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「手を結ぶための、私たちの訴え」

日本機関紙協会神奈川県本部配信

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「手を結ぶための、私たちの訴え」第402回配信
 2018年4月16日2 日本機関紙協会神奈川県本部

働く人どうしの関係も労働条件

 労働契約法第18条で、同じ使用者との間で通算5年を超え て有期労働契約で働いてきた場合は、無期雇用労働契約に転 換することができるようになりました。多くの非正規労働者 の希望である「雇用の安定」を目的にした条文です。
 しかし、無期雇用への転換に財界や経営者の執拗な抵抗が 続いています。労働者が人間として働き続けるためには、ま ともな雇用関係が結ばれていることが必要です。労働者一人 が経営者と対等な立場で働く契約を結ぶことは簡単ではあり ません。権力も資金力もある経営者が、都合の良いように労 働者を働かせたい動機があるからです。この動機は、安倍政 権が成立をねらう「働き方改革」にも共通していますが、肝 心なのは「人として働き続ける労働条件」の整備です。
 ふだんはバラバラな場所で働いていても、担当する職種が 違っていても、労働者は労働組合に加入して力を合わせて人 として働く条件を守り発展させたいものです。その土台にな るのは働く人どうしの絆です。労働組合が団体交渉で取り上 げ、無期雇用への転換を実現した例も生まれています。
みんなが無期雇用の職場にすれば、職場の人間関係の条件 も良くなります。働く人どうしの人間関係は、賃金 や労 働時間などと同じように大切な労働条件の一つです。

第402回配信 2018年4月16日 No.1495
労働相談事件簿(1)

うつ病で労災申請

NPO法人ワーカーズネット
かわさき副理事長 弁護士 川岸卓哉さん

 長時間労働の是正など日本人の働き方が昨今真剣に見直さ れています。しかし、過労、パワハラなど、仕事の現場での 問題が後を絶ちません。川崎で地域密着の労働相談に取り組 んでいるNPO法人ワーカーズネットかわさきのメンバーが、 6回にわたって相談事例から問題解決の実例について報告し ます。

長時間労働、パワハラの末にうつ病発症
 「過労社会」と言われる日本では、多くの職場で長時間労 働がまん延しています。さらに、働く人を使いつぶすような パワハラも横行し、メンタル疾患になる労働者はどの職場で も珍しいことではありません。最悪の場合、過労死・過労自 殺に追い込まれる方もいます。
 相談に来た50代男性Aさんは、会社で長時間労働に従事し ていたところ、会社から「お前は会社にとって不要な人間だ。 自主退職しない場合は降格する」と言われましたが、退職を 拒否したところ、会社は、降格や退職強要を繰り返した結果、 うつ病を発症し、休職に追い込まれました。
 このような相談の場合、まずは、労働基準監督署に対して、 労災申請をすることを検討します。過労メンタル疾患でまず 重要なのは、残業時間です。残業時間が月80時間を超える場 合には、労災申請が認められやすくなります。会社の出退勤 記録が不正確な場合、職場最寄りの駅の改札の入退出記録な どの証拠を取り寄せ立証します。
 加えて、退職強要などのパワハラも、精神的負荷の要素と して、総合判断されます。パワハラの事実は会社は否定する ことが常で、録音やメモを残しておくことが大切です。Aさん の場合は、パワハラ発言はメンタルクリニックのカルテに残 されており、証拠とすることができ、無事、労災認定され、 休業補償が支給されました。
 さらにAさんのケースでは、会社に対して慰謝料請求の訴 訟を起こしました。その結果、Aさんに会社が慰謝料の支払い を認める和解ができました。労働問題は、働く人ならだれで も起こる可能性があります。Aさんのような解決の事例を学 び、き寝入りをしない勇気を持ってください。
≪NPO法人ワーカーズネットかわさき:大学教授、弁護士、労 働組合員や市民が立ち上げた、川崎地域密着労働ネットワー ク。代表理事・兵頭淳史専修大学教授。毎月の街頭での労働 相談や、ワークルール教育、政策提言活動などを行っていま す≫
*この原稿は、川崎医療生活協同組合の機関紙「川崎医療生協」第620号(4月1日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒201-0804
      川崎市川崎区藤崎4-21-2
      TEL.044(270)5881

 第402回配信 2018年4月16日 No.1496

日産の不当労働行為を
認める画期的な命令

  ~日産/派遣・期間工労働者解雇争議
「神奈川の仲間」から

 08年秋からの世界的不況の際、多くの派遣労働者や期間工 労働者が解雇され、東京のど真ん中に「派遣村」ができて大 きな社会問題になりました。

ゴーンの号令でクビ
 日産自動車と日産車体においても、解雇の必要性がなかっ たにもかかわらず、カルロス・ゴーンCEOの号令で多くの労 働者が解雇されました。5人の仲間が雇用の確保を求めた裁 判所での判断は、地裁・高裁・最高裁ともいずれも極めて不 当なものでした。原告らはあきらめずに争議を解決するため、 会社に団体交渉に応じるように求めましたが、拒否または不 誠実な対応であったため、不当労働行為として神奈川県労 働委員会に救済を求めて申し立てを行いました。

雇用主と同視できる
 2月27日に命令が出され、日産自動車の不当労働行為を認 める画期的な内容でした。
 日産自動車はこれまで、原告のうち2人の派遣労働者につ いて「雇用関係にないので団交に応じない」としてきました。
 命令は、日産自動車が事前面接で派遣労働者を選定してい た違法行為を認定。雇い止めについても専ら日産自動車に派 遣するために派遣会社に採用されたのであるから、派遣契約 が終了した場合には、派遣会社が期間満了とともに雇い止め することは不可避的な帰結であると指摘しました。
 そのうえで、日産が事実上、雇用主と部分的とはいえ同視 できる程度に現実的かつ具体的に支配・決定していたと判断 し、「紛争を解決できる当事者」だとして誠実な交渉を促して います。
 また、日産自動車において、派遣と期間工の「地位のキャ ッチボール」をされながら働いてきた原告についての団交の 対応は、「裁判の内容を熟知しておらず日産自動車の主張を説 明できない者を団体交渉の担当者として出席させた」と認め、 不誠実な団交であると厳しく断罪しました。

壁を突き破った
 派遣労働者の闘いは、全国で数多く取り組まれていますが、 形式的に「雇用者でない」ことが壁になり、派遣先企業の責 任を免罪する状況が続いていました。
 今回の命令は、この壁を破り団体交渉に応じることを命じ たもので、日産争議だけでなく派遣労働者の雇用や権利を守 ることにつながる、貴重な成果といえます。
 残念ながら、日産車体については労働組合の主張は認めら れませんでした。そして、日産自動車は命令を無視するかの ように、命令後に「団体交渉を行うよう」に求めた労働組合 の要請に対し、これを拒否する不誠実な対応を繰り返しています。
 しかし、当事者や支援組織では、あきらめずに宣伝行動な どの取り組みを強化しながら、命令を最大限に活かして早期 解決を実現できるようめざしています。
*この原稿は、神奈川県労働組合総連合の機関紙「神奈川の仲間」第331号(4月1日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 231-0062 横浜市中区桜木町3-9
     横浜平和と労働会館内
      TEL.045(212)5855
      FAX.045(212)5745

第402回配信 2018年4月16日 No.1497

まちづくりと健康づくり

〝持続可能な〟―横福協のエコ活動―
環境保全とまちづくり

「暮らしとからだ」から

 今年度の「暮らしとからだ」は「安心して住み続けられる まちづくり、健康づくりをみんなで進めよう!」をテーマに 連載していきます。国連で採択された国際社会共通目標「SDG s(エスディージーズ)」(*)を推進していく立場から、当 法人の環境保全や健康・福祉増進の取り組みを紹介します。
第1弾は、当法人のエコ活動の話題です。

年26%の節電目標
 汐田総合病院は昨年秋から工事をはじめ、病院本館のほぼ すべての照明をLED化しました。あわせて空調システムをす べて入れ替え、省エネ・節電に努めています。12月にはほぼ 工事を終え、年間で約26%の節電をめざして取り組んでいま す。
 地球規模でみれば小さな取り組みですが、こうした「コツ コツ」とした取り組みが地球温暖化を防いでいくことにつな がります。

太陽光発電所を設置
 法人全体としてもエコ活動を進め、うしおだ診療所屋上を 無償提供して、太陽光発電所の設置に協力しました。発電さ れた電気は、NPO法人原発ゼロ市民共同かわさき発電所を通 じて一般活用されています。
 災害発生などの緊急時には、うしおだ診療所でも活用され ます。
 発電所で作られる電力は家庭用エアコン15台分ほどに匹敵 し、自然エネルギーによる地産地消・地域分散型の発電の普 及に貢献しました。二酸化炭素の排出削減では、40本の木を 植えたのと同様の効果があります。国連で採択された国際社 会共同目標「SDGs」にも呼応する取り組みです。
(*)「SDGs」:Sustainable Development Goals(持続可能な開 発目標)。貧困に終止符を打ち、地球を保護し、すべての人が 平和と豊かさを享受できるための普遍的な行動を呼びかける。
国連で採択された「SDGsエスディージーエス」17の目標

, 目標1:あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ
目標2:飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態
の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する
目標3:あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保 し、福祉を増進する
目標4:すべての人々に包括的かつ公平で質の高い教育を提 供し、生涯学習の機会を促進する
目標5:ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児の エンパワーメントを図る
目標6:すべての人々に水と衛生へのアクセスと持続可能 な管理を確保する
目標7:すべての人々に手ごろで信頼でき、持続可能かつ近 代的なエネルギーへのアクセスを確保する
目標8:すべての人々のための持続的、包括的かつ持続可能 な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセント・ワーク を推進する
目標9:レジリエントなインフラを整備し、包括的で持続可 能な産業化を推進するとともに、イノベーションの拡大を図 る
目標10:国内および国家間の不平等を是正する
目標11:都市と人間の居住地を包括的、安全、レジリエント かつ持続可能にする
目標12:持続可能な消費と生産のパターンを確保する
目標13:気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を 取る
目標14:海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、 持続可能な形で利用する
目標15:陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推 進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻 止および逆転、ならびに生物多様性損出の阻止を図る
目標16:持続可能な開発に向けて平和で包括的な社会を推進 し、すべての人々に司法へのアクセスを提供するとともに、 あらゆるレベルにおいて効果的で責任ある包括的な制度を構 築する
目標17:持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グロー バル・パートナーシップを活性化する


   *この原稿は、よこはま健康友の会の機関紙「暮らしとからだ」No.650(4月1日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 「暮らしとからだ」社
      〒230-0001
      横浜市鶴見区矢向1-6-20
              汐田病院新館1階
        TEL.045(947)3260
        FAX.045(574)3260

                  第402回配信 2018年4月16日 No.1498

オスプレイの横田配備に抗議 神奈川の労組や平和団体

フォトグラファー 亀井正樹さん

 米空軍の新型輸送機CV22オスプレイ5機が4月5日、東京・ 横田基地に配備された。
 同3日、神奈川県・横浜市の米軍施設ノース・ドックに陸 揚げされると、労組や平和団体などの約80人が「危険なオス プレイの横田配備反対」とシュプレヒコールを上げて抗議。 神奈川県医労連の柏木哲哉さん(37)は「戦争へつながる道 を許さない」と訴えた。
 米側は3月の段階で前倒し配備を日本側に伝えたが、政府は 地元自治体などに18日間伏せていたことから情報隠しの疑い も指摘されている。

高い事故率
 オスプレイは開発当初から事故が多発している。海兵隊の MV22が一昨年、沖縄県名護市沖で墜落、今年2月にも部品の 脱落事故を起こしている。米側の公表では、海兵隊仕様で10 万飛行時間当たりの事故率は3・24件(海兵隊機全体の事故 率2・72件)。横田に配備される空軍仕様は4・05件と高い。
 日米地位協定により、安全基準にも日本の航空法が適用され ない治外法権の扱いだ。
  市民団体が昨年、横田基地周辺で行った調査によれば、 85%がオスプレイ配備に不安を訴えている。
 今回配備される空軍仕様は特殊作戦を前提とし、夜間・低 空の訓練を周辺空域で行うことが考えられる。騒音など住民 生活に配慮する合意が日米で結ばれているが、沖縄では守ら れていない。
*7この原稿は、「連合通信」隔日版No.9301(4月10日付)から、編集部と筆者の了解を得て配信しています。
 亀井正樹さんは、機関紙協会神奈川県本部の理事でもありますので、連絡この配信の連絡先にお願いします。

第402回配信 2018年4月16日 No.1499
神奈川労連労働相談

無期雇用転換の相談

 神奈川労連労働相談センター 相談員 石川要二郎さん

 大手学習塾の非常勤講師を12年も続けているという労働者 から相談がありました。
 2月中旬に本部から2人の幹部がやってきて退職するよう に迫られた。3つの原因をならべ1週間考えてみるように言 われたが、その言い方があまりにもひどくショックを受けて、 その後、有給休暇で休んでいるという。
 12年も問題なく働いてきたので全く納得がいかず、2人の 幹部の発言はパワハラにあたると思い、A4の用紙5枚に書い て直属の上司に渡した。上司の話によると2月の初めに本部 から非常勤講師についての聞き取りがあり、良いところを並 べると「良いところだけでなく不十分な点や欠点もあるだろ う」と言われ、やむなく何点か話をしたということであった。
 労働契約法18条による無期雇用転換の申し入れ権が発生す る前に、この大手塾では組織的に対象者を退職させようとし たことは明らかである。「同じように退職を迫られている非常 勤講師がいるのでは」と聞いてみたが、横の連絡はないので わからないという。
 この相談者の場合、直属の上司がすっかり責任を感じて 本部に交渉してくれており、ほぼ元の条件で働けるように なりそうだという。しかし、それでは将来的に考えても安 定しないし、ぜひ無期雇用を申し入れるように勧めた。
また今回はごたごたして申し込みができなかったとしても、 来年も申し込むことが可能なこと、申し込みを本部が拒否す ることはできないが、トラブルになった時は労基署ではなく 神奈川労働局に要請することなどを伝えた。
 慎重な相談者で塾の名前も氏名も教えてくれませんでした が、いま大きな話題になっている各大学だけでなく、他にも 多くの事例があるに違いない。
*この原稿は、神奈川県労働組合総連合の機関紙「神奈川の仲間」第331号(4月1日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
   連絡先は、No.1496と同じです。


「手を結ぶための、私たちの訴え」第401回配信
 2018年4月9日 日本機関紙協会神奈川県本部

「春の新聞週間」に考えました

 日本新聞協会は2003年、4月6日から1週間を「春の 新聞週間」としてキャンペーンなどをしています。学校や職 場の新年度が始まる時期の4月6日を「新聞をヨム日」とし、 新聞の購読をよびかけることが狙いのようです。
 6日付の「琉球新報」に、元毎日新聞大阪本社編集局長で 那覇市在住の藤原健さんが一文を寄せています。那覇市旭ヶ 丘公園の一角に「戦没者新聞人の碑」があることから書き 起こし、1931年の満州事変以後の沖縄の新聞の主な経過 をまとめ、当時の「新聞人」が果たせなかった使命などを解 説しています。結びの近くには「新聞は国家のためにあるの ではない。住民のためにある。苦い歴史の教訓は『任務』の 質を新聞人に突きつける」と書いています。
 「機関紙はなぜ新聞の形を採用したのか」と、私が悩み始 めたのは20年以上前だったでしょうか。記事の書き方やさま ざまな編集技術などを、制作過程も含めて学びながら考えて きました。「新聞の読み方」は説明書がない、という盲点にも 気づきました。新聞の読み方をつかんでその要点を知ること は、機関紙をつくる人にも読む人たちにも役に立ちます。
 新聞の形式には、読みやすく伝わりやすい教訓が詰まって いるからです。これは今の時代にも活用できる教訓です。

第401回配信 2018年4月9日 No.1489 賃金・労働条件、税・社会保障、平和etc.

要求の実現をめざし
2018年国民春闘

「神奈川の仲間」から

 大幅賃上げをはじめ、長時間労働の是正や諸手当など労働 条件の改善を求める18国民春闘が職場・地域で取り組まれて います。また、制度政策要求を掲げ、世論を喚起する集会な ども取り組まれました。

県民集会に1000人
 3月4日に県民集会を開催し、1000人の仲間が結集し ました。主催者として神奈川労連・福田議長は春闘勝利とと もに、憲法改悪を阻止することの重要性を強調。自由法曹団・ 田井弁護士から、裁量労働制の拡大を狙ったデータねつ造の 問題をはじめ、労働者の働き方を根底から破壊する『アベ働 き方改革』の欺瞞と、これを阻止するとりくみが話されました。
 7年前の福島原発事故の補償について裁判で闘っている神 奈川訴訟団の村田団長は、事故を風化させず、国と東電に責 任を果たさせることを強調しました。各組織の要求アピール では、賃上げ実現や最賃、年金、憲法、保育、組織拡大など が訴えられました。  集会後に横浜駅前
を通るコースでデモ行進。青年を中心と したサウンドカーが先頭となり、市民から大きな注目を集め ました。
 同日の午前中には、自交総連や港湾労組、建交労などが構 成する神奈川交運共闘が、自動車パレードを実施。タクシや ダンプ、トラッークなど44台80人が参加し、横浜市内中心 部を巡りました。

増税なんてとんでもない
 3月13日には、重税反対全国統一行動がとりくまれ、神奈 川労連としても春闘要求を持ちこんで参加しました。県内全 体では18か所の集会に約3500人が参加。
 それぞれの会場で要求や怒りを交流する集会を行い、各税 務署までのデモ行進を行いました。ちょうどその前日に、森 友学園疑惑での財務省による公文書改ざんを認める報道もあ ったことから、「庶民には重税で、首相・首相夫人のお友達に は8憶円の値引きなんて許せない」「消費税増税などとんでも ない」と訴えました。

ベースアップの回答
 各職場での春闘要求の提出、回答を受けての団体交渉も進め られています。
 春闘共闘全体では3月14日を回答指定日とし、翌15日を全 国統一行動に設定しました。JMITU・通信産業本部は、大儲 けをあげ利益を莫大にため込んでいながら、労働者の生活が 改善できないようなNTTの低額回答に抗議し、早朝からスト ライキに突入しました。30人以上が川崎事業所の門前に集ま り、出勤してくる労働者に回答結果と上積みを求めて闘うこ とを呼びかけるビラを配布。「NTTは大幅賃上げを行なえ」と シュプレヒコールをあげました。
 私たちの運動によって賃上げの世論が醸成されていること も活かして果敢に取り組んでいる職場もあります。  JMITUでは、アイエスビー支部がベア平均943円を含む 7077円を第1次回答として引き出し、3職場がすでに昨 年最終を上回る回答を得ています。
 化学一般では、東邦化学支部と新日本理化支部がベア回答 を引き出しています。全国一般NOK分会は3236円のベア を含め1万円超の回答となっています。

賃金格差の縮小へ
 ユーコープ労組では、パート労働者が強く求めてきた県ご との賃金格差を縮小させる方向への貴重な一歩となる成果を 勝ちとっています。
 ユーコープは神奈川と静岡、山梨の生協が5年前に合同し て新組織として発足しました。正規労働者については賃金・ 労働条件が統一されましたが、パート労働者の基本時給は県 ごとに格差が残され、最低賃金の引上げに伴って神奈川と静 岡、山梨との差が広がっていました。
 労働組合は、ユーコープ発足当初から「まったく同じ仕事 をしているのに、基本時給に差があるのは納得できない」と 要求し続け、昨年の秋闘でついに理事会から「これ以上、差 を広げない。縮小する方向で検討する」との回答を引き出し、 今春闘に臨みました。
 回答は、「神奈川30円、静岡・山梨は35円引き上げる」と いうものでした。貴重な成果を確信にするとともに、まだま だ100円以上の差がある状況について改善を求め続けて行 くことにしています。
*この原稿は、神奈川県労働組合総連合の機関紙「神奈川の仲間」第331号(4月1日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒232-0062横浜市中区桜木町3-9
      横浜平和と労働会館内
      TEL.045(212)5855
      FAX.045(212)5745

第401回配信 2018年4月9日 No.1490

問われる国家私物化への反撃

「神奈川の仲間」から

 3月27日の佐川前国税庁長官の証人喚問をライブで見た。 正直ショッキングな映像だった。決裁文書改ざんの経過につ いては一切語らず、安倍首相とその妻、官邸からの指示や圧 力は「一切なかった」と明言。腐敗した権力に徹底しておも ねる官僚の姿が天下にさらされ続ける異様なものだった。
 韓国の朴槿恵(パク・クネ)政権はその前の李明博(イ・ ミョンバク)政府から8年続いた保守政権だった。李明博政 権時代から反政府色のタレントをリストにして排除し、メデ ィアコントロールを徹底して行ってきた。NHKと同じように 韓国国営放送の経営者に政権側人物を送り込み、物言うジャ ーナリストを次々と排除してきた。
 森友疑惑発覚のスクープを昨年2月9日に報道した朝日新 聞を安倍首相、菅官房長官が目の敵にしてきたのは公然の事 実だった。今回、朝日による3月2日「財務省森友文書改ざ んスクープ」で、安倍政権は窮地に陥りつつある。
 韓国では今、国家を私物化した朴槿恵を追放し断罪。李明 博の裏金疑惑の捜査も進んでいる。韓国政治の変化を実現し た有名な「キャンドルデモ」は、人口約5千万人の韓国で最 大時200万人が零下16度の街頭に出てデモを行った。その きっかけは、朴槿恵を後ろで操っていた崔順実(チェ・スン シル)の娘が裏口入学した梨花女子大学の学生が始めたデ モだという。
 日本政治の最終的な変化をつくるのは国民の積年の怒りだ。 安倍政権5年の国家私物化に対する国民とメディアの反撃が 問われる。
*この原稿は、神奈川県労働組合総連合の機関紙「神奈川の仲間」第331号(4月1日付)の「労連コラム」から、編集部の了解を得て配信しています。
  連絡先は、No.1489と同じです。

第401回配信 2018年4月9日 No.1491

被告・国の上告に抗議する

  2018年3月30日
首都圏建設アスベスト訴訟統一本部

 3月14日の東京高裁第10民事部の判決は既報の通り、国に 8度の責任を断罪しただけでなく、一人親方・事業主に対し ても労働安全衛生法違反の国の責任を認める建設労働運動の 長い歴史の中でも画期的成果を生む判決となりました。判決 は一方で、建材製造企業の責任については不問に付し、原告 側に立証不可能な難題を押し付けるなどの弱点を持っています が、私たちは国が8度の敗訴を真摯に受け止め、原告側との 解決に向けた協議に入ることを、切望していました。
 しかし、国は理不尽にも3月27日に最高裁への上告手続き を行いました。原告団・弁護団・統一本部としても裁判対策 上、上告を同日に行いました。
 国の上告には一つの道理もありません。これ以上裁判を続 けても、国が勝訴する可能性はなく、ただいたずらに解決を 引き延ばすだけです。引き延ばしにより、すでに原告308 人(被災者単位)のうち76%に当たる234人がなくなって いる深刻な現状を放置、悪化させ、ただ自らの責任をできる だけ小さくしたいという国、行政庁の無責任さが際立つばか りです。私たちは、国の上告に対し、強い抗議の意思を表明 します。
 同時に国は、3月29日に大阪高裁から和解勧告を受けたこ とを深刻に受け止めるべきです。和解勧告に当たって裁判所 は、裁判所は裁判が最高裁に移っても和解は可能であると国 に助言までし、和解に応じることを促しています。東京高裁 だけでなく、夏から秋にかけて大阪高裁の二つの判決でも国 は断罪されるでしょう。何度負けたら、国は建設アスベスト 被害の解決に乗り出すのか、大きな社会的批判にさらされる ことは確実です。
 私たちは、最高裁に向けてもしっかりとした準備を行い、 東京高裁判決の不十分性を克服する努力を弁護団とともに続 けます。これから判決を迎える東京第2陣や全国の判決で勝 ち続けるために全力を挙げます。同時に、建設アスベスト被 害者補償基金制度の創設による全面的、全国的な解決を図る 運動に精力的に取り組んでいきます。
 国は、判決で敗訴を重ねている現状、原告のまさに待った なしの状況、大阪高裁からの和解勧告などを正面から受け止 め、私たちとの解決に向けた協議にただちに入ることを強く 要望します。
*この原稿は、首都圏建設アスベスト訴訟を支援する神奈川の会から送られてきた文書です。
    連絡先 〒221-0045
        横浜市神奈川区神奈川2-19-3
        神奈川県建設労働組合連合会内
         TEL.045(453)9806
         FAX.045(453)9807

第401回配信 2018年4月9日 No.1492

ヘリ空母は「9条2項」違反

「新かながわ」から

 「北朝鮮の脅威」をあおり、軍拡をもくろみ、ミサイル飛 翔と称してJアラートによる避難訓練までさせる安倍政権は、 自衛隊を憲法に書き込む改憲を狙っている。
 そうした中、海上自衛隊所有のヘリ空母(護衛艦)「いずも」・ 「かが」(248㍍)、「ひゅうが」・「いせ」(196㍍)に垂直 離着陸機ステルス戦闘機F35Bの積載配備を調査していること 日本共産党の小池晃参院議員の質問に防衛大臣は否定しなかった。
 ジェット戦闘機の発進離艦距離は100㍍、着艦距離は2 00㍍。ヘリ空母というものの248㍍の甲板を持つ、「いず も」と「かが」は、カタパルトを装備すれば立派な空母とな りうる。垂直離着のできるF35Bなら、十分すぎる甲板の長さ である。

オスプレイの発着艦訓練は実施済み。
 88年、当時防衛庁長官は「憲法第九条第二項で我が国が保 持することが禁じられている戦力」について「攻撃型空母を 自衛隊が保持することは許されず」と説明した。もし「いず も」や「ひゅうが」がF35Bを搭載して空母となった場合には整 合性を問われる。
 横浜のIHIで建造され、「いずも」の進水式に際して中国と 韓国のメディアは「準空母の登場」、「日本の右傾化の象徴」 と批判的に取り上げた。ちなみに「いずも」を含めた第1護 衛隊指令は女性が務めている。
*この原稿は、「新かながわ」第2446号(4月8日付)から編集部の了解を得て配信しています。
連絡先 〒231-0037
    横浜市中区富士見町1-2 今一ビル202
    TEL.045(334)7867
    FAX.045(334)7868

第401回配信 2018年4月9日 No.1493
シリーズ「安倍9条改憲NO!」
すすむ米軍・自衛隊の一体化(2)

 

殴り込み部隊がモデル
日本版「海兵隊」が発足

 安倍首相が狙う改憲。国のあり方を根本からひっくり返し、 立憲主義の破壊が目的。「安倍改憲NO!3000万署名」推進 をテーマにシリーズを掲載します。
―「けんせつ通信」―
神奈川県平和委員会 鈴木和弘さん
 日米軍事一体化は、戦争法施行以前から日米ガイドライン や物品役務相互提供協定などによって実施され、「安全保障関 連法」によって法的な裏付けができたといえるであろう。こ の戦争法によって、日米軍事一体化はさらに進められること だろう。
 自衛隊には米軍のような「海兵隊」はない。しかし、陸上自 衛隊の西部方面隊を中心にした自衛隊の海兵隊化が進められて いる。

上陸作戦を訓練
 すでに自衛隊では「島しょ防衛」の名のもとに「島しょ奪 還」作戦の訓練が米海兵隊とともに実施されている。
 2018年3月末を目途に、米海兵隊をモデルにした「水陸 機動団」の編成に向けて、「水陸機動教育隊」が2017年3 月27日に長崎県佐世保市の相浦駐屯地に発足した。
 機動団は日本版海兵隊ともいわれる性格で、相浦駐屯地に 団本部を置き、西部方面隊の普通科連隊を中心に3000人 規模で編成され、米海兵隊も使っている水陸両用戦闘車両 (AAV7)を配備する。「有事」には佐世保配備の輸送艦 「おおすみ」や「ひゅうが」(事実上の強襲揚陸艦)に載せ て目的地まで搬送し、上陸作戦に使用することになる。
 水陸機動団の編成前から陸上自衛隊の西部方面隊では、米 本国で米海兵隊とともに訓練を重ね、米海兵隊の上陸作戦の ノウハウを学んでいる。
 このように自衛隊では、事実上の海兵隊まで創設して日米 軍事一体化を推し進めている。
*この原稿は、神奈川県建設労働組合の機関紙「けんせつ通信」第685号(4月1日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
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第401回配信 2018年4月9日 No.1494

見つめたい 大都会に住む不自然

「神奈川県保険医新聞」から

 今年の冬は記録的な降雪に見舞われた。最近では気象的に 観測史上初などの言葉をよく耳にする。そして、大都会は自 然災害に弱いことを思い知らされることが多い。
 昔に比べて現代社会では、産業の発展により生活も仕事も 不自由なく営むことができる。人間の力はなんて凄いのだろ うと思う反面、よく考えてみると間の抜けた所を感じる部 もある。例えば、火事などの災害が生じた場合に逃げ場のな い高層ビル、大雪が降ったら身動きが取れなくなってしまう 自動車など。そして太陽の光を浴びたり土の上を歩いたり自 然の風を受ける権利などを奪われても、文句も言わずアスフ ァルトに固められた道を歩き、自然の光や風の届かない地下 にもぐり無機質なコンクリートの箱の中で仕事をしたり生活 したりしている。
 人には生きていくための大切な自然から与えられる恵みが あるはずだ。それは光あふれる太陽、清々しい空気、透き通 る水、緑あふれる野山、広い大空などである。大都会に住む 人は不自然な状態に違和感を持たなくなってしまっている。 人間は何かを作り出すたびに愚かになっているのではないだ ろうか。
 暮らしを楽にするため最新技術を駆使して作り出した物が 球温暖化を招き、それに引き起こされる異常気象が自分たち の首を絞めている。自分たちの姿を今一度立ち止まって見つ めたいものである。  (
*この原稿は、神奈川県保険医協会の機関紙「神奈川県保険医新聞」第2052号(4月5日付)のコラム「杏林往来」から、編集部の了解を得て配信しています。
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「手を結ぶための、私たちの訴え」第400回配信
2018年4月2日 日本機関紙協会神奈川県本部

読み込みたい労基法第1条

 会話や文章には、本来は主語があります。「私は」「〇〇さ んは」「国民は」などが主語です。安倍政権の「働き方改革」 の主語は何でしょう。残業代もつかず、財界のために長時間 働かせる制度は、労働者が願う「働き方」でしょうか。隠さ れている主語を表に出せば「財界が、労働者を安く働かせる 改革」となります。主語を隠す安倍政権の習性でしょうか。
 裁量労働制は切り離されましたが、「高度プロフェッショナ ル制度(高プロ制度)は残っています。過労死、過労自殺、 「ブラック」な働かせ方がまん延。「非正規労働者」という、 正常な雇用関係から外されている人たちも激増してきました。 労働者の将来を考えれば、このままでよい訳がありません。
 4月7日は、労働基準法が公布されて71年を迎えます。憲 法27条2項の規定にそってつくられた法律です。その第1条 の1項に同法の精神が書かれています。「労働条件は、労働者 が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきもの でなければならない」と書かれています。
 編集者のみなさんには、この法律の第1条から考えていた だきたい。暮らしも仕事も人付き合いも「生活」です。「人た るに値する生活を…必要を充たす」ということばを読みこみ、 めざすべき当たり前を多くの人たちと考えあいましょう。

第400回配信 2018年4月2日 No.1482
大井町 こどもの医療費 通院〝無料化〟

県内初!「高3」まで拡充の英断

  2019年度の実現めざす
 
「神奈川県保険医新聞」から

 大井町長は3月2日の施政方針で、通院・入院の小児医療 費助成制度について、対象を3学年引上げ、「高校3年生」ま での医療費を無料化することを表明。2019年度からの実 施を目指すとした。
 通院助成で高校生までを対象とする自治体は県内初。入院 でも清川村に次いで二番目の自治体となる。また、県内3分 の2の自治体が設けている「所得制限」についても導入しな い方針。
 今回の制度拡充では、対象を600人増の3000人、予 算を600万円増の7900万円と想定する。なお、町長は、 人口減が問題となる中で、「定住促進を図るための一助」とも している。
 一方、県内の助成基準は自治体間で格差が生じている。対 象学年に関してはこの間、市民の要請を受け、今年4月には 全自治体最低でも「小学6年」まで引き上がる。ただ、横浜 市、川崎市、茅ヶ崎市では新たな対象者には窓口での「一部 負担金」の徴収をセットで盛り込むという巧妙な手法がとら れており、相模原市でも同様の検討が進む。
 お財布を心配しない受診、早期受診による健全な発育―。 制度趣旨への立ち還りが求められる。
*この原稿は、神奈川県保険医協会の機関紙「神奈川県保険医新聞」第2051号(3月25日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
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第400回配信 2018年4月2日 No.1483
土田康さんの『雑草のうた』

かん口令に立ち向かった
被爆者の叫び・祈り・誓い

「被爆者ニュース」のコラム「とに核一言」から

 昨年12月、ICANがノーベル平和賞を受賞した。核兵器廃 絶に向けた国際世論の前進と考えたい。
 折も折、1987年から4年間、当会
(神奈川県原爆被災 者の会)の会長だった土田康さんの『雑草のうた』を読み返 す機会があった。
 この『雑草のうた』は日本被団協(日本原水爆被害者団体 協議会)・当神奈川県原爆被災者の会の草創期に活躍された方 々の苦難の歴史を土田さんが紹介されたものだ。
 この中に紹介された被爆者は21名、その内存命者は3名。  土田さんは「被爆して40数年、箝口令(かんこうれい)の 最中にも毅然と立ち向かった被爆者の反核の叫び、それは世 界平和への祈りであると共に、再び被爆者をつくらせないと いう誓いのためでもあった。だが歳月はこれら貴重な証人達 を、高齢化という波で押し流した。限りある命の悲しさを最 近は特に感じる。あの人の活動も、あの人の苦しみも今多く の人に知ってもらいたい」。この時から30年、土田さんも亡 くなられた。
 実戦で使われた原爆で、世界でも特殊な人生を歩んだ被爆 者の核兵器廃絶にかけた歴史と、その中心となって反核運動 に掛けた日本被団協の心を、多くの人に伝え、核兵器廃絶の ために協力いただければ幸いと思う。活動の最中に無念の思 いを残して亡くなられた方々に、核兵器の全面廃絶の実現 を報告したい。その一念でこれからも活動を続ける。(Y・N)
*この原稿は、神奈川県原爆被災者の会・被爆者相談センターの機関紙「被爆者ニュース」第192号(3月25日付)から、編集部の了解を得て配信しています。ゴシックは原文のママです。
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第400回配信 2018年4月2日 No.1484
神奈川県議会定数問題

「2増2減」で解消されない一票格差

 最大「3.07倍」 2倍以上27選挙区
日本ジャーナリスト会議
事務局次長 佐藤隆三さん

選挙区・定数 登録者数  議員1人当たり  愛川町・
    の登録者数     清川村比

座間市 1 109,377 109,377  3.07

海老名市1 108,458 108,458  3.05

横浜市瀬谷区1103,909 103,909 2.92

横浜市栄区1 103,061 103,061 2.90

南足柄市・足柄上1  92,087  92,087 2.59

横浜市港南区2 182,518  91,259 2.56

川崎市多摩区 2 175,739  87,870 2.47

横浜市保土ヶ谷区2 172,625  86,313 2.43

横浜市青葉区3 254,044  84,681 2.38

横浜市金沢区2 169,088  84,544 2.38

横浜市都筑区2 167,242  83,621 2.35

横浜市南区2 165,781  82,891 2.33

横浜市西区1  82,796  82,796 2.33

足柄下 1  39,617  39,617 1.11

三浦市 1  39,112  39,112 1.10

愛川町・清川村1  35,581  35,581 1.00

 神奈川県議会の議員定数等検討委員会は2月23日、来年4 月に行われる県議選の選挙区について「2増2減」を合意し た。川崎市の川崎区(定数2)と高津区(定数2)の定数を 各1増とする一方、横浜市港南区(定数3)を1減し、南足 柄市(定数1)と足柄上(定数1)を合区することで1減す るというものだ。定数105は維持される。しかし、「2増 2減」によっても、最大で3倍を超えている「一票の格差」 問題は改善されず、依然として残されたままだ。
議員1人当たりの有権者は平均72,562人
 神奈川県選挙管理委員会は3か月ごとに、市町村の有権者 数を公表している。正式名称は「市町村別選挙人名簿登載者 数」。最新のものは3月1日現在だ。全県の総登録者数は76 1万9000人。議員一人当たりの登録者数は7万2562 人となる。
 選挙区ごとに登録者数をみると、議員一人当たりの登録者 数がもっとも少ない選挙区は愛川町・清川村(定数1)の「3 万5581人」。全県平均のほぼ半分だ。一方、もっとも多い のは座間市(定数1)で「10万9377人」。こちらは全県平 均の1.5倍だ。そこで、愛川町・清川村と座間市の議員一 人当たりの登録者数を比較すると、その開きは「3.07倍」 となる。その次は海老名市(定数1)の「10万8458人」 で、こちらも「3.05倍」と3倍を超えている。両市の「一 票の価値」は愛川町・清川村に比べると3分の1以下、とい うことになる。
格差2倍以上の選挙区は半数を超える  さらに「2倍以上」となると、横浜市瀬谷区(定数1・10 万3909人)の「2.92倍」を筆頭に、同市栄区(定数1・ 10万3061人)の「2.90倍」、南足柄市・足柄上(定数1・ 9万2087人)の「2.59倍」が続き、その数は25選挙 区にものぼる。
 3倍以上の2市を加えると、2倍以上の選挙区は27選挙区 を数える。全48選挙区の半数以上に「2倍以上」の格差が存 在するという構図だ。これで、県民の民意が県政に正しく反 映されることは期待できない。
 「一票の格差」は、国政選挙のたびごとに裁判で争われ ている重大な問題だ。判例では、その格差は最大でも2倍 以内とする考え方が積み重ねられてきている。「一票の格差」 が最大1.98倍だった昨年10月の衆院選では全国で16件の 訴訟が提起され、そのうち違憲状態は1件のみで、14件では 合憲の判断が示されている。2倍未満が評価されたものと受 け止められている。その考え方は憲法の要請であり、あらゆ る選挙に通じなければならないはずだ。地方選挙だから2倍 以上でもよい、ということにはならない。地方選にも憲法の 要請は貫かれるべき。
 神奈川県議会議員選挙においても、最大3倍以上の格差と いう異常な状態を放置し続けることはもはや許されない。「2 増2減」で止まることなく、「一票の格差」は早急に抜本是正 されなければならない。
*この原稿は、日本ジャーナリスト会議神奈川支部の機関紙「JCJ神奈川」第54号(3月25日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒101-0051
     東京都千代田区神田神保町1-18-1       TEL.03(3291)6475

第400回配信 2018年4月2日 No.1485
神奈川が生んだジャーナリスト 原寿雄さん

「変革は一人から始まる」が口癖

日本ジャーナリスト会議
 神奈川支部代表 藤森研さん

 ジャーナリストの原寿雄さんが昨秋、92歳で亡くなった。 約30冊の骨太な著書などで、ジャーナリズムのあるべき姿勢 を説き、後進に大きな影響を与えた。
 原さんと神奈川は、切っても切れない関係にある。
 原さんは1925年、神奈川県大野村(現平塚市)の小作 農の長男として生まれた。中原街道沿いで、近くに御殿の地 名も残る。原さんの母上は出生に謎多き人で、酒の席では、 「原さんは、もしや貴種なのでは」と話が盛り上がった。
 県立平塚農業学校を出て国鉄の改札掛になるも、さらに猛 勉強して海軍経理学校に入った。
 しかし敗戦で、深刻な価値観の転換に直面。原さんは一高、 東大に入り直し、ジャーナリストになった。
 原さんは共同通信記者として、菅生事件取材などを手掛け る。また、小和田次郎の筆名で、日々の報道の内側を世に知 らせた「デスク日記」を雑誌に連載した。大きな反響を呼び、 記者の良心と評価された。連載は後に5分冊の本になった。
 「週一ぐらいの泊り明け休みの日に、川崎の公団アパート 2DKで子どもたちが寝静まってから、深夜まで書いた」と いう。「小和田」の筆名は当時の神奈川県内の地名から取っ た(『ジャーナリズムに生きて』)。  共同通信編集局長、編集主幹などを歴任。その間の198 3年には、情報公開の異議申し立てを審査する神奈川県公文 書公開審査会の初代会長となり、14年間務める。1992年 からは地元・茅ヶ崎市の監査委員にもなった。他の社会的活 動にも積極的にかかわり、新聞労連や川崎の市民運動など多 くの場で講演した。
 90年代半ばから20年余りにわたって、辻堂にある原さんの お宅で私的な勉強会「原塾」が開かれた。私も塾生の一人だ った。メディアが戦争を阻めるか否かの試練「ペンかパンか」 を議論し、市民社会におけるジャーナリズムの役割を考えた。  ジャーナリストは自立が大切だと、原塾長はよく語った。 連帯もさることながら最後は個々の覚悟に帰すると。口癖は 「変革は一人から始まる」だった。
* この原稿は、No.14584と同じ「JCJ神奈川」の同じ号から編集部の了解を得て配信しています。
   連絡先も同じです。
  なお、藤森さんは機関紙協会県本部の顧問も引き受けてもらっています。

第400回配信 2018年4月2日 No.1486
神奈川の負けない人たち

退職強要はね返す
東芝の職場を明るくする会

「新かながわ」から
 原発事業の失敗を不正経理で隠ぺいし、巨額な債務超過に 陥った東芝グループ。東芝デジタルソリューションズなどグ ループ3社で計400人のリストラを3月までに行う計画で す。これに対し、東芝・東芝グループ会社の退職者や現役労 働者でつくる「東芝の職場を明るくする会」(東芝の会)は、 違法な早期退職・転籍の強要に反対する活動を展開。労働者 にたたかう勇気を与え、退職強要をはね返す力になっています。 (高巣博文)

たたかう勇気を与えたビラ
 東芝は昨年11月から今年1月にかけて、川崎市内にあるグ ループ会社の東芝デジタルソリューションズ300人、東芝 インフラシステムズ50人、東芝エネルギーシステムズ50人、 合計で400人のリストラ計画を発表しました。
 計画は、早期退職、東芝グループへの配転、1年後に転籍 の条件での派遣会社への出向という内容でした。東芝は、16 年に1万4000人の大リストラを行ったばかりです。

辞めるわけにはいかない
 東芝の会は、東京・神奈川など京浜地区14事業所で、昨年 8月から今年3月の間、ビラとアンケートをセットにして7 000枚以上配布しました。
 ビラには、相談窓口担当者の電話番号とホームページを紹 介。2月、リストラ通告を受けた労働者から、次のような電 話やメールが届きました。
 「上司に呼ばれて辞めてくれと言われた。東芝グループは どこもいっぱいで行ける職場はない。派遣会社の面接を受け るように言われたが、もし派遣会社の面接を受けて採用さ れなかったら、辞めるしかないのか」、「上司に派遣会社の 面接を受けるように言われた。子どもはいるし今会社を辞 めるわけにはいかない。家族にも言えない。昨夜は眠れなかった。 (ショックで)今日は会社を休んだ」

気持ちを立て直し 立ち向かう
 電話を受けた担当者は「リストラ宣告を受けた労働者の声 から動揺と不安が伝わってきた」と言います。
 東芝の会はリストラ通告を受けた労働者を激励し、自分の 意思をどのように会社に主張するかを、アドバイスしていま す。
 同会のメンバーと会って話した労働者は気持ちを立て直し て、会社との再面談に臨んでいます。リストラ面談とたたか った労働者は、退職強要をはね返し、要求が実現しました。
 3月2日、浜松町本社ビル(東京都港区)前で行われた同 会の宣伝。小走りでビラを受け取る女性、上着の内ポケット にしまう男性の姿も。同会のビラは労働者に読まれ、労働者 の心に響いています。
*この原稿は、「新かながわ」第2444号(3月25日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
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第400回配信 2018年4月2日 No.1487

ウソ重ねる「働かせ改革」

「新かながわ」のコラム「各駅停車」から

 安倍政権の「働き方改革」は経済界の要望に沿った「働か せ改革」であることが一段とはっきりした。
 提出された資料にあった残業時間は、そもそも設問の違う ものに答えたものであり、比較の対象が違うもの。これでは 〝ごまかし〟としか言いようがない。
 自動車会社の燃費データ偽装、製造業における品質の改ざ んや隠ぺいが問題になった。「もり・かけ」に見られる証拠隠 し、改ざん、証人喚問拒否に現れた安倍政権の隠ぺい体質は 大問題だ。
 「裁量労働制」は、成果が出るまで働かせ続け、まともに 残業代も払わず、過労死を招くほどこき使おうとしたもので、  国民そっちのけで米軍や経済界にこびた政治では、憲法に 保障された「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活 を営む権利を有する」条項は守られない。
 大企業は大幅な減税の恩恵を受け、労働者の賃上げ要求に は答えず、内部留保をため続ける。戦争をする国づくりのた めに、防衛費には莫大な予算をつける。その一方で働く者の 生活は、〝生かさず殺さず〟程度に抑える。
 労働基準法「改正」では、成果型労働制といわれる「高プ ロ制度(高度プロフェッショナル制度)」で残業代を払わない。 国民いじめの悪政は一刻も早く終わらせなくては生きてゆけ ない。
*この原稿は、No.1486と同じ「新かながわ」第2445号から了解を得て配信しています。
 連絡先も同じです。

第400回配信 2018年4月2日 No.1488 戦争の方向に進んでいくのを止めなくてはネ
海老名市平和委員会 副会長 伊藤健史さんに聞く

 トラック運転手をしていた。「日給月給だし同じ仕事の繰り 返し、将来性を感じなかった」。友人の紹介で大工に。「物を 作るのが好きだったし、まあできるだろう」と思った。工務 店に入って弟子入り修行。「親方が材木に墨付けをするので、 それをきざむ仕事を任された」。上手くいかないので「怒られ、 怒られ、ですね」。刃物の研ぎ方を教えてもらった。家を建て られるようになったのは5年ぐらいしてから。30歳で独り立ち した。「お客さんと初めて顔を合わせるときは身が引き締まり ますね」。いい家を建てようと思う。心がけていることはごまか さないこと。「腕はいい方だと思いますよ」と笑顔を見せた。 社会全体が間違っています
 苦労することは「工期に間に合わせること」。中途半端な 仕事にならないように努力している。「今、業界は作れ、作れ と儲けが優先されていると思います」。そして「組み立てるだ けの仕事も増えています」。これでは「若い人が育ちません」 と顔をしかめ「社会全体が間違っています」と厳しい言葉が 返ってきた。

勧誘した人の魅力に負けました  わが家を建てているとき、通りかかった大工さんが「神奈 川土建に入らないか」と声をかけてきた。「その気がなかった」 、3回目の誘いでOK。「勧誘した人の魅力、男らしさに負けま した」。仕事がない時に、「原水禁世界大会に行かないか」と 組合から話があった。「親からも戦争しちゃいけない」と言 われていたので「関心がありました」。参加して「改めて自 分たちで平和をつかんでいかなくてはいけないんだ」と思 た。3年前、綾瀬に平和委員会が再結成される時、組合に話が あった。「安倍政権が集団的自衛権を容認するときで、自分た ちが動かなくては大変なことになる」と思ったので、「平和委 員会に入っていいかな」と加入した。「同じ志を持った仲間が くさんいるって、いいですね」。

時の権力者を縛るのが憲法でしょ  今は住まいのある海老名市平和委員会で副会長。「なんで憲 法9条を変えようとしているんですかね」と言ってから、「戦 争して経済を良くしようなんて間違っています」と声を荒げ た。「時の権力者を縛るのが憲法でしょ」と続けて、「マスコ ミが取り上げないのは信じがたいですね」と話し、「安倍9条 改憲NO! 3000万署名を広げて対話が必要です」と決意 を見せた。「戦争の方向に進んでいくのを止めなくてはね」、 暑い思いが伝わってくる。

会員をもっと増やしたい  平和委員会への期待は「会員をもっと増やしたい」。学習会 だけでなく「バーベキューやお花見をやりたいですね」。趣味 は、と問うと「お酒ですかね」と返ってきた。日曜日は半日 カンナやノミを研いでいる。「刃物のあたっている音で、も うちょっとだな」。気持ちが刃物に通じる。楽しい自分の世 界だ。
*この原稿は、神奈川県平和委員会の機関紙「平和新聞」神奈川県版106号(3月15日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
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「手を結ぶための、私たちの訴え」第399回配信
2018年3月26日日本機関紙協会神奈川県本部

新聞型を活かして伝えたい

 「忖度(そんたく)」ということばを今ほど流行らせたのは 安倍政権でしょう。(「忖」も「度」も、はかる意)で、「他人 の心中をおしはかること」と広辞苑には書いてあります。用 例として「相手の気持ちを――する」と示してあります。本 来は、ことばとして、けして悪いことばではありません。
 しかし、権力を持つ人に「忖度」することは政治や企業の 世界ではいつも良いとは限りません。今、問題になっている 「森友疑惑」がその悪い例です。ことの始まりは、ウソを言 い続けている首相の発言です。その国会でのウソ答弁を忖度 した当時の佐川理財局長の答弁。それに合わせた公的な文書 の改ざん事件で、日本の歴史や社会を狂わせる事件です。
 一つひとつの情報は細切れで、それをばらばらに受け取っ ていてもコトの本質は分かりにくいものです。個々の情報は 評価され整理されて、全体像を組み立てて伝え、受け取る人 たちに確かめ合ってもらうことが大切です。
 整理された全体像が同時代に伝わるようにするためには、 日本の新聞型のメディアが適しています。そこには、読者に よく伝えるためのノウハウ=教訓が凝縮されているからです。  企画・制作プロセスや編集技術なども駆使しながら、安倍 政権があり続けてよいのかを広く確かめあって行きましょう。

第399回配信 2018年3月26日
「横浜市従」
=市民生活そっちのけ=

さらに色濃い財界おもてなし

  ~横浜市の2018年度予算案に対する見解(要旨)~
「横浜市従」から

 1月30日、林市長は2018年度予算案と新たな中期計画の 基本的方向を発表しました。
 この間、社会的にも問題になった児童虐待防止や子どもの 貧困対策などで一定の施策や予算の拡充を盛り込み、部分的 に市民要求に応えつつも、企業誘致と観光・MICE、各種イベ ントなどによる「呼び込み型」施策を継続。推進するものと なっています。さらに新たな埠頭建設の事業化検討をはじめ、 今後もこうした方向を継続・推進する姿勢を示すものとなっ ています。
 2018年度予算案は、「次世代へ横浜をつなぐ、新たな一 歩を踏み出す年」とし、「新たな中期計画」の策定とともに、 その計画の初年度を踏み出すための予算としています。予算 の構成を見ると、昨年第一に掲げていた子育て支援を中心と する「あらゆる人の力の発揮」は後方に追いやられ、経済・ 文化芸術・観光MICEを第一に掲げている点からも、企業側 にシフトした立ち位置の違いは明白です。また、「新たな中期 計画」は「次世代へ横浜をつなぐ」ために6つの戦略と38の 政策が基本的方向として発表されました。人づくりを中心に 据えながらも人が「成長の基盤を支える」とし、「人・企業が 躍動するまちづくり」に挑むとしている点からも、破綻した アベノミクス追随姿勢を継続するものであり、市民要望に正 面から応えることよりも大企業が活躍できる環境づくりのた めの基盤整備、都市開発事業を優先するものと言わざるを得ま せん。
 国政における政策問題とともに、横浜市が憲法と地方自治の 本旨にもとづき、どう市民生活の改善や安心・安全の確保、 住民福祉の増進につなげる予算にしていくか、横浜市従業員 労働組合として、各職場からの意見も参考にしながらさらに 研究を深めなければなりません。
 横浜市従は、組合員が働きがいを持っていきいきと職務を 進めていくためにも、市民本位の予算編成を求めて市民のみ なさんとも共同してこれからも奮闘していきます。
*この原稿は、横浜市従業員労働組合の機関紙「横浜市従」第1501号(3月15日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
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第399回配信 2018年3月26日 No.1478

基地情報 朝鮮半島危機

米国議会の「警告」
 ―2018年1月30日、米上院軍事委員会公聴会記録か ら。訳は神奈川県平和委員会基地対策委員、菅沼幹夫さん―
 2018年1月30日、米上院軍事委員会での公聴会に3人 の識者が証言した。証言者は、デニス・ブレア(元国家情報 長官・元太平洋軍司令官)、マイケル・ジョナサン・グリーン (元米国安全保障会議(NSC)大統領特別補佐官、ケリー・ マグサメン(元国防次官補代理)の3氏。テーマは「朝鮮半 島の情勢とインド・太平洋における米国の戦略」である。
 3氏ともそれぞれの立場から見解を述べたが、紙数の関係 で、マグサメン氏の証言を紹介し、いま米議会は何を考え、 どうしようとしているのか、その一端を考える材料を提供し たい。
 もちろん、軍事力の行使に当たり、米国憲法に基づく大統 領権限と議会の関係、「戦争権限法」と過去の軍事力行使にお ける経緯などさまざまなズレは、考慮したうえで、あくまで も米議会がこの問題にどう対処しようとしているのかを考え る一つの材料である。

軍事力行使の人的・経済的なコスト
 前置きが長くなったが、マグサメン氏は、「私は、予防戦争 の可能性のあるコストを徹底的に分析し、代替案を慎重に検 討した。北朝鮮との戦争には人的、経済的、戦略的な大きな コストがかかる」として、「核や化学攻撃ではないとしても、 韓国は砲撃に直面するだろう。議会研究事業所によると、通常 の紛争でも3万~30万人は開戦の数日以内に死ぬ可能性があ る。28.500人の米軍人と何千人もの家族に加え、約10 万~50万人の米国人が韓国に住んでいる。日本には何十万人も のアメリカ人と人が住んでいる。もちろん、ハワイ、グアム、 アラスカはすべて北朝鮮のミサイルの範囲内にある。
 予備軍を含む北朝鮮軍は約700万人強。これはイラク軍 の25倍の規模だ」と具体的なデータをもとに証言した。さら に、「経済的なコストも同様です。RAND研究所(*米国の宇 宙開発、情報処理、軍事戦略の調査・研究機関)は、核兵器 の紛争が発生すると、初年度だけでも韓国のGDPの少なく とも10%のコストがかかり、その損出は最低でも10年間は引 き続くと推定される。
 さらに、米国の納税者に直接かかる負担は非常に大きいR AND報告によれば、朝鮮半島の長期的な再建の見積もりは 1兆ドル(約110兆円)以上」と見積もる。

米国の戦略的ダメージは深刻
 それから戦略的なコスト。第一に、アジアの同盟国の十分 なサポートなしの予防戦争は、アメリカの信頼をアジアだけ でなく世界的に損なうだろう。中国とロシアは傍観しない。 中国は自国の利益を進めるためにほぼ確実に介入するだろう。
 北朝鮮における中国のプレゼンスは、ほぼ確実に長期的な ものであり、我々の同盟と北東アジアへの関与に深刻な影響を 及ぼすであろう。そして、最悪のシナリオは、直接の米中紛 争の可能性があることを視野に入れ、「北朝鮮との戦争は、ロ シア、中国、イランのような他の主要な課題に対処する米国 の戦略的な諸活動を制限し、任期中、大統領と国家安全保障 チームは、この問題から手を離せなくなるだろう」。氏は最後 に「私の見解では、ここに戦争対戦争というものはありませ ん。米国人を含む何百万人もの無実の民間人が、今日すで に危険にさらされている。最悪の選択肢は戦争である」と結論 づけ、今すぐ「北朝鮮の非核化には至らずとも、検証可能な 形で北の核の脅威を効果的に制限していく方向で同盟国と緊 密に連携し、外交の工程表を策定していくべきだ」と強調した。

「最大限の圧力」一辺倒の安倍政権の無能  3氏の主張は、それぞれ独自の展開であるが結論は一致し ていた。「軍事力の行使は、米国の国益を損ない、最悪のシナ リオだ」と。これは圧力一辺倒を繰り返すだけの安倍政権と は比べようもない。
 日本が戦場となり、多くの国民が命を失うという最低限の リアリティーもない危険な内閣であることがますます明確に なっている。
*この原稿は、神奈川県平和委員会の機関紙「平和新聞」神奈川県版109号(3月15日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
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第399回配信 2018年3月26日 No.1479

性暴力と人権問題学ぶ

    国際女性デー横浜市従集会
「横浜市従」から

 3月8日は、国際女性デーです。今年の横浜市従集会は、 3月1日横浜市健康福祉総合センターで、「新たに浮かび上が った人権問題~ポルノ被害と性暴力について」元婦人保護施 設施設長、田口道子さんから、生の声を聞くことができまし た。
 モデルだと思って契約したら、AV出演だった。拒否すると 違約金として多額の金額を請求され、無理やり出演すること に。契約をやめようと思って事務所にいったら、複数からレ イプされ、動画をとられ脅迫された。…こんな性暴力による人 権侵害もひとたびAVビデオになると作品になり、社会に流さ れていく実情。弁護士に相談すれば、身元を明かさなければ ならないので、被害者はどこに相談していいかもわからない。
 田口さんが理事長を務めるNPO法人PAPS(ポルノ被害と 性暴力を考える会)では、被害者からの相談を受けたり、支 援活動を行っています。「人として、性的尊厳をおかされた人 に対しての人権快復。この人権侵害を知ってもらう事が大切。 さらに広げて多くの人とこの問題をともに考え、行動してい きたい」と田口さんは話されました。
 田口さんたちの活動が広がり、国会、そしてメディアでも 取り上げられるようになってきたポルノ被害と性暴力問題で すが、新たな人権問題、女性として許せざるべき問題を学ぶ ことができました。      (婦人部 宍倉かおりさん)
*この原稿は、No.1477と同じ「横浜市従」の同じ号から、了解を得て配信しています。連絡先も同じです。

第399回配信 2018年3月26日No.1480

再生可能自然エネルギーへの転換を!

うしおだ診療所屋上に太陽光発電所
「暮らしとからだ」から

 2011年に起きた福島第一原発事故は、人々の健康や暮 らしよりも経済的な利益を優先させ、安全対策もずさんなま まに危険な原発を推進してきた国の政策を浮き彫りにしまし た。
 NPO法人「原発ゼロ市民共同かわさき発電所」は、原発の ない未来をつくるために、自然エネルギーによる地産地消・ 地域分散型の発電の普及に取り組んでいる団体です。当法人 グループはその趣旨に賛同して、うしおだ診療所の屋上を太 陽光発電所として無償貸与することを決め、昨年11月に3 号機発電所が完成しました。その完成記念として、2月18 日(日)に見学会と通電式を行い、会津電力株式会社・代 表取締役社長の佐藤彌右衛門さんが記念講演をしました。

3・11の取り組み
 東日本大震災から7年目を迎える3月11日(日)には、13 時半からココファン横浜鶴見で「原発から再生可能自然エネ ルギーに向けてのつどい&脱原発パレード」を行います。当 日は、映画「日本と再生」ダイジェスト版を上映します。福 島原発事故であぶり出された原発利権構造を告発しながら、 ドイツ、デンマーク、中国、アメリカなどの事例を通じて、 「自然エネルギーで地域も経済も再生できる」ことを描き ます。クリーンで安価な自然エネルギーへの道が急速に切 り拓かれている世界で、日本が遅れをとっている事実を示し、 原発をなくしたあとの未来はどうあるべきか、いっしょに考え られる作品です。

国際社会とも連帯して  これまで民主医療機関連合会(民医連)の理念である国民 の生命と健康、安全を守る立場から、原発再稼働反対、原発 ゼロ、再生可能エネルギーへの転換を求める取り組みを進め てきました。次年度は、国連で採択された国際社会共通目標 「SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)」 を推進する立場からも、再生可能エネルギーの普及に向け た運動を広げ、引き続き原発事故の被災者に寄り添い、幅 広い人々と連帯して原発再稼働反対の運動を進めていきます。
*この原稿は、よこはま健康友の会の機関紙「暮らしとからだ」No.649から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒230-0001      横浜市鶴見区矢向1-6-20 汐田総合病院新館内
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第399回配信 2018年3月26日 No.1481
シリーズ「安倍改憲NO!」
 安倍首相が狙う改憲。国のあり方を根本からひっくり返し、 立憲主義の破壊が目的。「安倍改憲NO!3000万署名」推 進をテーマにシリーズで掲載します。

  すすむ米軍・自衛隊の一体化(1)

アメリカ空母を 護衛する自衛隊

神奈川県平和委員会 鈴木和弘さん

 歴代内閣が「違憲」で認められないとしてきた集団的自衛権 の行使が、2014年7月1日の閣議決定で「容認」に転じ、 自衛隊法の改悪など10の法案を一つにまとめた「安全保障関 連法案」が2015年7月1日の衆議院で強行採決された。 これに基づき、自衛隊の米軍との一体化が急ピッチで進めら れている。
 実態は、法案が審議される以前から、自衛隊の米軍との一 体化が進められてきていた。その実態を見てみよう。

すでに行われている米艦防護
 北朝鮮の核実験や弾道ミサイル発射などに対応するために 日本海に派遣されている米軍艦船への燃料補給に向かう海上 輸送軍団所属の補給艦リチャード・E・バード(前日から横 須賀軍港沖合に停泊)を海上自衛隊のヘリ搭載護衛艦(ヘリ 空母)「いずも」が戦争法の「米軍等の武器等防護」任務とし て四国沖まで防護したことが報じられている。
 米艦防護は今始まったことではない。すでに日米共同演習 では航空母艦を防護する任務は海上自衛隊の護衛艦があたっ ている。空母は艦載機による空爆などの攻撃が主な任務で、 自らを守る能力は極めて低い。そのため空母は、単独で行 動することはなく、直轄のイージス・ミサイル巡洋艦や駆 逐戦隊を構成するイージス・ミサイル駆逐艦などにより空母 を取り囲む形態の「輪形陣」を編成して行動する。
 この態勢を「空母打撃群」と称し、通常、空母1隻に対し 随伴する艦船は9~10隻と言われている。この輪形陣に海上 自衛隊の護衛艦が参加していることも明らかになっている。 つまり、空母を護衛するための態勢に組み込まれているので ある。決して戦争法の施行による初めての米艦防護ではない。
*この原稿は、神奈川県建設労働組合連合会の機関紙「けんせつ通信」第684号(3月1日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
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「手を結ぶための、私たちの訴え」第398回配信 2018年3月19日 日本機関紙協会神奈川県本部

写真誌が日本のアスベストに警鐘

 354人が提訴していた首都圏建設アスベスト訴訟「東京 1陣」への東京高裁判決が3月14日に出ました。国の責任を 認め、一人親方を含む327人の建設作業従事者を救済する 判決を出しました。*「原告団ニュース」を参照ください。 全国の建設アスベスト訴訟連絡会は、国の責任を認める判 決が2高裁・6地裁となったことを受けて、厚生労働省に早 期解決の意見提出を訴えています。*添付ファイルを参照。
 フォトジャーナリズム月刊誌の「DAYS JAPAN」4月号が、 アスベスト被害は現在世界で1憶2500万人とWHOのデ ータを示し、産地イタリアの村の被害と、日本に潜むアスベ ストの危険性に警鐘を鳴らしています。アスベストの被害は、 建設従事者だけでなくその家族、アスベスト工場周辺住民、 使用された建物由来の環境曝露もあると指摘しています。
 エレベーターのブレーキから建物に吹き付けたものまで、 広範囲に使用されてきました。阪神淡路・東日本の大震災で はガレキも含めて広範囲に飛散。しかし防災基本計画の中に もアスベスト対策はない。地震大国の日本のアスベスト対策 は遅れています。使った建物の解体期にも入ります。被害の ピークは2035年といいます。命を守るなら海上自衛隊の ヘリ空母より、税金と人をアスベスト対策に回すべきです。

第398回配信 2018年3月19日 No.1471

教育行政にも
「安倍壊憲政治の闇」

―憲法に抵触する前川講演の調査―
前川喜平前次官が語る
ジャーナリズム研究者 丸山重威さん

 「前川氏は天下りで引責辞任した人物。このような人物を 公教育の学校の授業になぜ呼んだのか。経緯と講演の内容、 学校の見解を報告、録音データを提供せよ」―文科省は、前川 喜平前文部次官を講師に呼んだことについて、名古屋市立八 王子中学校にしつこく問い質したことは、憲法や教育基本法 に抵触する重大な問題だ。
 課長補佐が局長と話してやったのだそうだが、さすがに林 芳正文科省は「誤解が生じないようにすべきだ」としたが、 同時に「学校が十分に調べず呼んだのは必ずしも適切とは 言えず、もう少し慎重な検討が必要だった」とも語ったが そう言うこと自体、問題なのではないか。
 同時に気になるのは文科省は一体何のためにそんな資料集 めをしているのか、ということだ。文科省は「外部からの問 い合わせ」だと言っているというが、前川さんについて「出 会い系バーに出入りしていた、と報道された」など、名誉棄 損もしている。
 かつて、「国策に背く」とレッテルを貼られ、教壇を追われ た教師は少なくない。川上肇、大森義太郎、向坂逸郎の三教 授が大学を追われたのが1928(昭和3)年。続いて瀧川 幸辰教授事件が33(昭和8)年、美濃部達吉博士への天皇機 関説攻撃が35(昭和10)年…。教育現場の自由はどんどん失 われていた。
 ところで文科省は「問題講師」リストを作り、「問題講演集」 をどこかに集めてファイルしているのだろうか? 文科省に 問い合わせた団体はどこで何に使うのか。ここにも「安倍壊 憲政治の闇」がある。
*この原稿は、17日に送られてきました。丸山さんは機関紙協会県本部の顧問ですから、連絡はこの「配信」の連絡先にお願いします。

第398回配信 2018年3月19日 No.1472
茅ヶ崎革新懇15周年記念講座

個人の尊厳 導く教育を

前川喜平前次官が語る
―平和でこそ人権守られる―
前川喜平前次官が語る
「新かながわ」から

 3月1日、茅ヶ崎市内で開催された茅ヶ崎革新懇15周年記 念講座で、前川喜平・前文科省事務次官が、480人の参加 者を前に「個人の尊厳を導く教育」について次のように語り ました。
 個人の尊厳は日本国憲法の根幹で、教育の目的も「国家の 栄光」ではなく一人ひとりの個人を守ることにある。99条で 公務員に憲法遵守義務を負わせているのは立憲主義に基づく 政治を行うためである。
 憲法の3原則である、基本的人権、平和主義、国民主権は、 個人の尊厳を守るために不可欠である。戦争こそ最大の人権 侵害であり、平和であってこそ人権は守られる。憲法にある 勤労、教育、納税の3大義務はなくてもよく、法律に書けば よい。「義務教育」は「普通教育」とすべきだ。教育や社会保 障を受ける権利である社会権がなく、銃をもつ権利を認める 米国憲法は、時代遅れである。
 憲法を生かすために1947年に教育基本法が作られた。 歴代総理、文部大臣は必ずしも改定に乗り気ではなく、「総理 の意向」が忖度(そんたく)されることはなかったが、中教 審答申を経て、2006年に教育基本法が変えられた。
 新しい教育基本法の一番の問題は、「国民に対して直接行う」 教育が、「法律の定めるところにより行う」と変えられた点だ。 国家に従順な国民を養うための教育をめざすようになった。
 「道徳の教科化」は、人間を型にはめ、個人の尊厳でなく、 自己抑制、自己犠牲を賛美している。ある教科書にはお辞儀 の正しい仕方を書いている。集団の一員としての自覚を教え ているが、それは家族から国家までで、人類や地球を大切に する教育が欠けている。道徳も憲法に基づいて教えるべきで ある。
 教師と生徒との関係を自覚した人権教育、平和教育が必要 だ。主権者教育についての文科省の通知は、具体的な政治的 事象を取り上げるとしているのはよいが、教師は自分の意見 を言ってはならないとしている。ドイツでは教師が自分の意 見を言ってもよいとされており、生徒はその意見を批判的に 受け取るような教育が行われている。
 国会議員のなかには南京事件はなかったとする人も多く、 民族主義的な狭い考えが横行している。しかし、国境を超え た人のつながりがなければ、将来の日本はありえない。
取材:後藤仁敏さん *この原稿は、「新かながわ」第2443号(3月18日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
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 横浜市中区富士見町1-2 今一ビル202
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第398回配信 2018年3月19日 No.1473

無期雇用転換に大きな関心

「神奈川の仲間」から

 春闘を地域から盛り上げていこうと、2月11日を中心に 「春闘決起総行動」として、各地域の主要駅頭で宣伝行動 を実施し、また、1月末には労組訪問行動を取り組みまし た。

駅頭行動約200人が参加
 春闘決起総行動は、県内13駅頭で実施し、全体で約200 人が参加。9,000を超えるビラ・ティッシュを配布しま した。川崎では用意した2000個が45分で、平塚では10 00個が30分ですべて配布されるなど、大きく関心を集めま した。
 それぞれの場所でハンドマイクも用意し、未組織労働者も 含めすべての労働者の賃金引上げを中心に、労働法制の改悪 反対や、無期雇用転換の申しこみが4月からできるようにな ることなどを訴えました。鶴見地域では宣伝カーも運行し、 区内全域で春闘の宣伝を行いました。特徴的だったのは、無 期雇用転換への関心が高いこと。横断幕を見ながら寄ってき てビラを受け取る人や、その場で「これは、どういうことで すか」と質問され対話になる場面もありました。労働相談が 持込まれたり、「がんばって」と声がかけられ、「若い人や子 育て世代の受け取りが良かった」という駅頭もありました。 また、新横浜駅では憲法3000万署名も取り組まれました。

保育園も訪問
 1月末には横浜の地域を中心に労組訪問と共同した保育園 訪問がとりくまれました。労組訪問では、加盟組織の職場を 訪問し春闘のとりくみなどの状況の聞き取りや激励が取り組 まれました。私学職場では「なかなか生徒が集まらずたいへ ん」という素直な声が出されました。横浜西部地域では、加 盟を働きかけてきた職場で「機関会議で加入を決定しました」 という嬉しい報告もありました。
 未加盟の友誼組合や中立労組も積極的に訪問。神奈川大学 の労働組合とは無期雇用転換で懇談し、学習会への参加も約 束しました。国関係の組合でも「改正労働契約法の運用で 非常勤職員について団交で約束させることができたが、 事業ごとの予算のしばりがあり、難しい問題がある」などの 話がされました。
 労組訪問と同時に保育園訪問も取り組まれました。全国一 般の横浜保育所分会は毎年アンケートを集めていますが、こ れを組織化にも活かすために直接未組織の保育園を訪問し、 お礼とアンケート結果を届けて懇談することをめざしたもの です。保育所分会の現場の役員も参加し33園を訪問。多くの ところで好意的に受け取ってもらい、今後につながる行動と なりました。
*この原稿は、神奈川県労働組合総連合の機関紙「神奈川の仲間」第330号(3月1日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒231-0062
     横浜市中区桜木町3-9横浜平和と労働会館内
      TEL.045(212)
      FAX.045(212)5745

第398回配信 2018年3月19日 No.1474

拡大は許されない裁量労働

神奈川労連 労働相談センター
相談員 桐畑恭太郎さん

 いま国会では、「働き方改革」法案に盛り込まれた裁量労働 制の拡大が審議され、その問題が浮き彫りになっている。そ ういう中で、今回は、介護事業の会社の「役員」という方か らあった相談について紹介したい。
 この会社は、7~8か所でディサービスなどの介護事業を 展開していて、相談者は、一応「役員」ではあるものの、職 員給与の支給を受けて、事業所の立ち上げ・労務管理・介護 報酬請求業務などを一手に行っている。
 会社からは、「役員であり管理者だから、自分の裁量で働け ばいい」と言われているが、実際は、前記の業務をすべて押 し付けられ、毎日のように深夜までの労働を強いられている。 2週間以上休みが取れないこともある。1日8時間を超える 労働は月120時間にもなる。体調がおかしくなって、「辞め たい」と会社に言ったが、決済も受けて導入した労務管理ソ フトを「他の人が使えないから」と弁償請求されて困ってい るとのことだった。まったく酷い話である。
 「当然、弁償することなく退職できるし、時間外の請求も できる」と話して、組合に加入して交渉することを勧めた。 「まずは自分で話してみる」ということだったが、いまのと ころ、紹介した組合への連絡はないようで、その後どうなっ たか気になるところである。
 この相談のように、まじめな労働者がその「責任感」を利 用され、事業者・使用者の立場に置き換えられて責任を押し 付けられるというケースは、けして少なくない。こうした構 図は、裁量労働制にも通じる。「働き方改革」の欺瞞を広く知 らせ、法案を廃案に追い込んでいきたい。
*この原稿は、No.1473と同じ神奈川県労働組合総連合の機関紙「神奈川の仲間」第330号(3月1日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先も同じです。

第398回配信 2018年3月19日 No.1475
介護の現場から(Ⅱ)

住み慣れた地域で暮らし続ける

~身寄りのない独居高齢者の支援を通じて~
神奈川みなみ医療生活協同組合在宅福祉センター
  ケアマネージャー 内藤 淳さん

70歳代男性の事例
 漁業関係者が多く住む地域で生活をしてきたOさん。10代 のころに他県から移り住み、マグロ船員やドック作業員とし て働いてきましたが、50歳のころにアルコール依存症や原因 不明の体調不良により退職。独身で退職後は頼れる家族や親 族もなく、知人やアパートの大家さんの協力を得ながら生活 をしてきました。しかし自身や知人も高齢になり、協力を得 ることも困難になったため介護保険サービスの利用を開始し ましたが、次第に物忘れや服薬・金銭管理などに支障がでて きました。それでも医療関係者や権利擁護制度を利用し生活 を続けてきましたが、昼夜逆転や失禁がひどくなり衛生環境 の悪化から床ずれを発症。緊急的にショートステイを利用し、 併せて本人や行政、施設やその他の関係者と話し合い、住み 慣れた地域の施設に入所することができました。現在は床ず れも改善され穏やかに過ごされています。
 地域には、介護保険制度だけでは解決が難しい問題を抱え ながら暮らしている人も多く、社会保障制度の現状や課題に ついて、私たちひとりひとりが身近な問題として考えていく 必要があるのではないかと強く感じています。
*この原稿は、神奈川みなみ医療生活協同組合の機関紙「みなみ」第536号(2月付)から、編集部の了解を得て配信しています。1月29日、391回配信のNo.1435の(1)に続く連載です。
 連絡先 〒238-0031横須賀市衣笠栄町2-19
      TEL.046(853)8105

第398回配信 2018年3月19日 No.1476
介護の現場から(Ⅲ)

住み慣れた地域で暮らし続ける

~家族で寄り添い支えていく介護~~
神奈川みなみ医療生活協同組合在宅福祉センター 
ケアマネージャー 内藤 淳さん

艶さん(仮名)の事例
 艶さんは息子さん夫婦と孫娘3人と暮らしていましたが、 艶さんが70代の時に息子さんのつれ合いが病気で亡くなり、 それからまだ幼い孫たちの子育てが始まりました。息子さん とは成人してから養子縁組をしたので実は初めての子育てで した。
 孫たちが寂しくないようにと授業参観には親代わりに欠か さず参加し、膝が悪い艶さんに先生が保護者席の最前列に椅 子を用意してくれたことを楽しそうに話をしてくれました。
 孫たちも結婚をきっかけに家を離れ、息子も同居をしてい なかったので、1人残った孫娘Aさんと二人での生活になり ました。艶さんは94歳で寝たきりになり、介護が必要になり ました。責任感の強いAさんは「育ててもらったから」と自 宅で介護をする道を選びました。しかし、仕事をしながらの 介護は想像以上に大変で、時には認知症の症状からおむつ交 換の拒否などが起きるようになりました。
 ある日、仕事と介護で疲れたAさんが思わず手をあげてし まうと、「映画にでも行ってきたら?」と艶さんが言いました。 昔からAさんがイライラしているとかけてくれた言葉でした。 その言葉でハッとしたとAさんは、罪悪感と後悔で泣きなが ら姉妹に電話をしました。これをきっかけに姉妹に協力を頼 めるようになり、拒んでいた介護サービスも利用開始。Aさん が穏やかになったことで艶さんの笑顔が多くなり、104歳 で最期を迎えるまで自宅で穏やかに過ごすことができました。
 このケースを通じて、主介護者のAさんからは介護をして いくなかでの気持ちの変化、他の孫たちからはAさんの介護 を否定せず、いつでも手を貸せるように見守り支え続けた姿 勢に多くのことを学びました。どんな介護にも寄り添い支え ていくという信条を教えられました。
*この原稿は、神奈川みなみ医療生活協同組合の機関紙「みなみ」第537号(3月付)から、編集部の了解を得て配信しています。
連絡先は、No.1474と同じです。


手を結ぶための、私たちの訴え」第397回配信
 2018年3月12日 日本機関紙協会神奈川県本部

伝えたい事態の本質

 「森友学園」疑惑をめぐる国有地売却に関するスタート時 の決裁文書が書き換えられていた。麻生財務大臣は書き換え を認め、安倍首相はことばでは国民に謝る記者会見をした。 国会でウソの答弁をしていた佐川国税庁長官は辞任した。決 裁文書の書き換えは国会でのウソの答弁に合わせて書き換え られていたことは否定できない。
 この事態の扱いをめぐって、政府も国会も混乱しているこ とがマスコミでも報道された。確かな事実の裏付けがないと 報道できないことは当然です。情報のコントロールをしてい る政権は、情報は小出しにする。小出しにした情報が一斉に 報じられると、多くの国民は伝えられた気分になってしまう。  ここで、気にしなければならないのは小出しにされた事実 (スライス情報)を組み上げて本質を誤って理解してしまう こと。
 事態の起きた本質は、安倍政権が政治を私物化しているこ とです。公務員は憲法15条に規定しているように「全体の奉 仕者であって、一部の奉仕者ではない」はずです。首相も大 臣や国会議員も憲法99条の憲法尊重擁護の義務を負って、ま ともな行動をとるべきです。こうした観点から、事態の本質 を多くの人に理解してもらう努力をしたいものです。

第397回配信 2018年3月12日 No.1465

思いの底は いつも「熱情」

横浜建設一般労働組合 教宣部長 瀧川恒夫さん

 大好きだった祖母には入学前から「お父さんの後を継ぐんだ よ」と言われて過ごした。小・中学時のあだ名は「棟梁」。往 時の住宅専門誌に載る仕事をしていた親父は毎日、内弟子数 人と電車で東京通い。のちに組合活動にも精を出していたか ら寂しさもあった。
 掲示係として小学校の長いスロープの踊り場に「壁新聞」 を張り出した記憶がある。何故かケネディ氏とニクソン氏の 米大統領選挙を取り上げた。組合では、青年部機関紙「青春 の詩」を数号発行し、引き継がれて新年号は毎年発行される。 支部報編集発行に直接携わったのは、原水禁大会参加の記事 を書いた580号から。任されて、事務局の協力を得ながら 下手くそな手書き新聞は始まった。
 ゲームに夢中でパソコンを始めたのは40年も前になる。片 仮名表示で、漢字熟語変換ができたのは更に先だった。設計 製図や見積書作成、経理など事務仕事の効率化は、昼間現場作 業する身には大助かりだった。囲碁・将棋界最高峰を負かす ITの進歩はスマホを含め、今や欠かせない。
 父の遺した大工道具を目の当たりにその足跡は感嘆するば かりだし、真向きな組合への取り組みは頭が下がる。ホーム ページは教宣活動を活性化したし、機関紙作成はPCが不可欠。 拙者は、まもなく古希を迎えるが、思いの底にあるのは、いつ も「熱情」…。
*この原稿は、横浜建設一般労働組合の機関紙「けんせつ横浜」第104(3 月1日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
*なお、瀧川恒夫さんは、先週の3月5日に急逝されました。その功績に改めて思いをめぐらせ、心から感謝をしています。
 連絡先 〒221―0834
     横浜市神奈川区台町16-12
          第397回配信 2018年3月12日 No.1467
医療・介護のいっせい改悪 本格化

いのちのためにお金を もっと!

「医療と福祉の共同のひろば」から

 2012年の社会保障制度改革推進法から検討、準備され てきたさまざまな改悪が今年から本格的に始まります。
 国民健康保険(国保)の都道府県化で国保料の値上げ、滞 納者への差し押さえや保険証の取り上げが強化されます。医 療費適正化計画で「医療費の地域差半減」を目標に成果をあ げた自治体に予算を重点配分する「保険者努力支援制度」を 実施。介護保険では介護費用の削減を市町村に競わせる仕組 みが導入されます。患者・利用者が医療や介護を受ける権利 がいっそう奪われようとしています。
医療費削減のために
①都道府県に医療費給付の「適正化」を競わせ公的医療費 の削減
②高齢化のピークとされる2025年までに32万人の病床を 削減して入院を減らし、安価な在宅医療や介護へ移行
③紹介状なしの大病院受診(500床以上)で5000円以 上徴収する受診抑制を病床数400床以上としてさらに受診 抑制を強化
④75歳以上の後期高齢者の医療費窓口負担を1割以上から2 割に値上げ(一部3割に)
⑤介護医療院を新設して入院患者を移す

介護費用削減のため
①介護保険利用者の利用料を1割から2割へ値上げ(一部3 割に)
②要介護1・2者の家事援助サービスを市町村の総合事業へ うつし保険給付から外す
③「自立支援」に成果をあげた(介護から卒業)市町村へ財 政支援
④介護事業へ障がい者福祉事業を統合して福祉事業費の削減

社会保障充実の財源はあります
>  急速な少子高齢化を理由に、社会保障財源不足と財政赤字 解消のため「受益と負担の均衡のとれた持続可能な社会保障 制度の構築」を求めた社会保障財源の削減が打ち出され、 この5年間で3.45兆円も削減されました。一方、大企業 の内部留保は増え続け400兆円を超えています。
 社会保障の充実は、いのちと暮らしを守るうえで不可欠な ものです。税金の集め方と使い方を見直し、大企業や富裕層 に能力に応じた負担を求めることで、社会保障を拡充するた めの財源は十分に確保できます。
*この原稿は、医療と福祉をすすめるかながわ健康友の会の機関紙、「医療と福祉の共同のひろば」第119号(2018・3付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒221-0043
     横浜市神奈川区新町15-6

第397回配信 2018年3月12日 No.1468

「笑顔」と「希望」が
見える介護制度へ

「介護保険のいまと未来」を考えるつどい
「神奈川の仲間」から

 2月18日に開催された「介護保険のいまと未来を考えるつ どい」には、会場いっぱいの157人が参加しました。つど いは、県社会保障推進協議会(社保協)加盟の民主医療機関 連合会(民医連)などの団体と労働組合、介護事業者や生活 協同組合などでつくる実行委員会が主催しました。

楽しく仕事をしないと
 つどいの第1部はシンポジウムとして、長嶋理恵さん(川 崎医療生協介護福祉事業部)をコーディネーターに、介護利 用者・事業者・従事者・自治体の報告と討論を行いました。  岸正晴さん(認知症の人と家族の会)は、自らの家族の介 護で苦労したことを紹介しながら、認知症の人と向き合って の活動を報告。そして、「介護保険発足当初の『介護の社会化』 の実現に向けて、みなさんと手を携えて運動を進めたい」と 表明しました。
 遠藤昭さん(遠藤接骨院ヘルパーステーション社長)は、 介護報酬の引き下げが続くもとで、事業が困っている実態を 報告。「楽しく仕事をしないと、利用者も楽しくない。利用者 を守ることは、会社と従事者を守ることにもつながる」と強 調しました。

人として成長できる職場を
 クンワル・ラジェスさん(ケアスタッフユニオンこみゅに てい委員長)は、利用者のお世話で苦労し、低賃金であえぎ ながら頑張っているヘルパーの実状を報告。労働組合を結成 した経過にふれながら、「やりがいのある職場、人として成長 できる職場をめざしたい」と決意を述べました。
 田中美穂さん(横浜市従業員労組社会保障部長・戸塚区高 齢者支援担当保健師)は、国の方針のもとで苦労しながら、 利用者と家族に寄り添うよう仕事をしていると報告。「介護の 利用者と家族を中心に据えた仕事にしていきたい。様々な立 場の人と手を組んで運動を進めたい」と表明しました。
 最後に、長嶋さんが「このシンポジウムは、利用者と家族、 介護現場、自治体からの実態と苦労が語られた。介護制度改 善の運動の中心に、当事者が立つことの重要性が明らかにな った。市民的な大きな運動に向けて輪を広げましょう」と結 びました。

介護保険は詐欺?
 第2部は、日下部雅喜さん(大阪社保協・元堺市介護保険 課職員)が、「国民の権利としての介護保険制度の確立をめざ して」と題して講演。
 介護保険制度のしくみと変遷と今年4月からの介護報酬改 定の中身を、実態とユーモアをまじえて分かりやすく説明。 「公費は増やさない。保険料は引き上げて、給付は削減。介 護保険は詐欺であると言わざるを得ない」、「たたかいなくし て老後の安心なし」と、運動を強めていく決意を固められる 講演でした。
 その後、フロアーから7人の発言があり、アピールを採択 して終了しました。
 「笑顔」と「希望」が見える介護制度にしていくためには、 利用者と家族、事業者、労働者、自治体が共に手を携えた運 動が必要です。そうした運動への足がかりとなるつどいでし た。
*この原稿は、神奈川県労働組合総連合の機関紙「神奈川の仲間」第330号(3月1日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒231-0062 横浜市中区桜木町3-9
        横浜平和と労働会館内
       TEL.045(212)5855
       FAX.045(212)5745

第397回配信 2018年3月12日 No.1469
核兵器廃絶をめざして(Ⅹ)

求められている核兵器廃絶の運動

原水爆禁止(原水協)神奈川県協議会
事務局長 笠木 隆さん

 ICANのベアトリス・フィン事務局長は、ノーベル賞受賞講 演で、次のように呼びかけました。
 「核兵器の傘の下に守られていると信じている国々に問い ます。あなたたちは、自国の破壊と、自らの名の下で他国を 破壊することの共犯者となるのですか」「すべての国に呼びか けます。私たちの終わりではなく、核兵器の終わりを選びな さい!」「私たちの運動は、理性を求め、民主主義を求め、 恐怖からの自由を求める運動です」
 私たちは、自国の破壊と他国を破壊する共犯者となること、 私たちの終わりを迎えることをきっぱり拒否しましょう。そ のために、今、四つの運動を強めなければなりません。
 第1は、核兵器の非人道性を告発し、「核抑止力=核脅迫」 論を打ち破るために、被爆の実相を伝える活動をいっそう広 げましょう。核兵器の爆発が人間と自然と地球にどんな事態 をもたらすのかを知らせましょう。
 そのためにも、被爆者の話を聞く取り組みを進めたり、無 数の「原爆展」を開催しましょう。
 第2は、「核兵器のない世界」を願うすべての人々の力を大 きな世論にするため、被爆者が呼びかけた「ヒバクシャ国際 署名」を、全県津々浦々で広げましょう。
 そのためにもさまざまな団体や個人との共同の運動を神奈 川県でも発展させましょう。2020年までに世界で数億の 署名達成に見合う神奈川県の目標をやりとげましょう。
 第3は、核兵器廃絶・禁止条約への参加と密接な関係にあ る憲法9条改憲を絶対に阻止する運動に全力を尽くしましょ う。9条の改憲は、日本が核兵器禁止条約への参加が大きく 遠のくことを意味し、核兵器の使用を公然と進める戦争する 国に突き進むことになります。「憲法9条改憲NO!3000 万人署名」を目標通りやり抜きましょう。
 第4に、これらの運動を草の根で支え前進させるため、地 域原水協の確立と強化のために全県のみなさんのご協力をお 願いします。地域原水協のないところでの結成にお力添えを お願いします。
 二つの署名を取り組み、18年神奈川県平和行進、18年原水 爆禁止世界大会成功のため神奈川県原水協は、県民のみなさ んとともにがんばってまいります。
 核兵器のない平和な未来と美しい地球を子どもたちに手渡す ために。
*この原稿は、「新かながわ」第2442号(3月11日付)から編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒231―0037
     横浜市中区富士見町1-2 今一ビル202
      TEL.045(334)7867
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第397回配信 2018年3月12日 No.1470
安心して働ける建設産業を目指して
「一人親方」の事故事例(2)

急がれる適正雇用化の道

「けんせつ通信」から

 一人親方労災や事業主労災での死亡事故が起きても、労働局における 「労災統計」には反映されません。つまり「労災特別加入者」は、労働 安全衛生法上の労働者ではなく、事業主として扱われ「特別加入」で一 定の救済をしているだけというのが国の考え方です。
 前回記事(2月19日配信のNo.1448)の事故の被災者を直接雇用し ていた事業所は、行政間の情報共有により年金機構から被災者以外の 3人の労働者を含む厚生年金の遡及適用を受け、労働安全衛生法違反 による書類送検を受けました。
 元請は労災保険適用の義務もありますし、重機の会社(1次下請け) を含めて労働安全衛生法による刑事事件捜査も受けることがあり、被害 者の遺族から民事損害賠償を請求されることもあります。(本事件は事 実、損害賠償請求が行われた)
 本件で、被災者には労災保険の給付により1440まん延が支給され ましたが、民事賠償では68歳までの生存を前提に損害が計算され、労災 保険支給額を除いて7090万円の支払いが命じられました。この金額 を元請と1次、2次が過失の割合に応じて支払う義務が生じたというこ とです。
 労災の加入は当然ですが、万が一の事故に備えた労災上乗せ保険に加入 していなければ、支払い能力はありません。
 労働者を雇用する事業者の責任は決して軽いものではありません。さま ざまなトラブルに備えなければ事業の成功はありません。「信頼される経 営者」への道を共に考えていきましょう。
*この原稿は、神奈川県建設労働組合連合会の機関紙「けんせつ通信」第684号(3月1日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒221-0045
     横浜市神奈川区神奈川2-19-3
      TEL.045(453)9701
      FAX.045(453)9705


「手を結ぶための、私たちの訴え」第396回配信
 2018年3月5日 日本機関紙協会神奈川県本部

日産に誠実な交渉を望む

 2月28日のこの「配信」号外で紹介したように日産自動車 争議で、2月27日、神奈川県労働委員会が救済命令を出しま した。命令では、日産自動車が事実上の使用者にあたるから 「団体交渉を拒否する正当な理由がない」として救済命令を 出し、紛争を解決できる当事者だとして同社に誠実な団体交 渉を促しました。今まではJMITU日産関連支部との間では、 組合側の申し入れた内容を一切聞き入れない姿勢で、形式的 な団体交渉に終わっていた実態があります。
 裁判では敗訴していましたが、労働委員会制度では使用者 の範囲を広くとらえるため、団体交渉で争議の解決をめざす 道を開きます。日産自動車は誠実な姿勢で交渉に臨み、人権 を尊重する21世紀型の社会常識を理解して争議の解決にあた るべきです。
 正社員を減らして派遣労働者を増やし、請負型の労働者の 導入をねらい、コストを減らして内部留保を積み上げ、役員 報酬と株主配当を厚くする。こうした経営者はまともだとい えません。昨年表ざたになった製品の「無資格者の検査」問 題も、同じ経営体質が土台になっていると言えます。
 日産自動車は、この争議の解決を通して21世紀の企業にふ さわしい社内の常識をつくる必要があります。この道を外せ ば、人間の社会での存在価値が薄れていくでしょう。

第396回配信 2018年3月5日 No.1459
過労死裁判で勝利和解成立

司法 通勤にも安全配慮義務と判断

日本ジャーナリスト会議
 神奈川支部事務局次長 佐藤隆三さん

 息子が夜勤を終えて原付バイクで帰宅途中に交通事故を起 こして死亡した原因は過労にあるとして、母親が企業に法的 責任と損害賠償を求め、横浜地裁川崎支部で争われていた裁 判の和解が2月8日成立した。
 和解内容は、①企業の謝罪②解決金として7591万円強 の支払い③再発防止策の策定など。和解勧告のなかで裁判所 は、企業は労働者の通勤方法についても安全配慮義務を負う とする。これまでになく踏み込んだ判断を示した。再発防止 策には「11時間のインターバル」など先駆的な施策が含まれ ており、現在政府が進めている「働き方改革」に一石を投じ るものとなっている。報告集会で母親は、「早急に立法、司法、 行政、国民全体で全力をあげて過労死のない社会を築いてい ただきたい」と訴えた。

夜通し働きバイクで電柱に激突
 訴えられていたのは、観葉植物のレンタルなどを全国展 開しているグリーンディスプレイ。
 事故で亡くなった渡辺航太さんは、2013年10月から同 社でアルバイトとして就労し、2014年3月に正社員とし て雇用された。その1か月後の4月24日朝、前日午前11時か ら夜通し働いたのち、原付バイクで帰宅途中に川崎市内で電 柱に激突し死亡したもの。その1年後の命日に母親が、事故 は極度の心身の疲労と睡眠不足よる居眠りが原因の過労事故 死であり、グリーンディスプレイには業務の軽減など過労に 至る回避義務を怠った安全配慮義務違反があるとして訴えた 裁判だ。
 裁判所は事故原因とその背景にある過労を認めたうえで、 使用者は通勤の方法等を指揮管理するに際し安全配慮義務を 負うと解するのが相当との一般的解釈を示し、本事件は「こ れを怠った」と認定した。さらには、公共交通機関利用を指 示することで、事故発生を回避すべきところを怠った点にも 違反が認められるとした。
 本事件のような過労事故死の先例が極めて乏しいなか、裁 判所が勧告で、裁判所の判断が過労事故死を防止する社会的 契機となり、また先例としての意義は高く社会的規範になり うる、と言及している点も注目に値する。そして勧告は、今 後、過労死・過労自殺とともに過労事故死が、「社会全体とし て、これらの防止に向けた対策が十分に推進されていくこと が期待される」と結んでいる。
 母親も、過労事故死に「安全配慮義務を認めさせ、前例と なったことに大きな意味がある」「過労事故死が公になること で大きな影響がある」と述べている。
 今回の司法判断は、現在の日本社会が求めている切実な声 に、積極的に応えたものといえる。投げられたボールをしっ かり受け止め、施策に反映していく政治の責任は大きい。
*この原稿は、日本ジャーナリスト会議神奈川支部の機関紙「JCJ神奈川」第53号(2月26日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒101-0051
      東京都千代田区神保町1-18-
       TEL.03(3291)6475

第396回配信 2018年3月5日 No.1460
グリーンディスプレイ裁判
異例の和解勧告文

司法の職責を宣言

「神奈川の仲間」から

 「グリーンディスプレイ事件」の裁判は渡辺航太さんの一 周忌である2015年4月24日に提訴。第一回期日で橋本英 史裁判長は「命の重みに向き合って真摯に審理します」と異 例の発言をした。2017年に入り、原告・被告の主張が拮 抗し審理がなかなか進まなかった際、航太さんの元同僚の証 言を受け一気に原告勝利の心証(確信)を裁判官が得たよう で、17年秋に和解協議に入り、和解勧告を出し、会社を説得 し切った。
 原告である航太さんの母淳子さんが裁判官に息子への想い を語り、和解のような会社の責任が曖昧な形ではなく、判決 という形で社会に示し社会規範として残すことが再発防止の ためになると伝えたことがあった。昨年の11月ころ、橋本裁 判長が、和解勧告内容を示した上で「航太さんは私の次男と 同い年。我が事ととらえて和解勧告を書いた。会社の責任を 曖昧にするようなことはしない」と発言した。
 航太さんを想う純子さんの魂を削った訴えが、多くの市民 やメディアを突き動かしてきた。毎回の(裁判)期日では、 支援者が傍聴席を埋める。非公開和解期日も調停室を包囲。 全国から累計1万5千筆以上の署名を毎回提出。これら全て が裁判官の心を動かしたのだ。
 法廷で橋本裁判長は和解勧告文を30分にわたり読み上げた ことも異例だ。この文章は国会での「働き方改革」論議が進 められるなか、航太さんの命の重みに向き合い、司法の職責 を高らかに宣言した明文だ。ぜひ神奈川労連ホームページか ら読んでほしい。
*この原稿は、神奈川県労働組合総連合の機関紙「神奈川の仲間」第330号(3月1日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒231-0062横浜市中区桜木町3-9
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第396回配信 2018年3月5日 No.1461
核兵器廃絶をめざして(Ⅸ)

憲法の理想実現と核兵器禁止条約

神奈川 原水爆禁止神奈川県協議会 事務局長 笠木 隆さん
 71年前に生まれた日本国憲法は、国連憲章と侵略戦争への反 省とともに、広島・長崎の原爆投下があって誕生したと言えま す。
 「われら連合国の人民は、われらの一生のうちに二度まで 言語に絶する悲哀を人類に与えた戦争の惨禍から将来の世代 を救い、基本的人権と人間の尊厳及び価値と男女及び大小各 国の同権とに関する信念を改めて確認し…ここに国際連合と いう国際機関を設ける」(国連憲章前文)
 「本章は、新憲法の一大特色であり、再建日本の平和に対 する熱望を、大胆率直に表明した理想主義の旗ともいうべき ものである」「一度び戦争が起きれば人道は無視され、個人の 尊厳と基本的人権は蹂躙され、文明は抹殺されてしまう。原 子爆弾の出現は、戦争の可能性を拡大するか、または逆に戦 争の原因を収束せしめるかの重大な段階に達したのである」 「まず文明が戦争を抹殺しなければ、やがて戦争が文明を抹 殺するであろうと真剣に憂えている」(46年11月、当時の内 閣が発行した「新憲法の解説」)
 「次に第九条は何処の憲法にも類例はないと思う。戦争放 棄は正義に基づく正しい道であって、日本は今日此の旗を掲 げて国際社会の原野を単独に進んでいくのである。その足跡 を踏んで後方より従って来る国が有っても無くても、顧慮す るに及ばない。事実に於いて原子爆弾の発明は世の主戦論者 に反省を促したのである」(46年3月20日の日本国憲法(憲 法9条)制定時の幣原喜重郎首相の枢密院における趣旨説明)
 この3つの文章は、日本国憲法が誕生するにあたって戦争、 とりわけ原爆の被害に対する痛苦の反省があったことが分か ります。現在、安倍政権が憲法9条を改憲しようとしている とき、改めてこのことの意味を確認することが大切です。
 核兵器禁止条約は、国連憲章や日本国憲法(9条)の理想 実現の姿です。だからこそ、憲法9条の改悪をねらっている 安倍首相は、核兵器禁止条約を敵視し、署名も批准も拒否し ているのではないでしょうか。万が一、憲法9条の改憲を許 すならば、日本を戦前に回帰させ、核兵器禁止条約への参加 をはるか遠くに押しやることになります。
 私たちは、「憲法9条改憲NO!」と「核兵器禁止条約への 参加を」を一体のこととしてとらえ、運動を強化することが 求められています。
*この原稿は、「新かながわ」第2441号(3月4日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒231-0037
     横浜市中区富士見町1-2 今一ビル202
      TEL.045(334)7867
          FAX.045(334)7868

第396回配信 2018年3月5日 No.1462
「埼玉の基地と平和」

C2輸送機配備で
自衛隊入間基地が海外展開の拠点へ

埼玉県平和委員会事務局長 二橋元長さん

 防衛省は、2017年度の防衛費の概算要求で、これまで のC1輸送機に替えて、新型輸送機C2を2020年度以降、 航空自衛隊入間基地に配備することを明記しました。
 C2は、「専守防衛」のもと国内仕様だったC1に比べて、 機体の大きさをはじめ、能力も桁違いに大きな航空機です。
 防衛省の資料によると、航続距離は、C1が2.6トンの貨 物搭載時に約1700キロメートルと、北海道や沖縄まで飛 ぶのがやっとだったのに対し、C2は12トンもの搭載時でも 6500キロメートルと約4倍の能力を持っています。ひと 飛びで東はハワイ、北はアラスカ、西はインド・パキスタン、 南はオーストラリアまで飛ぶことができます。C1にはなかっ た空中給油機能がついているので、地球の裏側にも行くことが できます。
 貨物搭載量も、C1の約4倍。C1では軽装甲機動車や中型 トラックなどの搭載が精いっぱいでしたが、C2は圧ショベル、 重レッカ、中型ドーザなどの重機が運べるほか、ミサイル迎 撃システム(PAC3)の資材運搬車、射撃管制装置、電源車を はじめ、化学防護車やUH60ヘリも運べます。機動衛生ユニ ット(空飛ぶ集中治療室)も3つ積めます。
 C2の導入による効果について、防衛省が「人員や物資を迅 速に展開させることが可能となり、航空輸送能力の更なる向 上が期待される」というのもうなずけます。
 またC2は、「チャフ・フレア」と呼ばれる装備も持ってい ます。電波を反射する物体を空中にまき散らすなどして、ミ サイル攻撃をかわすためのものです。
「専守防衛」を旨とするC1には必要とされてきませんでした が、C2には整備される…。この一点からもC2が海外に派遣 され、「敵」と遭遇。その「敵」からの攻撃をかわすことが求 められるような危険な任務に就くであろうことが透けて見え ます。
 安保法制=戦争法「施行」のもとで、今後、C2が海外に隊 員を移送する任務に就くことも予想されます。
 自衛隊員を「戦地」に送り込むとともに、「戦地」で重傷を負 った自衛隊員の手当てをしながら、同基地に搬送してくる…。 そんな日に「備えて」、航空自衛隊入間基地が大きく変えられよ うとしています。
*この原稿は、日本機関紙協会埼玉県本部の機関誌「SAITAMAねっとわーく」No.394(3月1日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒330-0063
     さいたま市浦和区高砂2-3-10 黒澤ビル3F
      TEL.048(825)7535
      FAX.048(825)7536

第396回配信 2018年3月5日 No.1463

共有したいアスベストの危険性

2028年 解体工事ピーク
Br>「けんせつ横浜」から
 (神奈川県建設労連)横浜市連合会のアスベスト原告団第1 4回交流会を2月18日、横浜建設一般労組の本部で開催しま した。交流会は、原告団の活動報告、横浜みなみ法律事務所 の小花弁護士の裁判についての話、情勢報告が行われました。
 小花弁護士から「環境省が2028年をピークに、石綿使 用の可能性がある建築物の解体工事が増加する恐れがあると 発表している」と話がありました。これから解体等の工事に 携わる人たちにも、アスベストの危険性を共有し、事業主や 従業員の立場でそれぞれ必要な情報を、組合としても、改め て届けていきます。
 そして、現在争われている裁判では、今後のポイントとし て、①判決ではない和解での解決、②原告全員の救済(一人 親方・零細事業主の原告等)、③被害救済基金制度の創設(労 災認定・救済法認定された人を前提に、裁判を起こさずとも 支払われる制度)の3点があげられました。
 3点ともに、組合員の運動への協力が重要になってきます。 今年は、3月14日に東京アスベストの東京高裁判決、2月と 3月に京都・大阪アスベストの大阪高裁結審があります。
 この原稿は、横浜建設一般労働組合の機関紙「けんせつ横浜」第104号(3月1日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒221-0834
     横浜市神奈川区台町16-12
      TEL.045(321)5364

第396回配信 2018年3月5日 No.1464
異色のドキュメンタリー 「テロリストは僕だった」

基地と闘う元米兵たち
「軍の構造的暴力」を暴く

日本ジャーナリスト会議会員 川田マリ子さん

 ジャーナリスト会議(JCJ)沖縄ジャンプナイト(OJN)は 2月1日、JCJ事務所で、元琉球朝日放送(QAB)報道記者で ドキュメンタリー監督の大矢英代さんの話を伺った。大矢さ んが制作したQABの番組「テロリストは僕だった~基地反対 に立ち上がる元米兵~」を紹介。高江での取材「え?お揃い のTシャツを着て座り込みに参加し機動隊に排除されている このアメリカ人たちは、いったい誰?」という偶然の出会い から、この番組は誕生した。彼らは退役した元米軍兵士ベテ ランズ・フォー・ピース(VFP)のメンバーたち。大矢さんは、 その中の一人、マイク・ヘインズさんを追って、アメリカへ渡った。
 アメリカでは軍人が尊敬され、国家への自己犠牲が最高の 奉仕だと教え込まれる。町の通りには地元出身の軍人の写真 が英雄として誇らしげに飾られる。マイクさんは18歳で海兵 隊に入隊し完全な殺人者になるための訓練を受ける。沖縄に 駐在し、9・11後にイラクの戦場に送られた。そこで彼は 民家への襲撃と尋問を行わされたが、ほとんどは普通の家族 だった。「テロと戦うためにイラクに来たのに、実はテロリ ストは僕だった」と気づく。
 軍の暴力性を表すものに「チェイン・オブ・コマンド(命 令の鎖)という言葉がある。命令を受ければ絶対に従わねば ならない。殺せと言われたら必ず殺す。大矢さんは、軍組織 の分業システムが、それに輪をかけると指摘。弾丸を運ぶ者、 装填する者、引き金を引く者など、部分的に関与するため、 殺人という意識が薄まる、という。
 また報告する相手は直属の上官なので、その上官に暴行さ れれば、報告する相手がいない。逆らえば不名誉除隊にされ、 アメリカ社会からはじき出される。軍に懐疑的な言動をする と仕事だけでなく友人まで失ってしまう。マイクさんは今の ように発言できるようになるまでに10年かかったという。PT SDもある。彼らの戦争はまだ終わっていなかった。
 VFPは一昨年に続き昨年も、年次総会で「名護市辺野古や 東村高江での米軍基地建設に反対する決議案」を採択した。 沖縄で住民と共にたたかう元米軍兵士たちからの視点は、今 までとは全く違い、新しかった。
 また大矢さんが強調した、沖縄などの基地問題の根底には 米軍の暴力性があり、その奥にアメリカ社会の根深い暴力文 化があるという視点には目を開かされた。それをそのまま受 け入れる日本という国は、何なのか。
 米軍基地撤去を求めて体を張って抗議しているマイクさん たちの姿が、私たち本土の人間に突きささる。
*この原稿は、日本ジャーナリスト会議の機関紙「ジャーナリスト」第719号(2月25日付)から、編集部と筆者の了解を得て配信しています。  連絡先 〒101-0051
     東京都千代田区神田神保町1-18-1
      千石屋ビル402
       TEL.03(3291)6475
       FAX.03(3291)6478


「手を結ぶための、私たちの訴え」第395回配信
 2018年2月26日 日本機関紙協会神奈川県本部

27日 日産争議で県労委命令

   すでに10年目に入っている日産自動車争議。神奈川県労働 委員会命令が27日15時30分に出されます。
 リーマンショックに端を発した期間従業員などの大量解雇 の不当性を訴えてきたJMITU日産関連支部の組合員は、体調 をくずしながらも懸命に粘り強く争議を続けています。日産 自動車と日産車体に不当労働行為を謝罪させ、誠意をもって 団体交渉に応じるなど、組合員の権利を救済する県労働委員 会の命令を求めています。
 日産と日産車体は、期間従業員や派遣社員に基幹業務を行 わせる一方で、労務費削減のために期間従業員らを正社員化 (無期雇用)させず、いつでも解雇できる形式に偽装してい ます。補助検査員が完成検査を実施していたという問題は、 最近マスコミでも報道されました。日産と日産車体の企業 体質が改善されていないことが背景にあります。  27日、中区Lプラザ内の労働委員会で「命令」
が出たの ち、16時30分から横浜合同法律事務所9階(JPR横浜日本大 通りビル)で記者会見、同じ会場で18時30分から報告集会が 予定されています。また、共闘会議など支援する人たちは、 3月1日17時30分から1時間、日産自動車グローバル本社 での宣伝行動を予定しています。

第395回配信 2018年2月26日 No.1453

対話の必要訴えるのが新聞の使命

ジャーナリズム研究者 丸山重威さん

 日本の新聞にとって、南北朝鮮の統一は困ることなのだろ うか? 「南北の接近は、北朝鮮の日米韓の離反を狙った『ほ ほえみ外交』。だまされるな」という調子の論調が満ちあふれ た。
 今年初め、北朝鮮の参加表明に始まった冬季平昌五輪での 南北交流は、開会式の統一行進、合同チーム結成、応援団派 遣、三池渕管弦楽団の訪韓、金永南最高人民会議常務委員長 や金正恩氏の妹・金与正氏ら代表団訪韓と金正恩氏の親書、 文在寅大統領への訪朝要請―と盛り沢山だった。
 しかし、新聞は「米韓軍事演習の中止や在韓米軍の撤退を 求め米韓の離反を狙うことが予想される」「韓国、米国、日本 が一層結束を固めるべき」(朝日)という。産経は、韓国が北 朝鮮代表団に便宜を与えるのは「人道目的を超える『対北支 援』に相当することにならないか」と言う。ちょっとおかし くないか?
 核兵器依存には問題がある。だから「核の傘」も問題だ。 しかし、戦争にしないで核を使わせないことがまず必要で、 それには「対話」が必要だ。いきなり南北統一にはならない。 だから「脅し合い」の「朝鮮危機」を打開するため、例えば、 六カ国協議を再開し、「北東アジア非核地帯」への議論を始め る。それを訴えるのが新聞の使命だ。
 安倍首相は文大統領に「米韓合同演習は続けるべきだ」と 言い、「われわれの主権の問題」だと反論された。当たり前だ。 もともと朝鮮の分断には日本の責任がある。「冷戦思考」から 脱却して虚心に平和を求める。日本の外交と新聞に求められ るのはこの姿勢だ。
*この原稿は、2月16日に受信しました。丸山さんは機関紙協会神奈川県本部の顧問でもありますので、連絡先は花井または今井までお願いします。

第395回配信 2018年2月26日 No.1454

「3000万署名」で
  平和願う諸国民に呼応

「年金者しんぶん」神奈川県版から

 核廃絶を願うローマ法王は、「焼き場に立つ少年」の写真を 印刷し配布するよう指示した。戦争をなくすため写真展を各 地で開いている従軍カメラマンのオダネルさんの写した原爆 投下直後の長崎。死んだ弟を背負い唇をかみしめ、火葬の順 番を待つ少年の写真だ。
 日本政府は、軍拡路線にひた走る米政権に追随し、核抑止 力論に固執して核兵器禁止条約に署名できない。唯一の戦争 被爆国にもかかわらず世界の期待を裏切る態度は許せないー  安倍首相は年頭の記者会見で「この国の形、理想の姿を示 すものは憲法だ。今年こそ新しい時代への希望を生み出すよ うな憲法のあるべき姿を国民にしっかり提示し、憲法改正に 向けた国民的な議論を一層深めていく」と、改憲原案を年内 に国会提出することに意欲を示した。
 「この国の形」「憲法のあるべき姿」って何? 99条の「憲 法尊重擁護義務」違反のこの発言は許せない。全国市民アク ションが呼びかけた「3000万署名」を集めきり、9条改 憲の国会発議を絶対に許さない国民的多数派をつくるために、 全力をあげようではありませんか。
 それが、平和を願う世界の諸国民に呼応する闘いでもありま す。 (妖光)
*この原稿は、全日本年金者組合神奈川県本部の機関紙「年金者しんぶん」神奈川県版第359号(2月15日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒231-0032
     横浜市中区不老町2-8 不二ビル2F
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第395回配信 2018年2月26日 No.1455 「基地情報」
ヘリ空母=ヘリ搭載護衛艦

「いずも」が憲法違反の攻撃型空母へ

神奈川県平和委員会 基地対策委員  鈴木和弘さん
 海上自衛隊の艦船の中で最大のヘリコプター搭載護衛艦「い ずも」(横須賀基地配備)に続いて、昨年には同型艦「かが」 が就航した。「いずも」は、就役当初から事実上の空母ではな いかとの懸念があがっていたが、2017年12月25日の共同 通信は、2019年度から新しい中期防衛力整備計画(中期 防)の中で「いずも型」1番艦の「いずも」と2番艦の「か が」を、戦闘機の離着艦が可能なものに改修する計画があるこ とを報じた。

航空母艦とは
 1921年のワシントン軍縮会議では、航空母艦について の定義を「水上艦船であって専ら航空機を搭載する目的を以 って計画され、航空機はその艦上から出発し、又その艦上に 降着し得るように整備され、基準排水量が1万トンを超える もの」としている。1930年のロンドン海軍軍縮会議では 、基準排水量を1万トン未満の艦船であっても空母に含まれ ることになった。海上自衛隊の「いずも」型は、1万95 00トンなので空母サイズと言える。
 航空機運用の全通甲板を備え、ハンガーデッキに航空機を 格納でき、航空機の整備機能をもち、全通甲板(上甲板)と ハンガーデッキ間を航空機が移動するエレベーターを備えた 洋上艦を、世界では「航空母艦」と称している。

「いずも型」の諸元
 全長が248メートル、全幅は38メートル、深さは23・5 メートル、喫水が7.3メートル。速力30ノットで、乗員は 470名(他に便乗者を含めると970名)。兵装は、近接防御 システム(CIWS)の20ミリ機銃2門のほか、海上自衛隊では初め てのSeaRAM近接防空ミサイルRIM116の8連装発射装置 が2基、相手の攻撃から目標を騙すためのMk137・6連装デ コイ発射機6基も備えている。
 搭載機は、MCH101輸送・救難ヘリコプター2機、SH60K 哨戒ヘリコプター7機が配備され、搭載ヘリコプターは最大で 14機となっている。離着艦のスポットは5か所で、最大で5機 のヘリコプターが同時に離着艦できる能力を備えている。
名実ともに航空母艦にするには
 現在はジェーン海軍年鑑では「ヘリ空母」に分類されてい るが、ロイター通信によれば、複数の政府関係者の情報とし て、「いずも型」の改修は、米海兵隊のF35B戦闘機を発着 させることを想定しており、航空自衛隊もF35Bを導入し、 海上自衛隊と統合的に運用していくと報じた。
 ロイターによれば、「いずも」はもともとF35の運用を念頭 に設計され、格納庫と飛行甲板を結ぶエレベーターは、飛行 甲板にある第1エレベーターのほかに右舷後方にある第2エ レベーターは、同機を載せることが可能なデッキサイト式の 外付けとなっている。つまり、エレベーターよりも大きいサ イズの航空機も積める能力を備えていることになる。F35は、 垂直離着艦のため高温の排気ガスによる熱が甲板に及ぼす影 響を軽減するために、耐熱コーティングを強化する必要があ る。また、搭載燃料の節約のために垂直離艦ではなく、少し でも滑走しながら離艦するための「スキージャンプ」方式 に飛行甲板を改修することになる。
 垂直離着陸輸送機オスプレイの運用はもとよりF35B戦闘機 まで運用することになれば、攻撃型空母となり専守防衛の姿 勢が問われることになる。
*この原稿は、神奈川県平和委員会の機関紙「平和新聞」神奈川県版106号(2月15日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒231-0064
     横浜市中区野毛町2-6 大沢屋ビル4A
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第395回配信 2018年2月26日 No.1456
年金者組合ありがとう

涙が止まらなかった
「年金決定通知書」

「年金者しんぶん」神奈川県版から

 年金者組合県本部の社労士イレブン」の活躍に注目が集ま っています。毎月定例の「年金なんでも相談会」に相談者が 絶えることはありません。年初めに解決した「遺族年金」の 事例を紹介します。

離婚、元夫の介護、内縁の妻・・・
―岡澤友子さんの手紙―

 離婚した元夫が末期がんになり、また一緒に暮らし始めて 2年、残念ながら彼は他界しました。籍も戻していなかった ため、亡くなった時は、内縁の妻でした。葬儀も済み、色々 な手 続きが待っていましたが、私は最初の壁にぶつかりま した。私の名前で、元夫の戸籍謄本を取り寄せようとしたら、 区役所の担当者から電話が来て「内縁関係では書類は発行で きません。改めて息子さんの名前で申請してください」と言 われました。後日、息子が申請するとすぐ取れました。それ から年金事務所に遺族年金の相談に行ったところ、「息子さ んの名前で未支給年金をもらっているのであなたはもらえ ません」とか「あなたに未納があるからもらえません」と 言われました。そのたびに嫌な思いをしたので「もういい や」と自分では諦めていました。そんな時、杉澤富美子さ んから「年金者組合の年金相談会に行こう」と声をかけられ、 今までのいきさつを全てはなしました。

親切、丁寧に接してくれた西先生
 年金相談日に、西辰男先生、山本寛先生を紹介してくれま した。両先生は不安げな私に親切、ていねいに接してくださ いました。書類集めには時間がかかりました。また、息子の 名前で戸籍謄本を取ろうとしたら、今度は「個人事項証明書」 が送られてきたのです。
 それで西先生が朝早く都内まで足を運んでくださり、「改製 原戸籍」を取ってくださったのです。西先生が年金事務所に 申請に行ってくださり、私は先生たちを信じていましたが、 少し不安でした。西先生はその気持ちを察してかよく電話 をくれました。勇気づけられ頑張れました。
 「年金通知書」が届いた時、涙が止まりませんでした。皆 様のお顔が浮かび、本当にほっとしました。元夫にも感謝で す。両先生、本当にありがとうございました。

感慨深い解決に
  社労士イレブン  西辰男さん

 この件は私の今までの年金相談の事例の中でも感慨深いも のでした。
 相談者の諦めと不安の表情から信頼を得る過程を実感でき ました。岡澤さんは、添付書類の作成、蒐集等の準備におい て、整理して、実直に応えてくれました。私自身が真摯に業 務に勤しんでいるかと身につまされる思いがしました。年金 相談をして良かった、これからも続けようと意欲を駆り立て てくれました。

 ――行政の判断ミスとは、品川区役所の戸籍謄本の発行窓 口が、「離婚した人は元夫の遺族年金を受けられない、従って 戸籍謄本は発行できない」と言った。私はこれに猛抗議し、 誤った考えを撤回させ謄本を発行させたのです。役所の窓口 の誤った発言で、今まで真面目な人々が種々の権利を行使で きず、失ったことがあったのではないかと思いをめぐらせま した。
 ――この他、紆余曲折はありましたが社労士として、業務 をするうえでのさまざまな実態を知り、学ぶことができまし た。私が、むしろお礼を言いたいです。
*この原稿は、No.1454と同じ全日本年金者組合神奈川県本部の機関紙「年金者しんぶん」神奈川県版から編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先も同じです。

第395回配信 2018年2月26日 No.1457
いつも積極的に

安倍9条改憲を許さないエネルギーは満開

座間平和委員会 野呂瀬秀子さん
「平和新聞」神奈川県版から

 高校を卒業後、横浜市中区本町にある三井銀行に就職。「し ばらくすると頚腕になりました」。お札を手で数え、そろばん を使い、さらに書類に印鑑を押す毎日。間違いは許されない。 「体を壊しました」。子育て中のこと、「抱っこができない」 のが辛かった。企業内に特別補償があり5人がその対象にな っていた。でも「業務上と認めないというのが前提だったの ね」。頚腕症候群を業務上によるものと認めさせるのがみんな の強い要求だった。「労基署に労災申請をしました」。組合は 応援してくれなかったが、神奈川県労災職業病対策会議が全 面的に支援。「堤弁護士や稲木さんや竹中さん、前田さんにた いへんお世話になり」、労災の認定を勝ち取りました。

一人で国会前集会に出かけた
 夫がなくなり、2年前から座間に居住。「安保法関連法の動 きにびっくりしました」。それまで、のんびり暮らしていたが、 居てもたってもいられなくなりました。「閣議決定を勝手にし て、あらあらと言う間に国会審議でしょ」。NHKの日曜討論で 共産党の小池書記局長が「今日集会あります」と話していた。 「それを聞いて、これは行かなくては」と、一人で国会前集会 に出かけました。「たくさんの人がいてびっくりしました」

今まで守ってきた9条が危ない
 さて、どうするかとインターネットで調べた。「相模原で署 名をやっているのが分かり、出かけました」。その後、座間で もやっていることが分かり参加。「そこで中沢さんから平和 委員会に誘われたの」。今、座間平和委員会で役員を担う。 「あれよあれよですね」と笑う。今まで守ってきた9条が危 ない、戦争に巻き込まれる。何のための憲法か、許せないと の思いが行動を後押しする。

もっともっと自分の意見を言うこと
 駅頭では2人の掛け合いで話を進める。「マンションの2階 からジーっと見ている人、立ち止まって聞いている人。演説 調では聞きづらいんじゃないかしら」。野呂瀬さんがシナリオ を書く。優しい、普通に話していることばで、耳に入りやす くと心がけている。「ビラの受け取りがいいんじゃないかしら」。  今まで自治会やマンションの管理組合に関わってきた。「な んでみんな意見を言わないのかなあと、あっちこっちでぶつ かってきました」。もっともっと自分の意見を言うことが大事 ではないか。「とくに若い人が意見を言わないですね」。この 現状が今の日本の事態を生んでいると感じている。「憲法がま だ根付いていないんですね」

ケサラから日本国憲法
 エネルギッシュの秘訣は何ですかと尋ねると、首をかしげ てから「しいてあげれば〝成功哲学〟を聞いているからかし ら」。ナポレオンヒルがカーネギーから成功哲学をまとめてく れと言われ、書いた本。毎日、化粧をしながらテキストを2 ・3倍の速度にして聞いている。「積極的心構えで、いつもい なさい」と説いている。趣味は「歌って、踊って、です」。歌 は「ケサラから日本国憲法」、踊りは「盆踊りからバレエま で」。安倍9条改憲を許さないエネルギーは満開だ。
*この原稿は、No.1455と同じ神奈川県平和委員会の機関紙「平和新聞」神奈川県版から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先も同じです。

第395回配信 2018年2月26日 No.1458
核兵器廃絶をめざして(Ⅷ)

核抑止論は許されず破綻している

原水爆禁止神奈川県協議会
 事務局長 笠木 隆さん

 安倍政権は、北朝鮮の核・ミサイル開発など、安全保障環 境が悪化しているのでアメリカの核抑止力は必要不可欠と主 張しています。
 第一義的に、北朝鮮は核開発もミサイル発射もやめるべ きです。北朝鮮の核・ミサイル開発をやめさせる上で、ア メリカの核抑止力・核の傘は効果があるのか、事実に基づい て考えてみます。
 安倍政権は、北朝鮮問題が深刻化するなか『核の傘』の重 要性はますます高まっていると強調し、国民の不安をあおる ような政策を導入しています。「Jアラート」がその典型です。 さらには敵基地先制攻撃を検討するなど、北朝鮮を刺激しか ねない発言もエスカレートしています。
 核兵器に抑止力があるのであれば、北朝鮮が核開発を進め 弾道ミサイルを発射することなく、私たちが不安に感じるこ ともないはずです。しかし、現実は不安に感じており、すで に核抑止力は破綻しています。
 「核抑止」が必ず効くという学説は根拠が薄いと言われ、 歴史的に見ても、朝鮮戦争、キューバ危機、ベトナム戦争な どは、アメリカを相手にした小国の戦争ですが核の抑止力が 効いたとは思えません。
 私は、核の抑止力は効かないこと、アメリカの核兵器や巨 大軍事力で北朝鮮を威嚇すればするほど北朝鮮は核兵器開発 をあきらめないことを指摘したいと思います。
 アメリカの「核の傘」が必要と言う主張は、現実を無視し た誤りであり、核兵器の使用を前提にした国民の安全はあり 得ません。北朝鮮問題は、外交的な話し合いで解決するため にこそ努力すべきです。
 核抑止論に決定的に欠如しているのは、核兵器の使用がも たらす非人道的な事態認識です。被爆者の被爆体験・実相を 知らせる活動で、核兵器の爆発がもたらす非人道的な残虐性 の認識が広がり、核兵器禁止条約の採択につながりました。
 核兵器の爆発がもたらす影響の深刻さは、国境を超え地域 的・地球的規模で影響を及ぼし、人類の生存を脅かす可能性 人の健康、環境、インフラ、食料安全保障、気候、開発、社 会的一体性、世界経済に与える修復不可能な影響を生起しま す。
 核抑止力などと称して、核兵器の使用で脅かすことは重大 な非人道的行為です。この点からも核抑止論は許されず破綻 しています。
*この原稿は、「新かながわ」第2440号(2月25日付)から編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒231-0037
     横浜市中区富士見町1-2 今一ビル202
      TEL.045(334)7867
      FAX.045(334)7868


「手を結ぶための、私たちの訴え」第394回配信
 2018年2月19日 日本機関紙協会神奈川県本部

ふつうに生きる政治を求める署名

 「安倍9条改憲NO!憲法を生かす全国統一署名」が、30 00万人の署名をめざしてさまざまな団体や個人の力で取り 組まれています。この取り組みを進めるために、機関紙・宣 伝活動でも知恵を集め、力を借りた企画にチャレンジしてい ます。従来の取り組みの範囲を超えた運動にしていく必要が あるからです。
 今回の配信で、神奈川北央医療生協の機関紙「北央医療」 の1月15日付に掲載された白神優理子(しらがゆりこ)弁護 士へのインタビュー記事を上・中・下に分けて紹介しました。 目を通して、紙面や活動を企画するヒントとして活用してく ださい。こうした視点で見ると、宣伝を含めてさまざまに行 われている活動からよいヒントが得られると感じています。  署名活動は学びあいの活動でもあります。説明して、読ん でもらい、理解してもらって、賛成の意思を示してもらうた めのコミュニケーションづくりです。
 所得税の確定申告をする時期を迎え、森友疑惑の国会質疑 でウソの答弁をし、国税庁長官に〝栄転〟した佐川宣久氏へ の怒りの行動が起きています。しかし、根っこは安倍首相の 進める狂った政治です。これを変え、本来みんながふつうに 生きられる人生を保障する政治を求めましょう。

第394回配信 2018年2月19日 No.1447 神奈川労連労働相談センター

多い職場での「いじめ」の相談

「神奈川の仲間」から

 労働相談でいちばん解決が難しいと思われるのが、職場内 での「いじめ」である。これは毎月の電話相談で必ずあると 言っていいほど多い。
 Aさんは、介護職場で働いていた同僚が主任になり、仕事の 考え方の違いから「利益にならないから辞めたら」としつこ く言われているという。
 女性のBさんは、印刷会社の総合職で採用され、従業員30 人の製造現場で正規として働いていた。サブリーダーが、Bさ んだけ「オマエ、テメエ」という言い方をするので、上司に 「止めてもらいたい、名前を呼ぶようにしてほしい」と相談 したところ、上司から謝罪があったが、サブリーダーには何 の指導もしていないことが判明。Bさんは「うつ病」になって しまい、職場を長期に休まないといけない状態になっている。
 厚生労働省は「パワーハラスメント対策導入マニュアル」 を作成し、「相談窓口の設置」、「研修会の実施」、「就業規則な どの社内規定の制定」などを提言している。そのなかで、「職 場のパワーハラスメントとは、同じ職場で働く者に対して、 職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、 業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える 又は職場環境を悪化させる行為」と正義している。しかし、 いじめの風土がある職場ではもみ消されるケースが多く、 相談窓口が設置されていても相談者に寄り添った解決をは からないケースもある。
 労働契約法第5条によって、使用者には労働者の生命・身 体等の安全を確保・配慮する義務がある。相談者には、起き た出来事をリストにまとめることを奨め、そのうえで、労働 組合に入っての解決を訴えている。
 共通しているのは、職場に労働組合がないこと。組合があ っても企業寄りの組合で、相談しても逆に会社に通報される ケースもある。職場内で人間関係をどう形成していくか、今 後の労働運動の一つの課題だと思う。
*この原稿は、神奈川県労働組合総連合の機関紙「神奈川の仲間」第329号(2月1日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
連絡先 〒231-0062 横浜市中区桜木町3-9
               横浜平和と労働会館内
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     FAX.045(212)5745

第394回配信 2018年2月19日 No.1448
安心して働ける建設産業めざして
「一人親方」の事故事例(Ⅰ)

急がれる適正雇用化の道

「けんせつ通信」から

 「社会保険」とは法律上定められた国の社会保障制度であ り、公的な保険制度です。雇用関係における加入義務を怠れ ば、罰則もあります。
 少なくとも会社単位での未加入事業所は解消したものの、 労働者単位ではまだ「保険料負担に耐えられない」ことを理 由に労働者を「一人親方労災」に加入させている事例が指摘 されており、その状況下で「一人親方」とされた労働者の死 亡事故がゼネコン現場で発生しました。
 「ゼネコンFの現場で建て方工事時に、重さ1トンのクレ ーンが暴走し、被災者に激突、頸部骨折により死亡」という 事故でした。労働基準監督署は「一人親方労災に加入してい るので同保険による申請を」としましたが、実態は一人親方 化された「偽装請負」でした。
 被災者は事業所と「一日1万8000円と残業代」という 契約(口頭契約)
でしたから、まぎれもなく契約上の「雇用 労働者」でした。  日額6000円の一人親方労災での死亡事故補償は一時金 で480万円です。労働者として労災認定されれば1440 万円の補償となりますが、被災者には妻と子ども2人という 家族構成であったことから、労働者として労災認定され、労 災遺族年金が支給されることになりました。
 本件では、どのような視点から見ても労働者であるにもか かわらず、一人親方労災に加入していたことで、6か月を過 ぎてようやく労災支給決定となりました。
*この原稿は、神奈川県建設労働組合連合会の機関紙「けんせつ通信」第683号(2月1日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒221-0045 横浜市神奈川区神奈川2-19-3
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      FAX.045(453)9705

第394回配信 2018年2月19日 No.1449
核兵器廃絶をめざして(Ⅶ)

どの国の核兵器も絶対悪で
  存在そのものが悪

原水爆禁止神奈川県協議会事務局長 笠木 隆さん

 核兵器保有国や日本などの核依存国は、核兵器禁止条約に 反対し、「調印や批准するつもりはない」と表明しています。 その論拠は、禁止条約参加は、「核抑止力」が破綻し、国の安 全が守れないという理由です。
 一方、「核兵器は誰の手にあっても平和と安定をつくれず、 核抑止は神話でしかない」とICANのベアトリス・フィン事務 局長が指摘しています。
 「国際平和・安全保障の維持・擁護において核抑止(力) の果たす重要な役割と、抑止力の抑制効果は必要である。核 兵器禁止条約によって抑止力が除去されてしまった場合に起 こり得る壊滅的な結末を考えれば核抑止力は引き続き決定的 に重要である」(17年12月国連会議・アメリカ大使発言)。  これが、核抑止力信奉者の最大の理由です。
  核兵器の抑止力とは何でしょうか。一言でいえば、もし相 手が攻撃を仕掛けてくるようなことがあったら、圧倒的な軍 事力で報復し、壊滅的なダメージを与えるぞと脅迫すること によって、相手が手を出せないようにする力のことです。つ まり、「報復」「脅迫」「恐怖」で支配しようとするのが抑止力 です。
 抑止力で、「国民のいのちと安全・財産を守る」と安倍首相 などが国会で繰り返し発言しています。守ろうとしているの は「国家の軍事的安全保障」であり、人間の安全保障あるい は人類の安全保障ではないということを、私たちは理解しな ければなりません。敵味方に関係なく、弱い国民、子どもや 女性、障がい者などに襲いかかり、国民を守ってくれません。 核抑止力をかざして他国を脅していれば、核拡散もなく、 平和が保たれるという考えは、神話です。核兵器を持つこと でより安全で平和になるのであれば、すべての国が核兵器を 持った状況が最も安全で平和な世界だということになってし まいます。そんな世界に住みたい人は誰もいないでしょう。
 アメリカの核兵器はいい核兵器で、北朝鮮の核兵器は悪い 核兵器だという理屈が通るでしょうか。核兵器はどの国の核 兵器も、必要悪ではなく絶対悪であり、存在そのものが悪で あると「悪の烙印」を押したのが、核兵器禁止条約です。
*この原稿は、「新かながわ」第2439号(2月19日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
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第394回配信 2018年2月19日 No.1450

9条改憲の何が問題か

白神優理子弁護士に聞く(上)
「北央医療」から

 昨年5月3日、安倍首相は「憲法9条に自衛隊を書き込む」 と言いました。9条こそが改憲の本当のねらいだと言ったの は初めてのことです。2020年のオリンピックの年には実 現させるため、今年、発議して国民投票するというスケジュ ールを組んでいます。私たちは、選択を迫られています。重 要なことは、どう憲法を語り、どう改憲の本当のねらいを広 めていくか。平和が脅かされている今、一緒に考えていきた いと、弁護士の白神優理子(しらがゆりこ)さんを訪ねました。 (編集部)

わたしと憲法との出会い
 私は中学まで「どうせ社会は変わらない」と思っていまし た。人間の歴史や争いや差別の繰り返しで、自分には世の中 を変えることなんてできないと思っていました。
 そんな私を大きく変えたのが、高校生になって平和ゼミナ ールに加わったことでした。10歳のときに被爆したという女 性の話を聞きました。「自分は『水をください』とすがりつい てきた人を蹴飛ばしながら逃げた。そのことを後悔して毎日 悪夢を見ている。こうして高校生の皆さんに本当は思い出し たくない残酷な体験について話をするのは私のざんげの旅な のだ」と言われたとき、原爆や戦争は一瞬にして人の命を奪 うだけではなく、生き残った人たちの人生をも苦しめるもの なのだと知りました。沖縄戦の「集団自死」の話を聞いたこ とも衝撃でした。捕虜になるくらいなら死になさいという教 えのもとに、自分の子どもの首を絞める、自分を育てた親を ナタやカマで殺すなんて到底信じられませんでした。しかし、 天皇が神であり、侵略戦争を正しい戦争だと教え込まれた結 果だと知り、衝撃を受けました。
 本当は思い出したくもない悲惨な体験を、私たち高校生に 語ってくださる戦争体験者の皆さんは、最後に必ずこう言い ました。「日本国憲法は希望だ」「高校生の皆さん、あなたた ちが次の社会をつくる主人公です。どうか憲法を守りぬき、 輝かせてほしい」と。戦争を繰り返しては絶対にならぬとい う思いを聞き、これが日本国憲法なのだと学びました。憲法 には政府の行為によって二度と戦争を起こしてはならないと 書いてあります。
 戦争放棄をうたった9条や文化的な最低限度の生活をうた った25条はもちろん大切ですが、私たち若手弁護士の間では 13条がいちばん大事ではないかと言っています。「すべて国民 14条は個人として尊重される」。一人ひとりの命を大切にする 15条と書いてあります。金子みすゞの詩のように「みんなちが 16条っていい」。これこそが憲法の核心部分だと思うのです。
*この原稿は、神奈川北央医療生活協同組合の機関紙「北央医療」第370号(1月15日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒252-0303      相模原市南区相模大野6-2-11
      TEL.042(748)2261
      FAX.042(748)1473

第394回配信 2018年2月19日 No.1451

9条改憲の何が問題か

白神優理子弁護士に聞く(中)
「北央医療」から

憲法ってむずかしい?
 中学生までの私は、憲法っていいことは言っているけれど、 自分たちを縛るものだと思っていました。当時、白いヘアバ ンドが好きでつけたかったのですがそれもダメ。結局、校則 のように自分を縛る窮屈なものなんだと思っていました。
 しかし、被爆者の話を聞き、憲法を学び、初めて校則とは 正反対なものだと知りました。むしろ私たちの自由を全面的 に保障する、そのために国家権力の手足を徹底的に縛るのが 憲法だということを学び、感動しました。「ああ、人間の歴史 は前に進んでいるのだ」と。あの戦争で亡くなった多くの人 の命の上に憲法ができたのだから、私にとって憲法はその存 在自体が、人間の歴史を前に進めていくものだと知りました。 紛争国では、いつ爆弾が落ちてくるかわからないので、子ど もは靴を履いて寝ているといいます。そんな国では、「平和が 権利だと書いてある日本国憲法は、のどから手が出るほどほ しい」と言っています。世界にとっても希望なのです。国連 で、昨年122の国が賛成して核兵器禁止条約が採択された のに、(そこに)日本はいなかった。日本の席に「あなたがこ こにいてほしい」と折り鶴がおかれたことは記憶に新しいですね。

自衛隊を書き込む?
 内閣府の調査では自衛隊に好感を持っていると答えた方は (「どちらかというと好感」を含めると)92%でした。では、 自衛隊の役割は何かと問うと「災害支援」と答えた方が8割 を超える第一位でした。しかし、憲法9条に自衛隊を書き込 むというのは180度自衛隊の役割を変えてしまうというこ とです。軍隊になって戦争の前線まで行くということに道を 開きます。それはなぜか。安保法制が通ってしまったからです。
 安保法制には「集団的自衛権の行使」が書き込まれていま す。集団的自衛権の行使とは、日本が攻撃されてもいないの に他人のけんかに首を突っ込むこと、それも銃を持ってです。 海を越えてです。歴代自民党政権さえ「憲法違反」と言って きました。海外でアメリカが争っていたら、自衛隊は強制的 に前線に行かなければならなくなります。殺し殺されること になります。
 しかし圧倒的多数の人が反対をしたので、安保法制の第一 弾である南スーダンへの自衛隊派遣は撤退せざるを得なくな りました。そこで、邪魔な9条を変えて安保法制の中身を無 になります。
制限に実行してしまおうというのが安倍政権の狙いです。
 これまでは、憲法9条に「戦力」を持たないと記載され、憲 法に自衛隊の「自」の字もなかったからこそ、誰一人として 殺さない、国民の大多数が好感を持つ自衛隊でいられたので す。国民の運動があったからこそ自衛隊員の命が守られてき た。皆さんの運動が歯止めをかけてきたんです。
*この原稿は、No.1450と同じ「北央医療」から了解を得て配信しています。
 連絡先も同じです。
第394回配信 2018年2月19日 No.1452

9条改憲の何が問題か

白神優理子弁護士に聞く(下)
「北央医療」から

改憲側の発言は?
 自衛隊がいのちを張っているのに、憲法に書き込まないの は自衛隊員やその家族がかわいそうではないかと言う。でも 考えてみてください。海外に憎しみをバラまき、日本がテロ のターゲットになっていくことです。そんな殺し殺される戦 争に強制的に連れて行かされることこそ、自衛隊員やご家族 がかわいそうです。
 そして、北朝鮮はアメリカをターゲットにしているのに、 北朝鮮と対話しないと脅威をあおっているのは、日本の政府 だけです。まかりまちがってアメリカとの戦争になれば間違 いなく巻き込まれるのは日本です。9条改憲こそ日本を危険 にさらすのです。
 もう一つ改憲のねらいが緊急事態条項です。
 安倍首相が「緊急事態」と宣言すれば報道規制がしかれ、 外出もできない。とくに医療従事者は戦争に協力しないとい けなくなります。
 今、自衛隊員の応募は減り続けているそうです。アメリカ では若い米兵の学費を無料にし、医療費も家族含めて無料に している。自衛隊に入ろうという漫画には、「自衛隊に入ると お金がたまるよ、再就職100%だよ、民間企業はブラック だけど自衛隊はホワイトだよ」と宣伝しています。戦争が国 民を貧困にし、貧困が若者を戦争に追いやるのです。


 私はやっぱり希望があると思います。
 オール沖縄の闘いが、民主主義の息吹が本土にも伝わって きて、戦争法反対の大きな国会前の行動に繋がったのではな いでしょうか。国民こそが社会の主役、民主主義が目覚めた ことがこの間の最大の成果だと思います。職場や立場の違い を超えて運動が発展しました。
 前回の総選挙だって、社民党と共産党と選挙前の2週間で できた立憲民主党を合わせると議席を増やしているではあり ませんか。社会が前に向かって進んでいることを感じます。
 今、集めている3000万人署名がめちゃくちゃ重要です。 安倍政権にとって国民投票は、失敗すれば二度と憲法を変え ることができなくなるので、負けが許されない一発勝負です。 ですから私たちが署名を集めきれば「発議」を阻止できます。 署名がどれだけ集まるかを安倍政権は見ています。国民の 「不断(絶え間なく続く)の努力」が大事です。
 周りの人に伝えるときには、ちゃんと社会は変わる、変え られるというメッセージを発していってほしいなと思います。
*この原稿は、No.1450と同じ「北央医療」から了解を得て配信しています。
 連絡先も同じです。


「手を結ぶための、私たちの訴え」第393回配信
2018年2月12日 日本機関紙協会神奈川県本部

育んでほしい編集企画のセンス

 労働組合や市民団体の機関紙編集部と転載契約して、記事 を配信しているのが「連合通信社」。マスコミには載らない情 報も、取材をもとに記事にして郵送とネットなどで配信して いる。その2月6日付の「生活文化特集」に、被ばく労働者 ネットワークの池田実さんの発言が紹介されています。
 池田さんは郵便局を定年退職後、東京電力の三次下請けに 入社。福島第一原発のサービス建屋内で清掃作業に従事。「コ バルト、ストロンチウムなど危険物などをゴミ出ししたこと も」「自分のAPD(線量計)が鳴ることに恐怖感がなくなって いくのを恐ろしいと思いました」とも。「今は被爆労働者ネッ トワークのメンバーとして、白血病などを患った元原発作業 員の労災申請や東電への損害賠償請求裁判の支援を行ってい ます」と発言しています。
 原発で働く作業員は、社会保険は未加入、賃金のピンハネ が当然のブラックな世界で働いている。池田さんは「イチエ フだけでなく、原発事故があった周辺で働く人なども加入で きる労働団体ができるといいですね」と、原発労働者の処遇 改善を呼びかけています。
 こうした「連合通信」の
情報を把握・活用して、転載だけ でなく編集企画のセンスを育んでいただきたいものです。

第393回配信 2018年2月12日 No.1442
生活保護行政が大きく改善

「調査団」が市生活支援課と懇談

「神奈川の仲間」から

 『保護なめんな』など生活保護利用者を脅かすような文言 の入ったジャンパーなどのグッズが、小田原市でつくられ使 用されていた問題で、神奈川労連や県社会保障推進協議会、 生活と健康を守る会、自由法曹団などが「小田原市生活保護 支援課の不当行為に関する調査団」を結成して、是正と改善 を求めるとりくみを進めています。
 この間も、改善にむけて小田原市が設置した「小田原市生 活保護行政のあり方検討会」や市当局への要望を行ってきま した。問題発覚から1年が経過することもあり、小田原市と してのとりくみを確認し、意見交換する懇談を12月27日に 行いました。
 当日は、調査団と生活保護問題対策全国会議、小田原市生 活と健康を守る会メンバーなど15人が参加し、市生活支援課 からは課長以下4人が参加しました。

憲法25条を「しおり」に明記
 まず課長から、この間の改善のとりくみについて報告され ました。
➀「保護のしおり」は、憲法25条と生活保護法に基づく と記載し、生活保護「受給者」から「利用者」に変更される など、権利性を前面にしたものとなった。
②生活保護の申請から決定までの日数は、法律が基本的と している14日以内が29.1%から85.3%まで前進した。 ③情報発信として、利用者に対して「支援課通信」を発行 し、とりくみについてフェイスブックで知らせている。>
④利用者に対するケースワーカーの配置基準を、(担当者当た り)100人から80人にした。>
⑤今年4月からの生活支援課の職員配置については、社会 福祉の専門課程を履修した職員、専門職、女性職員の配置 をはかるようすすめている。
 このように、利用者の視点に立った改善が着実に進んでい 例外として保有を容認しているなどと答えました。 ることを確認できました。

全国初のアンケート
 懇談では、無料低額宿泊所との関係についてのやりとりに なり、「無料低額宿泊所は一時的な待機場所。なるべく早くア パートに移れるよう支援している」と、基本は居宅保護とい う考えで徹底していると回答。また、扶養調査が年4回であ ったものを1回に減らし、休日の訪問は止めたこと。自動車 の保有については、生活用品として一般的には保有を認めら れてはいないものの、通勤や通院などで必要な利用であれば 例外として保有を容認しているなどと答えました。
 18年2月には、利用者と市民へのアンケートを実施し、4 月ころに検証を行うこととなっています。生活保護に関して、 利用者と市民に対するアンケートは、全国で初めてのケース になると思われますので、調査団としても注目し、今後もと りくみを継続することにしています。
*この原稿は、神奈川県労働組合総連合の機関紙「神奈川の仲間」第329号(2月1日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒231-0062
     横浜市中区桜木町3-9横浜平和と労働会館内
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第393回配信 2018年2月12日 No.1443

米国の「核態勢の見直し」は歴史の流れに逆行

原水爆禁止神奈川県協議会
 事務局長 笠木 隆さん
 2月2日、米トランプ政権は、核戦略の中期的な指針とな る「核態勢の見直し」(以下NPR)を発表しました。これは めて危険な内容です。
 日本政府がいち早くNPRを「高く評価する」との談話を発 表したことも重大で、看過できません。今回は、この問題に ついて考えてみます。
 オバマ前政権の「核兵器の役割を低下させ、核軍縮をすす める」とした指針を大きく転換し、核戦力の強化・近代化を 進める方針を明示したのが今回のNPRです。その内容は、通 常兵器に対する報復にも核兵器を使用、核の先制不使用を否 定、潜水艦発射弾道ミサイルに搭載する小型核弾頭の開発な どです。
 そして、国連で採択された核兵器禁止条約に対して「国際 的な安全保障環境の変化を無視した、まったく非現実的な核 廃絶の期待に煽(あお)られている」「『核の傘』の維持に欠 かせない軍事協力を損なう」として禁止条約を敵視しています。
 河野太郎外務大臣は、NPRを「安全保障の環境が急速に悪 化している」中で「米国による核抑止力の実効性の確保とわ が国を含む同盟国に対する拡大抑止へのコミットメント(関 与)を明確にした」と高く評価し、「今後も日米同盟の核抑止 力を強化していく」との談話を発表しました。
 この日米政府の立場は、より使いやすい核兵器を持てば相 手国がおびえて抑止力が高まるという考え方であり、国の安 全保障のために核兵器の使用も必要との立場です。まさに、 核抑止力は脅しから使用へと進むことを示した「核抑止力論 の正体見たり」です。核兵器を使うことも辞さずというNPR に、戦争被爆国の日本政府が両手を挙げて高く評価すること は、あまりにも異常な態度であり、怒りを持って抗議しなけ ればなりません。
 北朝鮮の核開発をやめさせるために、「核兵器を使うぞ」 「使いやすい核兵器にしたぞ」と脅し、「さあ、核兵器を使う ぞ」という核抑止力を強化したので、高く評価するという考 え方に誰が納得するでしょうか。
 潜水艦発射弾道ミサイルに搭載する小型核弾頭の開発は、 横須賀港に入港している原子力潜水艦や空母艦載機、イージ ス艦に核兵器が搭載される可能性が高まります。
 「核兵器のない世界」に逆行するNPRに厳しい批判を強め NPR大賛成に対して、核兵器禁止条約の立場に立つよう今こ そ声を挙げていきましょう。
*この原稿は、「新かながわ」第2438号(2月11日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒231-0037
     横浜市中区富士見町1-2 今一ビル202
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第393回配信 2018年2月12日 No.1444
寄せられる厚い信頼

創ろう笑顔の建設産業

横浜建設一般労働組合
執行委員長 塚本三千雄さん
 横浜建設一般労組(建設横浜)の「10周年記念式典」が無 事に終了しました。各界・各分野のご来賓のみなさんからは 激励をいただき、今日まで諸運動の先頭に立ってきた諸先輩 がたからは多くの期待をいただきました。
 2008年9月に、歴史も文化も違う3つの組合が、執行 機関を統一して以降、さまざまな運動課題に挑戦し続けた10 年でした。建設業界の大きな転機となった社会保険問題では、 建設労働者の年金権の確保をめざし、いち早く適正加入方針 を打ち出して、法定福利費確保を含めさまざまに取り組んで きました。今や、建設横浜は全国の建設労働組合から一目置 かれる組合に成長し、業界団体や行政機関からも厚い信頼を 寄せてもらえるようになりました。この間の組合運動に結集 いただいたすべての仲間の皆さんに改めて敬意を表します。
 この2018年は、「建設横浜10周年イヤー」です。リー フレットや記念品の配布、そして9月6日には大規模なイベ ントも計画しています。実行委員会で討議し、幅広く楽しめ るように準備を進めます。
 これから迎える新たな10年で、誰もが笑顔になれる建設産 業を創っていきましょう。
*以上は、横浜建設一般労働組合の機関紙「けんせつ横浜」第103号(2月1日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒221-0834
     横浜市神奈川区台町16-12
      TEL.045(321)5364

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 横浜建設一般労働組合の10周年記念式典で、横浜建設業 協会の土志田領司会長のあいさつの要旨を、神奈川県建設労 働組合連合会の機関紙「けんせつ通信」が次のように紹介し ています。

――あいさつに立った土志田領司横浜建設業協会会長は「建 設産業政策2017+10」にふれ、「給料が高い、休日が多い、 希望が持てるの、新たな3Kを定着させ、建設産業の持続可能 な発展に向け、発注者を含め関係者の一致協力を」と呼び かけました。――
(記 岡村)

第393回配信 2018年2月12日 No.1445
診察室からのつぶやき

診察室の相互作用

さがみ生協病院 内科医師 牛山元美さん

 神奈川北央医療生協に勤め始めてから21回目の新年を迎え ました。20年前の私は、更年期も未経験で、老眼の厄介さも 想像の世界。診察室での患者さんのお話の受け売り、耳年増 状態で、健康講座では知ったかぶりのおしゃべりでした。幸 い順調に20歳、年をとれたおかげで、今では認知症の不安も 腰や膝の痛みも実感を込めて語れます。
 診察室では身体のことだけでなく、戦時中の話、子どもの 心配、孫の世話の本音、ご近所との関係から、定年、離婚、 介護、相続、など多岐にわたるお話が展開。日本の社会情勢 や医療事情を共に嘆いたり、名誉な話題の関係者になった方 からは感動もいただきました。
 ご家族を亡くされる患者さんも年々増えてきました。突然 のことに茫然自失となった方が、来院されるたびに少しずつ 生きる意欲を取り戻されていく姿を拝見し、悲しみや寂しさ を癒す薬が、時間という誰にでも平等に与えられたものであ こと、そして、やはり人との交流がいちばん人を元気にする こと、人は人と関わることで生きていく実感を得ることを教 えられました。
 我が家では、長いお休みをいただいて高齢出産した次男が 今は立派な反抗期の高校生。父、姑、そして夫を看取り、施 設に入所している母の今後が気がかりな日々です。診察室で わったことが、私自身の実生活での困難を乗り越える大きな 力になっています。
 診察室には、聴診器をあてて処方箋を書くだけではない、 もっと深い相互作用があると感じます。そこで得た経験を専 門的な知見で深め、より患者さんの力になる言葉や治療につ なげられる医師になって、出会えた方々と共に人生を楽しみ たいと願っています。
*この原稿は、神奈川北央医療生活協同組合の機関紙「北央医療」第370号(1月15日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒252-0303
     相模原市南区相模大野5-34-9
      TEL.042(748)2261
      FAX.042(748)1473
第393回配信 2018年2月12日 No.1446

カメラを手に歩む 庶民の
心に寄り添う 石仏に魅せられて

神奈川北央医療生活協同組合・座間
文化展実行委員長 土金利光さん

 「いつ、だれが作ったのかわからないけれど、その土地に たたずんでいる石仏は、庶民が心の拠り所としていたのでは」 と語る土金(つちかね)利光さん。
 そういう目で見るようになった発端は、3・11の大震災で した。その4月初めの朝日新聞に、雪の舞いしきるなか素足 にゴム草履の若き僧侶が、犠牲者の鎮魂・復興を祈り、お経 を唱えながら石巻を目指し歩む姿の写真に感動を受けた土金 さんは、自分もそんな写真を撮りたいと、お坊さんと石仏を 重ね合わせた旅が始まりました。大分の古薗石仏を始め、全 国の24もの石仏をカメラに収めました。 原発への怒り
 栃木の足利の生まれ。直接戦争には行かなかったけれど、 「お国のため」と軍需工場で働き、その後、宇都宮の中島飛 行機に入社しました。戦後、父親から「これからの時代、勉 強しなくてはいけない」と言われ、大学に行き、研究実験室 に残り真空放電の研究をしていました。そこで人間の細胞を 壊してしまうエックス線の恐ろしさを知りました。
 だから、今回の福島の事故は許せないと力がこもります。 津波は自然災害だけれど、原発の爆発は予測できたのではと。 「水素爆発を防ぐため、消防自動車が何台も来て放水した映 像を覚えていますか。あの時入れたのは真水だったんですよ。 空からも放水し、それも真水だった。隣は海なのだから、い くらでも海水を使えたのにそうしなかった。なぜか。塩水だ からではないか。塩水を放水すれば原子炉はやられ使用でき なくなる。だから真水をかけ生き残りを考えたのではないか。 あくまでも経営のため。そんなふうに思ってしまうんです」。 小柄な土金さんが声を強くし、怒りをぶつけます。

川への思い
 以前は、埼玉に住んでいましたが、50歳を過ぎてから座間 の地に引っ越してきます。「魚釣りが好きだったから」と顔を ほころばせます。目久尻(めくじり)川のそばでしたが、大 雨で河川の氾濫が起こりました。その後、国の案では川幅を 広げるという。そうすると土金さんたちの住んでいるところ が立ち退かなくてはならなくなってしまう。
 これは大変だと地域で協議会をつくり、川の深さや水の量 を調べ、仮説を立てデータを蓄積していくという、まさに研 究者魂が目覚めました。行政に言うには説得力がないといけ ない、代案を出さなければと、目に見える資料をつくりまし た。みんなの思いが通り、川の河積(かせき 注)を補完す る遊水地ができて洪水は緩和されています。橋の写真を撮っ たり、ホタルを守る活動に加わったりするのは、土金さんに とって自然な流れだったようです。

「動くこと」
 健康の秘訣はと聞くと、「動くことかな。頭も体も休んだら ぼけちゃうからね」と笑います。
 (医療生協)座間支部の文化展の実行委員長も3年目。「医 療生協の文化展は、『いいね、上手だね』という交流ももちろ ん大事だけれど、医療生協として何を訴える文化展にしたい のか、そのコンセプトを大事にしたい」と目を輝かせます。
「医療生協の『誰もがいのち輝く社会』を目指すには、原発 の写真や沖縄の辺野古の闘いなどを出せる文化展でありたい と願っています」。
*この原稿は、No.1445と同じ「北央医療」の号から編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先も同じです。
注=ネット情報
「川の河積」:河の横断面=河道断面積(土木用語)
  流量=流速×河積
  河の横断面で、水の占める面積で流水断面積との
  記載も。


「手を結ぶための、私たちの訴え」第392回配信
2018年2月5日 日本機関紙協会神奈川県本部

感じる・気づく・意識する役目

 ――1.学校教育のいかなる場面でも「日の丸・君が代」 の強 制をしないこと。2.卒業式・入学式に際しては事前 に「起立・斉唱」は強制するものではないことを参加者に伝 えること。3.2014年の国連・自由権規約委員会勧告22 を教職員に周知するとともに、それが活かされた学校運営を ちにも自由や人権について、「感じない、気づかない、意識し 行うこと。4.「君が代」斉唱時における不起立教職員の氏名 収集・報告を行わないこと。――
 これは、神奈川県の「個人情報保護条例を活かす会」が、 2月2日付で「県立学校校長のみなさま」に『内心の自由』 の事前通知を要請した4項目です。
 卒業式や入学式が行われる季節になりました。「日の丸や君 が代」などが周囲や世間で行われていることが、自由や人権 を侵す土台になっていることを感じない、気づかない、意識 しない人も多いでしょう。しかし国連の「自由権規約委員会」 は、こうした実態が国連の自由権規約の内容を制約していな いか、日本政府に説明を求めています。これは同時に、私た ていないでよいのでしょうか」と問いかけているといえます。
 常識を自由と人権を育む方向に進めることは、日本の現在 と未来のために必要な私たちの役目でしょう。

第392回配信 2018年2月5日 No.1436 「今の働き方おかしくない?」集めて

奪い返そう「働き方改革」

「神奈川の仲間」から

 安倍首相は、1月22日開会の通常国会施政方針演説で「経 済施策としての働き方改革の推進」「憲法改正案の与野党から の提案」を強調しました。安倍内閣と財界が「働き方改革」 というキーワードを握ってしまっています。電通やNHK、大 成建設などは、長時間労働の末に若い労働者を死に追いやり ました。それぞれが社内に「働き方改革推進室」を設置する と、尊い命を奪った責任の免罪符のようになっています。
 与党税制大綱でも、「働き方の多様化に合わせて、基礎控除 を見直す」「自営業者が受ける基礎控除を拡充する」としてい ます。「働き方改革」の完成形は、ほんの一部の労働者以外を 個人請負に置き換えるものです。自営業者の税制拡充の狙いは そこにあります。厚生労働省作成の高校生向けのパンフレット には、「さまざまな働き方」の一つとしてフリーランス(個人 事業主)を掲載しています。雇用の流動化を推し進める「働 き方改革」の現われです。
 18国民春闘が始まっています。労働者の賃金引き上げと雇 用の安定、そして組織拡大を一体のものとして職場・地域か らとりくみをすすめましょう。労働契約法の「無期転換」が 4月から始まります。そのことを知らない多くの労働者に権 利を伝え、労働組合に加入して雇用を安定させることを訴え ます。「今の働き方おかしくない?」という声を集めて、安 倍政権から「働き方改革」を奪い返しましょう。
 最大の要求、賃金引き上げを、「官製春闘」でなく、私たち の手で実現しよう。
*この原稿は、神奈川県労働組合総連合の機関紙「神奈川の仲間」第329号(2月1日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒231―0062 横浜市中区桜木町3-9
               横浜平和と労働会館内
      TEL.045(212)5855
      FAX.045(212)5745

第392回配信 2018年2月5日 No.1437
JAL年末闘争報告(Ⅰ)

五輪パートナー企業にふさわしく
争議解決の決断要請

日本航空キャビンクルーユニオン(CCU)
 副委員長 前田 環さん

 7年間の温かいご支援、まことにありがとうございます。
 争議解決を求める統一要求を会社に提出して1年が過ぎました。
 日本航空の客室では、新勤務基準による勤務の過密化で健康被 害が拡大し、体調不良による救急搬送で乗務離脱が続出しています。
 10月に入ってからも、羽田で救急搬送が1件、成田ではロ ッカールームで倒れて車いすで運ばれる、羽田では早朝出社 の車から降りて倒れこみ運ばれる、また機内で具合が悪くな り空港で待機していた人が呼び出される、などの報告が後を 絶ちません。このような状況で退職者が後を絶たず、201 2年からの採用数が 一方、職場では不当解雇とたたかう原 告の人が、17年末には3635人になりました。
 職場問題を中心にした「成田玄関ビラ」の配布は9月から 3カ月間で1万5000枚を超えました。こうした活動が原 告と現場をつなぎ会社に大きなプレッシャーを与えています。
 マタハラ裁判和解勝利や労働時間管理の前進、勤務問題で の取り組みなどでCCUへの信頼が日々寄せられている状況で す。
 破綻から再生の過程でJALが抱え込んだ矛盾は、財務的に は今年度も1660憶円上方修正で目を見張るV字快復、そ れに反して現場の人員不足と高稼働率です。この矛盾を解決 するためにも、統一要求に答え早期解決を決断することが会 社に求められています。
 CCUと乗員組合は、二つの最高裁決定、ILO勧告、原告団 の置かれた状況、職場状況を踏まえ、ILO勧告の「意義ある対 話の実現」に基づき、組合側から一歩踏み出した具体的論議 を進め、解決を決断させる交渉を展開しています。これまで 統一要求を「難しい」として門前払いしてきた会社が、年末 団交において「持ち帰る」「預かる」としたことは大きな局 面の変化です。
 2017年4月に東京オリンピック組織委員会は、国連で 決議された持続可能な開発目標(SDGs)に則り、持続可能性 に配慮した調達コードを発表。法令順守の全般・環境・人権・ 労働・経済の分野の基準を規定し、労働の項目には「組合団 結権」もあります。この調達コードの適用範囲にはパートナ ー企業も含まれます。JALはそのパートナー企業です。
 最高裁の不当労働行為裁判判決でILO中核条約87号・98 号条約の侵犯にあたる事が確定しました。オリンピックパー トナー企業にふさわしく争議解決を決断するよう会社に要請 します。
 また、ILO条約侵犯の状況は政府にも責任があると国会議員 の方にも動いていただくように働きかけ、今後も要求提出し た組合の責任をもって解決することをお約束し、統一要求実 現のため原告・現役・支援者の皆さまとともに団結して頑張 っていきたいと思います。これからもますますのご支援をよ ろしくお願いいたします。
*この原稿は、不当解雇とたたかう日本航空労働者を支える会の「支える会通信」第32号(2018年1月付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒144-0043
     東京都大田区羽田4-10-4石井ビル3階
      TEL.03(6423)7878
      FAX.03(6423)7430
      Mail:sasaerukai@lemon.plala.or.jp
 * ILO:国際労働機関
 * ILO87号条約:「結社の自由および団結権の保護に
          関する条約」
          1948年採択・1950年発効
 * ILO98号条約:「団結権および団体交渉権について
          の原則の適用に関する条約」
          1949年採択・1954年発効

第392回配信 2018年2月5日 No.1438
JAL年末闘争報告(Ⅱ)

会社の対応の変化
解決への契機になる可能性も

日本航空乗員組合 副委員長 飯田祐三さん

 2017年末闘争で乗員組合は、「ILO勧告に基づく『意義 ある対話』を早期に実現し、解雇問題を全面解決へと導く」 という運動方針を掲げ、早期解決へ向けて具体的に会社に決 断させるという強い意志を示しました。会社が一切の組合提 案を拒否し続け膠着状態ともいえる状況にある解雇問題に対 し、組合はより論点を具体的に明確にすることによって、決 断させるために年末の団体交渉に臨みました。
 整理解雇の強行後にJAL本体で200人以上、グループ全 体では300人を超える乗員が流出し、運航の現場は深刻な 乗員不足にあえいでいます。会社にとって解雇問題の解決に は、乗員不足の対策を速やかに示すことが不可欠になってい ます。CCUとの「統一要求」は、ILOからの国際的な感覚を 取り入れ、同時に解雇問題の具体的な解決の道筋を示す要求 として決めました。しかし、会社はこれまで「解雇撤回要求 と変わらない」との認識を示し、回答を拒否しています。そ こで2017年末の団体交渉では、統一要求の各項目を一つ 一つかみ砕いて論議することで、統一要求に則れば労使の努 力で問題解決が十分可能であることを示しました。
 5回行われたこの年末の団体交渉では、職場からの切実な 声として
☆ 「JALの将来の真の発展のためにも、この解雇問題を解決 すべきだ」
☆「解雇問題が実質放置され、労使間の信頼関係が構築され ていない中で、本当に世界一愛されるエアラインは達成でき ない」
☆「今後、若い世代に解雇問題を残してはいけない。将来に 向かって、労使関係でもめていない素晴らしい会社だと胸を 張って言える会社にしたい」などなどを伝えました。
 さらに、統一要求に従って以下のような具体的な交渉を行 いました。
☆「被解雇者63人のうち、27人(15人は今も飛んでいる即 戦力)が復職を希望している。
☆「乗員の地上勤務に被解雇者を登用すれば、パイロット不 足に直接寄与する」と、解決に向けた具体的な数字と雇用形 態を明確に示しました。
 それに対して会社は、「新たな提案として認識した」「この 提案を預かる」との対応を行い、会社としてこの具体的な提 案を検討し返答する姿勢を示しました。
 これは、今まで組合からの提案をすべて拒否してきた会社の 姿勢とは明らかに異なる対応であり、解決に向けた契機にな る可能性が出てきています。これからが重要な局面であり、 乗員組合は今後とも全力で交渉に臨んでまいります。
  今後とも皆さまのご理解、ご支援の程よろしくお願いします。
         *この原稿は、No.1437と同じ「支える会通信」から編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先も同じです。

第392回配信 2018年2月5日 No.1439
JAL横浜の教科書採択

正常化もとめ提案
  横浜で市民・有識者会議が集会

「新かながわ」から
  横浜市では、中学校の歴史と公民の教科書で、侵略戦争を 肯定する育鵬社版が採択されています。横浜教科書問題市民・ 有識者会議は1月26日、中区の開港記念会館で市民集会を開 き、教科書採択の異常を明らかにし、正常化への施策を提案し ました。
 藤岡貞彦代表が、区ごとの「教科書問題を考える区民の会」 が草の根活動を続け、昨年2月には35団体273人が集まっ て横浜の教育の異常さを糾弾する集会を成功させたと強調。 その努力が、市教育委員会を少しずつ変えつつある、潮目が 変わろうとしているとあいさつしました。
 加藤誠事務局長が、横浜市の教科書採択が異常になった経 過を報告。教科書の選定について、横浜市でも教師の意向が 反映される仕組みになっていたが、中田宏市長(当時)が任 命した教育委員の策動で、仕組みが改悪されたことを説明し ました。

反映すべきは教師・生徒・市民の声
 同会の味村慎悟さんが、他市の教科書採択を調査した結果 をもとに、横浜市の教科書採択が教師も児童・生徒も市民も 無視した異常なものであることを解明し、5つの正常化のた めの施策を提案しました。
 第一は、学校現場、教師の意向を調査・確認する仕組みを 復活させ、採択審議に反映させることです。他市では学校ご との調査書が集約され、それをもとに教科書採択が行われて います。横浜市でもかつては、教師の意向が反映される「学 校票」がありました。
 第二は、全教科共通の観点と教科別の観点によって教科書 を採択する方式に戻すことです。横浜市では2014年から、 全教科共通の観点だけで教科書を採択する方式に変更。その 結果、育鵬社の教科書が評価されました。
 しかも、子どもの能力や理解を育むという観点から、教育 基本法や学習指導要領、横浜教育ビジョンに沿ったものであ るかという「上から目線」の観点に変えられました。
 第三は、教科書展示会に参加した市民から寄せられた意見 を採択審議に反映させることです。横浜市では市民の意見は 教育委員に伝えられず、教科書採択に反映されていません。 これは「市民の声に耳を傾け、市政運営に当たる」とした林 文子市長の所信表明演説にも反することです。
 第四は、市民の関心が高い社会科や道徳の教科書採択に当 たっては、よりていねいで慎重に、かつ透明性を持たせ、市 民が納得できる審議をすることです。15年の採択では、具体 的に出版社名をあげて審議されず、歴史・公民ともに委員の 可否は3対3の同数でしたが、教育長の独断で育鵬社に決定。 同数なら、この2社に絞ってさらに意見を述べ合い、慎重に 審議したうえで決定すべきです。
 また、全会一致でない場合は、無記名投票でなく、各委員 の責任が明確となる挙手または記名投票で採択すべきです。  第五は、教科書採択地区を各区の採択地区に戻すことです。 横浜市では以前は区ごとの採択でしたが、2010年から全 市を一採択区にまとめ、一学年2万7000人という巨大採 択区にしました。
 これは、子どもの実情に寄り添って一人一人を育てるとい う教育の根本を無視したもの。「採択区はできるだけ小さな 地区単位で設定する」とした教科書無償措置法にも反します。

全小中学校に配布
 質疑後、後藤仁敏副代表が、次のようなまとめと閉会あい さつをしました。
 「私たちは横浜市でも他市と同じふつうの採択にしてほし い。かつては横浜でも行っていたふつうの採択に戻してほ しいと願っています。」「私たちの提案は横浜市長と教育長、 マスコミに提出しただけでなく、横浜市の全小中学校の校長 に渡します。学校現場、教師、保護者からも意見があがり、 横浜の教科書採択が正常化されるよう頑張りましょう」
*この原稿は、「新かながわ」第2437号(2月4日付)から編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒231-0037
     横浜市中区富士見町1-2 今一ビル202
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第392回配信 2018年2月5日 No.1440 寒川町と防災協定

 町長「地元組合員に大きな期待」
神奈川土建労組・茅ヶ崎寒川支部

「けんせつ通信」から

 12月13日、神奈川土建一般労働組合・茅ヶ崎寒川支部は 寒川町と防災協定を締結しました。木村寒川町長と金支部執 行委員長が同日調印をしました。支部は町との59番目の防災 協定の締結団体となりました。
 現在までに町と締結している団体は、LPガス協会、キリン ビバレッジ工場、パスコパン工場、県立高校、寒川神社、農協、 トラック協会、ジェイコム、寒川建設協会、救助犬訓練士協会、 歯科医師会などで多種多様。具体的には食糧支援、防災放送に 関する支援、避難施設の提供など、団体の特色を生かした災 害時の支援をすることになっています。
 支部は、「災害時における応急復旧活動に関する協定」の分 野で締結しました。今年9月には寒川町の防災訓練にも参加 をします。支部として、災害時の組合員との連絡方法、事務 所に防災倉庫などを設置し、備品の整備などの案も出ていま すが、詳細はこれから検討する段階です。
 寒川町の木村町長は「地元を知っている町の建設の組合員 さんだからこそ、期待するところも大きい」と支部を激励し ました。
*この原稿は、神奈川県建設労働組合連合会の機関紙「けんせつ通信」第683号(2月1日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒221-0045
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第392回配信 2018年2月5日 No.1441
核兵器廃絶をめざして(Ⅴ)

核兵器禁止条約を採択させた力は何か(後編)

原水爆禁止神奈川県協議会 事務局長 笠木 隆さん

 核兵器禁止条約を誕生させた力は、被爆者をはじめとした 日本の市民社会の草の根運動にあります。この60年間、市民 社会の運動を神奈川に焦点を当てて見てみます。
 原水爆禁止神奈川県協議会は昨年4月、結成60周年を迎え ました。「県原水協結成60周年記念誌」を発行しましたが、 私たちの先輩が、全国の先進としてうまずたゆまず活動を続 けてきたことを強く実感します。
 1954年3月1日、アメリカがマーシャル諸島で水爆実 験を行い、日本のマグロ漁船などが被災したビキニ事件に、 原水爆禁止運動の原点があります。54年5月に「水爆禁止杉 並協議会」が結成され署名運動が全国に広がった原点は、「杉 並の主婦の署名運動」にあると言われています。
 しかし、私は、原点中の原点は神奈川県三浦市の運動にあ ると思います。三崎町(現三浦市)では、54年4月18日、三 崎町議会が全会一致で「原爆実験停止」を決議しました。こ れに先立つ3月20日に、「水爆対策三崎町民大会」を開催し 「原爆の禁止」を決議しています。
 アメリカの水爆実験で甚大な被害を受けた三崎町は、全国 に先駆けて町民ぐるみで立ち上がりました。三浦市や神奈川 県の平和と核兵器廃絶運動の原点はここにあります。  県の原水爆禁止運動は、米軍基地をめぐるたたかいとも関 連しながら展開し、平和・基地・核兵器廃絶の運動で全国を リードしてきました。原水爆禁止世界大会、平和行進、署名 運動、原爆展、被爆者救援などを県民とともに果敢に挑戦し てきました。
 署名運動の歴史に残るストックヘルムアピール署名やヒロ シマ・ナガサキからのアピール署名でも、全国の先進として 活動。「ヒロシマ・ナガサキ署名」では、全国に先駆けて県民 人口過半数の453万5434筆に達しています。ビキニ事 件の実相を広げ告発する運動でも、マーシャル諸島の島民と の連帯を大切にし、何度も調査団を派遣しました。
 自治体と連帯協同し発展させてきた平和行進。原爆展でも すべての自治体で、あらゆる形態で被爆の実相を伝えるため に力を尽くしてきました。世界大会や国際活動でも、全国の 中で大きな役割を果たしてきました。
 これら60年間の運動が、日本と世界の世論と運動を広げ、 核兵器禁止条約として結実しました。これを確信とし、次の 核兵器全面廃絶に向かいたいを思います。
*この原稿は、「新かながわ」第2437号(2月4日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
連絡先はNo.1439と同じです。


「手を結ぶための、私たちの訴え」第391回配信
2018年1月29日「手を結ぶための、私たちの訴え」 日本機関紙協会神奈川県本部

大事なのは「思いをめぐらす」こと

 沖縄県名護市の市長選挙は投開票が2月4日。安倍政権は 辺野古の新基地建設を強行するために、政界の大物たちを辺 野古に派遣。中小業者などと「水面下」で対話していると地 元紙は報じています。「辺野古移設反対」を掲げる公明党県本 部だが、「自公政権維持」のために自民系候補を推薦していま す。一方、新基地を止めるという稲嶺現市長は、行財政改革 や教育環境の整備にも力を入れ実績も資料で示されています。 しかし、ウソの情報も乱れ飛んでいると報じられています。
 多額の国民の税金が使われる安倍政権の米軍新基地建設。 「私たちには関係ない」で済ませていいのでしょうか。福 祉・医療・教育などの予算は削られ続けています。米軍基 地を造らせない政策は、私たちにとっても無関係ではありま せん。沖縄県や名護市だけの問題ではないはずです。
 「…子どもたちのために何を考え、どう判断し、どう行動 していくかということが今度の選挙で求められます」と稲嶺 候補は訴えています。この基本的な姿勢が必要なのは沖縄だ けではありません。本来はどこにでも共通した課題なのです。  名護市長選挙の結果は、多方面に影響があります。支援で きる人はぜひ支援をしてください。いちばん大事なことは、 他人事とせず「自分事」として思いをめぐらすことです。

第391回配信 2018年1月29日 No.1430

「発射させない」がミサイル対策

ジャーナリズム研究者 丸山重威さん

「X国からミサイルが発射された模様です。避難してくださ い」―校庭のスピーカーからアナウンサスが流れると、子ども たちはいっせいに校舎へ。校舎内の子どもは、窓から離れ、 机の下などに潜り込む。数分後「ミサイルは破壊されました」 のアナウンス…
 全国の公立校で「Jアラート訓練」が行われている。政府が 昨年3月、全国に訓練実施を指示したもので、東京でも都教 委の指示で都下の学校で順次実施中のほか、1月22日には内 閣官房、消防庁、都などが、東京・文京区の後楽園駅や東京 ドームシティ周辺で実施する。想定は「X国から弾道ミサイル が発射され、日本に飛来する可能性があると判明した」
 しかし、「ムード作り」先行の安倍流。政府も自治体も教委 も、何のための訓練か、どんな意味があるのか、説明はしな いし、できない。第一、ミサイル着弾でどんな被害が出るの か、場所や弾頭別の被害想定もわからない。ましてミサイル の軌道を分析して撃ち落とせるのか? できたとして核弾頭 の場合、撃ち落としたらかえって危険ではないか? 退避も、 地下シェルターならともかく、これで意味があるのか?
 「将来若し敵機を、帝都の空に迎えて、撃つようなことが あったならば、…東京市をして一挙に焦土たらしめるだろう」 ――桐生悠々は80年前の1933年「関東防空大演習を嗤う (わらう)」でこう書いた。十数年後、東京はその通りになった。  ミサイルは当時の「敵機」以上だ。要するに、ミサイルは 発射されたら終わり。発射させないこと以外に対策はない。
*この原稿は、1月19日に送られてきましたが、都合で今回の「配信」にしました。丸山さんは、機関紙協会神奈川県本部の顧問でもありますので、連絡先は機関紙協会県本部にします。
☆帝都:皇居のある都(東京)のこと。
:(きりゅうゆうゆう:本名は政次)『下野新聞』『大阪毎日新聞』『大阪朝日新聞』の記者を経て、1910年『信濃毎日新聞』の主筆に招かれた。反権力・反ファシズムの言論を続けたジャーナリスト。
☆東京市:1896年それまでの東京府内の15区が特例で「東京市」となり、1932年に市域拡張で25区が新設された。43年に都制が施行され東京府と東京市を廃してその全域を東京都とした。47年に区の配置分合で22特別区となり同年に現在と同じ23区になりました。

第391回配信 2018年1月29日 No.1431
神奈川労連労働相談

伴走する仕組みが必要

神奈川労連労働相談センター 相談員 菊地克則さん

 12月になっても相談が続いているが、「職場に労働組合があ れば」と思う以前に、「労働者意識」を持ってもらえるために はどうしたらいいか、改めて考えさせられる相談が多かった。
 パートで15年働いてきた女性。「コンビニが閉店するので 退職を求められている」との相談。労働契約書はもらってい ない。有給休暇は使ったことがないと言う。「これは解雇通告 です。他の店舗を要求する、解雇予告手当を要求する。雇用 保険の遡及適用など要求できることはありますと説明。一人 でも入れる組合に入って交渉することを勧めたが、「長い間お 世話になったので要求などできません」という返事。なぜ電 話してきたのでしょう?
 警備会社で働く警備員。「4月から他社へ出向させる話が出 ていると警備長が言う。いきなり業務命令が出されるのでは と従業員が不安に思っている。どうしたらいいか?」という相 談。「具体的な提案をさせることなしに始まらないでしょう」と 言ったものの、「警備長は動いてくれない」と言う。「一人でも 入れる組合に入って交渉する方法を考えてみませんか?」との 提案に、ようやく「みんなで相談してみます」と電話を切ら れたが、未だに返事はない。組合加入は遠い課題なのかもし れない。
 日本の企業・働く職場には憲法(人権意識・契約思想)が 通用しないと言われる。戦後、家庭や学校ではファシズムの 土壌は解体されたが、企業は放免されたため封建的慣行を根 強く残している。「闘う覚悟がありますか?」という問いだけ ではなかなか通用しない。まずは、労働組合についての理解 を進めるための機会を作ることが必要だと感じている。
 職場で話し合いもできず電話を掛けてくる「孤独な労働者」 の悩みに答えるために、相談から解決まで伴走するしくみ、 支援体制が求められていると思う。
*この原稿は、神奈川県労働組合総連合の機関紙「神奈川の仲間」第328号(1月1日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒231-0062
     横浜市中区桜木町3-9横浜平和と労働会館内
      TEL.045(212)5855
      FAX.045(212)5745

第391回配信 2018年1月29日 No.1432

やはり必要 労働組合

「神奈川県職労連」のコラム「県政散歩」から

   昨年末に厚生労働省から公表された「労働組合基礎調査」 によると、労働組合員数は前年から4万1千人(0.4%) 増加して、998万1千人となるそうです。3年連続の増加 とのことですが、雇用者数も増加しているため、推定組織率 の17.1%は0.1ポイント減といった状況にあります。一進 一退といったところでしょうか。
 「一億総活躍」、「働き方改革」、「人生100年時代」と言 ったテーマは、官邸主導による打ち出しで警戒が必要ですが、 どれも労働組合からのアプローチが期待されるものです。とく に「働き方改革」では、組織の中では立場が弱く、ひとりの労 働者では解決できない課題が含まれている以上、同じく働く 者の組織が必要になるはずです。
 また、これまでのように定年を迎え、リタイヤ後の生活を 満喫するといった暮らしが、残念ながら難しくなってくると、 働き続けざるを得ない人々が増えていきます。体力・知力と もに衰えてはいても、働くことに生きがいや喜びを見出すに は、それこそ働く者の倫理が重要になってきます。そうでな ければ「人生100年時代」の実現は困難になるのではない でしょうか。
 年が明けて、春闘、非正規雇用の正規化に関わる2018 年問題など、当面の課題も次々と迫ってきています。労働組 合の活動が社会をより良く改革する変数として、大きく機能 するためにも、組合員が増えていってほしいものです。
*この原稿は、神奈川県職員労働組合総連合の機関紙「神奈川県職労連」vol.1835(1月15日・2月1日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒231-8588
     横浜市中区日本大通り1 本庁舎6階
      TEL.045(212)3179
      FAX.045(212)3178

第391回配信 2018年1月29日 No.1433
沖縄レポート

「オール沖縄」が劇的勝利
初戦の南城市長選挙

ジャーナリスト 米倉外昭さん

 沖縄は今年、選挙イヤーである。その第一幕、1月21日 投開票の南城市長選挙で翁長雄志県知事率いる「オール沖 縄」が支援する新人・瑞慶覧長敏氏が65票差で大接戦を制し た。2週間後の名護市長選に向け、「オールおきなわ」陣営の 意気は大いに上がった。
 現職の古謝景春氏(自民などが推せん)は前回、無投票当 選しており、盤石の強さを誇ってきた。一方で、公立保育所 の廃止を強行するなどの行政運営に不満が募っていた。SNS での中傷発言が批判され、取材を巡ってマスコミとの軋轢 (あつれき)もあり、資質を問う声もあった。

選挙イヤーにはずみ
批判の受け皿になった。相次ぐ米軍機事故なども追い風となっ たであろう。09年の衆院選で民主党から初当選。その後の落選 を経て、鳩山由紀夫元首相が設立した東アジア共同体研究所 の琉球・沖縄センター事務局長を務めてきた。現職の無投票 当選がささやかれる中で出馬を決意し、当選を果たした。
 今後、2月2日投開票の名護市長選、自衛隊の新基地問題 で揺れる石垣市長選が3月11日、4月22日には沖縄市長選 がある。9月には27市町村の議員が任期満了を迎え、11月 に豊見城市長選、那覇市長選、県知事選と続く。政治決戦の 年に翁長知事と「オール沖縄」にとって、この第1幕の勝利 の意味は非常に大きい。
 沖縄県にある11市のうち知事と歩調を合わせる市長はこれ まで名護市長と那覇市長だけだ。他の9市長は「オール沖縄」 に対抗して「チーム沖縄」と称し、自公政権と蜜月を演じてき た。「オール沖縄」は必勝を期した宜野湾市長選(16年1月) を落とし、宮古島市長選(17年1月)、うるま市長選(同4月) で連敗してきた。今回、「チーム沖縄」の一角を崩したことで 今後の市長選にはずみをつけたいところだ。

名護市長選は混とん
 しかし、現職稲嶺進氏が3選を目指す名護市長選の情勢は 混とんとしている。前回自主投票だった公明党は新人の支持 に回った。民意を無視して護岸工事が進む辺野古の状況も市 民の選択に影を落とす。自公の大物政治家らの水面下での動 きも、これまで同様活発だ。名護市民は何度も苦悩の選択を 迫られる。
 今年は、新基地建設反対を軸にした反基地の沖縄の民意を あらためて固める好機である。しかし、その民意を平然と踏 みにじる政権が5割近い支持率を保っているという現実があ る。全国の地方選挙で沖縄の基地問題が争点になる状況でな い限り、沖縄の苦悩は続くのだろうか。
*この原稿は、「連合通信」隔日版No.9274(1月23日付)から、編集部の了解を特別に得て配信しています。「連合通信」は、契約をしている団体は転載できます。しかし、この原稿に限り、この「配信」で紹介しているものと同様に活用していただけます。 「連合通信」は、労働組合や市民団体の機関紙編集部が設立した「常設の共同取材機関」です。幅広い分野の記事が毎回配信されます。マスコミに載らない情報も多いですから、時々の情勢を確かめるよい資料ともいえます。
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第391回配信 2018年1月29日 No.1434
核兵器廃絶をめざして(Ⅳ)

核兵器禁止条約を採択させた力は何か(前編)

原水爆禁止神奈川県協議会
 事務局長 笠木 隆さん

 2015年NPT(核不拡散条約)再検討会議ニューヨーク 行動日本原水協代表団は、633万6205筆の「核兵器全 面禁止アピール署名」を国連に提出しました。
 再検討会議の開会式に潘基文国連事務総長(当時)は「彼 ら(市民社会のグループ)はNPTの規範を強め、軍縮を促進 するうえで重要な役割を果たしている。…議長と国連は、市民 グループから、この会議の成功と核兵器の廃絶をよびかける 要請署名を受理した。これらの要請は、世界の関心ある市民 から何百万もの署名を集めている。…われわれは、何年ものあ いだ軍縮を擁護し、かくも多くのことを行ってきた多くの人 びとと団体に感謝する。この事業への彼らの原則的な努力に、 私は全面的な支持を誓いたい」とメッセージを寄せました。
 国連本部前のハマーショルド広場の署名提出集会で、アン ゲラ・ケイン国連軍縮問題担当上級代表(当時)は、「市民社 会の力は私たちの最大の資産の一つです。国連を代表し、私 はみなさんの署名を謙虚な気持ちでお受け取りします。署名さ れた一人ひとりの方に心から感謝します」と、1000人余 の代表団の前で述べました。
 私はこの場にいて日本の草の根の運動が世界を動かしてい ると実感。タウス・フェルーキNPT会議議長(当時)」は、「今 日、私たちが受け取る署名は、二つの非常に重要な目的に資 するものです。それらは一般の人びとが死活的に重要な世 界的プロセスに参加することを可能にします。そして、人 々が核兵器廃絶の理由を理解し、かつ、なぜ諸国政府に、 核兵器廃絶が優先課題であるかを知らせるシグナルを発信す るのに役立っています」と述べました。
 これらの「言葉」は、60年余の粘り強い「核兵器廃絶の署 名」「原爆展」「平和行進」などの活動が、国際社会に高く評 価されたことを意味します。この流れは、次の国連で核兵器 禁止条約交渉会議開催決定と核兵器禁止条約採択へとつなが りました。
 こうした発言を聞くとき、運動の先頭にいつも被爆者がい たこと、雨の日も風の日も、雪の日も、暑い日も、寒い日も 街頭に立ち、署名を訴え続けた光景を思い浮かべるのではな いでしょうか。
 この流れは、昨年の核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN) のノーベル平和賞受賞へと続きました。受賞は、被爆者をは じめ、献身的な活動をしてきたすべての人々に与えられたも のです。
*の原稿は、「新かながわ」第2436号(1月28日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒231-0037
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      FAX.045(334)7868

第391回配信 2018年1月29日 No.1435
介護の現場から(Ⅰ)

住み慣れた地域で暮らし続ける

   ~認知症とともに~
【90歳代の女性Aさんの事例】
みうら訪問介護ステーション
 ケアマネージャー 内藤 淳さん

 Aさんは20代で結婚し、2人の子宝に恵まれ専業主婦と して子育てや家庭の切り盛りをしてきました。
 高齢になるにつれ物忘れの症状があらわれ、長年連れ添っ た夫が他界すると急速に進行。一人での生活が難しくなり、 同じ市内に暮らす長男宅で同居生活を送ることになりました。  症状の進行とともに徘徊や転倒を繰り返し、現在は左右の 大腿骨骨折により寝たきりの生活ですが、家族によるていね いな支援や介護サービスを利用しながら、認知症や周辺症状 に大きな変化はなく落ち着いて過ごされています。
 家族は昼夜を問わないおむつ交換や食事などの対応に追わ れていますが、いつも生活の中心にAさんがいます。何をす るときもていねいに声かけをして、Aさんの意思を確認しなが ら接しています。食事や排せつはできるだけベッド上で行わ ないように努め、家族の優しさにAさんも笑顔で「ありがと う」と答える。
 そんなやりとりを見るたびに、「しあわせのおすそ分け」を いただいています。そして、認知症になっても「住み慣れた 地域で生活を続けていくためにはどうしたらよいのか?」と いう大きな問題の答えが見つからない中、少しだけヒントを いただいた気がします。
*この原稿は、神奈川みなみ医療生活協同組合の機関紙「神奈川みなみ医療生協」第535号(1月付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒238-0031
     横須賀市衣笠栄町2-19
      TEL.046(853)8105


「手を結ぶための、私たちの訴え」第390回配信
2018年1月22日 日本機関紙協会神奈川県本部

7時間働いて生きられる
社会が当たり前

 通常国会が始まりました。安倍政権下の国会は与党の議席数 を土台に、多数の国民を圧迫する政策を強行してきました。今 回も、「働き方改革」や憲法改悪が重要だと主張します。
 「働き方改革」法案によると残業規制の上限は、「一般則の 原則」で月45時間・年360時間だが、同「一般則」の特例 として年720時間で月45時間超は6か月まで(休日労働含 まず)、または月100時間未満・2~6か月平均80時間未 満で年960時間(休日労働含む)、という過労死を増やして もおかしくない法案です。これは一例です。この他にも現在 の労働者を護る法制度を壊す内容が含まれています。
 「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための 必要を充たすべきものでなければならない」。これは労働基準 法の第1条で、労働条件の原則を定めたものです。私たちは、 この原則の立場で法案を判断することを訴えましょう。
 圧倒的な労働者や国民が、人として働き、暮らしていける 状態は、今でさえ壊れています。「7時間働いてふつうに生き られる社会」は、当たり前であるべきです。正規労働者も非 正規労働者も差別なく、「健康で文化的な」暮らしができる憲 法25条の社会をつくる。そのために、目の前の春闘とあわせ て当たり前の社会を実現する声を広げていきましょう。

第390回配信 2018年1月22日 No.1425

契約・非常勤職員全員の
無期転換勝ち取る

県病院労組の交渉結果
「神奈川県職労連」から

全員が無期転換可能に
 12月13日の病院機構本部回答は次のとおり。・・・
 有期雇用職員の無期労働契約転換について
1.基本的な考え方
①改正労働契約法の趣旨の尊重
②病院運営に著しい障害が生じないような十分な配慮
③無期労働契約の対象としない場合の理由には合理的かつ社会的な相当性が必要
④他の独立行政法人や他の民間病院などの対応方法と比較検討
⑤労働条件については、基本的に従来の有期雇用と同一とする

2.対応について
①「基本的考え方」を踏まえ所属へ意見照会を行った結果、全所属で職種を問わず無期転換を支持するという意見だった。ついては、職種を問わず無期転換とする案を採用する。 ②ただし、就業規則上の更新期限経過後の再公募時には、従来以上に慎重を期して採用試験を行うこととする。
③また、1~2年目の更新時においても雇用条件通知書に記載の①職務遂行能力、②職場適用能力、③勤怠、④健康状態、⑤法人の経営状況、⑥担当業務の状況を判断基準として、更新する場合にも十分に検討を行うこととする。
3.定年制について
①無期転換後の定年については60歳とし、本人希望により65歳まで1年更新可能とする。
②無期化の段階で60歳を超えている場合、65歳もしくは無期化3年更新後の年齢の高い方まで更新可能とする。

 12月13日、県病院労働組合は有期雇用労働者の無期転換問 題と看護補助者問題についての交渉を持ちました。

無期転換申し出権はすべての有期契約労働者に
 県病院労組は無期転換問題について「労働契約法改正に伴 う雇い止めをしないこと。本人希望による無期雇用転換を可 能とすること」を要求してきました。しかし5月段階の機構 の回答水準は「一般事務職と現業職を無期転換できる職種と しない」とのものでした。そもそも労働契約法改正を行った 理由は「有期労働契約は、パート労働、派遣労働をはじめ、 いわゆる正社員以外の労働形態に多くみられる労働契約の形 式です。有期労働契約で働く人は全国で約1200万人と推 計されます。有期労働契約で働く人の約3割が、通算5年を 超えて有期労働契約を反復更新している実態があり、その下 で生じる雇い止めの不安が課題となっています。(厚生労働省 労働契約法改正のポイント)」とあるように、すべての有期労 働契約労働者の雇用不安の解消を目的としています。県病院 労組は5月以降の2回にわたる機構本部との「意見交換会」 において「特定の職種だけを無期転換させないのは労働契約 法改正の趣旨に反する」と主張してきました。

*この原稿は、神奈川県職員労働組合総連合の機関紙「神奈川県職労連」vol.1834(1月1日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
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第390回配信 2018年1月22日 No.1426

一番良い商品を使い
今こんなに苦しむとは

首都圏建設アスベスト神奈川訴訟
第1陣原告団長 平田岩男さん

 「勝利判決でしたけど、ちょっとがっかりしているんです。 全員が救済される判決を望んで闘ってきましたから、中小事 業主・一人親方が認められなかったのは残念です。私自身、 一人親方でしたから」と東京高裁の判決を語る(横浜建設 一般労働組合)中支部の元委員長で首都圏建設アスベスト 神奈川訴訟第1陣原告団長の岩田岩男さん(76)。75人い た本人原告44人のうち26人が亡くなり、まさに、命を懸 けた訴えがすべて救われなかった判決に無念さをにじませ ます。
 一方でメーカー責任は一人親方も認められました。「私は左 官工でしたので、2陣横浜地裁判決で責任を認定されたノザ ワのテーリングはよく使いました。いいものを仕上げようと 思っていましたから、様々な商品を使って仕事をしてきまし た。中でもノザワのテーリングは一番良い商品でした。ひし ゃくに1杯入れて練りこむと滑らかになって塗りやすかった んです。これで今こんなに多くの人が苦しむとは当時は思っ てもみなかったですよ」、「現場では労働者も一人親方も中小 事業主も同じ仕事、作業をしています。ここに区別はありま せん」。建設現場の実態を訴え続けてきました。
 平田さんは現在心臓も悪く、体調がすぐれません。発病は 2006年、咳が止まらなく受診したところ最初は結核と診 断され処方もされました。同じ時に毎年受けていた組合の健 康診断のレントゲンで肺に影があると言われ、しばぞの診療 所の海老原先生に診てもらうとアスベストが原因だと言われ、 石綿肺と続発性気管支炎で労災申請を行い認定を受けました。

金婚式も忘れてしまった
 ここまでの道のりは平たんではありません。「一審横浜地裁 判決は全面敗訴でぼう然としましたが、アスベストに苦しむ 仲間の救済制度は必要です」と平田さん。全国で同じ裁判が 闘われており、アスベスト補償基金制度はすべての被害者が 救済されるものでなくてはならないと強く訴えます。  金婚式までは頑張ろうと二人で話していたんですよ。去年  金婚式だったけれど裁判ですっかり忘れてしまったね」とbr 苦笑いを受かべる平田さん。「基金制度の確立が目的。引き 続き頑張ります」と語りました。

「戻ったらゆっくり教えるから」
   最後の言葉になるとは

首都圏建設アスベスト神奈川訴訟
遺族原告 川村匡哉さん

 「今思い出すと、亡くなる直前は風邪みたいな体調が続い ていて、病院に行った方がいいよという家族の声も聞かない で、仕事をしていたな」と語るのは遺族原告の川村匡哉さん (川崎支部)。2009年5月に70歳になった父・利秋さん が中皮腫で急に亡くなり8年が経ちました。
 利秋さんは亡くなる8カ月前、居間でお茶を飲んでいて、 むせたと思ったら、バタンと顔から床に倒れこみました。母 と自分が気づいた時には、顔は紫色で背中をたたき、のどに 詰まったお茶を吐かせました。もしこの時、そのまま亡くな っていたら、アスベストが原因だと分からなかったかもしれ ません。
 病院に行った父はレントゲンをとり、医師に即入院を指示 されました。肺のレントゲンは一目で分かるくらい、真っ白 でした。煙草も吸わなかったので、すぐに中皮腫と診断され、 労災申請し認定されました。ただ父の病状は急速に進み、 医師からも半年もたないと言われました。
 「こんなに急に具合が悪くなると思わなかった」と匡哉 さん。父から急きょ仕事を引き継ぐことになりましたが、 お金や書類の作成など全く分からず、困り果てたと語ります。  事務関係のことで、一度だけ入院している父に聞いたこと があります。「治って、家に戻ったらゆっくり教えるから」。 それが父に聞けた最後の言葉になるとは…。見積書や契約 書などの書き方は、得意先の材木屋に相談し、見せてもら い、独学で覚えました。

「この柱は動かしていいの
 独立した今でも、リフォームの場合は、木造の経験が少 なく不安になります。たとえ、仕事に復帰できなくても、 父が生きていてくれるだけで、「この柱は動かしていいの?」 など、仕事のコツをいろいろ聞けたのにと語ります。
 「身の回りでもアスベストが原因で病気になったのではと 思う人が増えている」。父の死後、ヘーベルハウスで一緒に仕 事をした職人仲間も年上も年下も関係なく、ガンで3人亡く なっています。この仕事は、父の代から続いているのでやは り不安になります。
 「裁判は大変ですが、組合が一緒に頑張ってくれるからで きること。父のように苦しんだ人を一人でも多く救えるよう、 早く建設アスベスト被害救済基金制度を創るべき」と声を大 きくして語ります。

急逝の海老原先生を偲ぶ
 アスベスト労災認定に尽力
 しばぞの診療所長で、組合と一緒に労災認定にご尽力くだ さった医師の海老原勇先生が、昨年5月に事故で急逝しまし た。これまでの先生のご奮闘を回顧し、11月22日に偲ぶ会が 東京グランドホテルで行われました。
 横浜建設一般労組と海老原医師とのかかわりは、30年以上 にも上ります。全国に先駆けて、海老原先生と組合で、組合 員のアスベスト被害を明らかにして労災認定を数々と勝ちとっ てきました。さらにアスベスト学習会やレントゲンの読影を 通じて、その危険性を組合員に伝えてくれました。
 私たちの組合が全国的にも早い段階から、アスベスト暴露 対策や労災認定を進めてきたのは、海老原先生がいたからで す。これからも、組合員の健康と命を守るべく、奮闘して ただきたかった大事な先生を失ったことは大きな痛手です。
 私たちには、先生の遺志を継いで、これまで以上にアスベ スト被害の早期全面解決に向けた奮闘が求められています。
*この3本の原稿は、横浜建設一般労働組合の機関紙「けんせつ横浜」第102号(1月1日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
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第390回配信 2018年1月22日 No.1427

厚労省算式の不当性を暴露

生存権裁判第8回口頭弁論
「神奈川の仲間」から

 生活保護費を最大で10%も切り下げたことに対し、制度を 利用している当事者が「憲法25条に違反する」として、全国 の裁判所に提訴してたたかいが進められています。
 神奈川での第8回口頭弁論が12月13日に 行われ、原告や弁護士、支援者など124人が参加し、今回 も傍聴席が溢れました。
 法廷では原告側から2人が意見陳述。清水弁護士は、生活 保護水準引き下げの最大の根拠とされた物価下落の算式の不 当性について主張しました。1つは、物価の変動をはかる方 式として、「パーシェ方式」と「ラスパイレス方式」がありま すが、この2つの方式を混同して活用し、物価下落を大きく 見せかけていることです。もう1つは、ラスパイレス方式は 変動幅が大きく出る算式であり、あえてこの算式を用いる合 理性はないと主張しました。

本も買えず、ランチも断る
 原告の小宮広子さんは、思い出したくない過去の自殺を決 意した事情や、「生活と健康を守る会」に助けられた経過を語 るとともに、今回の保護費の引き下げにより、「好きな本を買 えなくなり、友達とのランチも断らざるを得ない状況になっ たことがつらい」と訴えました。そして、「私のような苦しい 思いをする人が2度とでないことを願っている」と、裁判を たたかう決意を述べました。
 裁判終了後には、「生存権裁判を支援する会」の第4回定期 総会を開催。厚生労働省がふたたび生活保護費を削減しよう とする策動があるなかで、「生活保護のことだけでなく、すべ ての国民が安心して生きられる制度の確立を求めて、宣伝す ることが大事ではないか」など、原告からも活発な意見が出 されました。
 活動方針や役員体制、財政などの議案を確認し、さらに運  動を強めていくことを意思統一しました。
*この原稿は、神奈川県労働組合総連合の機関紙「神奈川の仲間」第328号(1月1日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
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第390回配信 2018年1月22日 No.1428

「犬が西向きゃ尾は東」

普通に暮らせる社会にするために
「年金者しんぶん」神奈川県版から

 干支の戌と「憲法を護る」年賀状が多かった。
   「犬馬の心」の役人と、侵略戦争を肯定・美化し、歴史 を偽造する極右勢力に支えられている安倍は憲法9条改定の 道を暴走しているためだ。「改定案の国会決議を絶対に許さ ない!」、この一点での多数派をつくる3000万人署名を実 現しなければとの思いだ。
 「1%の富裕層や大企業のためでなく、99%の国民のため の政治を」との、国民の声を「犬の遠吠え」としか聞こえな い安倍。強権政治、国政私物化に「犬に論語」を語るがごと しと国民の中には不信と嫌悪感が渦巻いている。「尾を振る犬 は叩かれず」と頼みにしていた補完勢力もその政治的立場を失 い混迷している。今こそ追いつめ退場させよう。
 有権者比率17%の支持で61%の議席を得た自民党は、野党 共闘の逆流と分断、徹底した争点隠し「羊頭を懸けて狗肉を 売る」結果の「虚構の多数」だ。今年はこの政権と国民的多 数との戦いが一層激しさを増す年になろう。
 「犬が西むきゃ尾は東」と、普通に暮らせる社会にするた め今年も健康に気を付け活躍しましょう。
*この原稿は、全日本年金者組合神奈川県本部の機関紙「年金者しんぶん」神奈川県版第358号(1月15日付)から、編集部の了解を得て配信しています。見出しは、この「配信」の編集者がつけています。
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第390回配信 2018年1月22日 No.1429 「核兵器廃絶をめざして(Ⅲ)

核兵器禁止条約の中身(条文)

原水爆禁止神奈川県協議会
事務局長 笠木隆さん

 核兵器禁止条約の条文は、全20か条からの構成となって います。  第1条は、核兵器禁止条約の核心であり心臓部です。(a) から(g)で核兵器の包括的、全面的な禁止の規定が示され ています。つまり、核兵器または、その他の核爆発装置を 開発、実験、生産、製造、その他の方法によって取得、保有 または貯蔵すること、さらに移転、受領、使用、使用の威嚇 など、いかなる場合も禁止することが明記されています。つま り、核兵器は、「作らず・持たず・使用せず」としています。  1条で注目されポイントとなったのは、「使用の威嚇」です。 「使用の威嚇」とは、「いざというときに使うぞ」と脅す=「核 抑止」のことであり、禁止条約は明確に「核抑止力」を否定す るものとなりました。
 禁止されたすべての活動を行うことについて、「いかなる様 態によるかを問わず、援助し、または勧誘」してはならないと なり、「核の傘」に入ることも禁止されました。
 条約の第2条から第4条では、廃絶と検証の一定の規定が 提示され、核兵器の完全廃絶に向けての枠組も提示されてい ます。核保有国が今回の条約交渉に参加していないもとで、 条約に参加できる道をオープンにしている規定です。つま り、核保有国の条約参加の道を二つ示し、完全廃絶のため門 戸を開けています。

   二つの道とは、廃棄して参加する道、参加して廃棄する道 です。4条の4は、非核保有国にも核持ち込みはできないこ とが、明文化されています。日本への核持ち込み問題にかか わって、日米の「核密約」「核持ち込み」が問われることにな ります。
 第6条は、「被爆者援助と環境回復」について規定し、日本 の原水爆禁止運動が一貫して求めてきた被爆者援護の規定を 明確にしました。
 第8条は、制度的取り決めとして、締約国会議(2年毎)、 再検討会議(6年毎)、特別会議(締約国の要請)を明記して います。また、条約の締約国でない国(日本など)、国際組織、 市民社会も参加することができることを規定しています。
 第13条および15条は、条約の署名開始、条約の発効を規定 しています。  このように禁止条約の内容を見ると、これまでの核兵器廃 絶や被爆者支援の運動が反映されていることが分かります。 私たちは、核兵器禁止条約の意義と内容を学習し、多くの市 民に知らせていくこと、禁止条約を力にして国民世論を広げ 日本政府に調印・批准を迫っていくことです。
*この原稿は、「新かながわ」第2435号(1月21日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
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「手を結ぶための、私たちの訴え」第389回配信
2018年1月15日日本機関紙協会神奈川県本部

「当たり前」を守り、つくり出す

 「ブラック企業大賞」などという不名誉な賞が選ばれる時代に なりました。「ハラスメント」ということばも、「過労死」と同 様に社会的に通用することばになってしまいました。
 圧倒的な人たちが働く職場に労働組合がなかったり、あっ ても十分に機能していない場合もあります。労働組合に加入 していない労働者は8割を越えています。こうした実情が常 識や法律さえ守れない上司や経営者をまん延させています。
   人として生きるために、足元の自分と家族の暮らしから、 仕事と職場の実情や社会のことも含め、改めて見つめ、確か めあいたいものです。労働組合に入っている人は、春闘準備 の最初の取り組みになります。労働組合に入っていない人は、 同じような境遇の人を探し、話をすることから始めましょう。
          今回「配信」するNo.1420の記事なども活用してくださ い。大企業がため込んだ莫大な「内部留保」の多くは、労働 者や下請け企業に還元されるべきものです。こうした今の情 勢を学びあって、賃金の引き上げとともに、最低賃金の大幅 な引き上げを求める声を挙げていきたいものです。
 法人税の引き下げ分を、消費税で穴埋めしたことも許せま せん。世界の大富豪が課税回避地に隠している額は5000 兆円との報道もあります。経済を国民のモノにしましょう

第389回配信 2018年1月15日 No. 1420

労働者が生み出した富を
  労働者と社会に還元しろ

    
「 神奈川の仲間」から

県内の主要企業の内部留保番付

*2016年 一人あたり内部保留額(1万円)

       企業名 内部留保額1人当り(万円)
横綱 コンコルディア(旧横浜銀行) 14,317 
大関 東京応化工業(応用化学製品)  8,120
   第一三共 (医薬品) 8,072
張出大関 東京電力 7,763
     ヒロセ電機(電子部品) 7,705
関 脇  日本ゼオン(石油化学製品) 6,632
     武田薬品工業       6,183
小 結  東京ガス 5,942
     コーエー・テクモ(ゲーム)  5,593
前頭筆頭 日揮(プラント、建設工事)  5,589
     XTG・HXTG・H(旧日石等 ) 5,310
 ”2  ファンケル 化粧品等) 5,274
     高島屋 5,204
 ”3  アマダ(金属加工機械) 4,959
     日産自動車4,287
 ”4  セブン&アイ(ヨーカ堂)  4,262
 ”   東日本旅客鉄道(JR東日本) 4,238
 ”5  日本郵政  3,912  サカタのタネ 3,771
(以下省略)

 神奈川労連は毎年、かながわ産業労働調査センターととも に、「大企業の内部留保(利益のため込み)を活用すれば、大幅 な賃上げは十分に可能」であることを示すビクトリーマップを 作成しています。
 対象としたのは、県内に500人以上の労働者のいる企業で、 財務諸表の入手可能な109社です。

1年間に 1兆6千億円増加
 17年3月決算では、内部留保は95兆7640億円で、1 年間に1兆6390億円(1.79%)増やしています。従 業員1人当たりでは12万円減らし、2062万円になって います。
 個別企業で1年間に1千億円以上増やしたところは、日 本電信電話4625億円、パナソニック3325億円、JX ・H2598億円、コンコルディア(旧横浜銀行)1797 憶円、日産自動車1696億円、日本生命保険1521憶 円、キャノン1514憶円、東日本旅客鉄道1505憶円、 損害保険J日本興亜1059憶円、ブリジストン1016 憶円の11社です。全体で85社が内部留保を増やし、24社 が減らしています。

1人あたり1億円超
 1人あたりの内部留保額の番付は表の通りで、東西の横綱 はいずれも従業員1人あたり1憶円を大きく上回る莫大なた め込みをしています。
 109社の労働者すべてに1万円賃上げ(ボーナスは夏冬 で5カ月とする)するためには、たった0.84%の内部留保 を取り崩すだけで可能です。3万円でも2.5%にすぎませ ん。仮にすべての県内労働者に1万円賃上げしたとすると、 県内経済への波及効果・生産誘発額は総額5082億円とな ります。
 株主配当は、日本電信電話、日産自動車、キャノン、日本 郵政、武田薬品工業、ブリジストンの6社が1千億円以上配 当し、無配が4社。2生命保険会社を除き、103社合計で 約22兆3千億円の株主配当を行っています。株主配当を全連 結従業員に回せば1人あたり49万円の支給が可能です。

富の偏在が問題
 18春闘は、政府・財界でさえ「賃上げが必要」と認めざる を得ない状況のもとでたたかわれます。労働者に賃金が上が らないのは、労働者が生み出した富が、一部の大企業に偏在し ているためです。溜まりすぎた内部留保を労働者や社会に還 元する必要がありまする。
 今こそ内部留保に課税させたり、一部を活用させ大企業の 労働者ばかりでなく。下請け・取引単価を引上げさせ、中小 企業にも還元させる。また国や自治体に中小企業支援策を抜 本的に強化させ、すべての労働者、とくに低賃金労働者の大 幅賃上げを獲得する春闘にすることが強く求められています。
*この原稿は、神奈川県労働組合総連合の機関紙「神奈川の仲間」第328号(1月1日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
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第389回配信 2018年1月15日 No.1421 建設産業の雇用劣化を改め

大幅な賃金引上げを

 労働者の技能評価ルール化で
神奈川県建設労働組合連合会 書記長 吉良比呂志さん

深刻な人材不足
大手の責任で処遇改善を

 「建設産業の再生と発展のための方策」が国や業界を挙げ て推進されて5年が経過しました。
 この間、国は①建設産業の長年の働き方の劣化により、若 年技能労働者の新規入職の激減、②大量の離職者が生じてお り、「将来に向けたインフラ整備の担い手が消滅する危機的 状態」という認識を示した上で、2年連続にわたって「方策を 示しました。」
 その過程で、担い手3法といわれる「公共工事品質確保法」 「入札契約適正化法」「建設業法」の法改正も行いました。  激しい受注競争により「原価割れ受注(ダンピング受注)」 の減少は労働者の賃金を大きく引き下げ、1か月に25日以上 働いても、年収300万円台の仲間も少なくない状況が生ま れました。
 雇用破壊の過程では、「一人親方になったら稼げる」という 幻想がふりまかれ、すべて自己責任となる偽装請負の世界が 異常に拡大しました。
 「一人親方」の法律的な定義はありませんが、厚労省では、 「労働者を雇用せずに自分自身で事業を行う事業主のこと。 元々は職人をまとめて仕事ができる能力を持っているという 熟練職階を示す」とされています。
 高校を卒業し、建設業に入 が公共工事でもまん延し、元請から1次、2次への請負単価職して1年未満の見習工が1日 8000円の日給をもらいながら「あなたは当社で請負契約 ですから」と、厚生年金や雇用保険の加入手続きもされない まま「外注扱い」となるような働き方が許されるのでしょうか。
 このような劣化した雇用環境を大手ゼネコンや住宅産業は、 最大限利用しながら、不当な利益を確保してきたのです。長 年にわたって労働者をモノ扱いしてきた建設産業は、若年者 の入職が激減、極めて深刻な人材不足が生じており、必要な 工事の発注もできなくなる事態が生まれています。
 その解決のための唯一の手立ては、労働者の適正な技能評 価とその水準にふさわしい業界の相場賃金を形成し、技能と 賃金の社会的評価を明確にルール化することです。20代で年 収400万円、40代で年収600万円(日本建設業連合会の 目標賃金)は実現できる目標です。
 建設キャリアアップシステムの構築で、業界と、労働組合 が「技能労働者の育成・確保」について、社会的な合意を実 現していくことが大きな課題となる時代です。
*この原稿は、神奈川県建設労働組合連合会の機関紙「けんせつ通信」第682号(1月1日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
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       FAX.045(453)9705

「建設キャリアアップシステム」
建設技能者一人ひとりの就業実績や資格を登録し技能の公正な評価、工事の品質向上、現場の効率化な<どにつなげるシステム。
 技能労働者にとっても、ICカードで就業履歴を蓄積できます。資格や就業履歴を証明できるため、ちがっ た現場でも適正な評価と処遇を受けられるようになります。

第389回配信 2018年1月15日 No.1422

神奈川の負けない人達

深「自動車指導員不当解雇事件」で勝利和解した 全川崎地域労組 齋藤沙織さん
「新かながわ」から

 自動車教習所「飛島ドライビングカレッジ川崎」(川崎市) を不当解雇された全川崎地域労働組合の齋藤沙織さん(45) が解雇撤回を求めた裁判(横浜地裁川崎支部)で和解が成立 しました。職場復帰はならなかったものの、会社は謝罪し、 解決金を支払いました。3年間にわたる粘り強い闘いが勝利 和解に結実しました。

突然の解雇通告
 齋藤さんは2012年、指導員として同社に就職しました。 2年間は非正規雇用で働き、その後、正規職員として採用さ れるという条件でした。
 解雇の理由は、「契約期間満了」でした。
   齋藤さんが裁判を起こすと、会社は、解雇理由を①休みが 多い②生徒から苦情が多いと主張しました。  これに対し、斎藤さんは、休暇の回数は多くない事実や、 生徒から感謝の手紙が届いたことこそあれ苦情を受けたこと はないことを示し反論しました。
 会社は、解雇理由の証拠を示すことはできませんでした。 会社にとって邪魔
 本当の解雇理由は、斎藤さんが邪魔になったからでした。  発端は、斎藤さんの後輩指導員が上司のパワハラが原因で 出勤できなくなり、退職に追い込まれたことでした。
 齋藤さんが被害女性や同僚に事情を確かめると、上司の指 導法に問題があることが分かりました。
 齋藤さんが抗議すると、上司は「会社のやり方に文句を言 うな」と逆切れ。負けずに反論し、上司に非があったことを 認めさせました。
 ところが、会社は、この事件をきっかけに、齋藤さんから 指導員の仕事を取り上げるなどの嫌がらせを始め、解雇しま した。
 解雇当時、齋藤さんは口惜しさと怒りの気持ちでいっぱい でした。相談する相手も思いつきませんでした。たまたま夫 が加入していた川崎民主商工会の知り合いに事情を話したと ころ、全川崎地域労働組合を紹介されました。
 「それまで労働組合の存在はまったく知りませんでした。 こんなこと(解雇撤回の運動)ができることに驚きました」 と話します。

家族の協力があったから
 公判の日は裁判所の門前でスピーチを行い、ビラも配った 齋藤さん。4月からは、教習所前で月例宣伝行動を始めま した。
 会社は宣伝行動を妨害するために警察を呼びましたが、 齋藤さんたちは屈しませんでした。
 9月28日、20回目の裁判で、会社は裁判所の和解案を受け  「やったぁという気持ちです。たくさんの方々のご支援を いただき解決することができました。4人の子育てをしなが らここまで頑張れたのは、家族の協力があったからです」  「たたかいで経験したことを生かして今後も組合活動を続けて いきます」。齋藤さんは決意を新たにしています。
*この原稿は、「新かながわ」第2433号(12月31日、1月7日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先  〒231-0037
      横浜市中区富士見町1-2 今一ビル102
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第389回配信 2018年1月15日 No.1423
新春職場訪問

未来につなぐ文化財

神奈川の埋蔵文化財行政それから
「神奈川県職労連」から

 前知事の第3セクター見直し方針によって存続の危機にたた された「かながわ考古学財団」は、全国の市民、研究者、行政 関係者や県議会の幅広い会派から存続、活用の声が上がり、県 職労連・考古学財団労組・埋蔵文化財センター分会の5年に渡 る闘争によって、引き続き公益法人として国や公社・公団など の開発に伴う発掘事業を継続することになりました。見直しか ら6年がたった今、県西部では新東名高速道路などの道路建設 に伴う発掘調査がピークを迎えています。また、神奈川県埋蔵 文化財センターでは遺跡展などの埋蔵文化財の活用事業が行わ れています。

東京オリンピックと道路建設
 もともと、新東名高速道路などの事業は以前から計画され ており、静岡区間まで建設が進んでいました。神奈川県では 道路建設に伴う発掘調査が2006年度からスタートしまし たが、調査対象範囲は何10万㎡もあり、長期間の調査が想 定されました。財団の見直し問題を挟んで、2013年に は東京オリンピックの開催が決定され、それ以降道路建設 に伴う発掘調査が急ピッチで進められるようになりました。
 以前は発掘調査に携わる専門職員は多くても20人程度、発 した遺物を整理して報告書を作成する人数も同程度でしたが、 道路建設を早めるために調査職員を大幅に増員する必要に迫 られました。県職労連に加盟する「かながわ考古学財団」労 組の戸羽書記長は「毎年正規職員の採用を要求、そのかいあ って近年では毎年採用が行われ、2016年度は6人の採用 を勝ち取ったが、さらなる増員をもとめている」と、この間 の組合の成果を確認しつつ将来の財団を見据えて活動してい ます。南宮委員長は「正規職員で足りない人員は有期雇用職 員、非常勤職員の採用や他府県の文化財調査法人からの出向、 県や市を退職したOBの再採用、出土品整理・報告書刊行作業 の中断などによって、現在60人ちかい専門職員が力を合わせて 業務をこなしている。雇用期間が1年内の非常勤職員について 健康診断実施を要求し、実現することができた」と、正規職員 のみならず非常勤職員の待遇改善にも努めています。また、再 任用職員といっしょに発掘調査を行っている執行委員の村松さ んは「いずれ自分も歩む道」と、再任用職員の働き方、待遇 についても要求しています。

発掘調査の魅力
 発掘というとハケなどを使って細かい作業をするというイ メージがありますが、そのような作業は最終段階で、遺構の 無い部分の土はスコップで掘り進めます。掘った土を運んだ り縄文時代の敷石住居や古墳の石室、近代の遺構など大きな 石や構造物の運搬といった力のいる作業もあります。本体工 事が進むなか、事業者やJV、地元などとの調整も欠かせませ ん。
 発掘調査の仕事は季節を問わず行うため、暑さ、寒さが辛 い時も多いけど、四季折々の風景を体感しながら昔の人びと の生き方に触れられるすばらしい仕事」と語るのは、現場で 奮闘する女性執行委員の川嶋さん。採用に伴って女性調査職 員も増え、元気に活躍しています。
 「文化財保護の最前線に立ち、昔の人に使われたモノを発 見し、直接触れて当時の人びとの生活を明らかにし、その想 いに触れることができるのがやりがい」と話す執行委員の野 坂さん。その反面で発掘調査の急増によって整理作業が先送 りされ「記録と記憶の相違が大きくなり、遺跡に対する理解 が不十分になること」を危惧しています。

調査の成果を住民と共有するために
 発掘調査では、出土品や記録図面類の整理作業を通じて、 その遺跡の全容が明らかになっています。それを報告書とし て刊行し、発掘調査の成果を広く市民に還元していくことで 、はじめて発掘調査の意味が生まれます。一連の発掘調査に よって得られた膨大な量の出土品や記録を整理する作業を、 今後どのように行っていくかも考古学財団の大きな課題です。
 「出土品整理が終わり、報告書が刊行された後、土器や石器 などの出土品や記録された図面・写真類を管理し、後世に末永 く伝える役割を担うのは自治体の役割で、神奈川県では主に 県埋蔵文化財センターがその業務を行っています」と語るの は、埋蔵文化財センター分会長の井澤さん。「埋蔵文化財セン ターでは出土品等の保存、管理のほか、文化財保護の意義や 発掘によって得られた歴史的な資料の重要性などを市民に伝 えることも担っています」と、埋蔵文化財センターで実施し ている考古学講座や考古学ゼミナール、考古学ワークショッ プ等の事業の重要性を語ります。郷土博物館で開催されます。
 毎年、県立博物館などで行っている「かながわの遺跡展」 は歴史博物館の改修工事のため、今年度は1月8日まで横浜 市歴史博物館で、その後は1月18日から2月18日まで箱根郷 土博物館で開催されます。
 「事業に参加してくださった県民の方々から『興味を持て た』などの感想が寄せられたことが、やりがいにつながって いる」と井澤さんは、県民の声に耳を傾けながらより良い事 業を追求しています。
 「かながわ考古学財団」でも、発掘調査の現場見学会や、 毎年前年度の調査の成果を発表する「調査成果発表会」「調査 成果展示会」や、財団が実施した発掘調査の中で特徴的な調 査成果を取り上げた「公開セミナー」や「特別研究講座」な どを実施しています。これらの行事はそれぞれの組織のHPに 掲載されています。
 埋蔵文化財を適切に保管し後世に残し、住民のその成果を 伝えるためには施設の確保、整備や専門職員の配置が必要な のは考古学財団、埋蔵文化財センターも同様です。  県第3セクターの見直しによって、県から財団への職員派 遣ができなくなるなど、本来業務に密接な関係ある両組織は 分断されました。しかし、文化財を守り、課題を解決するた めに、県の文化遺産課を含めた県職労連に結集する組合員は 共同して運動に取り組んでいます。
*この原稿は、神奈川県職員労働組合総連合の機関紙「神奈川県職労連」vol. 1834(1月1日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒231-8588
      横浜市中区日本大通り1 本庁舎6階
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第389回配信 2018年1月15日 No.1424
核兵器廃絶をめざして(Ⅱ)

運動の結実と世界の英知を集めた
  核兵器禁止条約の中身(前文編)

原水爆禁止神奈川県協議会 事務局長 笠木 隆さん

 核兵器禁止条約の基本構造は、前文と本文全20か条で構成 しています。前文は、条約の「全体の考え方・思想」を示し ています。これは、解釈の指針となり、基本思想を表してい ます。
 「前文」は国連憲章で始まり、「核兵器の非人道性」を厳 しく告発し、国連憲章、国際法、国際人道法に照らして、 その違法性を明らかにしています。
 具体的には「核兵器の使用がもたらす壊滅的人道上の帰結 を深く憂慮し、そうした兵器を完全に廃棄するという当然の 必要であり、これがいかなる場合にも核兵器が決して再び使 用されないことを保証する唯一の方法であり続ける」と述べ ています。壊滅的人道上の帰結は、「国境を越え、人間の生存、 環境、世界経済、食料の安全及び将来世代の健康に重大な影 響を与える」などの核兵器使用の事実認識を明らかにしてい ます。
 これは、核兵器による惨害を防ぐ唯一の確実な道として核 兵器の廃絶の必要性を明確にしたものです。  この前文で注目したいのは、「ヒバクシャ」という言葉が2 か所あることです。  一つ目は「核兵器使用の被害者(ヒバクシャ)及び核兵器 の実験により影響を受けた人々にもたらされた受け入れが たい苦しみと損害に留意し」とあり犠牲者として明記してい ます。
 もう一つは、前文の最後で、「核兵器完全廃絶への呼びかけ に示された人道の諸原則を推進するための市民的良心の役割 を強調し、また、このために国連、赤十字国際委員会、多数 の非政府機関及びヒバクシャが行っている努力を認識し」と し、〝ヒバクシャの努力〟を入れています。単なる犠牲者で はなく、新しい世界の創造者・担い手として認識している表 れです。被爆者自身が長年世界に訴え続けてきた努力の成果 だといえます。
 前文では、「平和と軍縮教育の重要性を認識する」という文 言が盛り込まれています。これは、完全廃絶にいたる運動の 継承、被爆体験の事実を引き継ぐ重要性が共通の認識となり 反映されたものです。
*この原稿は、「新かながわ」第2434号(1月14日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
連絡先は、No.1422と同じです。


「手を結ぶための、私たちの訴え」第388回配信
 2018年1月8日日本機関紙協会神奈川県本部    

「当たり前」を守り、つくり出す

 民間の労働組合の支部をスタートに、機関紙に関わり続けて 50年を越えました。その初期のころ目にとまった言葉がありま す。「切実で共通した当たり前の要求で、職場新聞をはじめよう」 です。当時盛んだった神奈川の職場新聞をつくる数百人の人たち が交流を重ね、その教訓を練り上げた「職場新聞の10大方針」 の冒頭の項にあった言葉です。
*「参考資料」を参照ください。
 時代が変わっても権力を持つ政府・与党や企業経営者は、ト ップダウンで自らの都合の良いように物事を進めます。彼らの 言いなりになっていると、大切で当たり前なことがいつの間に か無視され、崩され、消されていきます。公に説明する場合も あれば、説明がないままに進められる場合もあります。
 変化が起きたとき「こう考えると『当たり前で大切なこと』 が消えてしまう」という声を紙面に載せ、みんなで考えあうこ とが大切です。少数の人たちから出た不合理、矛盾、問題提起 などの声を載せ、『それは当たり前だと』みんなが理解してくれ るように整理してまとめて、確かめあっていくことも同様です。
 機関紙づくりに関わる人たちは、身近な職場と地域の問題や 社会的・政治的な問題を扱う場合でも、こうした視点から前向 きな姿勢で努力したいものです。これは憲法12条が「不断の努 力」をするように国民を励ましていることに通じています。

第388回配信 2018年1月8日 No.1414

庭を見ながら考えている

「みなみ」から

 「はるばると来つるものかな」。振り返ってみると、よくぞ ここまで来たものだと思う。ひとり身になって2年、何をし てもいい、何もしなくてもいいような身の上になってから余 計に小さな庭を見ることが多くなった。「沢ガニも出なくなっ た。トンボも飛ばなくなった。コジュケイも訪ねてくれなく なった」などと考えているうちに、思いはどうしても若かり し日につながる。
 世界大恐慌が始まる直前に生まれ、4歳の時に満州事変、 10歳で日中戦争。小学校では教育勅語、中学校では竹やり訓 練と軍事教練、勤労動員。あげくの果てに敗戦。飢えと栄養 失調に苦しみながら占領軍の傍若無人ぶりを見て過ごした。  そんな時代に生きたせいか、世の動き、とくに政治の動き に敏感になった。新憲法に感動し、全面講和要求、破防法反 対、安保改定反対などの運動にも積極的に参加した。
 あれからもう半世紀以上。世の動きは変わってきたとはい うものの立憲主義を踏みにじり、戦争に走る政権が依然とし て力を持っている。
 「さぁ、これからどこへどうして歩いていけばいいのか」。 一つ覚えれば二つ忘れるような頭で、今日も庭を見ながら考 えている。
*この原稿は、神奈川みなみ医療生活協同組合の機関紙「みなみ」第534号(2017年12月付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒238-0031横須賀市衣笠栄町2-19
     TEL .046(853)8105

第388回配信 2018年1月8日 No.1415
核兵器廃絶めざして(Ⅰ)

〝核兵器のない世界〟へ
扉を開いた17年
  核兵器の終わりの始まりが…

原水爆禁止神奈川県協議会
事務局長 笠木 隆さん

 2017年は、国連で核兵器禁止条約の採択、ICAN(核兵 器廃絶国際キャンペーン)がノーベル平和賞受賞という大き なできごとがありました。「核兵器のない世界」へ大きな一歩 を踏み出す歴史的な画期の年となりました。
 連載では、現在の核兵器禁止・廃絶の動向、核兵器禁止条 約の中身、当面する課題、今後の核兵器廃絶運動の展望など について考えてみたいと思います。
 17年7月7日、国連の会議場は、拍手と歓声がなりやまず、 政府代表も市民社会の代表も抱き合って喜び、会議場はほぼ 総立ち。涙ぐむ人、嗚咽(おえつ)する人…。この場に立ち 会った人は「鳥肌が立ちました」と語っています。  人類史上初めて核兵器をあらゆる面で禁止・違法化する核 兵器禁止条約が国連で採択された瞬間です。
 アメリカをはじめとする核保有国などの激しい妨害や圧力 の中で122カ国(国連加盟国の3分の2)の賛成で採択さ れました。これは、核兵器に「悪の烙印」が押され、存在自 体が否定されたことになりました。「核兵器のない世界」の実 現に向け歴史的な一歩を踏み出したことになりました。
 ところが、世界で唯一の被爆国日本の政府は、「核兵器国と 非核兵器国の対立をいっそう深める」「日本の核抑止政策が核 保有国の核を前提としている以上、核兵器禁止条約には反対 だ」と主張。会議にも参加せず、採択されると「署名も批准 もしない」と表明しています。これは、核保有国と非核保有 国の「橋渡し役」を投げ出したといえるのではないでしょうか。
 日本被団協事務局次長の藤森俊希さんは、日本政府に対し て、「被爆者で日本人である私は心が割ける思いで本日を迎え ています」と国連会議で発言しました。
 被爆者のサーロー・節子さんは「祖国に裏切られた」と述 べながらも「この日を70年間待っていた。うれしくてたまら ない」「これが核兵器の終わりの始まりだ」と強調し、「一緒 に前へ進み、世界を変えましょう」と述べました。
 12月10日、ICANがノーベル平和賞を受賞し、被爆者と市 民社会の運動が賞賛されました。これは、核兵器禁止条約発 効・核兵器全面廃絶の流れが、揺るぎないものであることを 世界に示しました。
*この原稿は、「新かながわ」第2433号(12月31日・1月7日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒231-0037
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第388回配信 2018年1月8日  No.1416
沖縄レポート

私たちの空を返せ
 相次ぐ落下事故に怒り沸騰

ジャーナリスト 米倉外昭さん
 「沖縄には雪は降らないが、米軍からありとあらゆるもの が降ってくる」という、笑えないジョークがある。2016 年暮れ、辺野古新基地建設工事が始まりつつあった名護市東 海岸に米軍輸送機オスプレイが落ちる大事件があった。それ からちょうど1年たった17年12月13日、また重大な事故が 起きた。

落下・墜落は年中行事
 普天間飛行場に隣接する普天間第二小学校のグラウンドに、 米海兵隊の大型輸送ヘリコプターCH53Eの窓が落下したので ある。重さ7.7キロ。約60人の児童が体育の授業中で、一 番近かった児童は落下地点から10メートルのところにいた。 はじかれた小石が腕に当たった児童が軽い打撲傷を負った。
 その6日前には普天間飛行場周辺の保育園の屋根に筒状の プラスチック部品が落下する事故があったばかり。子どもの 命にかかわる事態の続発に県民の怒りは増すばかりだ。
 住民地域に物が落ちる事故は年中行事で、最近もタイヤや 水筒などが落下している。パラシュート訓練で兵士が畑など に誤落下することも頻繁だ。ヘリの不時着も頻発している。 10月には東村高江で同じCH53Eヘリが、不時着と同時に炎上 するという衝撃的な事件もあった。
 さかのぼれば、2004年にCH53Dが沖縄国際大学に墜落 した。1965年には、パラシュートで投下されたトレーラ ーの下敷きになって小学生が死亡する痛ましい事件があった。 68年にはベトナム戦争で北爆に向かうB52爆撃機が嘉手納基 地からの離陸直後に墜落し、大爆発した。
 最近NHKが、59年6月19日に核ミサイルが誤発射され那 覇沖に落下した事件を明るみに出し、衝撃を与えた。同年6 月30日には児童ら18人が亡くなった宮森小学校ジェット機 墜落事故が起きている。沖縄の人々にとって恐怖は日常的に 空から降ってくるのだ。

またしても沖縄ヘイト
 今回、米軍は、筒状物体の落下を所属機によるものではな いと強弁し、窓落下事故では、発生からわずか6日後の19日 に飛行再開を強行した。これを日本政府は直ちに容認した。 翁長雄志沖縄県知事は同日、「米軍は事故が発生すたびに『安 全が確認された』と一方的に飛行を再開し、事故を繰り返し てきた」と強調して「全く信用できない」と批判し、日本政 府の責任も指摘した。
 小学校グラウンドに落下した窓は沖縄県警が押収している が、地位協定の制約で機体などの捜査ができない状態だ。  さらに、許しがたいのは、被害者である保育園や学校、宜 野湾市教育委員会に「自作自演」「やらせだ」「学校を移転し ろ」など多数の中傷電話がかかっていることだ。
 基地が集中しているが故の事件・事故で沖縄の人々の命が 脅かされていることが、あらためて全国に認識されたはずだ。  しかし、その解決の展望が示されないままに、沖縄ヘイトの 悪意が増殖する。「私たちの空を返せ」という沖縄の悲痛な願 いを遮る何重もの壁に、これからもあらがい続けるしかない。
*この原稿は、「連合通信」隔日版No.9268(12月21日付)から編集部の特別の了解を得て配信しています。「連合通信」は、転載契約をした団体に送られますが、この原稿に限ってこの「配信」と同様の扱いにできます。
 連絡先 〒105-0014 東京都港区芝1-49
       TEL.03(3454)1105
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  第388回配信 2018年1月8日  No.1417

県の役割が変わる県庁組織再編

NPOかながわ総研 理事 佐伯義郎さん

 神奈川県の黒岩知事が打ち出した県庁組織再編について、NPOかなが わ総研理事の佐伯義郎さんに寄稿してもらいました。

人権行政の後退 懸念の声
 昨年9月27日、県は県議会総務政策常任委員会など5つの常任委員会 に本庁組織の再編案を報告資料として提出、説明しました。  内容は、県民局の廃止を柱に、国際文化観光局の新設、健康福祉局の  保健衛生局と福祉子ども局への分割などです。   その後、事態が伝わり消費者団体や女性団体などから意見書、陳情   が出されました。
  神奈川新聞は、「人権行政の後退を懸念」と報道しました。  黒岩知事は11月29日、「福祉子ども局を福祉子ども未来局に、安全防  災局をくらし安全防災局」にすると一部修正した「県局設置条例改正」   を提案しました。

トップダウン
今回の県庁組織再編の特徴は、第一に当該職場、関係団体や県民に知ら せることなくトップダウンで進められたことです。
 県民局は、「再編案を知らされたのは9月」と消費者団体に説明して います。
 消費者団体には11月14日の消費生活課との話し合いまで説明はありま せん。女性団体は「10月下旬に説明を人事課に申し入れてはじめて聞 いた」とのことです。平和団体には11月の県議会提案後も説明があり ません。
 ほとんどの県民が、新聞報道で組織再編のことを知ったのです。

人権、平和、共生の県民局
 第二の特徴は、人権や多様性を育む仕事を担ってきた県民 局の廃止です。
 「県民局はあれこれ多すぎる」と黒岩知事は議会で答弁し ていますが、本当にそうでしょうか。  県民局は、人権・男女共同参画、情報公開、ボランティア、 文化、国際交流、消費生活、教育・子育てなど県民の暮らし と権利に関わる分野を担当し、人権や多文化共生意識を育む 仕事を全国の自治体の先駆けとして推進してきました。  この間、県内では中学生の殺害事件、子育て放棄事件、ヘ イトスピーチ問題、生活保護規制など人権侵害の深刻な事案 が相次いでいます。いま必要なことは、県民局の機能を強化 し、複雑・多様化する県民生活の課題に総合的に取り組むこ とではないでしょうか。

県の役割が変わる
 第三の特徴は「ラグビーワールドカップ、オリンピック・ パラリンピック開催という絶好のチャンスを生かす」(知事声 明)観光客の呼び込みで「経済のエンジンを回す」体制づく りです。
 その一方で危機管理部局の中に消費課を入れることは「消 費者庁の設立や『消費者市民社会の実現』を謳(うた)う『消 費者教育推進法』制定の流れに逆行する」(陳情)と消費者団体 は批判しています。
 また、平和団体は「核兵器禁止条約が国連で採択された今 こそ非核・平和の世論を起こすことが国際課に期待されてい ます」と陳情しています。
 県行政の役割を国の「観光立国」政策に沿って当面のイベ ントを中心とした観光事業強化の「魅力あるコンテンツの創 出や情報発信」等に特化することは市民の権利・共生重視の 県政の役割を変えることにつながります。
 地域住民の生活向上という自治体の本来の役割から検討が 必要です。国の「情報産業化推進」に沿ってICT(情報通信技 術)推進も「働き方改革」の名目で県庁全体での具体的推進 体制に位置付けられています。県議会でも、「再編案説明が9 月27日になり、本会議で広い視野からの議論ができなかった」 「県民から意見が出ている」との指摘がされています。
 2月の予算審議にはまだ時間があります。パブリックコメントや県内  地域ブロックごとの説明会をはじめ、関係団体や県民の間で十分な検  討と意見交換を行い、納得の得られる県庁組織づくりをすることが求  められています。
*この原稿は、No.1415と同じ「新かながわ」の同じ号から了解を得て配信しています。
 連絡先も同じです。

  第388回配信 2018年1月8日 No.1418

昨秋の基地から見えた米軍

神奈川県平和委員会基地対策委員会 蒲谷俊郎さん

空母3隻、張り子の大艦隊 北朝鮮とダマし合い
 一触即発の舌合戦を続ける米国と北朝鮮、トランプが出した切り札 が、北朝鮮に最大限の軍事的圧力をかけることを目的とした日 本海への原子力空母3隻の結集です。
 大統領の言動は米戦略軍司令官が「大統領の核攻撃命令、 違法なら従わない」と発言するように、核戦争の開始にも つながりかねない危険性を含んでいます。
 11月11日~14日に実施された空母3隻による演習はTVなど でも大きく報道されました。
 空母の甲板に満載された戦闘機、よくみると所々にカラフル な垂直尾翼が見られます。これは各部隊の隊長機であろうこ とを表示するための塗装です。戦争中はこの塗装も目立たな いものに塗り替えられることから、現状では開戦を意図して いないことがわかりますが、即戦力は常に維持されています。 3隻の空母の内、ミニッツは中東からの帰路、ルーズベル トは交代で中東へ向かう途中、これにレーガンを加えた3 隻が大統領のアジア歴訪に合わせて結集し北朝鮮に圧力を かけるのが目的です。

実情は沈没寸前の第7艦隊
 レーガンは9月8日に横須賀を出港、独自の訓練をした後、 28日まで自衛艦と合同演習を実施しました。
 通常は空母を護衛する随伴艦は2~3隻。ところが相次ぐ 事故で横須賀からの随伴艦はイージス艦1隻だけ。急遽ハワ イから1隻が緊急配備されました。
 加えて、横須賀からの随伴艦のイージス巡洋艦シャイロー も故障のため19日には横須賀に戻っています。
 合同演習後の29日から、レーガンの香港入港の前日の10 月1日まで自衛艦「さざなみ」が随伴艦を務めました。発表 は随伴訓練ですが、真相は「集団的自衛権の発動」以外の何 物でもありません。香港出港後は自衛艦「しまかぜ」が随伴 艦を務めています。

墜落事故が相次ぐ軍用機  事故が多発しているのはイージス艦に限ったことではあり ません。オスプレイをはじめ、ヘリコプターから戦闘機まで、 航空機も墜落や故障が多発しています。イージス艦やオスプ レイ、ステルス機と機能の近代化にともなう構造の複雑さに、 操縦者や整備員などが対応しきれていない実態も報告されて います。
 米軍専門誌「ディフェンスニュース」は、予算不足により 部品の供給が不足し修理できないことから、海軍のF/A-18 系統機の3分の2は飛行できないと報じ、米海軍副作戦部長 が米国議会で証言しました。私たちはRR艦載機にも、この傾 向があることを突き止め、東京新聞が取り上げました。
 在日米海軍司令官が猛反発しましたが、10月現在も、3分 の1しか飛行できないことが議会で明らかにされました。  近年は、オスプレイが厚木基地に飛来するたびに故障が発生 しています。
 本来、厚木基地に配備されている艦隊・即応センターで修 理が可能であるはずですが、故障が発生するたび普天間基地 から整備員と部品が運ばれています。10月に沖縄・高江で墜 落したヘリコプターは、東北・北海道での演習に参加する往 路、厚木に立ち寄りましたが異常が検出され、出発が1時間 遅れました。帰路に立ち寄った横田でも僚機より1日遅れて 出発しました。不適切な対応が墜落につながっています。  22日にはRR艦載機のC-2輸送機が墜落、連日4~6機の オスプレイが空母⇔厚木の輸送を25日~12月3日まで代行し ています。25日の飛来は3機だけ、長期の稼働に墜落の危険性 も考えられます。
*この原稿は、神奈川県平和委員会の機関紙「平和新聞」神奈川県版106号(2017年12月15日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒231-0064
     横浜市中区野毛町2-6 大沢屋ビル4-A
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第388回配信 2017年1月8日 No.1419

問題意識を持って遠隔診療を使う

「神奈川県保険医新聞」コラム「杏林往来」から

 医師法20条に明記されているように、医師と患者との診察 形態は対面診療が基本であることは言うまでもない。しかし、 厚生労働省が平成27年、29年度の2度にわたり直接の対面診 療に代替し得るもので、患者の心身の状況に関する有用な情 報が得られる場合には、遠隔診療を容認する旨を通達したこ とから多数の企業が参画し、遠隔診療に対するプラットホー ムが形成された。また、次期診療報酬改定を間近に控え、一 部の医師や企業から遠隔診療待望論が沸き上がっている。
 遠隔診療が普及することにより、その利便性を享受できる のはどのような患者か。離島やへき地に住まう患者に対して 遠隔診療は是であるとたびたび引き合いにだされるが、都市 部においても例えばさまざまな理由で通院困難、あるいは治 療を中断せざるを得ない患者に対し遠隔診療を上手に活用す ることは意義があると思う。また、独居高齢者の孤独死を防 ぐためにも、遠隔診療が助けになるのではないか。いずれに せよ対面診療を補完する形で使用することが求められる。
 適材適所、遠隔診療を上手に活用することで、われわれの 診療の幅や可能性が今以上に広がるという見方もできると思 う。同時にこのような技術革新には必ず負の部分が存在し、 社会問題として顕在化することがある。今後も問題意識を持 ち続け、物事の是非を主張していく必要がある。
*この原稿は、神奈川県保険医協会の機関紙「神奈川県保険医新聞」第2043号(2017年12月25日付)から、編集部の了解を得て配信しています。
 連絡先 〒221-0835
       横浜市神奈川区鶴屋町2-23-2
      TSプラザビルディング2階
      TEL.045(313)2111
      FAX.045(313)2113


参考資料
職場新聞の10大方針
 1970年までに、神奈川の数百人の職場新聞編集者が交流を重ね、練り げた方針です。
 時代が変わり、条件や環境の違いもありますが、現在の機関紙活動を考え るための参考にしてください。( )内は、原文に付け加えています。

1.切実で共通した当たり前の要求で、職場新聞をはじめよう。
2.ニュースの書き手、ニュースの提供者、配布者などの協力者を積極的に増やし、職場全員で新聞をつくろう。
3.生活のすべてで職場新聞をつくりあげよう。
4.仲間の中へ積極的にとびこみ生の声を聞こう。
5.編集方針を決め、定期的に総括し、活動に生かそう。
6.職場新聞をすべての人に開放し、民主的な職場づくりに役立てよう。
7.事実を早く伝え、日刊(編集・発行)体制をつくろう。
8.(編集者は)たえず学んで広い展望をもとう。
9.となりの職場、同じ産業の仲間に職場新聞をひろげよう。
10.地域・産業別に職場新聞交流会を定期化しよう。

単組機関紙10大方針
*この方針は1970年に機関紙協会神奈川県本部の理事会が確認した方針です。
1.方針にもとづいて企画をねり、ひろく取材して、なかまに喜ばれる内容をつくる。
2.活動家をたくさん養成して、集団(編集)体制をつくりあげる。
3.定期発行を守り、確実に配布する。 4.読者はだれかを忘れずに、なかまの声をいつものせ、職場の反響をつかむ。
5.なかまの気持ちにピッタリする技術をみがく。
6.宣伝はいろいろな方法で、ひんぱんに、大量におこない、職場新聞を育成する。
7.たくさんの事実にもとづき、真実を伝える。
8.編集者は、労働者のものの見方、考え方を身につける。
9.(他の)機関紙と活動経験を交流しあう。
10.地域や家庭のことものせて、暮らしのありのままを伝える。