナ ス1.25%となった。
 健康保険料や年金保険料は年々上がる一方、会社員の給与 は据え置かれ、国民の負担率は増すばかりである。さらに来 年10月には消費税が10%に上がるという。国民の生活がます ます厳しくなるなか、医療や介護の一部負担額を増やせば、 国民が健康を保てなくなるであろう。高齢化で医療や介護の ニーズが増すことは当然であり、決して無駄な支出がある訳 ではない。負担の少ない国民皆保険が早期の受診を促し、疾 病の重症化を防いできた。
 日本医師会の横倉会長が言う、「400兆円超といわれる企 業の内部留保を社員の給与に還元することが重要であり、賃 金上昇をもたらすことが公費や保険料の増額につながり、医 療をはじめとする社会保障の充実、雇用創出、経済成長など の好循環を築く」という考えは当然である。今こそ企業は物 価上昇を越える給与アップをし、医療界には従業員の給与を 上げるべく大幅な診療報酬アップが必要である。  (F)
*この原稿は、神奈川県保険医協会の機関紙「神奈川県保険医新聞」第2055号(5月5・15日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
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第407回配信 2018年5月28日 No.1523 公務員の時間外労働

問いたい『臨時の必要』のコ

「神奈川県職労連」ラムから

 労働時間の上限は労働基準法(以下「労基法」)で1日8時 間、週40時間である。地方公務員も労基法の労働時間規制が 原則である。
 しかし労基法では別に33条で「公務のために臨時の必要が ある場合」の時間外労働を認めている。「臨時の必要」の判断 は使用者が行うとされており、公務員の労働時間規制の空洞化 に繋がっている。  但し「臨時の公
務」であっても労働組合と労基法36条によ る時間外労働の協定(「36協定」)をむすばなければ時間外労 働をさせることができない公務職場がある。土木建築や、動 植物の事業、教育研究などを行う職場である。
 「36協定」は時間外勤務を可能な限り減らす、働く者のい のちと健康を守る観点で結ばなければ、使用者にとって長時 間労働をさせるお墨付きと化してしまう。労働組合の力量が 問われている。
 なお「36協定」を締結しない公務職場であっても時間外労 働をさせる「臨時の必要」は何かを問うべきだ。ほとんどの 職場の超過勤務は「臨時の必要」ではなく恒常的な仕事のた めに行われているのが実情だからだ。「臨時の必要」でなけれ ば、時間外労働には「36協定」が必要になる。神奈川県職労 連では、すべての職場での36協定の締結を春闘要求書に掲げ ている。
 これまでの残業実態調査から見ても「業務改善」による長 時間労働の是正が限界なのは明らかだ。実効的な「働き方改 革」には人員増はもちろんのこと、これまで労働者が獲得し てきた労働法制による規制を公務職場に入れる必要があるの ではないか。
*この原稿は、神奈川県職員労働組合総連合の機関紙「神奈川県職労連」vol. 1842(5月15日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
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     横浜市中区日本大通り1 本庁舎6階
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☆参考「労働基準法」33条 (災害等による臨時の必要がある場合の時間外労働等)
 災害その他避けることのできない事由によって、臨時の必要 がある場合においては、使用者は、行政官庁の許可を受けて、 その必要の限度において第32条から前条まで若しくは第40 条の労働時間を延長し、又は第35条の休日に労働させること ができる。ただし、事態急迫のために行政官庁の許可を受け る暇がない場合においては、事後に遅滞なく届け出なければ ならない。
 ②前項但し書きの規定による届け出があった場合において、 行政官庁がその労働時間の延長又は休日の労働を不適当と認 めるときは、その後にその時間に相当する休憩または休日を 与えるべきことを、命ずることができる。
 ③公務のために臨時の必要がある場合においては、第1項の 規定にかかわらず、第8条第16号の事業に従事する国家公務員 及び地方公務員については、第32条から前条までもしくは第40 条の労働時間を延長し、又は第35条の休日に労働させることが できる。

第407回配信 2018年5月28日 No.1524

「男女差別」で意識改革の時代

「年金者しんぶん」神奈川県版コラムから

 20年前女性を接待の道具にした破廉恥な実態で、100人 以上の幹部を処分した当時の大蔵大臣や日銀総裁が引責辞任 するなど(の事件は)大蔵省の解体につながった。人格まで ゆがんだ体質を改善し、出直すことが財務省の出発点だった はず。
 森友問題の最中、事務次官による女性記者へのセクハラ事件。 麻生財務相は「(被害者)本人が出てこい」「次官に人権はない のか」と加害者を擁護する異常な人権感覚。これを首にできな い国民感覚からずれている総理。「すべての女性が働きやすい社 会になってほしい」と被害女性の勇気ある告発。二次被害の保 護対策が重要で、多くの被害者が「泣き寝入り」しないよう、 痛みへの社会的理解、認識が必要だ。
 昨年の内閣府の世論調査で、職場で差別待遇・セクハラ・DV・ 男女の役割分担意識の差別が上位を占めた。男女平等の理念 は日本国憲法に明記され、法制上も男女雇用機会均等法な どの原則が確立されているにもかかわらず、現実には遅れている。
 国連も日本政府に対し、男女差別の意識改革を積極的に推進 するよう要請している。世界的に広がっている「Me Too」セク ハラ告発運動とともに、疑惑にまみれ、統治能力喪失の安倍 内閣に強く抗議し総辞職に追い込もう。(妖光)
*この原稿は、全日本年金者組合神奈川県本部の機関紙「年金者しんぶん」神奈川県版第362号(5月15日付)から、編集部の了解を得て配信しています。

第407回配信 2018年5月28日 No.1525 韓国新聞の「編集権」事情

編集局長は「任命同意制」

「JCJ神奈川」のコラムから

 韓国メディアのたたかいは、めざましい。放送局MBCでは、 骨のある番組制作を行い李明博政権下で解雇されたプロデュ ーサーの崔承浩氏が、労組の長期ストの結果、昨年12月、MB Cの新しい社長になった。KBCでもストを経て、ことし社長の 交代が実現した。
 韓国のメディア界では、1987年以後に、社内民主化の 波が広がった。現在はどうなっているのか。今年2月に訪韓 し、新聞社を中心に調査した。社内民主主義は健在だった。 たとえば東亜日報。編集局長、出版局長は経営が任命するが、 記者の投票で過半数の信任が得られなければ、局長は交代と なる。こうした編集局長の「任命同意制」は、今も韓国の多 くの新聞社で制度化されている。ハンギョレ新聞では、社長 も全従業員の選挙で選ぶ。
 日本はどうか。敗戦直後に各新聞社で「重役公選」が実施 されたが、一度だけで終わり、今に至るまで資本・経営が編 集権を握っている。報道の自由・社内民主化を追求する韓国 の激動に、いま私たちは無関心にすぎないだろうか。(橙)
*この原稿は、日本ジャーナリスト会議神奈川支部の機関紙「JCJ神奈川」第56号(5月26日付)のコラム「伏流水」から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒101-0051 東京都千代田区神田神保町1-18-1
      TEL.03(3291)6475


「手を結ぶための、私たちの訴え」第406回配信
2018年5月21日日本機関紙協会神奈川県本部

読者を励ます機関紙の役目

 安倍首相の国政私物化が透けて見える森友・加計疑惑と公 文書改ざん、防衛省・自衛隊のイラク派遣部隊の日報隠しな どは解明されないままです。一方で、過労死が生まれても使 用者の責任を問いにくくする高度プロフェッショナル制度を 含む「働き方改革」は、申し訳程度の「修正」をし、自民・ 公明・維新・希望の議席の数で強引に成立をねらっています。
 国民いじめの悪政が進むことに「慣れっこ」にさせられ続 けている人たちは、悪政の実態を知ろうとしないで、政治に 距離を置いています。その原因の一つは、マスコミの多くが 大事なことを伝えるジャーナリズムの役目を果たしていない ことです。民主主義を支える努力をしている人たちの活動を、 きちんと伝えていないマスコミが多い実態もあります。
 目いっぱいに仕事で追われ、日々の生活の合間に休息の時 を求めることが精一杯の人たちも多い。こうした人たちに大 事なことを伝え、考えてもらうためには機関紙の役割が大き いです。機関紙はマスコミと違って、読者の人たちが分かり ます。読者によく分かるように伝える可能性を持っています。
 読者にいちばん大事なことを伝えて、考えてもらい、いっ しょに確かめあいながら力を合わせようと読者を励ます。機 関紙はこの役目に適した要素を持つ宣伝ツールです。

第406回配信 2018年5月21日 No.1516

見逃せない自衛官の暴言

ジャーナリズム研究者 丸山重威さん

 不祥事の中で見逃せないのは現職自衛官の国会議員への暴 言だ。4月16日の国会前、統幕勤務の三等空佐が小西洋之参 院議員を見つけ「お前は国民の敵だ」と暴言を浴びせかけた。  小野寺五典防衛相は国会で「大変不快な思いをさせてしま いおわび申し上げる」と陳謝したが、「若い隊員であり当然思 うことはあると思う」とし、さらに「自衛官にも憲法で保障 された内心の自由がある」と発言。結局、自衛官は「懲戒」 ではなく、内部規定による「訓戒」とされた。
 話を聞いて連想したのは、1933年(昭和8年)の「ゴ ーストップ事件」だ。同年6月大阪・天神橋で旧陸軍の一等 兵(22歳)が赤信号を無視して交差点を横断、曽根崎署の25 歳の巡査と論争した。兵隊は「軍人は憲兵には従うが、警官 の命令に服する義務はない」と抵抗、巡査と殴り合いになっ た。憲兵隊が駆けつけて収まったが、軍と内務省をまきこむ 論争に。軍は「天皇の軍隊を侮辱するのか」、警察も「天皇 の警察だ」。とうとう昭和天皇の耳に入り半年後、参謀長と警 察部長が和解した。
 犬養毅が殺された5・15事件の翌年、桐生悠々の批判で知 られた「関東防空大演習」の直前。ドイツはヒトラーが政権 を取り、国会議事堂の放火事件や焚書が行われたころ。軍が 大きな顔をし始め、次第に自由にものが言えなくなる時代。 歴史を繰り返させてはならない。
*この原稿は、5月17日に送られてきました。
丸山さんは、機関紙協会神奈川県本部の顧問でもありますので、連絡先は県本部まで。

第406回配信 2018年5月21日 No.1517
安保法制・違憲訴訟 口頭弁論

日本は武力不行使の立場維持して

原告・NGO理事 内海旬子さんの陳述 「新かながわ」から

 安保法制違憲訴訟の第6回口頭弁論が4月26日、横浜地裁 で開かれました。原告でNGO「地雷廃絶日本キャンペーン」理 事の内海旬子さんの意見陳述の要旨を紹介します。

戦争にかかわらない良い国
 私は94年から、内戦や戦争があった海外の国で、主に障が い者を支援するいくつかの団体で働いてきました。15年から 17年12月まで、日本イラク医療支援ネットワークに所属し、 ヨルダン国内に避難しているシリア難民の障がい者の支援を ヨルダンで行ってきました。現在は日本に帰国していますが、 5月にまた現地に行く予定です。
 ヨルダンでは、ヨルダン、シリア、イラク、パレスチナの 人と一緒に仕事をしましたが、彼らは一様に「日本は良い国 だ」と言ってくれます。それは原爆投下で壊滅的な被害を受 けたにもかかわらず驚異的な経済成長を遂げたこと、(憲法 で)戦争をしないことを約束し、実際に第二次世界大戦後 は戦争にかかわっていないことなどが理由となっています。  このような日本に対する印象が、所属する団体の活動を円 滑に進められる下地になっています。

NGOをまもるなんて、とんでもない
 14年7月に安倍内閣は、集団的自衛権行使を認める閣議決 定をし、その後、安保法案を提案しました。その際に安倍首 相は「NGOを守る」ことを提案の理由としてあげました。私 をはじめ多くのNGO、NPOの関係者は、とんでもない話だと 思いました。もしNGOなどの活動中に、自衛隊が武器を持っ て警護に来るようなことがあれば、それはかえって関係者を 危険にさらすことになるのです。
 私たちは、武器を持たずに紛争の犠牲者支援の活動をして います。現地の人たちもそれを知っているから、私たちを信 頼して活動を認めてくれるのです。もし何かあったら武力が 行使されるなどということになれば、現地の人と私たちの信 頼関係は崩れてしまい、活動はできなくなってしまいます。  また、もし私たちの安全が脅かされるような事態が発生し たとしても、自衛隊が武器を持ってやってきたら、私たち自 身がさらに危険な状況になることは目に見えています。  武力があれば私たちを救出できるなどということは、机上 の空論に過ぎないのです。
 多くのNGO,NPOの関係者が、安保法の成立のために安倍首 相に利用されたと感じ、非常に憤りを感じていました。そこ で私たちは「NGO非戦ネット」というネットワークを通じて 連携し、国会周辺のデモに参加するなどして、安保法制に反 対してきました。
 しかし、安保法制が成立してしまったいま、日本が「駆け けつ警護」や集団的自衛権の行使を理由に、紛争に武器を持 って参加するような事態になった場合、これまで築いてきた 「武力を使用しない」ことによる信頼が崩れて、現地で活動 する人々の安全が脅かされることが強く懸念されます。

紛争は武力で決できない
 シリアでの戦闘の状況を見ていると、紛争は武力によって 解決できないことを強く感じます。シリアの多くの一般市民 も、武器はいらないと心から思っています。
 平和憲法を守ってきた日本の立場は、平和の構築にあたっ て決して非現実的なあり方ではなかったと思います。  しかし、安保法成立後、日本は米艦防護や警戒監視中の米 艦船に対する給油などを実際に始めており、戦争に加担する 方向に進んでいるのは、決して国民を安全にすることでは ないと思います。
 私は、今後も海外に行きますが、自分の安全が守られるた めに一番大事なのは、日本が武力を行使しない国であるとい う立場をこれからも維持することです。
*この原稿は、「新かながわ」第2449号(5月13日付)から編集部の了解を得て配信しています。
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第406回配信 2018年5月21日 No.1518
神奈川労連労働相談センター

思いを共有する

神奈川労連労働相談センター 相談員 田代和夫さん

 株式会社の民間保育園で働く保育士からの相談。1日9 時間拘束・休憩1時間の勤務で、昨年8月から働きだした が、休憩時間は30分しか取れない。休憩を1時間取れるよう にしてほしいと何度訴えても改善がない。3月末で退職する が、休憩できなかった30分を残業代として認められないのか という相談。当然、働いた30分は時間外労働として計算し、 会社に文書で請求する。善処がない時は、労働基準監督署に 相談するようアドバイスした。
 先日、私が加盟する全国一般労働組合の組織拡大をめざす 集会で、休憩時間のことを訊ねてみた。同席した保育士から は、規定通りの休憩時間は取れないという。相談された人が、 アドバイスにもとづき行動し、残業代を獲得したが、保育士 として働く実態を知ってほしかったのかもしれない。
 次も、残業をめぐる問題での相談。原子力関係の仕事を十 数年間行っている人から、「深夜まで仕事をしている。残業時 間どおりの残業代が支払われていない」、「実際に働いた残業 時間に基づいて請求しても、支払額は上司の裁量で決まる」 という。会社に労働組合はあるが、相談しても動いてくれ ないという。これはまさしく『裁量労働制』の先取りでは ないか。
 2つの相談の職場には、「おかしい」と思っている仲間はた くさんいると思う。「おかしい」と感じている同じ立場の労 働者が、『思い』を共有し、改善にむけて労働組合作りに結 びつけばいいなと思う。
 当然、1つ目の相談者には、保育士を組織する労働組合の 存在を紹介した。
*この原稿は、神奈川県労働組合総連合の機関紙「神奈川の仲間」第332号(5月1日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
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     横浜市中区桜木町3-9-1 横浜平和と労働会館内
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第406回配信 2018年5月21日 No.1519
旧陸軍登戸研究所跡地を訪ねる

過ぎし日はこの丘にたちめぐり逢う

神奈川県職労連退職者こだま会 友井眞言さん

 「てく・テクの会」は3月29日、明治大学生田キャンパス にある旧陸軍登戸研究所跡地を訪ねました。参加者は初めて の参加4人を含めて20人でした。

電波兵器、スパイ機材、生物化学兵器
などの研究に1000人も

 小田急線の生田駅から10分ほど歩き、キャンパス内の弥心 神社に着き、そこで登戸研究所資料館・特別嘱託学芸員の椎名 真帆氏から概要説明がありました。
 同研究所は、陸軍が秘密戦である防諜、諜報(スパイ活動等)、 謀略(攪乱活動、暗殺等)、宣伝(人心誘導)のための電波兵 器、スパイ機材、生物化学兵器、偽札製造、風船爆弾などを 研究・開発するために1937(昭和12)年に設置し、最 盛期には総勢1000人の大規模なものでした。
 秘密戦の担い手は憲兵や陸軍中野学校の工作員等で、ここ で開発された兵器・資材は人道上・国際法上問題があるもの が多く、一般にはその存在が秘密で、戦後も公式の記録は残 されませんでした。

戦後数十年を経て跡碑を建立
 弥心神社境内には、元所員有志が1988年に建てた登 戸研究所跡碑があります。裏面には「すぎし日はこの丘に たちめぐり逢う」という句が刻まれ、秘密であった研究所 での生活が戦後数十年を経て再びこの丘に立ち、ようやく 話しあうことが許された、という万感の思いが込められて います。
 概要説明の後、実験動物慰霊碑や当時の消火栓や倉庫跡(通 称弾薬庫)を見学し、登戸研究所資料館で、組織の変遷、概 要、風船爆弾、生物毒物兵器、スパイ器材、中国紙幣偽造な どについて説明を受けました。
 風船爆弾は、約9300発が放球され、アメリカへの着弾 はおよそ10%の約1000発とされ、被害はアメリカで6人 が死亡、日本で放球時の事故で兵6人が死亡しています。偽 札は、中国経済の混乱を狙ったが、戦争により中国発行の紙 幣が膨大になり、偽札発行高は中国紙幣の1%未満で中国経 済に与える影響は小さかった。

理性を失い…
 戦争を始めることがいちばん無駄で愚かなことですが、そ れに伴って正常な理性を失い、さらに愚かなことを積み重ね てしまうのが戦争です。
 昨秋の、「てくテクの会」のバスツァーで行った松代大本営 も壮大な無駄でしたが、登戸研究所も、風船爆弾、電波兵器、 偽札製造など莫大な予算を使って、効果のない愚かな研究を したのではないかという感想を持ちました。
*この原稿は、神奈川県職労連退職者こだま会の機関紙「退職者こだま会報」第120号(5月15日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒231-8588
     横浜市中区日本大通り1(県庁本庁舎6階)
                 神奈川県職労連内
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      FAX.045(212)3178

第406回配信 2018年5月21日 No.1520

オナガの姿に勇気づけられ

「北央医療」のコラムから

 先日、オナガを見た。相模原市民桜まつりの帰り道、富士 見辺りの公園だ。瑠璃色とグレーの羽毛をまとい、黒い(実 際は濃紺らしい)ベレー帽をかぶり、体と同じぐらいの長さ のきれいな尾をもつおしゃれさん。 
 オナガはカラスの仲間で、とても頭が良い。群れで生息し、 集団で子育てをサポートしている。初めての親でも、安心し て子育てができるらしい。
 私たちヒトはどうだろう。「保育園落ちた日本死ね」という 書き込みが世間を騒がせたことは記憶に新しい。とても嘆か わしい話である。
 オナガは、70年代から80年代の10年間で西日本から姿を 消した。野鳥界のミステリーとされているが、ヒトの身勝手 で環境が変わってしまったことに由来するのは間違いない。
 ヒトは、集団になると、なぜ愚かになるのだろう。自然破壊 然り、戦争然り、社会的弱者の問題然り。私たち医療生協は、 平和で明るく、いつまでも安心して住み続けられるまちづくり をめざしている。春風そよぐ晴天を飛び交う、凛としたオナ ガの姿に、人のあり方を教えられ、勇気づけられる想いがした。(Y)
*この原稿は、神奈川北央医療生活協同組合の機関紙「北央医療」第374号(5月15日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
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「手を結ぶための、私たちの訴え」第404回配信
 2018年5月7日日本機関紙協会神奈川県本部

広めたい「大人の責任」

 「この子たちのこれから出あっていく社会はどうかと思う。 簡単に命を奪う事件が相次ぐし、政治の舞台では嘘・偽りが 横行する。言葉は綺麗でも、その裏で醜悪なことが行われて いる昨今。こんな事は一掃し、子どもたちが健やかに成長で きる社会にするのは私たち大人の責任だ」。
 今回の配信No.1510で紹介している「北央医療」のコラ ム「風」の結びの段落です。招かれた保育園の卒園式に続き、 在園中の体験や実績を子どもたちが披露。その後の感動の場 面から、「戦争法」反対で活躍された「ママさんたちのスロー ガンを思い出した」とし、それに続いた結びのコメントです。
 5月3日の憲法集会で、「安倍9条改憲NO! 憲法を生か す全国統一署名」が1350万を突破したと報告されました。 いま全国各地でさまざまな人たちが、知恵や力をしぼって、  「3000万署名」は進められています。署名で求める2 つの内容は、落ち着いて素直に考えてもらえれば、多くの人た ちに分かってもらえることです。
答弁を重ねる安倍政権の対応が原因です。嘘と偽りを「綺麗 な言葉」で繰り返していると、民主主義の土台がますます崩 れます。読者の人たちに「大人の責任を考えよう」と励ました い。   第404回配信 2018年5月7日 No.1505
『最賃裁判』報告集会

成果・教訓を学び、今後の闘いへ

「神奈川の仲間」から

 6年半にわたって闘ってきた「最低賃金裁判」の報告集会 を4月15日に開催し、約60人が参加しました。集会は、闘い を振り返り総括するとともに、今後の運動を考えていく目的で 行われました。

韓国では最賃16%アップ
 韓国の闘いに学ぼうと、韓国公営放送局ディレクターの梁 泰勲(ヤン・テフン)さんにメインの講演をしてもらいまし た。
 韓国の最低賃金は今年1月から、6470ウォン(約65 0円)から7530ウォン(約750円)へと16.4%も上昇 らの『中小企業つぶれる』攻撃」、「若者の実態と変化」、「韓 しました。最賃引上げ後の4か月間に起きている「保守層か 国政府の中小企業支援・若者雇用支援政策」について、映像 を交え、生々しい状況が報告されました。
 梁さんは、「これでもまだまだ不十分、ソウルではまともな 生活ができない水準で、もっと引き上げる必要がある。日本 円で1000円の水準をめざしているが、韓国に好影響を与 えるよう、日本でももっと最賃引上げに頑張ってほしい」と エールを送りました。

とりくみに確信
 続いて、「最賃裁判6年半 座談会」が行われ、原告や弁護 団、学者、労働組合役員が「裁判提起の動機、裁判準備の苦 労、労働運動の限界を突破する苦しみ、原告自身の思い、法 廷闘争のプロセスでの驚き・苦労・感動」などについて思う 存分語りました。
 「裁判を始めた当初は1000円ですら世論になっていな かった。今では1500円をめざす運動が当たり前になるま で前進してきた」など、それぞれから、最低賃金裁判を闘っ たことが、最賃引上げの原動力になってきたこと、原告が前 面に出る闘いによって世論や最賃審議会・裁判所に大きな影 響を与えたこと、など成果や教訓が語られ、とりくんだこと への確信を深めることができました。

「最高じゃん」
 集会の最後に、最低賃金1500円実現・最低賃金全国一 律制実現のための行動を企画・実行する組織として「神奈川 最賃アクション」を新たに立ち上げること、具体的行動とし て7月15日に『ダンプデモⅡ(案)』にとりくむこと、など が提起されました。今後、神奈川労連として具体化していく ことにしています。
 集会終了後、JR横浜駅近くの繁華街で宣伝を実施。大きな 横断幕が注目を集め、若者たちがチラシを受け取り「時給1 500円とか最高じゃん」と会話していました。
*この原稿は、神奈川県労働組合総連合の機関紙「神奈川の仲間」第332号(5月1日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
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   第404回配信 2018年5月7日 No.1506

安定雇用と均等待遇を自治体の非正規にも

県職労「臨任・非常勤のつどい」を開催
「神奈川県職労連」から

 4月21日、神奈川県職員労働組合(県職労)は2020年 度から施行される「会計年度任用職員制度」を前に、制度の 学習と要求集約のための「臨任・非常勤のつどい」を開催し ました。
 はじめに「自治体の非正規に安定雇用と均等待遇を」をテ ーマに自治労連弁護団の尾林弁護士が講演。尾林氏は、地方 公務員法・地方自治法の2017年改正は、特別職の任用厳 格化と「会計年度任用職員」の制度創設、期末手当支給だが 身分保障なしを主な内容とするもので、会計年度任用職員は ①競争試験または選考による採用、②任期は会計年度、③任 期更新は可、④期末手当の支給などの内容を解説しました。 その上で、現行の不安定雇用状態の打開と均等待遇の実現の ために、民間労働者の権利実現の例を引きながら運動の展望 を話しました。とくに公務員関係では労働契約法の適用除外 から雇用保障は勝ち取れなかった(中野区非常勤保育士事件) 事例がありつつも、最終的には運動と世論で職場復帰を勝ち取 ったことを紹介、安定雇用のための運動をすすめることの重 要性を強調しました。
 次に県職労としての「会計年度任用職員制度」導入に当 たっての課題と要求(案)を水戸川書記次長から提案しま した。
要求案の概要は次の通りです。  〇会計年度任用職員制度の導入を口実にした、雇い止め、 労働条件の不利益変更は行わないこと。
 〇再度の「任用」に際しては、前歴換算や昇給させる加算 方法について、常勤職員と均等待遇の原則に基づいた昇給制 度とすること。
 〇各種手当を支給すること。
 〇年次休暇、夏季休暇、療養休暇などの休暇制度について、 常勤職員と同様の制度とすること。
 〇退職金制度を創設すること。

 討論では次の意見・要望などが出されました。
 ◆非常勤の時間外手当が出されない。常勤のPC管理と同様 の時間管理が必要だ。
 ◆民間では無期転換の道が開かれたが、公務でもそうした 要求を掲げてはどうか。(→大いに掲げ運動していきたい)
 ◆非常勤で働いているが非常勤の年齢制限はあるのか。(→ 規則上はない。運用として非常勤の上限である65歳という運 用が一般的に行われているが、70歳でも働いている人がいる)
 ◆非正規労働者の増加した背景を見る必要がある。(→199 5年の経団連「21世紀の日本的経営」で主張された7割8 割の非正規労働者への転換を引き金に、人件費抑制のため派 遣法の改悪などもあり非正規労働者が増加した。いわば財界 と政府の政策的誘導による)
 ◆行政補助員・3年で切られる。働き続けたいと思ってい る。機会があればまた参加したい。
 ◆臨任。毎年年度末になると雇用不安に。3月10日ころま で次年度の話がない。空白期間がなくなるのは、本人にとっ ても職場にとってもよいことだ。
 ◆臨任の空白がなくなることで何がどう変わるか聞く場が ない。説明会を設けてもらうといい。

 最後に神田委員長から「臨任・非常勤の人は職場の中で雇 用不安など弱い立場。しかし常勤は3年で異動する。経験・ 知識を持っているのは非正規の皆さん。会計年度職員という 不安定雇用の中で人間らしい仕事はできない。正規・非正規 でともに公務の仕事を支えるために自らの働く条件の改善を 進めていこう。県職労として各支部段階でもこうしたつどい を開催していきたい」とまとめました。
*この原稿は、神奈川県職員労働組合総連合の機関紙「神奈川県職労連」vol. 1841(5月1日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
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第404回配信 2018年5月7日 No.1507
春の大手企業交渉

元請の責任で処遇改善はたせ

ゼネコン・住宅企業25社と一斉交渉
「けんせつ通信」から

 全国建設労働組合総連合(全建総連)関東協議会連絡会は、 4月19日、20日の2日間を中心に第67回大手企業交渉を実 施し、のべ700人を超える参加者が企業別の交渉にのぞみ、 ゼネコン・住宅企業25社へ現場労働者の賃金・単価の引上げ、 週休2日の元請け負担での実施、キャリアアップシステム活 用による処遇改善などを大手企業にせまりました。
 神奈川県からはのべ120人が参加。荒井賃金対策部長の 大林組をはじめ、6つの交渉団長を担い、企業交渉に大きな 役割を果たしました。
 20日、日本教育会館で行った全体集会で、神奈川土建の後 藤さんが現場からの実態報告を行いました。
プライドは捨てません
神奈川土建一般労組横浜緑支部 後藤満夫さん

 私は2次下請けとして野丁場で鉄筋工をしています。従業 員は3人、私を含め4人で現場に出ています。
 神奈川県では、鉄筋協会の基準で、昨年4月から1700 0円だった応援単価が3000円の社会保険料をプラスして 20000円となりました。川崎、横浜方面だけのようです が、現場の単価がほとんど上がっていないので、(他の事業所 から)応援をもらうには以前よりだいぶ出費が多くなってい ます。  私には2人の子どもがいます。高校1年生の息子が小3の ころ「中学校受験がしたい」と言ってきました。当時はまあ がんばれと軽く言っていましたが、成績が上がって私立の 中高一貫校に合格しました。職人の息子は親の収入が少な いから私立中学に通えないなんてぜったいあってはならない と、滞納なく親の役目を果たしてきました。
 最近の現場では、配筋検査の厳しさや施工難度により収入 も厳しくなってきました。週休2日制は、同時に単価の引き 上げを絶対条件で進めてほしいと願います。
 職人としてプライドは絶対に捨てません。私たち技能者が いなくて、日本の建築物はつくられません。本日も交渉をが んばります。
*この原稿は、神奈川県建設労働組合連合会の機関紙「けんせつ通信」第686号(5月1日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
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第404回配信 2018年5月7日 No.1508

ぜん息患者の医療費負担軽減を

横浜市議会が意見書採択
  全会一致・国へ提出

 
川崎公害根絶・市民連絡会 事務局長 昼間忠男さん

 横浜市議会はのほど、第1回定例会の本会議で、「ぜんそく患 者に対 する実態調査及び医療費助成に関する意見書」を全会一致で採 択し、国に提出しました。
 「横浜ぜんそく患者の救済をめざす会」などが要請し、議 員提案として出されたものです。
 同意見書は、「厚生労働省の発表による気管支ぜんそく患者 は全国に800万人いる」「ぜん息が国民の日常生活や社会生 活に及ぼす影響は深刻であり、安定した生活を継続するため には適切な医療を受け、ぜん息の重症化を防止していくことが重 要である」「患者の医療費負担は大きく、適切な医療を受けら れなければ重症化を招き、さらには死に至る危険性をはらん でいる」と指摘しています。
 その上で、「年々増加するぜんそく患者を救済するための対 応を国レベルで実施することは急務である」と訴え、国に「医 療費負担の軽減を図るため特段の措置を講じられるよう要望 する」としています。
 ぜんそく患者の全国組織である「全国公害患者の会連合会」 は現在、「大気汚染によるぜん息患者の医療費助成を求める署 名」運動を全国ですすめ、多くの国会議員の紹介・賛同のも とに議員立法による制度化をめざしています。
 地方自治体からの意見書は、昨年10月に埼玉県議会が全会 一致で採択して国に提出しました。環境省は「郊外指定地域」 以外の県からの意見書を、驚きをもって受け止めました。  370万人以上の市民が暮らす日本最大の政令指定都市・ 横浜市議会からの意見書が提出されたことは、これからの運 動に大きな影響を与えるものと考えられます。
*この原稿は、「新かながわ」第2448号(4月29日・5月6日合併号)から、編集部の了解を得て配信しています。
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第404回配信 2018年5月7日 No.1509
埼玉の基地と平和
横防衛医科大学校で、エボラ出血熱など

「1類感染症」への対応能力の強化が・・・

埼玉県平和委員会 事務局長 二橋元長さん

 所沢には、医師である自衛官(旧軍における軍医に相当) の養成などを目的とする防衛医科大学校があり、附属病院と 防衛医学研究センターがあります。
 2016年度防衛関係予算で、防衛医科大学校の「感染症 対処能力の向上」が打ち出され、18年度予算では、「感染症を 専門とする人材の育成」「人材育成先確保のための海外現地調 査」に加え、エボラ出血熱など感染力・重篤度・危険性がき わめて高い「1類感染症患者」の「診療体制整備のための施 設機材の整備」や、国外で感染症患者が発生したときの「輸 送に係る隔離装置の取得」などが計上されました。
 「1類感染症」とは「感染力・重篤度・危険性がきわめて 高く、早急な届け出が必要になる感染症」を指しており、エ ボラ出血熱・クリミア・コンゴ熱、疱瘡(ほうそう)、南米出 血熱、ペスト、マーブルグ病、ラッサ熱が、それにあたります。  それにしても、なぜいま防衛省・自衛隊は、「感染症対応」 に力を入れようとするのでしょうか…。
 この疑問に対し、防衛省の担当者は当時、「自衛隊を派遣し ている南スーダンでは、エボラ患者が発生している。PKO活 動を継続すれば感染の可能性がある。感染したら自衛隊中央 病院(世田谷区)に後送するが、防衛医大においても対応で きるようにしたい」と答えていました。日本共産党が国会審 議のなかで暴露した、河野統合幕僚長の「訪米報告書」にも、 米軍の高官らと会談した河野氏が、再三にわたってエボラ出 血熱への対応について発言したことが記されています。
 2016年3月29日に安保法制が施行されました。これに より、自衛隊員の海外派遣が増えることが予想されます。  派遣先によっては、南スーダンがそうであったように感染 症が心配される地域もあります。現地のようすが分かってい る場合は対応策がありますが、世界にはまだまだ未知のウイ ルスや病気が多いとされています。情報が不十分なために、 自衛隊員が得体のしれないウイルスに感染したり、未知の病 に冒される心配も増大します。
 結局のところ「感染症対処能力の向上」は、自衛隊の海外 展開と密接不可分のものと言わざるをえません。
 戦時中、満州(中国東北部)で、日本軍兵士の「安全」の ための防疫給水活動をおこなっていた731部隊が、一転し て細菌兵器などの研究に手を染めた歴史が想起されます。同じ 轍を踏ませてはなりません。
*この原稿は、日本機関紙協会埼玉県本部の機関誌「SAITAMAねっとわーく」No.396(5月1日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 330-0063さいたま市浦和区
      高砂2-3-10黒沢ビル3階
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第404回配信 2018年5月7日 No.1510 埼玉の基地と平和子どもたちが健やかに成長できる社会

つくるのは大人の責任

「北央医療」のコラム「風」

 三月の末、保育園の卒園式に招かれた。四月からは小学生 となる子どもたちが一人ひとり、大きく手を振って入場。日 頃は同世代の高齢者の中にいる私は数十年ぶりに小さな子に 接した。
 ひとりずつに証書が渡され園長などのお祝いの話を聞く。 式の後、体操、大縄跳び、ピアニカ演奏、歌など園で覚えた ことをみんなで披露する。背丈より高い板に飛びつき登り、 それを越える「板越え」では何回か失敗する子に皆から励ま しの声が上がる。歌も堂々として声は大きい。
 涙を抑えきれない保育士や父母も。最後に一人ずつ親にお 礼の「ありがとうカード」を渡して母親とハグする。その光 景に「誰の子どもも殺させない」という「戦争法」反対の運 動にあったママさんたちのスローガンを思い出した。
 この子たちのこれから出あっていく社会はどうかとも思う。 簡単に命を奪う事件が相次ぐし、政治の舞台では嘘・偽りが 横行する。言葉は綺麗でも、その裏で醜悪なことが行われて いる昨今。こんな事は一掃し、子どもたちが健やかに成長でき る社会にするのは私たち大人の責任だ。
*この原稿は、神奈川北央医療生活協同組合の機関紙「北央医療」第373号(4月15日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒252-0303
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「手を結ぶための、私たちの訴え」第403回配信
 2018年4月23日日本機関紙協会神奈川県本部

学びたい機関紙・広報紙の役割と価値

 機関紙コンクールに応募した編集部へのコメントで、機関 紙づくりの役割や価値について書くことがあります。先輩た ちから教わったことば、活動のなかで考えた教訓などを分か ってほしいという思いがあるからす。
 機関紙や広報紙を発行する組織にとって、機関紙をつくる 活動はその組織の活動の大切な一部です。組織が「したこと、 いましていること、これからしようとしていること」を伝え ることは基本です。学校の授業に例えると、「みんなで復習と 予習をする運動」です。一人の行動も代表の行動も、それが 伝えられて、みんなで確かめ合って運動を進めるための取り 組みです。機関紙を出すことは自立した組織の基本条件なの です。
 組織は目的に向かって方針を決めて活動します。その土台 には組合員や会員の現状があります。そこから発せられる
「声」
を知らせて確かめ合い、次の方針をつくる準備でもあります。 こうした機関紙や広報紙づくりの役割と価値を役員や編集者 がよく理解することが、編集技術以上に大切な時代です。
 49回目になる神奈川の機関紙・ミニコミ紙誌コンクールの 応募と審査への参加の呼びかけを始めます。6月には入門講 座も計画しています。発行された紙面を素材にして交流し、 学びあう取り組みです。ぜひ活用してください。

第403回配信 2018年4月23日 No.1500

いいのか 検証せず記録を隠す日本

ジャーナリズム研究者 丸山重威さん

 「『昭恵』は付き合った。しかし、騙されたので、関与では ない」「理事長とは親友だからよく会って、おごったりおごら れたりしている。だが、最後の認可まで学園のことは知らなか った」―そんな説明で、誰が納得するのだろうか。ウソ答弁と贈 収賄の「自白」だ。
 「そういえば決裁文書に『昭恵』が出てくる。ややこしい。 面倒のない文書に作り直せ」「愛媛陳情団との会合を認めると 『報告しなかったのか』と責められる。記憶になければ文句 はない。忘れよう」「自衛隊が行った所はとにかく『戦場』で はない。報告はとりあえず『ない』と答える。大臣をもたす には文書などないのが一番だ」―。これは本音。
 最初は「改憲隠しのネタ」くらいに思われていたかもしれ ない「モリトモ」事件で決裁文書の改ざんや、「首相案件」の 愛媛文書が飛び出し、防衛省でもPKOだけではなくイラク派 遣まで、隠匿文書が出てきた。安倍政権が都合の悪いことは 隠し、文書は勝手に改ざんしたりなくしたりする「独裁・嘘 っぱち政権」であることが、ますますはっきりした。
 問題の本質は、何を隠し、改ざんしたかだ。いろいろある が、一つだけ指摘しよう。イラクの日報は、現地が「戦場」 で、派遣は憲法と特措法違反であることを明らかにした。英 国では「大量破壊兵器」を口実にした米国の開戦理由の誤り とその支持が問題にされ、米国も大統領が謝った。率先して 開戦に賛成し、検証どころか記録を隠す日本。戦前の日本と どこが違うのか? これでいいのだろうか?
*この原稿は、4月21日に丸山さんから送られてきました。丸山さんは機関紙協会県本部の顧問でもありますので、連絡先は、県本部にお願いします。

第403回配信 2018年4月23日 No.1501 公務だからできる 住民との〝信頼〟関係が

暮らしやすいまちへ つながります

 
「横浜市従」から

―保健師・横山美里さんに聞く―
   戦時下、富国強兵政策のために誕生した「保健師」。強い兵 隊をつくるために始まった公衆衛生が、労働運動を通じて、 平和的生存権と健康権の保障を実現しています。働き方が多 様化する中、子育てに悩む親は多くいます。その拠り所とな るのが自治体労働者としての保健師です。その仕事は、地域 住民の命と健康を守るだけでなく、まちづくりにも繋がって います。

出産育児を通じ、労働運動が果たす
役割の重要さを再認識

 「入退院を繰り返しながら何年も闘病する祖母に寄り添う ことしかできず、もどかしかったんです。そのときに〝病気 になる前に何かできないか〟と思い、予防活動のできる保健 師を志しました」
 保健師の仕事は、母子訪問や地域の育児教室、虐待予防活 動など幅広く、地域住民の健康と暮らしを守ることです。  「保健師って、すごく息が長く、地域と密着している仕事 なんです。母子訪問で初めて赤ちゃんと出会い、乳幼児健診 や小学校でも会ったりして。先日、『ここの家庭が心配だ』と いう話が会議で出たとき、責任職が『そのお婆ちゃんが小さ い時から知っているよ』ということもありました」
 公務労働の保健師を選択したのは、生存権の保障を必要と するすべての市民に寄り添いたかったからです。
 「公務労働の保健師の家庭訪問は法律のもとに、こちらか ら住民に会いに行くことができます。民間の保健師にはそれ ができません。自分が病気だと気がついていない人、子育て に困っていないからと、子どもの発達がゆっくりなことに気 がついていない人。気がつかないうちに不健康や孤立、貧困 に向かってしまっている人など、自分から『困った』『助けて ほしい』と言えない人もいます」
 住民と信頼関係を構築するところから関り、一緒に子ども の成長を見守る中から『困ったね』などのニーズを引き出し、 支援できるのが保健師です。
 「住民一人ひとりと丁寧に関わっていく積み重ねが〝まち づくり〟につながります。その〝まちづくり〟は、私たち公 務員にしかできないし、それがやりがいです。住民と私、住 民と住民、ときには地域を越えた人と人とのつながりをつく ることで、住民が暮らしやすい〝まち〟に近づいていけると 思います」

寄り添い 見守る 親子の成長
 「『保育園に入れない』と焦って電話をしてきた母親。でも よく話を聞くと、子どもに障害があり、発達支援やサービス を受けながら成長していく方がいいケースもありました。そ ういうときは足繁く家に通い、『本当はどういった生活がした のか』というところから寄り添います。配偶者の収入がも っとあれば、離職をして育児に専念するという選択もあるが、 激務なのに収入が少ない。子どもの未来が見えず、辛い。な ど、いろいろな話が出てきます。『このサービスを利用できる ので、こういった手当てが受けられますよ』など、ケースワ ーカーを紹介し、サービスを調整して生活を整える。また、 子どもの障害を受け止めきれない両親の気持ちに寄り添い、 子どもへの関り方を伝え、障害児と母のグループを紹介し仲 間を作れるようにしたり、子どもと親の成長をずっと見守っ ていきます」

「保健師だから」できること実感
 自身の出産、育児を通して、母親としての喜びとともに、 孤独や不安を実感し、改めて住民が自分に伝えた言葉の意味 がわかったと言います。
 「自分の保健師としての限界がよく分かりました。家族に しかできないこともあり、保健師だからできることがある。 その線引きが自分の中にできました」
 また、育児休業制度の利用を通して、労働運動の重要さを 再認識しました。
 「職場のアルバイトが元市の職員で、育休がない時代に出 産・子育てをした先輩がいます。その人たちが組合に結集し て交渉を重ねたから、今の制度があるんだと思うと、ただた だ感謝です」

住民や先輩から学ぶことがたくさんあります
 「赤ちゃんが生まれてすぐは母親じゃないとできないこと もあります。授乳などの育児もそうですが、子どもが初めて 社会性を身につけるのは母親との関りからです。そして育児 に奮闘する母親を父親に支えてほしいんです。そんな毎日か ら、赤ちゃんも母も父も少しずつ成長できると思います。私 も娘と一緒に成長し、(職場)復帰できました。そういった保 障が制度としてあることは本当にありがたいことです。復帰 後も職場の仲間が娘の成長を見守り、私を支えてくれ、感謝 しています。

 新人へのメッセージを訊ねました。
「住民や先輩の活動など、いろんな人生からいっぱい学ぶ ことがあります。一緒に経験して、たくさん学ぶ。私もまだ まだ勉強中です。一緒に学んで、がんばりましょう」(取材・瀧谷歩)
                           
*この原稿は、横浜市従業員労働組合の機関紙「横浜市従」第1504号(4月15日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
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第403回配信 2018年4月23日 No.1502
【基地情報】 横須賀への原子力潜水艦寄港と非核三原則  2018年NPR(米・核態勢の見直し)で

核持ち込みの「常態化」!?

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神奈川県平和委員会基地対策委員 菅沼幹夫さん

 横須賀市ウェブホームページの「原子力艦船クラス別寄港 状況」で水上艦船と潜水艦の横須賀への入港状況を一覧表で 見ることができる。
 今回は「潜水艦」に焦点を当て、今年2月に発表された米 核戦略の基本方針「核態勢の見直し」(NPR:Nuclear Posture Review)との関係で、原潜の横須賀寄港がどのようになるか 検討したい。
 横須賀を「非核三原則」との関係で歴史的に振り返ると1 991年米ブッシュ大統領は「核兵器削減」について次のよ うに演説した。
 「米国の水上艦艇及び潜水艦の核弾頭型トマホーク巡航ミ サイル、それに空母搭載の核爆弾をすべて撤去する」「これら の地上配備及び海上配備の核弾頭の多くは、解体され、破壊 される。残りの核弾頭は、主要地点(複数)に安全に保管し、 将来の危機において必要となれば使えるようにしておく」と 表明した。翌1992年、核トマホークの撤去が完了したこ とを米国は声明した。そのことは2010年「核態勢の見直 し」(NPR)でも明記されたが、核トマホークの撤去に関して 日本政府は猛烈に反対したことが明らかにされている。
(注;2010年のNPRの下敷きとされている「米国戦略態 勢委員会」最終報告書(2009年5月)や最近では、今年 3月4日「赤旗」、3月6日「琉球新報」など、いま改めて国 会でも問題になっている)
 いずれにしても現時点では、「公式」には「非核三原則」が 守られ、横須賀には、「核兵器の持ち込みはない」と、政府は 主張している。米国は核兵器の存在を「肯定も否定もしない。  トマホーク1基あたり7発を装備、最大で計154発と大量のト マホークを搭載可能となっている。もっとも核ミサイルの発 射を主任務とする「オハイオ級戦略型原潜」は、隠密性が高 く、ホームポート以外に姿を見せることはほとんどないと 言われているが、START II条約で核弾頭が制限され、20 01年に米海軍はオハイオ級の1番艦から4番艦までを戦略 任務から外し、巡航ミサイル艦に改造した。そのオハイオ級 原潜の横須賀への入港が最近増えている。
(横須賀市ホームページ)

 そこで、今年2月に発表された2018年米「核態勢の見 直し」(NPR)では「2010年 NPRにおいて、米国は従来 型の核装備 SLCM(海洋発射巡航ミサイル)の退役を発表し たが、これは何十年間も抑止と、とくにアジアにおける同盟 国への保証に貢献した。我々は、近代的SLCMの迅速な開発 のための選択肢の分析につながる能力研究の開始により、こ の能力を回復する努力を即時開始する」とした。つまり退役 させた核トマホークをバージョンアップさせて再開発し、と くにアジアの核拡大抑止力として配備することを「即時開始」 するとの宣言をした。
 「ロイター」紙は昨年9月6日、北朝鮮の核保有が現実味 を帯びる中、日本で非核三原則の見直し論がにわかに高まっ てきたとして、次のような記事を発信した。
 「石破元防衛相は『米国の核で守ってもらうと言いながら、 日本国内に置かないというのは、議論として本当に正しいの か』などと発言し、非核三原則の見直し論を提起した。日本 の安全保障政策に携わる関係者の一人は、非核三原則を見直 し、核兵器を搭載した米軍の原子力潜水艦を日本に配備すれ ば済むと指摘する。『そろそろ非核三原則は二原則にするべ きだ』と、同関係者は話す」としている。
 すでに、核搭載可能で核爆撃を任務に持つ戦略爆撃機B5 2などが日本周辺空域で、自衛隊との共同訓練を盛んに行って いる。いま、空も海も「核持ち込み」が公然と踏みにじられ ようとしていることに、平和委員会は強く警鐘を鳴らさなけ ればならないと思う。
*この原稿は、神奈川県平和委員会の機関紙「平和新聞」神奈川県版110号(4月15日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒231-0064
     横浜市中区野毛町2-6 大沢屋ビル4A
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第403回配信 2018年4月23日 No.1503

ナショナリズムは感情論

l
「新かながわ」コラム「各駅停車」から

 文部科学省が、自民党議員の照会に応じて前川喜平前事務 次官を招いた名古屋市立中学校での授業に介入した。
 自民党議員が介入したこの問題。日本共産党の畑野君枝衆 院議員の追求に文科省は、政治家の照会で個別の教育内容に 問い合わせた前例を示すことができなかった。質問メールの 表現について「全体的に圧力を与えかねない」と認めたもの の、名古屋市教育委員会には謝罪していない。
 教科書問題での講演後、高嶋伸欣・琉球大学名誉教授は「日 本は12歳のままですね」と日本の民主主義について、連合国軍 司令官ダグラス・マッカーサーの言葉を引用。さらに、「もっ と幼いかもしれません。12歳なら別の立場の人も踏まえた相 対的な認識ができる」「安倍さんはこの国をナショナリズムに 引きずり込んでいる。ナショナリズムは感情論。好きか嫌いか、 敵か味方かの二元論です。自分中心で別の立場を考えない。 そうした安倍さんの態度に多くの人が同調してしまっている」 とも語った。
 民進党の混乱に国民が嫌気を感じ衆院選で3分の2以上の 議席を占め、一強を自負する安倍政権の閣僚や官僚、自民党 の議員が何でもできると勘違いした表われの奢(おごり)。こ んな政権運営は終わらせなければならない。
*この原稿は、「新かながわ」第2447号(4月15日付)から編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒231-0037
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第403回配信 2018年4月23日 No.1504

黒字リストラ、退職強要、パワハラ

l l日立製作所を社員が提訴 横浜地裁
「新かながわ」から

 電機大手・日立製作所戸塚事務所(横浜市)で働く管理職 の50代男性が、退職強要、パワハラ、不当査定を受けたとし て4月4日、同社を相手に損害賠償を求めて横浜地裁に提訴 しました。裁判では、大きな黒字であってもリストラを行う 日立製作所の姿勢が問われます。
 「会社は退職強要の事実を認めず、仕事を取り上げました。 評価は不当に下げられ、賃金、賞与が減額されてしまった。 どうしても看過できない」
 提訴後の記者会見で、男性は、こう訴えました。
 男性は、16年8月から上司による面談を6回も受けました。 面談で、部長は「仕事をやりたいなら、今の課長から仕事を奪 え」「課長職の仕事ぶりではない。若手、新人クラスだ」「日 立にこだわっているから答えがないのだ。制約を外せ」「制約 を外すまで面談は続ける」と言いました。
 男性は個人加盟の労働組合「電機・情報ユニオン」に加入。 部長による退職強要の面談は止まりました。しかし、今度は パワーハラスメントが行われるようになりました。
 さらに、賞与や給与査定で、従来に比べて明らかに低い評価 を受けました。
 同ユニオンは、団体交渉でパワハラをやめるように求めま したが、会社側は本人同士の問題だとしてパワハラも認めて いません。
 藤田温久弁護士は「男性が組合に加入したことで退職勧奨 はいったん止まりました。しかし、今度は差別を行うことで 辞めさせようとしている」と批判。
 男性は、「こういうひどい扱いを受けている方はきっと他に もいる。そういう事例を水面下で見えない形にしておくのは 良くない。苦汁の決断で提訴しました」と述べました。
 日立製作所は17年9月期に、3032憶円の営業利益を得 ました。内部留保は、毎年積み増しして、同年3月期に3兆 円を超えています。その一方で大量の人員削減を進めてきま した。
 高橋宏弁護士は、電機リストラが38万人にたっしているこ とにふれ、「法的には、会社がもたないときに解雇が認められ ます。しかし、今は企業がもっと大きな利益がほしいからと 言って辞めさせられています。こんなことが横行して良いの か」と訴えました。
*この原稿は、No.1503と同じ「新かながわ」第2447号(4月15日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
   連絡先も同じです。


「手を結ぶための、私たちの訴え」第402回配信
 2018年4月16日2 日本機関紙協会神奈川県本部

働く人どうしの関係も労働条件

 労働契約法第18条で、同じ使用者との間で通算5年を超え て有期労働契約で働いてきた場合は、無期雇用労働契約に転 換することができるようになりました。多くの非正規労働者 の希望である「雇用の安定」を目的にした条文です。
 しかし、無期雇用への転換に財界や経営者の執拗な抵抗が 続いています。労働者が人間として働き続けるためには、ま ともな雇用関係が結ばれていることが必要です。労働者一人 が経営者と対等な立場で働く契約を結ぶことは簡単ではあり ません。権力も資金力もある経営者が、都合の良いように労 働者を働かせたい動機があるからです。この動機は、安倍政 権が成立をねらう「働き方改革」にも共通していますが、肝 心なのは「人として働き続ける労働条件」の整備です。
 ふだんはバラバラな場所で働いていても、担当する職種が 違っていても、労働者は労働組合に加入して力を合わせて人 として働く条件を守り発展させたいものです。その土台にな るのは働く人どうしの絆です。労働組合が団体交渉で取り上 げ、無期雇用への転換を実現した例も生まれています。
みんなが無期雇用の職場にすれば、職場の人間関係の条件 も良くなります。働く人どうしの人間関係は、賃金 や労 働時間などと同じように大切な労働条件の一つです。

第402回配信 2018年4月16日 No.1495
NPO法人ワーカーズネット
かわさき副理事長 弁護士 川岸卓哉さん

 長時間労働の是正など日本人の働き方が昨今真剣に見直さ れています。しかし、過労、パワハラなど、仕事の現場での 問題が後を絶ちません。川崎で地域密着の労働相談に取り組 んでいるNPO法人ワーカーズネットかわさきのメンバーが、 6回にわたって相談事例から問題解決の実例について報告し ます。

長時間労働、パワハラの末にうつ病発症
 「過労社会」と言われる日本では、多くの職場で長時間労 働がまん延しています。さらに、働く人を使いつぶすような パワハラも横行し、メンタル疾患になる労働者はどの職場で も珍しいことではありません。最悪の場合、過労死・過労自 殺に追い込まれる方もいます。
 相談に来た50代男性Aさんは、会社で長時間労働に従事し ていたところ、会社から「お前は会社にとって不要な人間だ。 自主退職しない場合は降格する」と言われましたが、退職を 拒否したところ、会社は、降格や退職強要を繰り返した結果、 うつ病を発症し、休職に追い込まれました。
 このような相談の場合、まずは、労働基準監督署に対して、 労災申請をすることを検討します。過労メンタル疾患でまず 重要なのは、残業時間です。残業時間が月80時間を超える場 合には、労災申請が認められやすくなります。会社の出退勤 記録が不正確な場合、職場最寄りの駅の改札の入退出記録な どの証拠を取り寄せ立証します。
 加えて、退職強要などのパワハラも、精神的負荷の要素と して、総合判断されます。パワハラの事実は会社は否定する ことが常で、録音やメモを残しておくことが大切です。Aさん の場合は、パワハラ発言はメンタルクリニックのカルテに残 されており、証拠とすることができ、無事、労災認定され、 休業補償が支給されました。
 さらにAさんのケースでは、会社に対して慰謝料請求の訴 訟を起こしました。その結果、Aさんに会社が慰謝料の支払い を認める和解ができました。労働問題は、働く人ならだれで も起こる可能性があります。Aさんのような解決の事例を学 び、き寝入りをしない勇気を持ってください。
≪NPO法人ワーカーズネットかわさき:大学教授、弁護士、労 働組合員や市民が立ち上げた、川崎地域密着労働ネットワー ク。代表理事・兵頭淳史専修大学教授。毎月の街頭での労働 相談や、ワークルール教育、政策提言活動などを行っていま す≫
*この原稿は、川崎医療生活協同組合の機関紙「川崎医療生協」第620号(4月1日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒201-0804
      川崎市川崎区藤崎4-21-2
      TEL.044(270)5881

 第402回配信 2018年4月16日 No.1496

日産の不当労働行為を
認める画期的な命令

  ~日産/派遣・期間工労働者解雇争議
「神奈川の仲間」から

 08年秋からの世界的不況の際、多くの派遣労働者や期間工 労働者が解雇され、東京のど真ん中に「派遣村」ができて大 きな社会問題になりました。

ゴーンの号令でクビ
 日産自動車と日産車体においても、解雇の必要性がなかっ たにもかかわらず、カルロス・ゴーンCEOの号令で多くの労 働者が解雇されました。5人の仲間が雇用の確保を求めた裁 判所での判断は、地裁・高裁・最高裁ともいずれも極めて不 当なものでした。原告らはあきらめずに争議を解決するため、 会社に団体交渉に応じるように求めましたが、拒否または不 誠実な対応であったため、不当労働行為として神奈川県労 働委員会に救済を求めて申し立てを行いました。

雇用主と同視できる
 2月27日に命令が出され、日産自動車の不当労働行為を認 める画期的な内容でした。
 日産自動車はこれまで、原告のうち2人の派遣労働者につ いて「雇用関係にないので団交に応じない」としてきました。
 命令は、日産自動車が事前面接で派遣労働者を選定してい た違法行為を認定。雇い止めについても専ら日産自動車に派 遣するために派遣会社に採用されたのであるから、派遣契約 が終了した場合には、派遣会社が期間満了とともに雇い止め することは不可避的な帰結であると指摘しました。
 そのうえで、日産が事実上、雇用主と部分的とはいえ同視 できる程度に現実的かつ具体的に支配・決定していたと判断 し、「紛争を解決できる当事者」だとして誠実な交渉を促して います。
 また、日産自動車において、派遣と期間工の「地位のキャ ッチボール」をされながら働いてきた原告についての団交の 対応は、「裁判の内容を熟知しておらず日産自動車の主張を説 明できない者を団体交渉の担当者として出席させた」と認め、 不誠実な団交であると厳しく断罪しました。

壁を突き破った
 派遣労働者の闘いは、全国で数多く取り組まれていますが、 形式的に「雇用者でない」ことが壁になり、派遣先企業の責 任を免罪する状況が続いていました。
 今回の命令は、この壁を破り団体交渉に応じることを命じ たもので、日産争議だけでなく派遣労働者の雇用や権利を守 ることにつながる、貴重な成果といえます。
 残念ながら、日産車体については労働組合の主張は認めら れませんでした。そして、日産自動車は命令を無視するかの ように、命令後に「団体交渉を行うよう」に求めた労働組合 の要請に対し、これを拒否する不誠実な対応を繰り返しています。
 しかし、当事者や支援組織では、あきらめずに宣伝行動な どの取り組みを強化しながら、命令を最大限に活かして早期 解決を実現できるようめざしています。
*この原稿は、神奈川県労働組合総連合の機関紙「神奈川の仲間」第331号(4月1日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 231-0062 横浜市中区桜木町3-9
     横浜平和と労働会館内
      TEL.045(212)5855
      FAX.045(212)5745

第402回配信 2018年4月16日 No.1497

まちづくりと健康づくり

〝持続可能な〟―横福協のエコ活動―
環境保全とまちづくり

「暮らしとからだ」から

 今年度の「暮らしとからだ」は「安心して住み続けられる まちづくり、健康づくりをみんなで進めよう!」をテーマに 連載していきます。国連で採択された国際社会共通目標「SDG s(エスディージーズ)」(*)を推進していく立場から、当 法人の環境保全や健康・福祉増進の取り組みを紹介します。
第1弾は、当法人のエコ活動の話題です。

年26%の節電目標
 汐田総合病院は昨年秋から工事をはじめ、病院本館のほぼ すべての照明をLED化しました。あわせて空調システムをす べて入れ替え、省エネ・節電に努めています。12月にはほぼ 工事を終え、年間で約26%の節電をめざして取り組んでいま す。
 地球規模でみれば小さな取り組みですが、こうした「コツ コツ」とした取り組みが地球温暖化を防いでいくことにつな がります。

太陽光発電所を設置
 法人全体としてもエコ活動を進め、うしおだ診療所屋上を 無償提供して、太陽光発電所の設置に協力しました。発電さ れた電気は、NPO法人原発ゼロ市民共同かわさき発電所を通 じて一般活用されています。
 災害発生などの緊急時には、うしおだ診療所でも活用され ます。
 発電所で作られる電力は家庭用エアコン15台分ほどに匹敵 し、自然エネルギーによる地産地消・地域分散型の発電の普 及に貢献しました。二酸化炭素の排出削減では、40本の木を 植えたのと同様の効果があります。国連で採択された国際社 会共同目標「SDGs」にも呼応する取り組みです。
(*)「SDGs」:Sustainable Development Goals(持続可能な開 発目標)。貧困に終止符を打ち、地球を保護し、すべての人が 平和と豊かさを享受できるための普遍的な行動を呼びかける。
国連で採択された「SDGsエスディージーエス」17の目標

, 目標1:あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ
目標2:飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態
の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する
目標3:あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保 し、福祉を増進する
目標4:すべての人々に包括的かつ公平で質の高い教育を提 供し、生涯学習の機会を促進する
目標5:ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児の エンパワーメントを図る
目標6:すべての人々に水と衛生へのアクセスと持続可能 な管理を確保する
目標7:すべての人々に手ごろで信頼でき、持続可能かつ近 代的なエネルギーへのアクセスを確保する
目標8:すべての人々のための持続的、包括的かつ持続可能 な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセント・ワーク を推進する
目標9:レジリエントなインフラを整備し、包括的で持続可 能な産業化を推進するとともに、イノベーションの拡大を図 る
目標10:国内および国家間の不平等を是正する
目標11:都市と人間の居住地を包括的、安全、レジリエント かつ持続可能にする
目標12:持続可能な消費と生産のパターンを確保する
目標13:気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を 取る
目標14:海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、 持続可能な形で利用する
目標15:陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推 進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻 止および逆転、ならびに生物多様性損出の阻止を図る
目標16:持続可能な開発に向けて平和で包括的な社会を推進 し、すべての人々に司法へのアクセスを提供するとともに、 あらゆるレベルにおいて効果的で責任ある包括的な制度を構 築する
目標17:持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グロー バル・パートナーシップを活性化する


   *この原稿は、よこはま健康友の会の機関紙「暮らしとからだ」No.650(4月1日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 「暮らしとからだ」社
      〒230-0001
      横浜市鶴見区矢向1-6-20
              汐田病院新館1階
        TEL.045(947)3260
        FAX.045(574)3260

                  第402回配信 2018年4月16日 No.1498

オスプレイの横田配備に抗議 神奈川の労組や平和団体

フォトグラファー 亀井正樹さん

 米空軍の新型輸送機CV22オスプレイ5機が4月5日、東京・ 横田基地に配備された。
 同3日、神奈川県・横浜市の米軍施設ノース・ドックに陸 揚げされると、労組や平和団体などの約80人が「危険なオス プレイの横田配備反対」とシュプレヒコールを上げて抗議。 神奈川県医労連の柏木哲哉さん(37)は「戦争へつながる道 を許さない」と訴えた。
 米側は3月の段階で前倒し配備を日本側に伝えたが、政府は 地元自治体などに18日間伏せていたことから情報隠しの疑い も指摘されている。

高い事故率
 オスプレイは開発当初から事故が多発している。海兵隊の MV22が一昨年、沖縄県名護市沖で墜落、今年2月にも部品の 脱落事故を起こしている。米側の公表では、海兵隊仕様で10 万飛行時間当たりの事故率は3・24件(海兵隊機全体の事故 率2・72件)。横田に配備される空軍仕様は4・05件と高い。
 日米地位協定により、安全基準にも日本の航空法が適用され ない治外法権の扱いだ。
  市民団体が昨年、横田基地周辺で行った調査によれば、 85%がオスプレイ配備に不安を訴えている。
 今回配備される空軍仕様は特殊作戦を前提とし、夜間・低 空の訓練を周辺空域で行うことが考えられる。騒音など住民 生活に配慮する合意が日米で結ばれているが、沖縄では守ら れていない。
*7この原稿は、「連合通信」隔日版No.9301(4月10日付)から、編集部と筆者の了解を得て配信しています。
 亀井正樹さんは、機関紙協会神奈川県本部の理事でもありますので、連絡この配信の連絡先にお願いします。

第402回配信 2018年4月16日 No.1499
神奈川労連労働相談

無期雇用転換の相談

 神奈川労連労働相談センター 相談員 石川要二郎さん

 大手学習塾の非常勤講師を12年も続けているという労働者 から相談がありました。
 2月中旬に本部から2人の幹部がやってきて退職するよう に迫られた。3つの原因をならべ1週間考えてみるように言 われたが、その言い方があまりにもひどくショックを受けて、 その後、有給休暇で休んでいるという。
 12年も問題なく働いてきたので全く納得がいかず、2人の 幹部の発言はパワハラにあたると思い、A4の用紙5枚に書い て直属の上司に渡した。上司の話によると2月の初めに本部 から非常勤講師についての聞き取りがあり、良いところを並 べると「良いところだけでなく不十分な点や欠点もあるだろ う」と言われ、やむなく何点か話をしたということであった。
 労働契約法18条による無期雇用転換の申し入れ権が発生す る前に、この大手塾では組織的に対象者を退職させようとし たことは明らかである。「同じように退職を迫られている非常 勤講師がいるのでは」と聞いてみたが、横の連絡はないので わからないという。
 この相談者の場合、直属の上司がすっかり責任を感じて 本部に交渉してくれており、ほぼ元の条件で働けるように なりそうだという。しかし、それでは将来的に考えても安 定しないし、ぜひ無期雇用を申し入れるように勧めた。
また今回はごたごたして申し込みができなかったとしても、 来年も申し込むことが可能なこと、申し込みを本部が拒否す ることはできないが、トラブルになった時は労基署ではなく 神奈川労働局に要請することなどを伝えた。
 慎重な相談者で塾の名前も氏名も教えてくれませんでした が、いま大きな話題になっている各大学だけでなく、他にも 多くの事例があるに違いない。
*この原稿は、神奈川県労働組合総連合の機関紙「神奈川の仲間」第331号(4月1日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
   連絡先は、No.1496と同じです。


「手を結ぶための、私たちの訴え」第401回配信
 2018年4月9日 日本機関紙協会神奈川県本部

「春の新聞週間」に考えました

 日本新聞協会は2003年、4月6日から1週間を「春の 新聞週間」としてキャンペーンなどをしています。学校や職 場の新年度が始まる時期の4月6日を「新聞をヨム日」とし、 新聞の購読をよびかけることが狙いのようです。
 6日付の「琉球新報」に、元毎日新聞大阪本社編集局長で 那覇市在住の藤原健さんが一文を寄せています。那覇市旭ヶ 丘公園の一角に「戦没者新聞人の碑」があることから書き 起こし、1931年の満州事変以後の沖縄の新聞の主な経過 をまとめ、当時の「新聞人」が果たせなかった使命などを解 説しています。結びの近くには「新聞は国家のためにあるの ではない。住民のためにある。苦い歴史の教訓は『任務』の 質を新聞人に突きつける」と書いています。
 「機関紙はなぜ新聞の形を採用したのか」と、私が悩み始 めたのは20年以上前だったでしょうか。記事の書き方やさま ざまな編集技術などを、制作過程も含めて学びながら考えて きました。「新聞の読み方」は説明書がない、という盲点にも 気づきました。新聞の読み方をつかんでその要点を知ること は、機関紙をつくる人にも読む人たちにも役に立ちます。
 新聞の形式には、読みやすく伝わりやすい教訓が詰まって いるからです。これは今の時代にも活用できる教訓です。

第401回配信 2018年4月9日 No.1489 賃金・労働条件、税・社会保障、平和etc.

要求の実現をめざし
2018年国民春闘

「神奈川の仲間」から

 大幅賃上げをはじめ、長時間労働の是正や諸手当など労働 条件の改善を求める18国民春闘が職場・地域で取り組まれて います。また、制度政策要求を掲げ、世論を喚起する集会な ども取り組まれました。

県民集会に1000人
 3月4日に県民集会を開催し、1000人の仲間が結集し ました。主催者として神奈川労連・福田議長は春闘勝利とと もに、憲法改悪を阻止することの重要性を強調。自由法曹団・ 田井弁護士から、裁量労働制の拡大を狙ったデータねつ造の 問題をはじめ、労働者の働き方を根底から破壊する『アベ働 き方改革』の欺瞞と、これを阻止するとりくみが話されました。
 7年前の福島原発事故の補償について裁判で闘っている神 奈川訴訟団の村田団長は、事故を風化させず、国と東電に責 任を果たさせることを強調しました。各組織の要求アピール では、賃上げ実現や最賃、年金、憲法、保育、組織拡大など が訴えられました。  集会後に横浜駅前
を通るコースでデモ行進。青年を中心と したサウンドカーが先頭となり、市民から大きな注目を集め ました。
 同日の午前中には、自交総連や港湾労組、建交労などが構 成する神奈川交運共闘が、自動車パレードを実施。タクシや ダンプ、トラッークなど44台80人が参加し、横浜市内中心 部を巡りました。

増税なんてとんでもない
 3月13日には、重税反対全国統一行動がとりくまれ、神奈 川労連としても春闘要求を持ちこんで参加しました。県内全 体では18か所の集会に約3500人が参加。
 それぞれの会場で要求や怒りを交流する集会を行い、各税 務署までのデモ行進を行いました。ちょうどその前日に、森 友学園疑惑での財務省による公文書改ざんを認める報道もあ ったことから、「庶民には重税で、首相・首相夫人のお友達に は8憶円の値引きなんて許せない」「消費税増税などとんでも ない」と訴えました。

ベースアップの回答
 各職場での春闘要求の提出、回答を受けての団体交渉も進め られています。
 春闘共闘全体では3月14日を回答指定日とし、翌15日を全 国統一行動に設定しました。JMITU・通信産業本部は、大儲 けをあげ利益を莫大にため込んでいながら、労働者の生活が 改善できないようなNTTの低額回答に抗議し、早朝からスト ライキに突入しました。30人以上が川崎事業所の門前に集ま り、出勤してくる労働者に回答結果と上積みを求めて闘うこ とを呼びかけるビラを配布。「NTTは大幅賃上げを行なえ」と シュプレヒコールをあげました。
 私たちの運動によって賃上げの世論が醸成されていること も活かして果敢に取り組んでいる職場もあります。  JMITUでは、アイエスビー支部がベア平均943円を含む 7077円を第1次回答として引き出し、3職場がすでに昨 年最終を上回る回答を得ています。
 化学一般では、東邦化学支部と新日本理化支部がベア回答 を引き出しています。全国一般NOK分会は3236円のベア を含め1万円超の回答となっています。

賃金格差の縮小へ
 ユーコープ労組では、パート労働者が強く求めてきた県ご との賃金格差を縮小させる方向への貴重な一歩となる成果を 勝ちとっています。
 ユーコープは神奈川と静岡、山梨の生協が5年前に合同し て新組織として発足しました。正規労働者については賃金・ 労働条件が統一されましたが、パート労働者の基本時給は県 ごとに格差が残され、最低賃金の引上げに伴って神奈川と静 岡、山梨との差が広がっていました。
 労働組合は、ユーコープ発足当初から「まったく同じ仕事 をしているのに、基本時給に差があるのは納得できない」と 要求し続け、昨年の秋闘でついに理事会から「これ以上、差 を広げない。縮小する方向で検討する」との回答を引き出し、 今春闘に臨みました。
 回答は、「神奈川30円、静岡・山梨は35円引き上げる」と いうものでした。貴重な成果を確信にするとともに、まだま だ100円以上の差がある状況について改善を求め続けて行 くことにしています。
*この原稿は、神奈川県労働組合総連合の機関紙「神奈川の仲間」第331号(4月1日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒232-0062横浜市中区桜木町3-9
      横浜平和と労働会館内
      TEL.045(212)5855
      FAX.045(212)5745

第401回配信 2018年4月9日 No.1490

問われる国家私物化への反撃

「神奈川の仲間」から

 3月27日の佐川前国税庁長官の証人喚問をライブで見た。 正直ショッキングな映像だった。決裁文書改ざんの経過につ いては一切語らず、安倍首相とその妻、官邸からの指示や圧 力は「一切なかった」と明言。腐敗した権力に徹底しておも ねる官僚の姿が天下にさらされ続ける異様なものだった。
 韓国の朴槿恵(パク・クネ)政権はその前の李明博(イ・ ミョンバク)政府から8年続いた保守政権だった。李明博政 権時代から反政府色のタレントをリストにして排除し、メデ ィアコントロールを徹底して行ってきた。NHKと同じように 韓国国営放送の経営者に政権側人物を送り込み、物言うジャ ーナリストを次々と排除してきた。
 森友疑惑発覚のスクープを昨年2月9日に報道した朝日新 聞を安倍首相、菅官房長官が目の敵にしてきたのは公然の事 実だった。今回、朝日による3月2日「財務省森友文書改ざ んスクープ」で、安倍政権は窮地に陥りつつある。
 韓国では今、国家を私物化した朴槿恵を追放し断罪。李明 博の裏金疑惑の捜査も進んでいる。韓国政治の変化を実現し た有名な「キャンドルデモ」は、人口約5千万人の韓国で最 大時200万人が零下16度の街頭に出てデモを行った。その きっかけは、朴槿恵を後ろで操っていた崔順実(チェ・スン シル)の娘が裏口入学した梨花女子大学の学生が始めたデ モだという。
 日本政治の最終的な変化をつくるのは国民の積年の怒りだ。 安倍政権5年の国家私物化に対する国民とメディアの反撃が 問われる。
*この原稿は、神奈川県労働組合総連合の機関紙「神奈川の仲間」第331号(4月1日付)の「労連コラム」から、編集部の了解を得て配信しています。
  連絡先は、No.1489と同じです。

第401回配信 2018年4月9日 No.1491

被告・国の上告に抗議する

  2018年3月30日
首都圏建設アスベスト訴訟統一本部

 3月14日の東京高裁第10民事部の判決は既報の通り、国に 8度の責任を断罪しただけでなく、一人親方・事業主に対し ても労働安全衛生法違反の国の責任を認める建設労働運動の 長い歴史の中でも画期的成果を生む判決となりました。判決 は一方で、建材製造企業の責任については不問に付し、原告 側に立証不可能な難題を押し付けるなどの弱点を持っています が、私たちは国が8度の敗訴を真摯に受け止め、原告側との 解決に向けた協議に入ることを、切望していました。
 しかし、国は理不尽にも3月27日に最高裁への上告手続き を行いました。原告団・弁護団・統一本部としても裁判対策 上、上告を同日に行いました。
 国の上告には一つの道理もありません。これ以上裁判を続 けても、国が勝訴する可能性はなく、ただいたずらに解決を 引き延ばすだけです。引き延ばしにより、すでに原告308 人(被災者単位)のうち76%に当たる234人がなくなって いる深刻な現状を放置、悪化させ、ただ自らの責任をできる だけ小さくしたいという国、行政庁の無責任さが際立つばか りです。私たちは、国の上告に対し、強い抗議の意思を表明 します。
 同時に国は、3月29日に大阪高裁から和解勧告を受けたこ とを深刻に受け止めるべきです。和解勧告に当たって裁判所 は、裁判所は裁判が最高裁に移っても和解は可能であると国 に助言までし、和解に応じることを促しています。東京高裁 だけでなく、夏から秋にかけて大阪高裁の二つの判決でも国 は断罪されるでしょう。何度負けたら、国は建設アスベスト 被害の解決に乗り出すのか、大きな社会的批判にさらされる ことは確実です。
 私たちは、最高裁に向けてもしっかりとした準備を行い、 東京高裁判決の不十分性を克服する努力を弁護団とともに続 けます。これから判決を迎える東京第2陣や全国の判決で勝 ち続けるために全力を挙げます。同時に、建設アスベスト被 害者補償基金制度の創設による全面的、全国的な解決を図る 運動に精力的に取り組んでいきます。
 国は、判決で敗訴を重ねている現状、原告のまさに待った なしの状況、大阪高裁からの和解勧告などを正面から受け止 め、私たちとの解決に向けた協議にただちに入ることを強く 要望します。
*この原稿は、首都圏建設アスベスト訴訟を支援する神奈川の会から送られてきた文書です。
    連絡先 〒221-0045
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        神奈川県建設労働組合連合会内
         TEL.045(453)9806
         FAX.045(453)9807

第401回配信 2018年4月9日 No.1492

ヘリ空母は「9条2項」違反

「新かながわ」から

 「北朝鮮の脅威」をあおり、軍拡をもくろみ、ミサイル飛 翔と称してJアラートによる避難訓練までさせる安倍政権は、 自衛隊を憲法に書き込む改憲を狙っている。
 そうした中、海上自衛隊所有のヘリ空母(護衛艦)「いずも」・ 「かが」(248㍍)、「ひゅうが」・「いせ」(196㍍)に垂直 離着陸機ステルス戦闘機F35Bの積載配備を調査していること 日本共産党の小池晃参院議員の質問に防衛大臣は否定しなかった。
 ジェット戦闘機の発進離艦距離は100㍍、着艦距離は2 00㍍。ヘリ空母というものの248㍍の甲板を持つ、「いず も」と「かが」は、カタパルトを装備すれば立派な空母とな りうる。垂直離着のできるF35Bなら、十分すぎる甲板の長さ である。

オスプレイの発着艦訓練は実施済み。
 88年、当時防衛庁長官は「憲法第九条第二項で我が国が保 持することが禁じられている戦力」について「攻撃型空母を 自衛隊が保持することは許されず」と説明した。もし「いず も」や「ひゅうが」がF35Bを搭載して空母となった場合には整 合性を問われる。
 横浜のIHIで建造され、「いずも」の進水式に際して中国と 韓国のメディアは「準空母の登場」、「日本の右傾化の象徴」 と批判的に取り上げた。ちなみに「いずも」を含めた第1護 衛隊指令は女性が務めている。
*この原稿は、「新かながわ」第2446号(4月8日付)から編集部の了解を得て配信しています。
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第401回配信 2018年4月9日 No.1493
シリーズ「安倍9条改憲NO!」
すすむ米軍・自衛隊の一体化(2)

 

殴り込み部隊がモデル
日本版「海兵隊」が発足

 安倍首相が狙う改憲。国のあり方を根本からひっくり返し、 立憲主義の破壊が目的。「安倍改憲NO!3000万署名」推進 をテーマにシリーズを掲載します。
―「けんせつ通信」―
神奈川県平和委員会 鈴木和弘さん

 日米軍事一体化は、戦争法施行以前から日米ガイドライン や物品役務相互提供協定などによって実施され、「安全保障関 連法」によって法的な裏付けができたといえるであろう。こ の戦争法によって、日米軍事一体化はさらに進められること だろう。
 自衛隊には米軍のような「海兵隊」はない。しかし、陸上自 衛隊の西部方面隊を中心にした自衛隊の海兵隊化が進められて いる。

上陸作戦を訓練
 すでに自衛隊では「島しょ防衛」の名のもとに「島しょ奪 還」作戦の訓練が米海兵隊とともに実施されている。
 2018年3月末を目途に、米海兵隊をモデルにした「水陸 機動団」の編成に向けて、「水陸機動教育隊」が2017年3 月27日に長崎県佐世保市の相浦駐屯地に発足した。
 機動団は日本版海兵隊ともいわれる性格で、相浦駐屯地に 団本部を置き、西部方面隊の普通科連隊を中心に3000人 規模で編成され、米海兵隊も使っている水陸両用戦闘車両 (AAV7)を配備する。「有事」には佐世保配備の輸送艦 「おおすみ」や「ひゅうが」(事実上の強襲揚陸艦)に載せ て目的地まで搬送し、上陸作戦に使用することになる。
 水陸機動団の編成前から陸上自衛隊の西部方面隊では、米 本国で米海兵隊とともに訓練を重ね、米海兵隊の上陸作戦の ノウハウを学んでいる。
 このように自衛隊では、事実上の海兵隊まで創設して日米 軍事一体化を推し進めている。
*この原稿は、神奈川県建設労働組合の機関紙「けんせつ通信」第685号(4月1日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
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第401回配信 2018年4月9日 No.1494

見つめたい 大都会に住む不自然

「神奈川県保険医新聞」から

 今年の冬は記録的な降雪に見舞われた。最近では気象的に 観測史上初などの言葉をよく耳にする。そして、大都会は自 然災害に弱いことを思い知らされることが多い。
 昔に比べて現代社会では、産業の発展により生活も仕事も 不自由なく営むことができる。人間の力はなんて凄いのだろ うと思う反面、よく考えてみると間の抜けた所を感じる部 もある。例えば、火事などの災害が生じた場合に逃げ場のな い高層ビル、大雪が降ったら身動きが取れなくなってしまう 自動車など。そして太陽の光を浴びたり土の上を歩いたり自 然の風を受ける権利などを奪われても、文句も言わずアスフ ァルトに固められた道を歩き、自然の光や風の届かない地下 にもぐり無機質なコンクリートの箱の中で仕事をしたり生活 したりしている。
 人には生きていくための大切な自然から与えられる恵みが あるはずだ。それは光あふれる太陽、清々しい空気、透き通 る水、緑あふれる野山、広い大空などである。大都会に住む 人は不自然な状態に違和感を持たなくなってしまっている。 人間は何かを作り出すたびに愚かになっているのではないだ ろうか。
 暮らしを楽にするため最新技術を駆使して作り出した物が 球温暖化を招き、それに引き起こされる異常気象が自分たち の首を絞めている。自分たちの姿を今一度立ち止まって見つ めたいものである。  (
*この原稿は、神奈川県保険医協会の機関紙「神奈川県保険医新聞」第2052号(4月5日付)のコラム「杏林往来」から、編集部の了解を得て配信しています。
  連絡先 〒221-0835
     横浜市神奈川区鶴屋町2-23-2
           TSプラザビルディング2階
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「手を結ぶための、私たちの訴え」第400回配信
2018年4月2日 日本機関紙協会神奈川県本部

読み込みたい労基法第1条

 会話や文章には、本来は主語があります。「私は」「〇〇さ んは」「国民は」などが主語です。安倍政権の「働き方改革」 の主語は何でしょう。残業代もつかず、財界のために長時間 働かせる制度は、労働者が願う「働き方」でしょうか。隠さ れている主語を表に出せば「財界が、労働者を安く働かせる 改革」となります。主語を隠す安倍政権の習性でしょうか。
 裁量労働制は切り離されましたが、「高度プロフェッショナ ル制度(高プロ制度)は残っています。過労死、過労自殺、 「ブラック」な働かせ方がまん延。「非正規労働者」という、 正常な雇用関係から外されている人たちも激増してきました。 労働者の将来を考えれば、このままでよい訳がありません。
 4月7日は、労働基準法が公布されて71年を迎えます。憲 法27条2項の規定にそってつくられた法律です。その第1条 の1項に同法の精神が書かれています。「労働条件は、労働者 が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきもの でなければならない」と書かれています。
 編集者のみなさんには、この法律の第1条から考えていた だきたい。暮らしも仕事も人付き合いも「生活」です。「人た るに値する生活を…必要を充たす」ということばを読みこみ、 めざすべき当たり前を多くの人たちと考えあいましょう。

第400回配信 2018年4月2日 No.1482
大井町 こどもの医療費 通院〝無料化〟

県内初!「高3」まで拡充の英断

  2019年度の実現めざす
 
「神奈川県保険医新聞」から

 大井町長は3月2日の施政方針で、通院・入院の小児医療 費助成制度について、対象を3学年引上げ、「高校3年生」ま での医療費を無料化することを表明。2019年度からの実 施を目指すとした。
 通院助成で高校生までを対象とする自治体は県内初。入院 でも清川村に次いで二番目の自治体となる。また、県内3分 の2の自治体が設けている「所得制限」についても導入しな い方針。
 今回の制度拡充では、対象を600人増の3000人、予 算を600万円増の7900万円と想定する。なお、町長は、 人口減が問題となる中で、「定住促進を図るための一助」とも している。
 一方、県内の助成基準は自治体間で格差が生じている。対 象学年に関してはこの間、市民の要請を受け、今年4月には 全自治体最低でも「小学6年」まで引き上がる。ただ、横浜 市、川崎市、茅ヶ崎市では新たな対象者には窓口での「一部 負担金」の徴収をセットで盛り込むという巧妙な手法がとら れており、相模原市でも同様の検討が進む。
 お財布を心配しない受診、早期受診による健全な発育―。 制度趣旨への立ち還りが求められる。
*この原稿は、神奈川県保険医協会の機関紙「神奈川県保険医新聞」第2051号(3月25日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒22TSプラザビルディング2階
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第400回配信 2018年4月2日 No.1483
土田康さんの『雑草のうた』

かん口令に立ち向かった
被爆者の叫び・祈り・誓い

「被爆者ニュース」のコラム「とに核一言」から

 昨年12月、ICANがノーベル平和賞を受賞した。核兵器廃 絶に向けた国際世論の前進と考えたい。
 折も折、1987年から4年間、当会
(神奈川県原爆被災 者の会)の会長だった土田康さんの『雑草のうた』を読み返 す機会があった。
 この『雑草のうた』は日本被団協(日本原水爆被害者団体 協議会)・当神奈川県原爆被災者の会の草創期に活躍された方 々の苦難の歴史を土田さんが紹介されたものだ。
 この中に紹介された被爆者は21名、その内存命者は3名。  土田さんは「被爆して40数年、箝口令(かんこうれい)の 最中にも毅然と立ち向かった被爆者の反核の叫び、それは世 界平和への祈りであると共に、再び被爆者をつくらせないと いう誓いのためでもあった。だが歳月はこれら貴重な証人達 を、高齢化という波で押し流した。限りある命の悲しさを最 近は特に感じる。あの人の活動も、あの人の苦しみも今多く の人に知ってもらいたい」。この時から30年、土田さんも亡 くなられた。
 実戦で使われた原爆で、世界でも特殊な人生を歩んだ被爆 者の核兵器廃絶にかけた歴史と、その中心となって反核運動 に掛けた日本被団協の心を、多くの人に伝え、核兵器廃絶の ために協力いただければ幸いと思う。活動の最中に無念の思 いを残して亡くなられた方々に、核兵器の全面廃絶の実現 を報告したい。その一念でこれからも活動を続ける。(Y・N)
*この原稿は、神奈川県原爆被災者の会・被爆者相談センターの機関紙「被爆者ニュース」第192号(3月25日付)から、編集部の了解を得て配信しています。ゴシックは原文のママです。
連絡先 〒221-0822
    横浜市神奈川区西神奈川1-8-13
   TEL.045(322)8689
     FAX.33045(322)8606

第400回配信 2018年4月2日 No.1484
神奈川県議会定数問題

「2増2減」で解消されない一票格差

 最大「3.07倍」 2倍以上27選挙区
日本ジャーナリスト会議
事務局次長 佐藤隆三さん

選挙区・定数 登録者数  議員1人当たり  愛川町・
    の登録者数     清川村比

座間市 1 109,377 109,377  3.07

海老名市1 108,458 108,458  3.05

横浜市瀬谷区1103,909 103,909 2.92

横浜市栄区1 103,061 103,061 2.90

南足柄市・足柄上1  92,087  92,087 2.59

横浜市港南区2 182,518  91,259 2.56

川崎市多摩区 2 175,739  87,870 2.47

横浜市保土ヶ谷区2 172,625  86,313 2.43

横浜市青葉区3 254,044  84,681 2.38

横浜市金沢区2 169,088  84,544 2.38

横浜市都筑区2 167,242  83,621 2.35

横浜市南区2 165,781  82,891 2.33

横浜市西区1  82,796  82,796 2.33

足柄下 1  39,617  39,617 1.11

三浦市 1  39,112  39,112 1.10

愛川町・清川村1  35,581  35,581 1.00

 神奈川県議会の議員定数等検討委員会は2月23日、来年4 月に行われる県議選の選挙区について「2増2減」を合意し た。川崎市の川崎区(定数2)と高津区(定数2)の定数を 各1増とする一方、横浜市港南区(定数3)を1減し、南足 柄市(定数1)と足柄上(定数1)を合区することで1減す るというものだ。定数105は維持される。しかし、「2増 2減」によっても、最大で3倍を超えている「一票の格差」 問題は改善されず、依然として残されたままだ。
議員1人当たりの有権者は平均72,562人
 神奈川県選挙管理委員会は3か月ごとに、市町村の有権者 数を公表している。正式名称は「市町村別選挙人名簿登載者 数」。最新のものは3月1日現在だ。全県の総登録者数は76 1万9000人。議員一人当たりの登録者数は7万2562 人となる。
 選挙区ごとに登録者数をみると、議員一人当たりの登録者 数がもっとも少ない選挙区は愛川町・清川村(定数1)の「3 万5581人」。全県平均のほぼ半分だ。一方、もっとも多い のは座間市(定数1)で「10万9377人」。こちらは全県平 均の1.5倍だ。そこで、愛川町・清川村と座間市の議員一 人当たりの登録者数を比較すると、その開きは「3.07倍」 となる。その次は海老名市(定数1)の「10万8458人」 で、こちらも「3.05倍」と3倍を超えている。両市の「一 票の価値」は愛川町・清川村に比べると3分の1以下、とい うことになる。
格差2倍以上の選挙区は半数を超える  さらに「2倍以上」となると、横浜市瀬谷区(定数1・10 万3909人)の「2.92倍」を筆頭に、同市栄区(定数1・ 10万3061人)の「2.90倍」、南足柄市・足柄上(定数1・ 9万2087人)の「2.59倍」が続き、その数は25選挙 区にものぼる。
 3倍以上の2市を加えると、2倍以上の選挙区は27選挙区 を数える。全48選挙区の半数以上に「2倍以上」の格差が存 在するという構図だ。これで、県民の民意が県政に正しく反 映されることは期待できない。
 「一票の格差」は、国政選挙のたびごとに裁判で争われ ている重大な問題だ。判例では、その格差は最大でも2倍 以内とする考え方が積み重ねられてきている。「一票の格差」 が最大1.98倍だった昨年10月の衆院選では全国で16件の 訴訟が提起され、そのうち違憲状態は1件のみで、14件では 合憲の判断が示されている。2倍未満が評価されたものと受 け止められている。その考え方は憲法の要請であり、あらゆ る選挙に通じなければならないはずだ。地方選挙だから2倍 以上でもよい、ということにはならない。地方選にも憲法の 要請は貫かれるべき。
 神奈川県議会議員選挙においても、最大3倍以上の格差と いう異常な状態を放置し続けることはもはや許されない。「2 増2減」で止まることなく、「一票の格差」は早急に抜本是正 されなければならない。
*この原稿は、日本ジャーナリスト会議神奈川支部の機関紙「JCJ神奈川」第54号(3月25日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒101-0051
     東京都千代田区神田神保町1-18-1       TEL.03(3291)6475

第400回配信 2018年4月2日 No.1485
神奈川が生んだジャーナリスト 原寿雄さん

「変革は一人から始まる」が口癖

日本ジャーナリスト会議
 神奈川支部代表 藤森研さん

 ジャーナリストの原寿雄さんが昨秋、92歳で亡くなった。 約30冊の骨太な著書などで、ジャーナリズムのあるべき姿勢 を説き、後進に大きな影響を与えた。
 原さんと神奈川は、切っても切れない関係にある。
 原さんは1925年、神奈川県大野村(現平塚市)の小作 農の長男として生まれた。中原街道沿いで、近くに御殿の地 名も残る。原さんの母上は出生に謎多き人で、酒の席では、 「原さんは、もしや貴種なのでは」と話が盛り上がった。
 県立平塚農業学校を出て国鉄の改札掛になるも、さらに猛 勉強して海軍経理学校に入った。
 しかし敗戦で、深刻な価値観の転換に直面。原さんは一高、 東大に入り直し、ジャーナリストになった。
 原さんは共同通信記者として、菅生事件取材などを手掛け る。また、小和田次郎の筆名で、日々の報道の内側を世に知 らせた「デスク日記」を雑誌に連載した。大きな反響を呼び、 記者の良心と評価された。連載は後に5分冊の本になった。
 「週一ぐらいの泊り明け休みの日に、川崎の公団アパート 2DKで子どもたちが寝静まってから、深夜まで書いた」と いう。「小和田」の筆名は当時の神奈川県内の地名から取っ た(『ジャーナリズムに生きて』)。  共同通信編集局長、編集主幹などを歴任。その間の198 3年には、情報公開の異議申し立てを審査する神奈川県公文 書公開審査会の初代会長となり、14年間務める。1992年 からは地元・茅ヶ崎市の監査委員にもなった。他の社会的活 動にも積極的にかかわり、新聞労連や川崎の市民運動など多 くの場で講演した。
 90年代半ばから20年余りにわたって、辻堂にある原さんの お宅で私的な勉強会「原塾」が開かれた。私も塾生の一人だ った。メディアが戦争を阻めるか否かの試練「ペンかパンか」 を議論し、市民社会におけるジャーナリズムの役割を考えた。  ジャーナリストは自立が大切だと、原塾長はよく語った。 連帯もさることながら最後は個々の覚悟に帰すると。口癖は 「変革は一人から始まる」だった。
* この原稿は、No.14584と同じ「JCJ神奈川」の同じ号から編集部の了解を得て配信しています。
   連絡先も同じです。
  なお、藤森さんは機関紙協会県本部の顧問も引き受けてもらっています。

第400回配信 2018年4月2日 No.1486
神奈川の負けない人たち

退職強要はね返す
東芝の職場を明るくする会

「新かながわ」から
 原発事業の失敗を不正経理で隠ぺいし、巨額な債務超過に 陥った東芝グループ。東芝デジタルソリューションズなどグ ループ3社で計400人のリストラを3月までに行う計画で す。これに対し、東芝・東芝グループ会社の退職者や現役労 働者でつくる「東芝の職場を明るくする会」(東芝の会)は、 違法な早期退職・転籍の強要に反対する活動を展開。労働者 にたたかう勇気を与え、退職強要をはね返す力になっています。 (高巣博文)

たたかう勇気を与えたビラ
 東芝は昨年11月から今年1月にかけて、川崎市内にあるグ ループ会社の東芝デジタルソリューションズ300人、東芝 インフラシステムズ50人、東芝エネルギーシステムズ50人、 合計で400人のリストラ計画を発表しました。
 計画は、早期退職、東芝グループへの配転、1年後に転籍 の条件での派遣会社への出向という内容でした。東芝は、16 年に1万4000人の大リストラを行ったばかりです。

辞めるわけにはいかない
 東芝の会は、東京・神奈川など京浜地区14事業所で、昨年 8月から今年3月の間、ビラとアンケートをセットにして7 000枚以上配布しました。
 ビラには、相談窓口担当者の電話番号とホームページを紹 介。2月、リストラ通告を受けた労働者から、次のような電 話やメールが届きました。
 「上司に呼ばれて辞めてくれと言われた。東芝グループは どこもいっぱいで行ける職場はない。派遣会社の面接を受け るように言われたが、もし派遣会社の面接を受けて採用さ れなかったら、辞めるしかないのか」、「上司に派遣会社の 面接を受けるように言われた。子どもはいるし今会社を辞 めるわけにはいかない。家族にも言えない。昨夜は眠れなかった。 (ショックで)今日は会社を休んだ」

気持ちを立て直し 立ち向かう
 電話を受けた担当者は「リストラ宣告を受けた労働者の声 から動揺と不安が伝わってきた」と言います。
 東芝の会はリストラ通告を受けた労働者を激励し、自分の 意思をどのように会社に主張するかを、アドバイスしていま す。
 同会のメンバーと会って話した労働者は気持ちを立て直し て、会社との再面談に臨んでいます。リストラ面談とたたか った労働者は、退職強要をはね返し、要求が実現しました。
 3月2日、浜松町本社ビル(東京都港区)前で行われた同 会の宣伝。小走りでビラを受け取る女性、上着の内ポケット にしまう男性の姿も。同会のビラは労働者に読まれ、労働者 の心に響いています。
*この原稿は、「新かながわ」第2444号(3月25日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒231-0037
     横浜市中区富士見町1-2 今一ビル202
      TEL.045(334)7867
      FAX.045(334)7868

第400回配信 2018年4月2日 No.1487

ウソ重ねる「働かせ改革」

「新かながわ」のコラム「各駅停車」から

 安倍政権の「働き方改革」は経済界の要望に沿った「働か せ改革」であることが一段とはっきりした。
 提出された資料にあった残業時間は、そもそも設問の違う ものに答えたものであり、比較の対象が違うもの。これでは 〝ごまかし〟としか言いようがない。
 自動車会社の燃費データ偽装、製造業における品質の改ざ んや隠ぺいが問題になった。「もり・かけ」に見られる証拠隠 し、改ざん、証人喚問拒否に現れた安倍政権の隠ぺい体質は 大問題だ。
 「裁量労働制」は、成果が出るまで働かせ続け、まともに 残業代も払わず、過労死を招くほどこき使おうとしたもので、  国民そっちのけで米軍や経済界にこびた政治では、憲法に 保障された「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活 を営む権利を有する」条項は守られない。
 大企業は大幅な減税の恩恵を受け、労働者の賃上げ要求に は答えず、内部留保をため続ける。戦争をする国づくりのた めに、防衛費には莫大な予算をつける。その一方で働く者の 生活は、〝生かさず殺さず〟程度に抑える。
 労働基準法「改正」では、成果型労働制といわれる「高プ ロ制度(高度プロフェッショナル制度)」で残業代を払わない。 国民いじめの悪政は一刻も早く終わらせなくては生きてゆけ ない。
*この原稿は、No.1486と同じ「新かながわ」第2445号から了解を得て配信しています。
 連絡先も同じです。

第400回配信 2018年4月2日 No.1488 戦争の方向に進んでいくのを止めなくてはネ
海老名市平和委員会 副会長 伊藤健史さんに聞く

 トラック運転手をしていた。「日給月給だし同じ仕事の繰り 返し、将来性を感じなかった」。友人の紹介で大工に。「物を 作るのが好きだったし、まあできるだろう」と思った。工務 店に入って弟子入り修行。「親方が材木に墨付けをするので、 それをきざむ仕事を任された」。上手くいかないので「怒られ、 怒られ、ですね」。刃物の研ぎ方を教えてもらった。家を建て られるようになったのは5年ぐらいしてから。30歳で独り立ち した。「お客さんと初めて顔を合わせるときは身が引き締まり ますね」。いい家を建てようと思う。心がけていることはごまか さないこと。「腕はいい方だと思いますよ」と笑顔を見せた。 社会全体が間違っています
 苦労することは「工期に間に合わせること」。中途半端な 仕事にならないように努力している。「今、業界は作れ、作れ と儲けが優先されていると思います」。そして「組み立てるだ けの仕事も増えています」。これでは「若い人が育ちません」 と顔をしかめ「社会全体が間違っています」と厳しい言葉が 返ってきた。

勧誘した人の魅力に負けました  わが家を建てているとき、通りかかった大工さんが「神奈 川土建に入らないか」と声をかけてきた。「その気がなかった」 、3回目の誘いでOK。「勧誘した人の魅力、男らしさに負けま した」。仕事がない時に、「原水禁世界大会に行かないか」と 組合から話があった。「親からも戦争しちゃいけない」と言 われていたので「関心がありました」。参加して「改めて自 分たちで平和をつかんでいかなくてはいけないんだ」と思 た。3年前、綾瀬に平和委員会が再結成される時、組合に話が あった。「安倍政権が集団的自衛権を容認するときで、自分た ちが動かなくては大変なことになる」と思ったので、「平和委 員会に入っていいかな」と加入した。「同じ志を持った仲間が くさんいるって、いいですね」。

時の権力者を縛るのが憲法でしょ  今は住まいのある海老名市平和委員会で副会長。「なんで憲 法9条を変えようとしているんですかね」と言ってから、「戦 争して経済を良くしようなんて間違っています」と声を荒げ た。「時の権力者を縛るのが憲法でしょ」と続けて、「マスコ ミが取り上げないのは信じがたいですね」と話し、「安倍9条 改憲NO! 3000万署名を広げて対話が必要です」と決意 を見せた。「戦争の方向に進んでいくのを止めなくてはね」、 暑い思いが伝わってくる。

会員をもっと増やしたい  平和委員会への期待は「会員をもっと増やしたい」。学習会 だけでなく「バーベキューやお花見をやりたいですね」。趣味 は、と問うと「お酒ですかね」と返ってきた。日曜日は半日 カンナやノミを研いでいる。「刃物のあたっている音で、も うちょっとだな」。気持ちが刃物に通じる。楽しい自分の世 界だ。
*この原稿は、神奈川県平和委員会の機関紙「平和新聞」神奈川県版106号(3月15日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
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「手を結ぶための、私たちの訴え」第399回配信
2018年3月26日日本機関紙協会神奈川県本部

新聞型を活かして伝えたい

 「忖度(そんたく)」ということばを今ほど流行らせたのは 安倍政権でしょう。(「忖」も「度」も、はかる意)で、「他人 の心中をおしはかること」と広辞苑には書いてあります。用 例として「相手の気持ちを――する」と示してあります。本 来は、ことばとして、けして悪いことばではありません。
 しかし、権力を持つ人に「忖度」することは政治や企業の 世界ではいつも良いとは限りません。今、問題になっている 「森友疑惑」がその悪い例です。ことの始まりは、ウソを言 い続けている首相の発言です。その国会でのウソ答弁を忖度 した当時の佐川理財局長の答弁。それに合わせた公的な文書 の改ざん事件で、日本の歴史や社会を狂わせる事件です。
 一つひとつの情報は細切れで、それをばらばらに受け取っ ていてもコトの本質は分かりにくいものです。個々の情報は 評価され整理されて、全体像を組み立てて伝え、受け取る人 たちに確かめ合ってもらうことが大切です。
 整理された全体像が同時代に伝わるようにするためには、 日本の新聞型のメディアが適しています。そこには、読者に よく伝えるためのノウハウ=教訓が凝縮されているからです。  企画・制作プロセスや編集技術なども駆使しながら、安倍 政権があり続けてよいのかを広く確かめあって行きましょう。

第399回配信 2018年3月26日
「横浜市従」
=市民生活そっちのけ=

さらに色濃い財界おもてなし

  ~横浜市の2018年度予算案に対する見解(要旨)~
「横浜市従」から

 1月30日、林市長は2018年度予算案と新たな中期計画の 基本的方向を発表しました。
 この間、社会的にも問題になった児童虐待防止や子どもの 貧困対策などで一定の施策や予算の拡充を盛り込み、部分的 に市民要求に応えつつも、企業誘致と観光・MICE、各種イベ ントなどによる「呼び込み型」施策を継続。推進するものと なっています。さらに新たな埠頭建設の事業化検討をはじめ、 今後もこうした方向を継続・推進する姿勢を示すものとなっ ています。
 2018年度予算案は、「次世代へ横浜をつなぐ、新たな一 歩を踏み出す年」とし、「新たな中期計画」の策定とともに、 その計画の初年度を踏み出すための予算としています。予算 の構成を見ると、昨年第一に掲げていた子育て支援を中心と する「あらゆる人の力の発揮」は後方に追いやられ、経済・ 文化芸術・観光MICEを第一に掲げている点からも、企業側 にシフトした立ち位置の違いは明白です。また、「新たな中期 計画」は「次世代へ横浜をつなぐ」ために6つの戦略と38の 政策が基本的方向として発表されました。人づくりを中心に 据えながらも人が「成長の基盤を支える」とし、「人・企業が 躍動するまちづくり」に挑むとしている点からも、破綻した アベノミクス追随姿勢を継続するものであり、市民要望に正 面から応えることよりも大企業が活躍できる環境づくりのた めの基盤整備、都市開発事業を優先するものと言わざるを得ま せん。
 国政における政策問題とともに、横浜市が憲法と地方自治の 本旨にもとづき、どう市民生活の改善や安心・安全の確保、 住民福祉の増進につなげる予算にしていくか、横浜市従業員 労働組合として、各職場からの意見も参考にしながらさらに 研究を深めなければなりません。
 横浜市従は、組合員が働きがいを持っていきいきと職務を 進めていくためにも、市民本位の予算編成を求めて市民のみ なさんとも共同してこれからも奮闘していきます。
*この原稿は、横浜市従業員労働組合の機関紙「横浜市従」第1501号(3月15日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
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第399回配信 2018年3月26日 No.1478

基地情報 朝鮮半島危機

米国議会の「警告」
 ―2018年1月30日、米上院軍事委員会公聴会記録か ら。訳は神奈川県平和委員会基地対策委員、菅沼幹夫さん―
 2018年1月30日、米上院軍事委員会での公聴会に3人 の識者が証言した。証言者は、デニス・ブレア(元国家情報 長官・元太平洋軍司令官)、マイケル・ジョナサン・グリーン (元米国安全保障会議(NSC)大統領特別補佐官、ケリー・ マグサメン(元国防次官補代理)の3氏。テーマは「朝鮮半 島の情勢とインド・太平洋における米国の戦略」である。
 3氏ともそれぞれの立場から見解を述べたが、紙数の関係 で、マグサメン氏の証言を紹介し、いま米議会は何を考え、 どうしようとしているのか、その一端を考える材料を提供し たい。
 もちろん、軍事力の行使に当たり、米国憲法に基づく大統 領権限と議会の関係、「戦争権限法」と過去の軍事力行使にお ける経緯などさまざまなズレは、考慮したうえで、あくまで も米議会がこの問題にどう対処しようとしているのかを考え る一つの材料である。

軍事力行使の人的・経済的なコスト
 前置きが長くなったが、マグサメン氏は、「私は、予防戦争 の可能性のあるコストを徹底的に分析し、代替案を慎重に検 討した。北朝鮮との戦争には人的、経済的、戦略的な大きな コストがかかる」として、「核や化学攻撃ではないとしても、 韓国は砲撃に直面するだろう。議会研究事業所によると、通常 の紛争でも3万~30万人は開戦の数日以内に死ぬ可能性があ る。28.500人の米軍人と何千人もの家族に加え、約10 万~50万人の米国人が韓国に住んでいる。日本には何十万人も のアメリカ人と人が住んでいる。もちろん、ハワイ、グアム、 アラスカはすべて北朝鮮のミサイルの範囲内にある。
 予備軍を含む北朝鮮軍は約700万人強。これはイラク軍 の25倍の規模だ」と具体的なデータをもとに証言した。さら に、「経済的なコストも同様です。RAND研究所(*米国の宇 宙開発、情報処理、軍事戦略の調査・研究機関)は、核兵器 の紛争が発生すると、初年度だけでも韓国のGDPの少なく とも10%のコストがかかり、その損出は最低でも10年間は引 き続くと推定される。
 さらに、米国の納税者に直接かかる負担は非常に大きいR AND報告によれば、朝鮮半島の長期的な再建の見積もりは 1兆ドル(約110兆円)以上」と見積もる。

米国の戦略的ダメージは深刻
 それから戦略的なコスト。第一に、アジアの同盟国の十分 なサポートなしの予防戦争は、アメリカの信頼をアジアだけ でなく世界的に損なうだろう。中国とロシアは傍観しない。 中国は自国の利益を進めるためにほぼ確実に介入するだろう。
 北朝鮮における中国のプレゼンスは、ほぼ確実に長期的な ものであり、我々の同盟と北東アジアへの関与に深刻な影響を 及ぼすであろう。そして、最悪のシナリオは、直接の米中紛 争の可能性があることを視野に入れ、「北朝鮮との戦争は、ロ シア、中国、イランのような他の主要な課題に対処する米国 の戦略的な諸活動を制限し、任期中、大統領と国家安全保障 チームは、この問題から手を離せなくなるだろう」。氏は最後 に「私の見解では、ここに戦争対戦争というものはありませ ん。米国人を含む何百万人もの無実の民間人が、今日すで に危険にさらされている。最悪の選択肢は戦争である」と結論 づけ、今すぐ「北朝鮮の非核化には至らずとも、検証可能な 形で北の核の脅威を効果的に制限していく方向で同盟国と緊 密に連携し、外交の工程表を策定していくべきだ」と強調した。

「最大限の圧力」一辺倒の安倍政権の無能  3氏の主張は、それぞれ独自の展開であるが結論は一致し ていた。「軍事力の行使は、米国の国益を損ない、最悪のシナ リオだ」と。これは圧力一辺倒を繰り返すだけの安倍政権と は比べようもない。
 日本が戦場となり、多くの国民が命を失うという最低限の リアリティーもない危険な内閣であることがますます明確に なっている。
*この原稿は、神奈川県平和委員会の機関紙「平和新聞」神奈川県版109号(3月15日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
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第399回配信 2018年3月26日 No.1479

性暴力と人権問題学ぶ

    国際女性デー横浜市従集会
「横浜市従」から

 3月8日は、国際女性デーです。今年の横浜市従集会は、 3月1日横浜市健康福祉総合センターで、「新たに浮かび上が った人権問題~ポルノ被害と性暴力について」元婦人保護施 設施設長、田口道子さんから、生の声を聞くことができまし た。
 モデルだと思って契約したら、AV出演だった。拒否すると 違約金として多額の金額を請求され、無理やり出演すること に。契約をやめようと思って事務所にいったら、複数からレ イプされ、動画をとられ脅迫された。…こんな性暴力による人 権侵害もひとたびAVビデオになると作品になり、社会に流さ れていく実情。弁護士に相談すれば、身元を明かさなければ ならないので、被害者はどこに相談していいかもわからない。
 田口さんが理事長を務めるNPO法人PAPS(ポルノ被害と 性暴力を考える会)では、被害者からの相談を受けたり、支 援活動を行っています。「人として、性的尊厳をおかされた人 に対しての人権快復。この人権侵害を知ってもらう事が大切。 さらに広げて多くの人とこの問題をともに考え、行動してい きたい」と田口さんは話されました。
 田口さんたちの活動が広がり、国会、そしてメディアでも 取り上げられるようになってきたポルノ被害と性暴力問題で すが、新たな人権問題、女性として許せざるべき問題を学ぶ ことができました。      (婦人部 宍倉かおりさん)
*この原稿は、No.1477と同じ「横浜市従」の同じ号から、了解を得て配信しています。連絡先も同じです。

第399回配信 2018年3月26日No.1480

再生可能自然エネルギーへの転換を!

うしおだ診療所屋上に太陽光発電所
「暮らしとからだ」から

 2011年に起きた福島第一原発事故は、人々の健康や暮 らしよりも経済的な利益を優先させ、安全対策もずさんなま まに危険な原発を推進してきた国の政策を浮き彫りにしまし た。
 NPO法人「原発ゼロ市民共同かわさき発電所」は、原発の ない未来をつくるために、自然エネルギーによる地産地消・ 地域分散型の発電の普及に取り組んでいる団体です。当法人 グループはその趣旨に賛同して、うしおだ診療所の屋上を太 陽光発電所として無償貸与することを決め、昨年11月に3 号機発電所が完成しました。その完成記念として、2月18 日(日)に見学会と通電式を行い、会津電力株式会社・代 表取締役社長の佐藤彌右衛門さんが記念講演をしました。

3・11の取り組み
 東日本大震災から7年目を迎える3月11日(日)には、13 時半からココファン横浜鶴見で「原発から再生可能自然エネ ルギーに向けてのつどい&脱原発パレード」を行います。当 日は、映画「日本と再生」ダイジェスト版を上映します。福 島原発事故であぶり出された原発利権構造を告発しながら、 ドイツ、デンマーク、中国、アメリカなどの事例を通じて、 「自然エネルギーで地域も経済も再生できる」ことを描き ます。クリーンで安価な自然エネルギーへの道が急速に切 り拓かれている世界で、日本が遅れをとっている事実を示し、 原発をなくしたあとの未来はどうあるべきか、いっしょに考え られる作品です。

国際社会とも連帯して  これまで民主医療機関連合会(民医連)の理念である国民 の生命と健康、安全を守る立場から、原発再稼働反対、原発 ゼロ、再生可能エネルギーへの転換を求める取り組みを進め てきました。次年度は、国連で採択された国際社会共通目標 「SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)」 を推進する立場からも、再生可能エネルギーの普及に向け た運動を広げ、引き続き原発事故の被災者に寄り添い、幅 広い人々と連帯して原発再稼働反対の運動を進めていきます。
*この原稿は、よこはま健康友の会の機関紙「暮らしとからだ」No.649から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒230-0001      横浜市鶴見区矢向1-6-20 汐田総合病院新館内
      TEL.045(947)3260
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第399回配信 2018年3月26日 No.1481
シリーズ「安倍改憲NO!」
 安倍首相が狙う改憲。国のあり方を根本からひっくり返し、 立憲主義の破壊が目的。「安倍改憲NO!3000万署名」推 進をテーマにシリーズで掲載します。

  すすむ米軍・自衛隊の一体化(1)

アメリカ空母を 護衛する自衛隊

神奈川県平和委員会 鈴木和弘さん

 歴代内閣が「違憲」で認められないとしてきた集団的自衛権 の行使が、2014年7月1日の閣議決定で「容認」に転じ、 自衛隊法の改悪など10の法案を一つにまとめた「安全保障関 連法案」が2015年7月1日の衆議院で強行採決された。 これに基づき、自衛隊の米軍との一体化が急ピッチで進めら れている。
 実態は、法案が審議される以前から、自衛隊の米軍との一 体化が進められてきていた。その実態を見てみよう。

すでに行われている米艦防護
 北朝鮮の核実験や弾道ミサイル発射などに対応するために 日本海に派遣されている米軍艦船への燃料補給に向かう海上 輸送軍団所属の補給艦リチャード・E・バード(前日から横 須賀軍港沖合に停泊)を海上自衛隊のヘリ搭載護衛艦(ヘリ 空母)「いずも」が戦争法の「米軍等の武器等防護」任務とし て四国沖まで防護したことが報じられている。
 米艦防護は今始まったことではない。すでに日米共同演習 では航空母艦を防護する任務は海上自衛隊の護衛艦があたっ ている。空母は艦載機による空爆などの攻撃が主な任務で、 自らを守る能力は極めて低い。そのため空母は、単独で行 動することはなく、直轄のイージス・ミサイル巡洋艦や駆 逐戦隊を構成するイージス・ミサイル駆逐艦などにより空母 を取り囲む形態の「輪形陣」を編成して行動する。
 この態勢を「空母打撃群」と称し、通常、空母1隻に対し 随伴する艦船は9~10隻と言われている。この輪形陣に海上 自衛隊の護衛艦が参加していることも明らかになっている。 つまり、空母を護衛するための態勢に組み込まれているので ある。決して戦争法の施行による初めての米艦防護ではない。
*この原稿は、神奈川県建設労働組合連合会の機関紙「けんせつ通信」第684号(3月1日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒221-0045
     横浜市神奈川区神奈川2-19-3
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「手を結ぶための、私たちの訴え」第398回配信 2018年3月19日 日本機関紙協会神奈川県本部

写真誌が日本のアスベストに警鐘

 354人が提訴していた首都圏建設アスベスト訴訟「東京 1陣」への東京高裁判決が3月14日に出ました。国の責任を 認め、一人親方を含む327人の建設作業従事者を救済する 判決を出しました。*「原告団ニュース」を参照ください。 全国の建設アスベスト訴訟連絡会は、国の責任を認める判 決が2高裁・6地裁となったことを受けて、厚生労働省に早 期解決の意見提出を訴えています。*添付ファイルを参照。
 フォトジャーナリズム月刊誌の「DAYS JAPAN」4月号が、 アスベスト被害は現在世界で1憶2500万人とWHOのデ ータを示し、産地イタリアの村の被害と、日本に潜むアスベ ストの危険性に警鐘を鳴らしています。アスベストの被害は、 建設従事者だけでなくその家族、アスベスト工場周辺住民、 使用された建物由来の環境曝露もあると指摘しています。
 エレベーターのブレーキから建物に吹き付けたものまで、 広範囲に使用されてきました。阪神淡路・東日本の大震災で はガレキも含めて広範囲に飛散。しかし防災基本計画の中に もアスベスト対策はない。地震大国の日本のアスベスト対策 は遅れています。使った建物の解体期にも入ります。被害の ピークは2035年といいます。命を守るなら海上自衛隊の ヘリ空母より、税金と人をアスベスト対策に回すべきです。

第398回配信 2018年3月19日 No.1471

教育行政にも
「安倍壊憲政治の闇」

―憲法に抵触する前川講演の調査―
前川喜平前次官が語る
ジャーナリズム研究者 丸山重威さん

 「前川氏は天下りで引責辞任した人物。このような人物を 公教育の学校の授業になぜ呼んだのか。経緯と講演の内容、 学校の見解を報告、録音データを提供せよ」―文科省は、前川 喜平前文部次官を講師に呼んだことについて、名古屋市立八 王子中学校にしつこく問い質したことは、憲法や教育基本法 に抵触する重大な問題だ。
 課長補佐が局長と話してやったのだそうだが、さすがに林 芳正文科省は「誤解が生じないようにすべきだ」としたが、 同時に「学校が十分に調べず呼んだのは必ずしも適切とは 言えず、もう少し慎重な検討が必要だった」とも語ったが そう言うこと自体、問題なのではないか。
 同時に気になるのは文科省は一体何のためにそんな資料集 めをしているのか、ということだ。文科省は「外部からの問 い合わせ」だと言っているというが、前川さんについて「出 会い系バーに出入りしていた、と報道された」など、名誉棄 損もしている。
 かつて、「国策に背く」とレッテルを貼られ、教壇を追われ た教師は少なくない。川上肇、大森義太郎、向坂逸郎の三教 授が大学を追われたのが1928(昭和3)年。続いて瀧川 幸辰教授事件が33(昭和8)年、美濃部達吉博士への天皇機 関説攻撃が35(昭和10)年…。教育現場の自由はどんどん失 われていた。
 ところで文科省は「問題講師」リストを作り、「問題講演集」 をどこかに集めてファイルしているのだろうか? 文科省に 問い合わせた団体はどこで何に使うのか。ここにも「安倍壊 憲政治の闇」がある。
*この原稿は、17日に送られてきました。丸山さんは機関紙協会県本部の顧問ですから、連絡はこの「配信」の連絡先にお願いします。

第398回配信 2018年3月19日 No.1472
茅ヶ崎革新懇15周年記念講座

個人の尊厳 導く教育を

前川喜平前次官が語る
―平和でこそ人権守られる―
前川喜平前次官が語る
「新かながわ」から

 3月1日、茅ヶ崎市内で開催された茅ヶ崎革新懇15周年記 念講座で、前川喜平・前文科省事務次官が、480人の参加 者を前に「個人の尊厳を導く教育」について次のように語り ました。
 個人の尊厳は日本国憲法の根幹で、教育の目的も「国家の 栄光」ではなく一人ひとりの個人を守ることにある。99条で 公務員に憲法遵守義務を負わせているのは立憲主義に基づく 政治を行うためである。
 憲法の3原則である、基本的人権、平和主義、国民主権は、 個人の尊厳を守るために不可欠である。戦争こそ最大の人権 侵害であり、平和であってこそ人権は守られる。憲法にある 勤労、教育、納税の3大義務はなくてもよく、法律に書けば よい。「義務教育」は「普通教育」とすべきだ。教育や社会保 障を受ける権利である社会権がなく、銃をもつ権利を認める 米国憲法は、時代遅れである。
 憲法を生かすために1947年に教育基本法が作られた。 歴代総理、文部大臣は必ずしも改定に乗り気ではなく、「総理 の意向」が忖度(そんたく)されることはなかったが、中教 審答申を経て、2006年に教育基本法が変えられた。
 新しい教育基本法の一番の問題は、「国民に対して直接行う」 教育が、「法律の定めるところにより行う」と変えられた点だ。 国家に従順な国民を養うための教育をめざすようになった。
 「道徳の教科化」は、人間を型にはめ、個人の尊厳でなく、 自己抑制、自己犠牲を賛美している。ある教科書にはお辞儀 の正しい仕方を書いている。集団の一員としての自覚を教え ているが、それは家族から国家までで、人類や地球を大切に する教育が欠けている。道徳も憲法に基づいて教えるべきで ある。
 教師と生徒との関係を自覚した人権教育、平和教育が必要 だ。主権者教育についての文科省の通知は、具体的な政治的 事象を取り上げるとしているのはよいが、教師は自分の意見 を言ってはならないとしている。ドイツでは教師�